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2007年04月15日

「従軍慰安婦」問題と現在行われている買春問題

 相も変わらず、安倍首相をはじめとする自民党政府首脳ならびに、それを支持する右派系商業マスコミは、1930年代から45年にかけての「従軍慰安婦」を矮小化させようと、懸命に努力しています。しかし、しょせんは「当時の日本政府・日本軍はさほど間違った事はしていない。当然ながら、自らが計画して『従軍慰安所』などを作るわけがない」という、思いこみから発生した妄想しか論拠はありません。
 したがって、自分たち・仲間のマスコミ・支持者だけの間でしか通用しません。いうなれば、「『従軍慰安婦』日本軍無関与真理教徒」とでも言ったところでしょう。
 ただ、それにしても不可解な事があります。仮に彼らの主張のように、日本軍が侵略してきたら、その地域の被侵略者が自主的に地元の若い女性を集め、商行為としての「慰安所」を勝手に作り、それを日本兵は偶然近くにあったから利用していただけだ、というものが万が一事実だったと仮定します。そうなると、日本兵が被侵略地域の女性にした犯罪行為がどの程度軽減されるのでしょうか。

 たとえば、現在でも東南アジアの一部の国では、貧しい少女を集めての「買春窟」が存在するそうです。中にはそこには5歳の少女までいるとか。時代も設置者も違えど、彼女たちもかつての「従軍慰安婦」同様の「性奴隷」と言えるでしょう。ちなみに、その買春窟において、日本人「観光客」は上得意だそうです。
 さて、それらの「買春窟」を作るにおいて、日本政府や自衛隊は関係していません。地元で「自主的に」女性を捕らえて作られているものです。それこそ、安倍首相をはじめとする「日本軍無関与真理教徒」が主張している「従軍慰安所」と同じものです。
 だからと言って、そこで買春する日本人男性が何ら正当化されるものではありません。彼らの「商行為」のおかげで、地元ではそのような業者が儲かる一方、そこで収奪される女性が増えるわけです。そして同時に日本の印象まで悪くしているわけです。
 もちろん、首相や官房副長官らの発言自体に、何ら説得力はありません。それに加え、懸命に主張している事は、「東南アジア買春」と同レベルの事なのです。

 もちろん、彼らがこのような主張を繰り返すのは、「従軍慰安婦」問題はいくら事実を歪めて日本軍の行為を弁護しても、それでやっと「東南アジア買春」と同レベルになるほど恥ずべき事である、という事を改めて主張するためではありません。
 彼らの目的は、ちょっとでも被害者の証言に食いつけると思えば、言いがかりや妄想を動員して「反論」し、少しでもかつての天皇制政府による日本の侵略行為を正当化することにあります。
 以前も書きましたが、それを正当化することは、すなわち日本人だけで死者300万人とも言われるあの戦争による加害を正当化することです。それによって「創られる国」というものはどのような物なのでしょうか。少なくとも、かつて命を奪われた300万人が浮かばれるような国ではなさそうです。

2007年04月09日

スポーツ紙による選挙運動

 Googleニュースを見たら、都知事選挙の最終日の模様なる各スポーツ紙の記事がありました。なんか、黒川候補が「乱入」した「事件」を報じているようにも見えますが、内容は石原氏の主張をそのまま載せているだけ。例の「身内の重用や高額の税金での旅行や飲み歩き」も「説明が足りなかった。反省しています」と謙虚な姿勢をアピールして戦った。などと書いています。
 対立候補からは、この「釈明」は、行為の説明について「反省」しているだけで、行為そのものは肯定している、と批判されています。しかし、そのような事は記事には一切ありません。さらに、黒川候補の「乱入」にかこつけて、今は亡き人気俳優の家族の名前まで出して、石原氏を「応援」していました。

