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2008年10月26日

「社会保障国民会議」の価値

 政府の「社会保障国民会議」が、2025年の医療・介護費用が現在の倍以上になるという試算を発表したという記事を見ました。
 私には、その「試算」の妥当性を判別するほどの知識はありません。ただ、我々が将来受ける福祉および負担、という観点からすれば、この発表になんら価値のない事は断言できます。
 その発表によると、17年後の医療について、いくつかのパターンを提示しています。そして、「これだけのサービスを提供するなら消費税率をこれだけ上がる」みたいな結果になっています。
 つまるところ、20年ほど前の消費税導入から続けられてきた「今のままだと福祉は維持できない。だから消費税導入・増税だ」という自民党政府の宣伝の焼き直しでしかないわけです。

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2008年06月02日

経団連が提示する「選択肢」

 経団連がまた安定的な社会保障制度を確立するには消費税の引き上げ以外に選択肢はないなどと「提言」したそうです。
 消費税が創設されたのは1989年で、1995年には5%に税率が上がりました。しかしながら、その20年近くの間、日本の福祉が向上はしていません。それどころか、「介護保険」「障害者自立支援法」「後期高齢者医療制度」など、制度が変る度に、負担が増えるばかりです。

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2008年03月28日

「税金泥棒」叩きの二重基準

 東京の税金を1,000億円投入して作った「新銀行東京」の経営が悪化しました。この銀行創設を公約にして当選した石原都知事は、責任を他人に押しつけるようは発言を連発しています。そして、やっと出てきた謝罪の言葉は「都民に心配をかけたことをお詫びしたい」でした。
 そして「お詫び」と同時に、400億円もの税金をさらにつぎ込む事決まりました。
 石原都知事といえば、以前から、公費での海外旅行が何度も問題になっていました。つまり、「普段から公費で桁違いの遊興していた公務員が、1,400億円もの税金を無駄にしようとしている」わけです。これほどの「税金泥棒」はなかなか存在しないでしょう。

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2008年02月28日

自衛隊が守らないもの

 自衛隊のイージス艦が漁船に衝突するという事件が発生しました。もちろん、事故が発生したということ自体が最大の問題です。ただ、それとは別に、事故発生後の防衛省の動きにも、見過ごすことができない問題があります。
 防衛省による発表は、なるべく、自らの責任を回避したり、被害者側に責任を押しつけようとするものです。そして、時には虚偽も交えた発表をし、指摘を受けて撤回というのが繰り返されています。
 これらの事から、事故発生前・発生時はもちろん、今になっても、海上自衛隊の考えの根本が、「自分たちの組織>漁船ならびに乗員の安全」である、という事がよく分かります。

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2008年02月04日

騒音行為を応援する言論機関

 日教組が教研集会をグランドプリンスホテル新高輪で行おうとしたところ、「右翼団体の街宣車が押し寄せてくるから」という理由で、急遽、会場側からキャンセルが入り、全体集会ができない、という事件が発生しました。さらに裁判でも、会場使用の仮処分が出たにも関わらず、それを無視したとのこと。司法より右翼を優先したわけです。
 この類の「教員が集会を開くために会場を借りる」「一度は受け付けたものの、右翼の街宣活動の危険性を理由に会場側からキャンセル」というのは毎年のように発生しています。しかしながら、全体集会が開けなくなったのは初めてとのことです。

