月別アーカイブ: 2013年12月

2013年を振り返って

 当ブログは、開設当初から、日本の政治・経済・報道の問題点について書いてきました。
 いずれも年々悪化する一方でしたが、今年はその問題点が最悪な形で結実した年になってしまいました。
 参院選の際にマスコミは口を揃えて「ねじれ解消」と書き立てました。その結果、自民党が多数の議席を得ました。そして、これまたマスコミが煽った「決められる政治」を実行したわけです。
 そこで「決められた」事の代表は、その内容・採決される過程とも、民主政治と相容れない、特定秘密保護法でした。
 他にも、日本国憲法の三大理念である、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重を否定するような事ばかりが「決められ」ています。

 さらに、特に今年になって顕著になったのは、異常なまでの排外主義でした。
 しばらく前まで、一部のネットユーザーが語っていた、中国や韓国への「ヘイトスピーチ」が、右派週刊誌や夕刊紙の一面や広告に堂々と掲載されるようになりました。
 そして、大手全国紙の取締役や政治部幹部社員は、一度ならず、安倍首相たちと、高級ホテルや料亭で、「会食」を重ねています。
 その効果もあり、もはや一部の富裕層のみに「効果」があり、それ以外の九割以上の国民には、収入源と物価高の二重苦しかもたらさない事が明白になった「アベノミクス」を相も変わらず持て囃しています。

Continue reading

今年を表す漢字

 毎年、この時期になると、「今年を表す漢字」なるものが発表されます。
 何でも、今年は「輪」だったそうです。単に、東京での五輪開催が決まったから、という極めて安直な理由です。開催される七年後もやはり「輪」にするつもりでしょうか。
 まあ、一年を一つの感じで表せる、などという発想自体が思慮不足なのでしょう。この一年、色々な事がありました。趣味レベルでは楽しいこともありましたし、嬉しい出会いや再会もありました。

 しかしながら、全体を通して見ると、やはり政治・経済の悪化の顕著さを感じさせられた一年でした。
 公約違反を連発し、一部の層ばかりを優遇する経済政策を続ける政権および、それを持ち上げ続けた報道には、毎年のことながら呆れました。
 今働いている職場の近所でも、毎月かならずどこかの店が潰れます。そんななか、「アベノミクス効果で景気回復」などと宣伝しているマスコミを見ると、大本営発表の再来としか思えません。
 そしてとどめは、先日の特定秘密保護法の強行採決です。これも、自民党の公約にありませんでした。にも関わらず、民主政治のルールにのっとらない手法で強引に違憲の法律を造りました。
 それを後押ししたのは、「決められる政治」だの「ねじれ解消」だのと、現政権の危険性を加速させるような宣伝をし続けたマスコミでした。

 最初に書いたように、一年を漢字一文字で表す事自体が無意味です。ではありますが、もし「今年を表す漢字」なるものを制定するならば、やはり「嘘」になります。
 政治業者および彼らに美味しいものを奢られて追従記事を書く商業マスコミの「嘘」にさんざっぱら呆れさせられた年でありますので…。
 もっとも、これは昨年もそうでした。そして、この流れが続けば、来年もそうなるでしょう。
 もちろん、そんな年が続けば続くほど、この国は転がり落ちる一方でしょう。何とか、それを止めるきっかけを作らねば、と強く思いました。

民主政治を壊そうとする人々が権力を持つ国

 特定秘密保護法案が、衆議院に続いて参議院でも強行採決されました。
 この法案は異例なまでに短い時間で審議されまた。しかし、その短い間に、この法案の異常さは世間に広まり、極めて大規模な反対運動が繰り広げられました。
 学者・弁護士などの多くが反対声明を出し、積極的に行動しました。それだけ多くの専門家が、この法案の異常さを指摘したわけです。

 さらに、参院で強行採決される、という情報が流れたら、連日、国会の前に多くの人が集まりました。
 参院本会議で強行採決された12月6日には、1万5千人もの人が集まりました。日本国民の0.1%が集結したわけです。
 しかも、その後もさらに人が集まったと聞きます。
 もちろん、そのような抗議行動に参加しても経済的には一文の得にもなりません。交通費も自腹です。そんななか、寒い冬の中、それだけの人が集まりました。
 確かに、国会では、特定秘密保護法に賛成する議員が多数を占めていました。
 しかしながら、それだけ多くの国民が、わざわざ国会まで出向いて反対の意思を表明したのです。

 さらに、国会内部での論戦において、自民党・公明党は、まともな説明ができませんでした。
 「担当大臣」であるはずの森大臣の答弁は何度も言っている事が変わりました。この法案の最大の問題点である「憲法違反である可能性」をはじめ、様々な問題点の指摘に対し、筋の通る答弁を行うことができませんでした。
 問題点が解決されないならば、そのような法案を成立させてはいけない、というのは民主政治の基本です。
 にも関わらず、連日の強行採決を行ったわけです。
 特に、5日の委員会で与党が行ったのは「強行採決」とすら言えないものでした。速記録を見ても、自民党議員が騒ぎ出して何言ってるのか分からない、という事しか分かりません。
 このような形で「成立」した法律が、民主的手続きにのっとって作られたとは断じて言えないでしょう。

Continue reading