東京都知事選が行われています。
今回は、鳥越俊太郎候補が、野党四党の推す「統一候補」となっています。
保守都政が続く東京ですが、かつては美濃部亮吉さんによる革新都政が行われていた時期がありました。今回、鳥越さんが都知事になれば、それ以来の「革新都政」と言えるかもしれません。
美濃部さんが都知事だったのは、自分が小学生の時まででした。そこで、直接的な記憶はありません。
その美濃部さんの存在感を思わぬところで知ったのは、今から五年前の事でした。
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「自民党が取り戻す日本」と「共産党が取り戻す日本」
安倍首相が就任した頃のキャッチフレーズは「日本を取り戻す」でした。
つまり、現在の日本は、過去の日本が持っていたものを失っており、その過去の状態を取り戻す、と主張したわけです。
その就任の前年、自民党は改憲草案を公表しました。
現在の日本国憲法との大きな差異として、簡単にまとめると
- 宣言すると、内閣に立法権と同等の権利が付与され。国民は逆らえない「緊急事態宣言」に関する条項を新設
- 9条2項の「陸海空軍は保有しない・交戦権は認めない」が「国防軍を保持する」になる
- 現憲法の97条「日本国この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」を全て削除
となります。
要は、現憲法の三大原則である「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」の三つを変えようとしているわけです。
言い換えれば、現憲法より前に存在した大日本帝国憲法の時代への回帰を目指しているわけです。
ちなみに、軍隊はもちろんですが、超法規的な政治を可能にする「緊急事態条項」と同じものも大日本帝国憲法にありました。人権が制限されていた、というのも同様です。
ではなぜ、安倍首相は、そのような憲法があった時代の日本を取り戻そうとしているのでしょうか。
それについては、一応、合理的な理由があるのです。