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2008年01月07日

特定候補の選挙カーと化すマスコミ

 私は大阪府民ではないので、府知事選挙の情報を積極的に集めてはいません。ところが、なぜか、橋下徹氏に関しては、出馬をする、しないから始まり、最新の状況まで、非常に細かい情報が入ってきます。情報源は、Yahoo!やGoogleニュースくらいなのですが、そこの見出しに毎日のように氏の名前が出てくるので、覚えたくなくても覚えてしまうわけです。
 私の場合は投票権はないですし、あってもマスコミの報道で投票を決めることはないから別にかまいません。しかし、これだけマスコミが名前を出せば、投票に影響を受ける人もいるのでしょう。なにせ、TVの人気番組が「この商品が体にいい」と報じれば、翌日にはその商品が売れるというお国柄です。
 ある意味、一連の報道は、マスコミが自主的に橋下氏の選挙カーの役割をしているのと同じなわけです。確かに、公職選挙法などを見ると、選挙報道に関して「虚偽の報道はできない」とはなっています。そう考えると、この「特定候補の動向のみを大きく報じる」事は合法ではあります。しかし、これは果たして、「報道」と言えるのでしょうか。
 候補者や政党によるWEB上の活動は制限が加えられ、このような「選挙カー化するマスコミ」は問題ない、というのも奇妙なものだ、と改めて思いました。

2007年11月11日

「大連立」と「二大政党」

 福田首相と小沢党首による「自民・民主大連立」についての会談が行われました。そして、一時は辞意を表明した小沢氏ですが、党内の引き留めもあり、翻意しました。今後も、党首にとどまる模様です。
 この一連の展開には何ら驚くことはありませんでした。もともと、自民党と民主党には本質的な違いなどはありません。だいたい、地方自治体では「大連立」がかなり前から、普通に行われています。それを、中央政界でも同じ形にしようとした、というだけの話でしかありません。
 仮に、民主党が自民党と対立する政党ならば、今回の小沢党首の行為は、許されるものではないでしょう。今回の件で慰留され、結果的に続投となった、という事は、民主党が自民党と中身が同じ、という本質をよく表しています。

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2007年09月10日

殺人協力に内閣の存廃をかける首相

 安倍首相が、テロ対策特別措置法に基づくインド洋での自衛隊の給油活動を継続するための法整備について「職を賭して取り組んでいかないといけない」と表明した。(中略)内閣総辞職の可能性を示唆した。そうです。
 「テロ対策」「給油活動」などという字面だけ見ると、なんかテロ活動を防ぐために協力しているように見えます。しかし、実態はただの米軍の兵站活動です。さらに、建前ではアフガニスタンの「テロ対策」にのみに給油しているはずが、実際に給油を受けた米軍機は、イラクやソマリアへ飛んでいって軍事活動をしているという疑惑も発生しています。

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2007年07月27日

「自民党に勝てばいい論」に欠落しているもの

 ここ数年、選挙のたびに出てくる主張として「自民党を倒す、という事が最優先課題である。したがって、自民党を支持しない人は民主党に投票すべきだ。他の野党候補が立候補するのは、むしろ自民党を利する行為である」というものがあります。この手の主張は根強く存在します。中には国境を越え、アメリカの大統領選挙で二大政党に与せずに出陣し続けるラルフ=ネーダー氏を痛烈に批判する日本人すらいるほどです。
 確かに自民党政府による政策にはろくなものがありません。国会では強行採決を連発して「国民投票法」成立や、教育基本法改悪などを行っています。一方、首相を初めとする閣僚の言動も呆れるものばかり。「公の場で特定の病人を差別する発言をしてはいけない」という社会人にとっての最低限の常識をわきまえない輩が、主要な地位の閣僚であり続けるほどの品質の低さです。
 この自民党の異常ぶりを見ていると、冒頭の宣伝に影響され、「ならば民主党に票を集めて、自民党をひきずりおろすべきだ」と思う人もいるかもしれません。
 しかしながら、この主張には、ほんの十数年前に実際に発生した事実を意図的に無視する、という重大な問題点があります。

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2007年07月17日

自民対民主?

