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2004年11月26日

不戦の誓い?

 日中首脳会談で靖国参拝問題を批判された小泉首相が、心ならずも戦場に行って亡くなった方に哀悼の誠をささげるためだ。不戦を誓うために参拝していると答えたそうです。
 彼は昨年、アメリカの侵略戦争に全面賛成しました。そして現在、自衛隊を派兵してイラク人を殺すために米軍の兵士や物資を輸送させています。そして近い未来での憲法9条の「改正」を目指しているわけです。このような人物が「不戦を誓うために」などと言っても、「首相が黒と言えば白いものも黒になる」などという思考回路の人でもなければ、納得はできないでしょう。

 ちなみに、現在派兵されている自衛隊員も、ある意味「心ならずも戦場へ行かされて」います。そのような現状で、上記のような主張をしているわけです。そう考えると、あの発言は彼らに対する「年に一回は哀悼の意は捧げてやるから、安心して死んでくれ」という意思の現れでもあるのでしょうね。

 なお、靖国神社についての詳細は、長文集「為政者が靖国神社に参拝する意味」に記載しています。よろしければご覧になってください。

2004年11月14日

何の「作戦」がどのように「成功」?

 ファルージャの虐殺は、アメリカ軍によると制圧作戦が完了したとのことです(「武装勢力」側の発表は異なるようですが)。そして現時点での死者は「武装勢力」だけで1,200人とのことでした。
 虐殺が始まる前、アメリカ軍は目的として「ザルカウィ容疑者の拘束」「『テロリスト』の一掃」「1月に予定されている選挙実施のため」などを挙げていました。しかし、虐殺前はファルージャにいると言われていたザルカウィ容疑者は気配すらつかめませんでした。武装勢力は各地で蜂起しているようです。また、この虐殺を原因とした選挙ボイコットの動きも出ているようです。
 この状況を見ると、確かにファルージャ制圧はできたものの、主要目的はほとんど達成できず、作戦は大失敗だったと考えるのが妥当なように思えます。しかし、アメリカ軍からもイラク暫定政府からも、そのような反省の談話と思しきものは見当たりません。むしろ、成功を喜ぶようなものばかりです。

 となると、いったいアメリカ軍の本当の目的は何だったのでしょうか。どうやら大々的に宣伝した「テロ撲滅」や「選挙実現」ではなかったようです。
 ニュースなどでも紹介しましたが、今回の虐殺で最初にアメリカ軍が行ったのは病院の攻撃でした。また、市街への道を封鎖して、赤新月社(日本で言うところの赤十字)などの救援物資も怪我人には届かなくしています。さらに、ファルージャの情報を紹介しているブログによると、クラスター爆弾をはじめ、残虐兵器を使いまくっているとの事です。
 一方、発表される情報も一方的かつ都合のいいものばかり。民間人をどのくらい殺したかなど、調べる気もあまりないようです。

 これらの情報をまとめてみると、アメリカ軍の目的は最初から「いかに効率よく住民を殺戮し、かつその事実を隠蔽できるか」だったのでは、と思えてきます。病院への攻撃や赤新月社に対する妨害なども、「生き残り」を可能な限り少なくして、虐殺の証言をさせないためなのではないでしょうか。
 ただ、現地や周辺の人などの発する情報がネットで流れ、それを翻訳してくれる人などもいます。そのおかげで、アメリカ軍の残虐行為についての情報を我々もリアルタイムに近い形で入手できる事ができています。
 商業マスコミなどを介さないこれらの情報がうまく活用され、今回の虐殺の全体像が暴かれる日がくる事を願っている次第です。

2004年11月10日

小泉首相の虐殺支持

 小泉首相がアメリカ軍のファルージャ虐殺第2弾に早速支持を表明しました。これに対して人命がかかるという認識もない。対米追従の姿がむき出しになったという声が野党などからあがっています。
 もちろん私も小泉首相が虐殺を支持した事は、一人の日本人として非常に恥ずかしく思います。そしてまたこの人物に対する負の評価も一層強まりました。
 しかし、本当に彼は、人命がかかるという認識もなく、何も考えずにブッシュ大統領の言う事に従っているのでしょうか。

