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規制緩和の「ドリル」が傷つけるもの

 最近はあまり言わなくなりましたが、一時期、安倍首相はよく「岩盤規制を破壊する」と言っていました。
 特によく報じられた言葉に、いかなる既得権益も、私のドリルの刃の前では無傷ではいられないというのがありました。どんな規制でも、自分は破壊する、と宣言したわけです。
 そして、マスコミはそれを好意的に報道しました。
 なにしろ、日本の商業マスコミにとって「規制緩和=善政」です。「規制緩和のおかげで良くなった事」ばかり報道し、その逆は一切報じません。
 そして、安倍首相に限らず、規制緩和を推進する政治家を好意的に書きます。
 さらに、あたかも「規制」というのは「既得権益を握っている官僚が利権を維持するために作ったもの」であり、緩和されればされるほど、一般庶民に益がもたらされるかのように印象づけます。
 しかし、規制緩和とはそんなに素晴らしいものなのでしょうか。

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