 自民党が、各TV局に安倍首相の出演を要請したそうです。その中での条件がいろいろ細かくあるのですが、その中に、「野党党首との論争は、民主党の小沢党首に限る」というのがあったそうです。
 商業マスコミ言うところの「二大政党の流れが加速」している状況において、民主党は自民党の政権を脅かす存在のはずです。ところが、その政敵とはTVで論争できるが、より勢力の小さい他の政党の党首とは話せない、というのはどういう事なのでしょうか。

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2007年07月11日

侵略正当化ハラスメント

 身内の女性から、職場で嫌がらせを受けた話を聞きました。なんでも、同じ職場の男性が、IMなどでひたすら、「南京大虐殺否定論」だの「従軍慰安婦商行為論」だのの主張を送ってくるとのことです。別にその女性は職場で政治的な活動をやっているわけではありません。普通に働いているだけです。
 もちろん、どのような思想を持とうがその人の自由です。ナチスのユダヤ人虐殺を肯定しようと、サリン事件を肯定しようと、頭の中で考える分にはその人の権利です。とはいえ、それを違う思想を持っている人に、相手の気持ちを考えずに一方的に主張する、というのは正常とは思えません。

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2007年07月02日

「事実上の撤回」でより明らかになった本質

 久間防衛相が、大学で行った講演で、原爆投下について、「しょうがないなと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない」「日本が負けると分かっているのにあえて原爆を広島と長崎に落とし、終戦になった。幸い北海道が占領されずに済んだが、間違うと北海道がソ連に取られてしまった」などと発言したそうです。
 一日たって「事実上の発言撤回」なる事をしたそうです。ところがその発言は「原爆を落とすのを是認したように受け取られたのは残念だ。(当時の)ソ連の意図や米国が原爆を落とすことを見抜けなかった判断ミスを含めての話だ」と述べ、原爆投下を止められなかった当時の日本政府への批判が真意だと釈明した。というものです。

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2007年06月28日

「成長」と「逆行」

 自民党の参院選用TV広告のうたい文句は「成長か、逆行か」だそうです。「成長」というのは、「小泉改革」以来続いている「経済成長」の事かと思われます。
 20世紀半ばまでは、「経済成長=国民生活の向上」でした。しかし、現在の経済成長は違います。確かに大企業の数値は成長し続けていますが、それは労働者の取り分を企業が奪っただけの事です。正社員には長時間労働と賃金抑制を行い、さらに低賃金非正規雇用者を増やしています。そこで浮いた賃金が儲けの一部となって、「成長」を支えているわけです。さらに、「法人税減税・消費税増税」のように、さらに一般国民の金を大企業に移転することによって成し遂げられる「成長」政策が準備されています。
 そのような、小泉・安倍型(もしくは奥田・御手洗型)の「成長」をより一層進めるためにはどのような事が行われるでしょう。一つのヒントとなるのが、「参院選が近いから」という理由で先送りされた「ホワイトカラー・エグゼンプション」でしょう。つまり、自民党は堂々と、「これからも正社員・非正規雇用者ともより低賃金でこき使い、大企業の利益を上げる」と宣言しているわけです。

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2007年06月27日

「世界中の笑いもの」になった人

 本日付で、「ブッシュのプードル」のあだ名を持つイギリスのブレア首相が退任しました。普通、外国の首脳につけられたあだ名が日本で広まる事はあまりありません。しかしながら、先々代のサッチャー氏に続き、このブレア氏のあだ名も日本ではかなり有名になりました。ただ、先々代が「鉄の女」と、その政策の是非はともかく「強さ」が伝わるものであるのに対し、彼についたものは「情けなさ」ばかりが伝わるものでした。
 仮にも一国の首相が愛玩犬呼ばわりされたわけです。しかも「主人」はこれまた国内外の多くの人から尊敬を集めていないアメリカ大統領です。歴史ある大国の首相で、ここまで情けないあだ名をつけられた人もそうはいないでしょう。そして、「プードル」としてアメリカの下について行ったイラク侵略戦争は泥沼化したまま現在も続いています。それも失点となり、選挙での大敗もあって任期中に辞任したわけです。