 もちろん、今回の都知事選挙では、石原氏の政治姿勢を正面から批判するのは共産党推薦候補だけ、しかもその候補の知名度は低く、客観的に見て厳しいものがありました。さらに、万が一、税金浪費の批判が予想以上に高かった場合の「保険」のような形で、民主党がほぼ同じ政治姿勢の候補を担ぎ出すという、念の入れぶり。自・公・民の保守政党が協力して「石原的都政」を維持したわけです。したがって、このようなスポーツ紙の「応援」が都知事選挙の結果に影響を及ぼしたわけではありません。
 だからと言って、このような事が起きている事は軽視できません。これがもし、本当に成否がギリギリという案件が投票にかけられた場合に、商業マスコミは同じ手段を使える、という事を意味するからです。
 具体的に言うと、自民党政府が成立させようとしている、憲法改悪のための「国民投票」があります。当然ながら、商業マスコミは、その「改憲」が目指すさらなる軍事力増大並びに国民の権利制限についてはまともに論じないでしょう。
 そして、仮に「接戦」になった時、「最終日の安倍首相」を報じるという形式で、自民党政府の言い分だけを載せた記事が投票日の朝のスポーツ紙に掲載されたらどのような効果を及ぼすのでしょうか。
 改めて、現在の商業マスコミの持つ70年前と何ら変わらない危険性と、建前だけの「不偏不党」を実感させられた、投票当日の「応援記事」でした。

2007年04月02日

「悪い方向」に進んだ理由

 内閣府が31日発表した「社会意識に関する世論調査」によると、現在の日本で「悪い方向に向かっている分野」(複数回答)を聞いたところ、「教育」と回答した人が昨年の前回調査より12.3ポイント増の36.1%で、初めてトップになった。という発表記事がありました。
 この発表を報じた記事を見ると、「教育が悪い方向に行っている理由」についての調査結果はないようです。ところがなぜか、その原因として「学力低下」「いじめ」さらには、一部マスコミが勝手に煽っただけの「必修科目未履修問題」などを、勝手に「理由」として分析しています。
 だいたい、「学力低下」や「いじめ」は今になって始まった事なのでしょうか。「分数の計算ができない中学生がいる」という記事を読んだのは、もう10年くらい前だったと記憶しています。「いじめ自殺」に至っては、特に大きく報じられた「葬式ごっこ自殺」などはもう20年以上前の話です。そこから何ら改善がなされず、現在に継続されているだけの話です。
 こう考えると、「昨年に比べて『教育』が悪い方向に進んでいる」という結果に対して、報道機関が勝手に分析した「理由」が、いかに見当外れなのかよくわかります。

 昨年と今年で調査結果の数字が大幅に変動したというなら、その理由はこの一年間で起きた大きな出来事が影響した、と考えるのが普通です(※内閣府の調査結果自体、はっきり言って信頼に値するとは思いませんが、ここではそれは別問題とし、一応、データが正しいという前提で話を進めます)。
 もちろん、この一年で起きた、教育関係の最大の出来事とは「教育基本法改悪」です、さらにそれと同じ流れにあるものとして、「教育再生会議」の提言などもあるのかもしれません。
 今回の教育基本法改悪は、「自民党政府による教育の支配」「自民党政府の意向にあった内容の教育」が目的です。さらに、その成立の際には、「タウンミーティングでの世論ねつ造」「それらの問題をうやむやにしたままの強行採決による成立」などがあります。そんな物騒な事が行われれば、確かに「悪い方向に向かっているもの」で教育が躍進するのは当然でしょう。

 にも関わらず、各社の記事では「教育基本法」という文字はどこにもありません。そして、自民党政府がさらなう教育改悪のダシにしようとしている、今に始まったわけでない問題ばかりを勝手に「原因」にしてしまっています。
 まあ、タウンミーティングでの世論ねつ造を行ったのは、今回の調査発表を行った内閣府でした。いわば、「悪い方向に向けた首謀者」であるわけです。そして、今の自民党政府と報道産業の関係からすれば、その意向に沿った「原因分析記事」が出るのも当然とは言えるでしょう。
 というわけで、このような「調査結果」が出たところで、自民党政府が教育に関する政策を見直す事はないでしょう。それどころか、むしろより一層、「悪い方向」へ進めようとするに違いありません。