選挙演説で堂々と嘘が言える世の中

 朝、駅から出て会社へ向かったら、民主党の選挙演説が聞こえてきました。内容は、石原都政による福祉削減と、新銀行東京の批判でした。
 ちょっと調べれば分かることですが、民主党は、そのどちらの政策にも都議会では賛成しています。少なくとも、歩きながら聞こえた限りでは、彼がそれらの政策に対し、党の方針に逆らって反対した、などという話はありませんでした。
 つまり、この候補者は自分や所属政党が賛成した政策について、自らの議会においての言動を隠して隠して批判しているわけです。
 もちろん、今回の都議選において、民主党がそのような演説や宣伝を繰り返していることは知ってはいました。しかし、実際に直接それを聞くと、不快感よりもむしろ、恐怖心を感じました。

 この候補者は、このような「選挙になったら事実を隠して石原都政批判」という「変わり身」を指摘されている事は知っているはずです。しかしながら、商業マスコミは、その事についてはほとんど報じません。代わりに今回の都議選を「自民対民主の与野党対決」「結果によっては政権交代の流れが加速」などと宣伝しています。
 そのような報道があるからこそ、彼らは朝っぱらから堂々と嘘を言えるわけです。
 ちょっと前に行なわれた千葉県知事選挙でも、自民党の現役支部長が「完全無所属」を売りに立候補した、という事がありました。その事は選挙期間中から判明していた事ですが、報道されたのは、なぜか彼が当選した後でした。というわけで、彼は期間中、堂々と嘘をつき続け、知事の椅子を手に入れました。
 こういう前例があるからこそ、この候補や政党も、商業マスコミの応援を元に堂々と嘘をついているのでしょう。つまり、政治業者と商業マスコミの結託により、そのような事がまかり通り、それが投票にも影響を及ぼしているわけです。
 民主政治において民意を政治に反映させるには、立候補した人間が政策を主張し、それを有権者が判断して投票する、というのが大前提です。その部分で嘘をつくことがまかり通っては、民主政治が機能しなくなってしまいます。
 駅から会社は近いので、演説はずっと聞こえていました。それを聞けば聞くほど、そのような事が頭をよぎり、「今後も、このような選挙がまかり通るのだろうか」という恐怖感が増大していきました。

選挙演説で堂々と嘘が言える世の中」への3件のフィードバック

  1. ごぶさたしております。
    いよいよ政権交代が現実味をおびてきていますが、その後を大変危惧しています。
    巷では「マスゴミ・マスゴミ」とにぎやかですが、そんな人たちが支持する政権交代も、その「マスゴミ」のお陰で実現しつつあることにはお気づきでないようです。
    以前からTB何度となくお送りしているのですが、残念ながらなかなか通らないようです。またタイミングを見て送ってみます。

  2. こちらこそご無沙汰しております。
    こちらのほうは、サボってばかりですが、PPFVさんの記事はいつも読ませていただいております。
    おっしゃる通りで、自民政治への不満票が民主党に流れて「政権交代」が実現する、
    という構造自体が、財界とその意を受けたマスコミによって意図的に作られた、
    という事が分かっていない人が多いようですね。
    あと、TBの件、失礼しました。
    設定に問題があるのかもしれません。
    調べてみます。

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