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2007年06月22日

「社保庁職員叩き」の影にひそむ狙い

 年金問題において、「社会保険庁およびその職員叩き」た連日商業マスコミを賑わしています。先日も、週刊誌の中吊り広告や夕刊紙の一面で、露骨なまでの「社会保険庁職員叩き」を煽る見出しが載っていました。
 読売新聞なども勤務時間 細かい覚え書きなどと、いかに職員が仕事をしていないか、と宣伝する記事を書いています。過去には、毎月何十時間も残業させられて過労自殺した社会保険庁職員もいるのですが、もちろんそのような存在はこの記事では無視されます。それに呼応しているのか、自民党の幹部もTVで「社会保険庁の職員が怠けるからだ」などという発言をしていました。

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2007年06月15日

政治業者の「仕事」

 大手英会話教室・NOVAが解約時のトラブルなどで業務停止命令を受けました。それに絡んで、一つ興味深いニュースがありました。
 大阪市の消費者センターが、解約がらみの問題であっせんを行う関係で、NOVAに出頭通知を出したところ、しばらくして、自民党の中山泰秀衆院議員が、NOVAの社長をともなって市長と面談し、NOVAを擁護する発言をしたとのことです。しかも、社長は後援会の一員で、パーティー券購入などの支援を受けているという。(中略)市長訪問について、猿橋社長の依頼だったことを認め、「支援者が困っているときに助けてあげるのが政治家の仕事」と説明。との事です。

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2007年05月14日

投票者に情報を伝えまいとする「投票法」

 憲法「改正」を目指した「国民投票法案」が可決されました。地方公務員の運動制限など、いかに「国民に対して、改憲しようとする項目の情報の伝達を制限するか」が特徴の一つとして挙げられます。
 そのような事を行うには何らかの理由があるはずです。今回の法律は、主権者である国民が自ら投票権を行使して、憲法を変えるか否かを決めるためのものです。という事は、そのような情報管理を行わないと、投票者である国民に何か不利益がもたらされるとでも言うのでしょうか。

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2007年04月15日

「従軍慰安婦」問題と現在行われている買春問題

 相も変わらず、安倍首相をはじめとする自民党政府首脳ならびに、それを支持する右派系商業マスコミは、1930年代から45年にかけての「従軍慰安婦」を矮小化させようと、懸命に努力しています。しかし、しょせんは「当時の日本政府・日本軍はさほど間違った事はしていない。当然ながら、自らが計画して『従軍慰安所』などを作るわけがない」という、思いこみから発生した妄想しか論拠はありません。
 したがって、自分たち・仲間のマスコミ・支持者だけの間でしか通用しません。いうなれば、「『従軍慰安婦』日本軍無関与真理教徒」とでも言ったところでしょう。
 ただ、それにしても不可解な事があります。仮に彼らの主張のように、日本軍が侵略してきたら、その地域の被侵略者が自主的に地元の若い女性を集め、商行為としての「慰安所」を勝手に作り、それを日本兵は偶然近くにあったから利用していただけだ、というものが万が一事実だったと仮定します。そうなると、日本兵が被侵略地域の女性にした犯罪行為がどの程度軽減されるのでしょうか。

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2007年03月29日

自民党政治業者でも論破(?)できる相手

 安倍首相が、新聞記者の問いかけをに逆質問をして黙らせた、という記事を見かけました。さらに、それに対して、毎日新聞が分析記事(?)を書いていました。何でも、支持率急落の安倍首相が、内閣支持率の続落で、首相は「どうせ落ちるなら、やりたいことをやる」(首相周辺)という心境になっているとのことです。
 支持されなくなると、国民の意思など無視してやりたいことをやろうとする、という時点で、彼の頭の中に「民主政治」という概念がないことがよくわかります。そんな感覚で、企てている憲法改悪が、ほとんどの国民にとって、百害あって一利ない事があらためてよく分かります。もっとも、該当の分析記事にはそのような観点はどこにもありませんが・・・。

