カテゴリー別アーカイブ: 政治

「民営化」するとサービス向上?

 今から30数年前、政財界とマスコミは、「民営化万能論」を宣伝していました。
 よく使われたのは「経済は一流、政治は三流」という宣伝文句でした。
 世界2位の経済大国になったのだから「経済(=私企業)は一流」だというわけです。
 一方、当時、徹底的に報道されたロッキード事件などの不祥事から「政治(=官公庁)は三流」と定義しました。
 そして、「民間企業は優秀で官公庁はダメなのだから、国有企業などを民営化すれば改善される」「公務員は利潤追求する必要がないからサービスが悪い。民営化することによりサービスは向上する」という宣伝がなされました。
 そこで作られた「世論」を後押しにして、国鉄・電電公社・専売公社などの「民営化」が進められたわけです。そして、それぞれ、JR・NTT・JTといった「民営企業」になったわけです。
 この論法はいまだに各所で使われています。最近だと、大阪での「市営交通民営化論」が有名です。他にも、各自治体で、「公的機関に民間企業を導入」が進められています。
 しかし、本当に「民営化」はサービス向上を招くのでしょうか。

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「シルバー民主主義」と「世代間格差」

 マスコミがよく宣伝するものに「シルバー民主主義」というものがあります。
 これは、「若者の投票率が低いため、政治家は投票率の高い高齢者を優遇する政治を行う。その結果、『世代間格差』が発生した。だから、若者は選挙に行くべきだ」というものです。
 最後に書かれた「若者は選挙に行くべきだ」自体は間違っていません。そのため、この主張を好意的にとらえる人は少なくありません。
 しかしながら、この言説全体は、本当に正しいのでしょうか。

 まず、結果として起きていると言われる「世代間格差」なるものが事実かどうかを見てみます。
 これらの言説で「高齢者を優遇する政治」という言葉はよく使われますが、具体的な内容の指摘はありません。
 では実際に、高齢者に対してどのような政治が行われているのでしょうか。
 高齢者の収入源である年金は削減される一方です。その結果、生活に困る老人が増えています。にも関わらず、今後もさらなる年金引き下げが計画されています。
 さらに、医療・介護なども改悪される一方です。いずれも、さまざまな形でのサービスが切り捨てられており、長生きしづらい世の中になっています。
 その結果もあり、「老々介護」という言葉が一般化し、さらにその疲れによる高齢者の「夫婦間殺人」が毎月のように報じられています。さらに、高齢者が孤独死するというニュースも増えました。
 これが現実であり、「シルバー民主主義」論者が主張するような「高齢者を優遇する政治」など、どこにも行われていません。
 確かに若者が今の政治で冷遇されているのは間違いありません。しかしながら、それは「高齢者を優遇して若者を冷遇」ではありません。「若者も高齢者も冷遇する政治」なのです。

 つまり、「投票する世代を優遇する政治」など実際には行われていないのです。これは、「本当に優遇されている人・組織」を見ても分かります。
 たとえば、現在沖縄では、米軍の基地や訓練所の建設が大問題となっています。
 自公政権は一貫して「アメリカ軍の味方」として、反対する地元住民を冷遇・弾圧しています。また、基地周辺の人々は、支持政党と関係なく騒音に困っています。
 「投票した人のための政治を行う」ならば、日本の選挙権を持たない米軍・米兵でなく、沖縄の住民のために政治を行うはずです。しかし、現実にはそれと正反対の事が起きています。
 経済政策においても同様です、安倍首相が就任以来ずっと言い続けている言葉に「日本を、世界一企業が活躍しやすい国にする」があります。
 そして、その言葉通り、法人税引き下げを始めとする、企業優遇策を行い、日本企業の収益増加と外国企業の呼びこみを進めています。
 確かに日本の大企業は、資金面では自民党に多大な貢献をしています。しかし、企業には選挙権はありません。また、大企業が自民党の票田になるわけでもありません。
 さらに、政府が優遇して呼びこもうとしている海外企業は、米軍同様、日本の選挙権とは無縁の団体です。
 その企業を優遇したり呼び込んだりするために、「残業代ゼロ制度」や派遣法の改悪など、日本の有権者を苦しめて「世界で一番企業が活躍しい国」を作ろうとしているのが自公政権が現在行っている事です。

 以上の事からも、政治家が自分に投票した人・世代を優遇する政治を行う、などという事が、事実でない事は明白です。
 さらに言えば、バブル崩壊以降の「失われた20年」の間、特に若い世代を苦しめる政策が行われてきました。しかし、その20数年で、若い世代の得票数が一番多かったのは自民党でした。
 その現状を見れば、仮に、20代の全員が自民党に投票したところで、自民党が20代を苦しめている奨学金や「ブラック企業」問題を解決する、という可能性はゼロであると言わざるをえないでしょう。
 なお、高利の奨学金にしろ、「ブラック企業」にしろ、そうやって若い世代を冷遇する事によって、高齢者世代が得をする事など何もありません。このところからも、「シルバー民主主義」なるものが存在しない事が分かるかと思います。
 同時に、「シルバー民主主義」「世代間格差」などという言葉で若者を煽る勢力の目的が、「若い世代が冷遇されている真の原因に気づかせないため」である、という事も浮き彫りになってくるのではないでしょうか。

 

液状化現象に見る、革新知事と保守知事の違い

 東京都知事選が行われています。
 今回は、鳥越俊太郎候補が、野党四党の推す「統一候補」となっています。
 保守都政が続く東京ですが、かつては美濃部亮吉さんによる革新都政が行われていた時期がありました。今回、鳥越さんが都知事になれば、それ以来の「革新都政」と言えるかもしれません。
 美濃部さんが都知事だったのは、自分が小学生の時まででした。そこで、直接的な記憶はありません。
 その美濃部さんの存在感を思わぬところで知ったのは、今から五年前の事でした。

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