 行政の中枢部にいる首相なわけです。4月のファルージャをはじめ、イラクでどのくらいの人々が惨殺されているかなど、我々一般市民以上に情報が入ってきていると考えるほうが自然です。
 にもかかわらず、この人物は即座に、ファルージャでの第2の虐殺への支持を明言しました。これはむしろ、老人・子供を含めた多くの一般市民が惨殺される事をきちんと認識した上で、「そんな命は知ったことか」という感覚で、支持を表明した、と考えたほうが分かりやすいように思えます。
 考えてみれば、自国民相手ですら「痛みを伴なう改革」とやらで自殺率を向上させ、その結果一部大企業が大儲けすれば「改革は着実に成果を挙げている」などと胸を張る人物です。遠く離れたイラクの一般市民が惨殺される事など、何でもないのでしょう。

 また、同様に自衛隊派兵延長も小泉首相は目指しています。派兵が延長されるのは、サマワで「復興支援活動」をしている陸上自衛隊だけではないでしょう。むしろ、アメリカ兵や物資を輸送している航空自衛隊や、アメリカ軍だけで247回の燃料補給をした海上自衛隊など、より綿密に今回の虐殺に協力している部隊の派兵延長のほうが主眼なのでしょうね。

暗殺者ごときにはイラクは支配させない?

 アメリカのラムズフェルド国防長官が、記者会見で「イラクの一部を暗殺者に支配させるわけにはいかない。この連中は人殺しだ。人の首を切り落とすようなやつらだ」と言ったそうです。
 なんでアメリカ人に「イラクの支配資格」を論じる権利があるか、という重大な疑問があるのですが、それはとりあえず置いておいてこの発言を分析してみます。どうやら、イラクを「支配させる事ができる」有資格者(?)は、「暗殺をしない」「人殺しをしない」「人の首を切り落としてはいけない」の三つを行わない集団のようです。
 言われて見れば確かに、この国防長官が指揮する軍隊は、「暗殺」などという小規模な事はせず、爆弾を振りまいて大量虐殺を行っています。「人の首」も同様です。爆弾の当たり具合によっては、首どころか何十人もの五体が吹っ飛ぶわけです。最後の「人殺し」に関しては理解不能です。しいて解釈すれば、彼らがイラク人の事を、かつての広島や長崎の市民同様、「人」として認識していない、という意味なのか、と思います。
 つまり、彼にとってイラクの支配に適しているのは、そのような殺害能力が比較的弱い「暗殺者」ではなく、大量殺戮のできる「虐殺者」だ、という事なのでしょうね。

2004年11月08日

今おきつつある虐殺

 ここ数日、テロリストの巣窟となったファルージャに対し、アメリカ軍が攻撃態勢を整えているという記事がよく見られます。
 前回でも書きましたが、攻撃する理由は同市に武装勢力約3000人がいると推計。多くのテロや外国人拉致の首謀者とされるヨルダン人、ザルカウィ容疑者も潜んでいるとみている。といった、「大量破壊兵器」と同様の不確定情報です。そんなもののために、連日ファルージャ市を空襲して多くの死者・負傷者を出し、それでも飽き足らず、総攻撃を仕掛けようとしているのです。ちなみに、攻撃の口実の一つとなっている「ザルカウィ容疑者」について、イラクではザルカウィはアメリカの犯罪行為を正当化する新たな口実です。この新しい人物は一年前に、でっち上げられました。と主張している人もいます。もちろん、アメリカも日本のほとんどの商業マスコミも、そのような主張は相手にしていません。

 さて、このファルージャですが、春先にもアメリカ軍の攻撃で数百人が殺され、その被害状況は墓地が足りなくてサッカー場を潰して墓場にしたほどでした。にもかかわらず、今回の「攻撃準備」に関する商業マスコミのどの報道を見ても、この大虐殺については書かれていません。
 これからの「総攻撃」を「対テロ」と正当化する際に、「半年前にアメリカ軍は同様の攻撃をしていた。にもかかわらず、いまだにファルージャはアメリカ軍の支配下に入っていない」という事実を国民が知るとまずい、という「配慮」なのでしょうか。

 この総攻撃についての国連総長の中止要請も一蹴されたようです。また、現在のファルージャは米兵は攻勢の前にファルージャから非難するよう市民に呼びかける一方で、街に通じるすべての道路を封鎖し、市内に出入りしようとする45歳以下の男は誰であれ拘束すると住民に通告しているというそうですから、「総攻撃」が実行されれば、春と同じように多くの民間人に対する虐殺が繰り広げられるのでしょう。そして、どのような残虐行為がくり広がられようと、アメリカ政府や日本の商業マスコミが、そこで繰り広げられたファルージャの一般市民の死をきちんと報じる事もまたなさそうです。