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2007年03月12日

二重の意味で不要なポスター

 都営地下鉄に乗ったら、駅に石原都知事の写真が大きく載ったポスターが貼ってありました。読んでみたところ、花粉症対策のためのポスターだそうです。
 災害の対策なら、公共機関が何らかの啓発をするポスターを貼る必要があるのかもしれません。しかし、そのポスターには花粉症に対する対策は何一つ書かれていません。ただ、都(都知事?)が「花粉症対策をやっている」と宣伝しているだけのようです。
 言うまでもなく、花粉症が発生するのは今の季節です。そんな時にこんなポスターを貼られても何の役にも立ちません。もし、これから花粉症対策をやる、という意図だとしたら、典型的な「泥縄」です。そう考えるとこのポスター、「知事の政策は見当違いだ」と宣伝しているとすら言えそうです。
 さらに、知事選挙の近いこの時期に、何の役にもたたず、ただ知事の写真だけが目立つようなポスターを掲載すれば、何か意図するところがあるのでは、と氏の支持者以外は疑うでしょう。実際、そういう事もあり、都内の自治体にもこのポスターの掲載を拒否したところもあると聞きます。
 そう考えると、このポスター、二重の意味で、都が税金を使って作成・掲載する必要がないものです。そのような物が存在し、かつそれについて、商業マスコミが取り上げている形跡もありません。そのあたり、今の東京都政の状況を象徴しているな、と電車に乗りながら思いました。

2007年03月07日

安倍首相にとっての「証拠」

 安倍首相の従軍慰安婦は狭義の意味での「強制」はなかったなる発言をしたそうです。何でも、「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった」。首相は5日の参院予算委員会で慰安婦の強制連行を事実上否定した。慰安婦狩りなどの証言も「でっち上げ」と切り捨てた。だそうです。
 被害者本人や当時の関係者の証言は「でっち上げ」なわけです。この調子なら、文書はもちろん、証拠写真だの映像だのがあっても、「ねつ造」扱いするのでしょう。つまり「狭義の意味での強制連行」に関する証拠は、頭から否定するわけです。この論法なら、確かに「狭義の意味での強制連行」の証拠は絶対存在しません。もちろん、これは安倍首相の頭の中でしか通用しない論法ですが。
 心理状態の水準としては、12年ほど前に都心で毒ガステロを起こした輩を「教祖」として絶対的に帰依している信者や、いまだにヒトラーを信奉している一部のドイツ人と大して変わりがないと言えるでしょう。

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2007年01月24日

残業代ゼロ法案と「選挙の争点」

 残業代ゼロ法案こと「ホワイトカラー・エグゼンプション」が見送りになりました。といっても、「実際に深く検討したところ、これでは対象となる労働者の生活と健康に悪影響をおよぼし、不幸にするから」ではありません。最大の理由は「反対が多く、7月の参院選に影響を及ぼす可能性があるから」です。
 つまり、この「残業代ゼロ法案」は実施すると国民に迷惑がかかるものであり、選挙での得票に悪影響を及ぼす、と自民党政府が認めたわけです。まあ、あれだけ大手企業が「サービス残業」という名の「ただ働き」を社員に強制している時代に、「働き方によっては、短時間労働ですむ」などと言っても、よほどの物好きでない限り信じないのは当然でしょう。
 それはいいのですが、これで「残業代ゼロ法案」は消滅したと考えていいのでしょうか。ここで注意すべき事は「撤回」の最大の理由です。参院選に影響があるから撤回した、というのは参院選が終わったら、再び実現に向けて動く可能性が高い、という事です。
 「選挙前には隠しておいて、選挙が終わった後に作られた、国民を損させる法律」は過去にもいくらでもあります。

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2007年01月05日

誰にとっての「美しい国」?

