月別アーカイブ: 2009年7月

117億円の文化施設とと3億3600万ドルの移転経費

 最近、週に一回くらい、「国立メディア芸術総合センター」を批判する報道を見ます。この施設を作る目的も、どのような物を作ろうかとしているのかもよく知りません。したがって、賛成でも反対でもないのですが、その批判を見ていると、非常に気になることがあります。
 これらの批判における最大の「標的」は、117億円もかけて、文化施設を作る、という「税金の浪費」にあります。
 もちろん、税金を無駄に使うのは良くない事です。ところが、同じく現在進行中である、3億3600万ドルの税金をかけて行なっている、「沖縄駐留米軍のグアム移転」については、そのような批判はほとんど出ません。費やされる税金の額は「芸術総合センター」の倍近くですから、本来なら、批判の数も倍あるべきです。
 しかし、批判どころか、「グアム移転に税金が3億3600万ドル使われる」という事が大きく問題視される事すらありません。

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「日本の軸」と「大衆」

 先週の日経新聞一面で、三日にわたって「日本の軸を問い直す」という連載をやっていました。
 世界経済危機の影響から回復しきれない現状を踏まえての、政策に対する提言という事になっています。しかし、その内容は毎度お馴染みの「構造改革」「規制緩和」「消費税増税と法人税減税」「社会保障の見直し」という、「新自由主義のより一層の推進」でした。ちなみに、「小泉改革」の問題点は「郵政以外の『改革』の推進が鈍かった事」だそうです。
 一方で、福祉の改善など、国民にとって益のある政策については、「大衆迎合」の一言で切り捨てています。

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選挙演説で堂々と嘘が言える世の中

 朝、駅から出て会社へ向かったら、民主党の選挙演説が聞こえてきました。内容は、石原都政による福祉削減と、新銀行東京の批判でした。
 ちょっと調べれば分かることですが、民主党は、そのどちらの政策にも都議会では賛成しています。少なくとも、歩きながら聞こえた限りでは、彼がそれらの政策に対し、党の方針に逆らって反対した、などという話はありませんでした。
 つまり、この候補者は自分や所属政党が賛成した政策について、自らの議会においての言動を隠して隠して批判しているわけです。
 もちろん、今回の都議選において、民主党がそのような演説や宣伝を繰り返していることは知ってはいました。しかし、実際に直接それを聞くと、不快感よりもむしろ、恐怖心を感じました。

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