 なお、この攻撃のためにイラク暫定政府は令状なしでの逮捕や夜間外出禁止のほか、住民の 移動や集会などの制限が行えると規定した「国家安全法」に規定されている「非常事態宣言」をしたそうです。このあたりにも「イラク『民主化』の成果」がよく出ています。

2004年11月03日

屈しないテロと屈するテロ

 イラクで日本人が捕らわれ、「自衛隊を撤兵しなければ殺す」という犯行声明が出されました。対する小泉首相は即座に「自衛隊は撤兵しない」と宣言。その発言を受けて、日本人は殺されました。
 それに対して首相は自衛隊派遣が事件を招いたとの批判については「私はそうは思っていない。テロはイラク戦争前から、全世界で無差別に無辜(むこ)の市民を平気で殺害していた」と強調した。そうです。
 相も変わらず稚拙な「すりかえ発言」です。ここで問題になったのは、一般名詞としての「テロリスト」ではありません。具体的に日本人を襲撃して「自衛隊を撤兵しなければ殺す」と言った勢力の事です。そして仮に日本政府がフィリピンのように自衛隊を撤兵していれば捕らわれた日本人は解放された可能性は高かったでしょう。その事を問われているのに「過去にテロで殺された無辜な市民はいくらでもいた」などと言っているのですから、回答になっていません。
 このような発言を堂々とできる原因として、「とにかく『テロに屈しない』と言えばいい」という感覚があると思います。ところで、その小泉首相が敵視する「テロ」とは一体どんなものなのでしょうか。

 辞典サイトを引いたら「テロ」は「テロリズム」の略称とのことでした。その「テロリズム」は、一定の政治目的を実現するために暗殺・暴行などの手段を行使することを認める主義、およびそれに基づく暴力の行使。テロ。となっていました。
 これを元にすると、今回の日本人惨殺事件の犯人の行為はもちろん「テロリズム」ですが、イラクを中心とした中東でアメリカが行っている事も「テロリズム」の要件を満たしています。なにせ「石油産業や軍需産業などの収益増加、イスラエルの権益」などの政治目的を実現するために、「(イスラエル政府による)暗殺」「暴行」の行使を認め、かつ自らもイラク人相手にとんでもない虐殺を行っているわけですから。
 そのアメリカは、春先に数百人を虐殺したファルージャを連日攻撃し、さらにまた大規模殺戮を計画しているようです。この攻撃の口実も、「テロリスト」が「ファルージャに潜伏しているとみている」だの「選挙を妨害するためイラク市民を標的とした大規模な自爆テロ攻撃を計画しているとの見方もある」だのといった不確定情報です。
 つまり、一年半前の「大量破壊兵器」同様が「テロリスト」に変わっただけ。仮にファルージャに「テロリスト」が潜伏してしようとしまいと、アメリカ軍がイラクの一般市民を大量虐殺する事だけは変わりがありません。恐るべきまでの「暴行などの手段を行使することを認める主義・およびそれに基づく暴力の行使」ぶりです。

 ところが、小泉首相を初めとする自民党政府はそのような「テロ行為」は一切糾弾しません。それどころか、世界全体の中でも突出したアメリカ追従振りを見せています。そして、400億とも言われる巨額な税金を使って自衛隊を派兵し、米兵や軍需物質の輸送までしています。一方、アメリカ軍のヘリが日本の大学に墜落し、防護服を着た米兵がそれを処理するような事態が発生しても、抗議をするどころか「夏休み」を口実に何をしないだけ。後日には閣僚にヘリ操縦士の技量を誉めさせました。その姿勢は「屈した」を通り越して「完全服従」です。

 結局、小泉首相を初めとする自民党政府が「屈しない」のは「暴力・殺人によって物事を自分の思う通りにしよう」という思想である「テロリズム」ではありません。日本も積極的に関与しているイラク侵略に対して抵抗しているしている勢力に「屈しない」だけの事です。
 「その勢力との戦い=アメリカへのより一層の服従」のためには、日本人一人の命などどうでもいいのでしょう。即座の「自衛隊派兵継続宣言」並びに、日本人が殺された後の発言を読んで、そのような考えが小泉首相の「テロに屈しない」であるのだと、改めて痛感しました。