 安倍首相の年頭挨拶は、「美しい国」を実現するための「改革の継続」と「改憲」でした。この「美しい国」という言葉は抽象的すぎて分かりにくい所がありますが、このように具体的な手段を言ってくれると、非常に分かりやすくなります。
 小泉前首相から引き継いだ「痛みを伴う改革」は自民党政府の側から見れば順調に進んでいます。分かりやすく言えば、一般国民が受けた「痛み」が「大企業の利益」に変換され、その結果「史上最長の好景気」と「格差拡大・ワーキングプア」なわけです。
 自民党政府・財界は「好景気はやがて家計に波及する」などと言っていますが、その「家計」には、普通に暮らしている人は含まれません。この事は給与所得が減り続ける一方で、役員報酬が増え続けている事からも分かります。「好景気」が反映される「家計」は極めて限定的です。そして、その「好景気が家計に波及される人」と「改革の痛みを受ける人」が重なる事はありません。
 この流れは「ホワイトカラーエグゼンプション」という名前による給与所得者の「時給削減」並びに、「消費税増税とセットになった法人税減税」により、さらに進んでいくことでしょう。

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2006年12月09日

なんでもかんでも戦後教育のせい?

 数日前の日経新聞一面で、教育問題に関する連載が始まりました。「財界の広報紙」としては当然ながら、自民党政府の行おうとする教育基本法「改正」を全面的に支持するような内容となっています。
 そのため、さまざまな子供周囲の「乱れぶり」を報じ、その原因は「戦前の修身教育の反省から、戦後では道徳教育が軽視されたから」というように論じています。もちろん、「ではなぜ、戦前の『修身』は見直しを受ける事になったか」という理由については一切論じていません。

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2006年11月18日

国家公認の「国民に不利益をもたらす法案」

 教育基本法「改正案」が衆院で強行採決されました。これまでも、与党が強行採決して成立した法案は多々ありますが、いずれも一般国民にとって益はなくても害のある法案ばかりです。その経緯だけ見ても、今回の「改正案」が一般国民にとってどのようなものなのか分かるとしたものです。
 それだけでも十分と言えば十分ですが、今回の法案がいかに「一般国民にとって有害であるか」という事に関して、自民党政府はさらなる「お墨付き」を与えています。すなわち、タウンミーティングでの「質問ねつ造」です。
 この件は、内閣府と文科省が共謀して行ったとのことです。言うまでもなく、仮に一般国民にとって益のある法案だったら、わざわざ綿密な台本を作って、質問をねつ造させる必要はありません。頼まれなくても参加者がその法案に賛意を示してくれます。すなわち、自民党政府自らがこの「改正案」が一般国民にとって有害無益だと証明しているわけです。

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2006年11月04日

内閣府の「調査結果」とその報道

 昨日、内閣府が陸上自衛隊のイラク派兵を、七割が評価している、という「調査結果」を発表しました。何でも、9月下旬に全国3,000人を対象に行ったそうです。回答率は60.4%ほどで、「高く評価する」が25.6%で、「多少は評価する」が45.9%だったとの事です。
 そしてその「評価」の理由で一番多かったのは「イラクの復興に役立った」で、67.9%、ついで「戦闘に巻き込まれずに無事に任務を終えた」が45.3%だったそうです。
 この選択肢一覧を見る限り、質問書は「陸上自衛隊派兵はイラクの復興に役立った」という事を前提にしているようです。
 では果たして本当にイラクは「復興」しているのでしょうか。10月もアメリカの兵士がイラクで100人死んだそうです。「イラク新政府」の上に位置しているアメリカ軍の兵士ですらそれだけ死んでいるのですから、前線で戦っているイラク人の兵士は、親米側・反米側をあわせてどれだけ死んでいるのでしょうか。さらに、その戦闘に巻き込まれている一般市民はどのような生活をしているのでしょうか。
 さらに、イラクの現状を紹介しているブログなどを見ると、どう考えても「イラクが復興している」などという認識はできません。
 つまりこれは、存在しない「イラクの復興」および「復興に自衛隊が役立った」事を前提に、陸上自衛隊派兵の評価を「調査」しているのです。それこそ、「大本営発表」を前提にして「1930年代からの日本軍によるアジア侵略はアジアの人々に有益だったか?」という「調査」をやっているのと大差ありません。

