今に始まった事ではありませんが、「公務員の給与を削減せよ」という主張をする人は、商業マスコミに好意的に取り上げられます。そして、私企業に勤務している人には、それに賛同する人が少なからず存在します。
これは、私企業で働く人の賃金や労働条件の低下に対する不満を、経営者に向けさせないための分断支配が成功している事の好例と言えます。
では、果たしてそのような扇動者の主張通り、公務員の給与が削減されると、私企業で働く人などに何かいい事はあるのでしょうか。
一番最初に想定されるのが、公務員給与削減により、国や自治体の財政が良くなって住民サービスが向上する、という考えです。実際、話題になっていた阿久根市の選挙で、前市長はそれを「実績」としていました。
しかしながら、実際に行われたものとして挙がっていたのは、「住民票の発行手数料が100円安くなった」とか「市役所に住民が閲覧可能のインターネット端末が設置された」といった程度のものだけでした。
同じく「公務員叩き発言」で商業マスコミに持てはやされている大阪府知事なども、公務員給与削減とともに住民サービスも削減しています。