月別アーカイブ: 2007年6月

「成長」と「逆行」

 自民党の参院選用TV広告のうたい文句は「成長か、逆行か」だそうです。「成長」というのは、「小泉改革」以来続いている「経済成長」の事かと思われます。
 20世紀半ばまでは、「経済成長=国民生活の向上」でした。しかし、現在の経済成長は違います。確かに大企業の数値は成長し続けていますが、それは労働者の取り分を企業が奪っただけの事です。正社員には長時間労働と賃金抑制を行い、さらに低賃金非正規雇用者を増やしています。そこで浮いた賃金が儲けの一部となって、「成長」を支えているわけです。さらに、「法人税減税・消費税増税」のように、さらに一般国民の金を大企業に移転することによって成し遂げられる「成長」政策が準備されています。
 そのような、小泉・安倍型(もしくは奥田・御手洗型)の「成長」をより一層進めるためにはどのような事が行われるでしょう。一つのヒントとなるのが、「参院選が近いから」という理由で先送りされた「ホワイトカラー・エグゼンプション」でしょう。つまり、自民党は堂々と、「これからも正社員・非正規雇用者ともより低賃金でこき使い、大企業の利益を上げる」と宣言しているわけです。

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「世界中の笑いもの」になった人

 本日付で、「ブッシュのプードル」のあだ名を持つイギリスのブレア首相が退任しました。普通、外国の首脳につけられたあだ名が日本で広まる事はあまりありません。しかしながら、先々代のサッチャー氏に続き、このブレア氏のあだ名も日本ではかなり有名になりました。ただ、先々代が「鉄の女」と、その政策の是非はともかく「強さ」が伝わるものであるのに対し、彼についたものは「情けなさ」ばかりが伝わるものでした。
 仮にも一国の首相が愛玩犬呼ばわりされたわけです。しかも「主人」はこれまた国内外の多くの人から尊敬を集めていないアメリカ大統領です。歴史ある大国の首相で、ここまで情けないあだ名をつけられた人もそうはいないでしょう。そして、「プードル」としてアメリカの下について行ったイラク侵略戦争は泥沼化したまま現在も続いています。それも失点となり、選挙での大敗もあって任期中に辞任したわけです。

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「社保庁職員叩き」の影にひそむ狙い

 年金問題において、「社会保険庁およびその職員叩き」た連日商業マスコミを賑わしています。先日も、週刊誌の中吊り広告や夕刊紙の一面で、露骨なまでの「社会保険庁職員叩き」を煽る見出しが載っていました。
 読売新聞なども勤務時間 細かい覚え書きなどと、いかに職員が仕事をしていないか、と宣伝する記事を書いています。過去には、毎月何十時間も残業させられて過労自殺した社会保険庁職員もいるのですが、もちろんそのような存在はこの記事では無視されます。それに呼応しているのか、自民党の幹部もTVで「社会保険庁の職員が怠けるからだ」などという発言をしていました。

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