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2006年09月30日

政治業者は「国民」をどう認識しているか

 この5年間で行われた「小泉改革」は、「国民に痛みを押しつけて格差社会を作ることにより、一部の層だけ大儲けする」というように日本の社会構造を「改革」したものでした。そして、安倍新首相もその路線をより露骨に進めようとしています。
 その結果、生じているのが、大企業の空前の利益と、それに反して下がり続ける勤労者の賃金です。請負などの非正規社員は超低賃金に泣かされ、ある程度安定している正社員も、労働時間は増える一方です。
 この傾向は今後も変わらず、さらに現在の財界が目指しているのが「残業のつかないホワイトカラーを増やす」なわけです。したがって時給換算にすれば、今後の働く人の賃金はさらに激減する一方になるわけです。
 その低賃金・長時間労働によって大企業の利益は増えました。それが「改革の成果」になっているわけです。

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2006年07月19日

北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃したい人々

 北朝鮮がミサイルを発射した事に対して、「そのミサイル基地を日本から先制攻撃すべし」という意見が自民党政府の高官や一部全国紙などから出ています。中には「金総書記に感謝」と冗談を言った閣僚もいたそうです。
 政治業者・情報産業とも、「ミサイル基地攻撃」という名前の戦争をやりたいという本音が抑え切れなくなっている、という感じです。それほど彼らにとって「戦争」というのは魅力的なものなのでしょう。
 確かに、自分たちの指示や報道によって自衛隊員や煽られた国民が動くわけです。そして自分たちは安全なところにいて、彼らが命を失うさまを見て、「この失われた命のおかげで今の我が国が成り立っている事を忘れてはならない」などと言えばいいわけです。
 ちょうど時を同じくして、「テロ対策」などと言ってイスラエルがレバノン人を虐殺しています。しかしその「効果」は「テロ組織」のミサイル弾などによる反撃でしかありません。そのため、イスラエルの一般市民も死んでいます。しかしながら、攻撃を命じるイスラエル政府の閣僚の所にはその弾は届きません。

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2006年06月03日

自分たちへの「愛」を強要する法案

 教育基本法改悪案を自民党が出し、民主党も本質的に変わらない「対案」を出しています。いずれにせよ、結局のところ、彼らの目指しているのは、現在、自分たちが構成している自民党政府の維持・発展に適した形で子供達を「教育」できる体制作りです。そして、その象徴と言えるのが、「我が国と郷土を愛する」すなわち「愛国心教育」なわけです。
 一連の「愛国心」に関連して、少なからぬ自民党政治業者が「教育勅語の再評価」みたいな事を言っています。最初の頃は、「戦前の愛国心とは違う」みたいな事も言っていましたが、最近はそれすら言わなくなりました。
 戦前教育の成果である「愛国心」で「愛」の対象となった「国」というのは、一般の日本人たちでも、日本の自然環境・生活環境などではありませんでした。「愛」の対象は絶対的存在である天皇であり、同時に、その天皇の下で権力を得ていた天皇制政府の面々でもありました。その結果、「天皇陛下のため」に戦地で殺し・殺されていった「愛国者」たちの屍の上で、政治業者たちは権力を守り、それと一体化していた旧財閥なども利益を挙げたわけです。
 そして、そのような時代を懐かしむ政治業者たちによって、「愛国心教育」が復活させられようとしているわけです。

