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「益税」という藁人形

 消費税増税のたびに、商業マスコミなどは「益税」というキャンペーンを行います。
 増税に苦しむ庶民の皆さんを尻目に、消費税増税で不当な利益を挙げている業者がいる、という宣伝です。
 しかしながら、消費税が導入されて30年経ちますが、「益税」で財をなした業者がいたなど、聞いた事がありません。
 あれだけ宣伝されているのに不思議な事もあるものです。一体なぜでしょうか。
 その答えは簡単です。現実に「益税」などは存在し得ないからなのです。

 まず、マスコミの言う「益税」とはなにか、から書いていきます。
 たとえば、毎日新聞の社説には「消費者が払った税の一部が事業者の手元に残る『益税』」と書かれています。
 その、「益税」で得をするとされているのはどんな事業者でしょうか。それは、「非課税業者」と呼ばれる年商1000万円以下の事業者です。彼らは消費税を支払う義務がありません。
 そういった非課税業者が経営する店では、消費者が消費税を払ったのに、税務署に行かず、事業者の利益になっている、と主張しているわけです。
 「非課税業者の店で108円という値札の商品を購入した場合、8円は税金である。しかしながら、非課税業者はその8円を自分の利益にしてしまう。一方で、課税業者は8円を税務署に収める。だから不公平だ」と言いたいようです。
 しかし、この言説は最初から最後まで一つ残らず間違いだらけなのです。

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自分を貫く生き方

 翁長雄志沖縄県知事が逝去されました。
 翁長さんは、もともと自民党の沖縄県幹部として、議員や市長を務めていました。
 しかし、辺野古基地建設をはじめとする、沖縄で暮らす人の苦しみを無視する自民党政治についていけず、基地反対を表明しました。
 そして圧倒的大差で県知事となり、辺野古反対をはじめ、自民党の悪政と闘い続けていました。
 しかし、膵臓がんにより、志半ばで亡くなってしまいました。

 もし翁長さんが、沖縄の方々の苦しみに背を向け、自民党幹部の道を続けてきたらどうなったでしょうか。
 多くの財産と地位を得て、心労もなく、安寧とした政治家人生を過ごし、長生きできたかもしれません。
 しかしながら、その道を捨て、強大な権力と闘い続ける道を選んだわけです。

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「高度プロフェッショナル制度」で労働環境が絶対によくならない理由

 国会審議を通じて、「高度プロフェッショナル制度」なるものが、働くひとを長時間こき使う制度である事は明白になりました。
しかしながら、相変わらず政府・財界・一部マスコミは、「高プロ」導入の結果「柔軟な働き方ができるようになる」「成果に応じた働き方ができるようになる」という主張を繰り返しています。
 結論から言いますが、これは百パーセント嘘です。それは、労働基準法をの冒頭を読むだけでわかります。
労働基準法の第一章第一条は以下の様になっています。

第一章 総則
(労働条件の原則)
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
○2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

 要するに、働くひとにとって、労基法の規定より有利な条件を決めても、労働基準法違反になることは絶対にないのです。
 よく宣伝されている「忙しいときは長時間労働し、暇な時は半日勤務」はもちろん、「営業職で年間の売上高が百万円を越せば成果給として五十万円のボーナスを出す」も、「年間の休日を200日にする」も、「使用者の命令を受けず、好きな日に働き、好きな日に休む」なども、今の労基法を一言一句変えなくても実現可能なのです。
 したがいまして、「高プロ肯定派」が言う、「高プロが実現すれば、労働時間に関わらず成果によって給与が払われる」も「高プロが実現すれば、好きな時に集中して働き、その分、好きな時に好きなだけ休める」もすべて事実ではないのです。

 では、高度プロフェッショナル制度はどんな働き方をもたらすのでしょうか。
 それは、高プロ導入のために変えられる労基法の文案を見ればすぐにわかります。
 厚労省のサイトに、改正案が掲載されています。リンク先PDFの11頁から13頁にかけて掲載されている、「第四十一条の二」にあたります。

 改正案の全文を読んでみました。しかしながら、そのどこにも「好きな時に働ける」とも「成果で報酬が支払われる」とも書かれていません。
 また、よく出てくる「年収1,075万円以上が対象」の記載もありません。「基準年間平均給与額の三倍相当と厚労省令で定める額以上」と書かれているだけです。
 なお、参議院の質疑で、日本共産党の吉良よし子議員が明らかにしましたが、毎月20万程度で、残り800万をプールして最後にまとめて支払うという方式にしても、問題ないと厚労省の担当者は答弁しています。
これを見ても、政府・財界、さらにはマスコミに出てくる「高プロ賛成者」が主張する「働くひとのメリット」が全て事実でないことは明白です。
※なお、この条文に対する詳しい解説は、佐々木亮弁護士のブログに書かれています。(前編後編真の後編)

 結局、高度プロフェッショナル制度の正体は、 これまで労基法で規制していた「労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定」を適用しない、という事だけなのです。
 分かりやすく言い換えれば、「一日休み無しで何時間働かせてもいいし、それに見合った残業代と深夜手当を払わなくてもいいよ」です。
 経営者は大幅な経費削減ができます。しかし、働くひとはこき使われるだけです。
 政府・財界・マスコミが宣伝している「成果で評価」「好きな時に働き好きな時に休む」などという「働く人の利点」は、一切存在しません。
 日本はただでさえ「ブラック企業」が大手を振って働くひとをこき使い、その結果として過労死が多発している国です。
 そこに、このような「ブラック労働」を合法化する高度プロフェッショナル制度が実現してしまっては、よりひどい「ブラック労働国家」になってしまいます。
 これだけ見ても、自公政権と維新が会期延長までして通そうとしている、働かせ方改悪(自称・働き方改革)が、働く人にとって百害あって一利なしであり、かつ働く人の命と暮らしを奪うものであることは明白です。絶対に実現させてはなりません。
 もし、強行採決で参議院を通って立法化されても諦めるわけにはいきません。その場合は、政権そのものを変え、新しい政府で、この改悪を元に戻すようにするのみです。