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2006年05月23日

サラ金業者の立場での政治

 大手業者の悪質行為による業務停止命令などから、サラ金の「グレーゾーン金利」問題が大きく話題になっています。そして、出資法の上限を利息制限法の上限に引き下げる、という動きになってます。普通に考えれば当然の話で、一つの国の法律で、金利の上限が二つ規定されている、というのも変な話です。さらに、その結果、片方の法律に違反している金利で貸金業者が大儲けし、客やその家族はもちろん、自社の従業員にも過酷な事を行っているわけです。
 ところが、その出資法の上限金利引き下げに対して小泉首相が「(金利が)高くても借りる人はたくさんいる。もし法律で(引き下げを)決めると、必ずヤミ(金融)がはびこる。貸す方も悪いが借りる方も悪い。これは一面の真理だ」と述べたそうです。
 この論法は、出資法の上限金利引き下げに反対しているサラ金業界団体の主張と全く同じです。これだけでも、小泉首相の「立場」というものが非常によく分かります。

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2006年02月28日

国際競争力を上げるために消費税増税

 自民税調が、法人税の減価償却制度を全面的に見直す。(中略)税負担を軽減し、企業の国際競争力を高める。とのことです。その一方で、この税調会長氏は、この発表の1ヶ月前に消費税率「10%程度に」という見解を表明しています。
 今年度は、多くの大企業が史上最高の利益を挙げています。特に自動車関係は顕著で、トヨタをはじめ絶好調なのに対し、アメリカのGMなどは業績低下に苦しんでいます。つまり、「国際競争」で圧勝しているわけです。にもかかわらず、「財政危機」の中で歳入を減らしてでも、国際競争力を強化しなければならないようです。
 そして、その減税分は消費税をまかなうわけです。ちなみに、当ブログで何度か書いていますが、1989年から導入された消費税による増収分とその間の法人税の減収分はほぼ同じとのことです。今回の自民税調が発表・発言した事は、それが自民党政府の方針によるものであり、今後もそれを一層進めていくつもりであることを、改めて明示したと言えるでしょう。

 それにしても、「国際競争力強化」とやらのために、我々がなぜ、これまで以上に税金を納めなければならないのでしょうか。現在では企業の国際競争力がいくら上がろうと、多くの人々にとっては関係のない話です。実際、企業が業績を挙げ、「史上最長の経済成長か」などと喧伝される一方で、生活保護世帯や、高校の授業料滞納世帯などが着実に増え続けています。
 高度成長期の頃は、「企業の成長=国民生活の向上」だったのかもしれません。しかし、そのような時代はとうに終わっています。それどころか、企業が成長し続けるために、一般市民の生活から搾り取るのが今の時代です。この事は、低金利下でサラ金と提携してまで好業績を挙げた大銀行の事の例からもよく分かります。
 とにかく、今回の自民税調の発表は「企業の競争力を上げるために、一般市民が生活費を削れ」と主張しているわけです。それに対して、こちらがおとなしく生活費を差し出し、貧しさに耐えながら企業の「国際競争」を応援する必然性など、どこにもないと思うのですが・・・。

2006年02月05日

「改革」の成果としての「格差」

 先週あたりからの小泉首相が「格差」に関する発言について、長文集に、「改革」の成果としての「格差」という題で書きました。

2005年12月19日

小泉首相の「理解」力

 小泉首相は、就任してから毎年必ず靖国神社に参拝しています。そのたびに、内外問わず厳しい批判が起きます。その参拝が政教分離に反する事争った裁判では、高裁で違憲とする判決も出ました。かつての被侵略国でも、反発が相次ぎ、中国や韓国をはじめ、外交でも重大な問題となっています。その深刻さは、かつては関心を持たなかった、小泉首相の「宗主」であるアメリカまでが問題視するほどになっています。
 それほどの問題になっているにも関わらず、靖国参拝批判に対する小泉首相の発言は判で押したように同じで、「自分は平和を願って参拝している。批判する人は理解できない」というものです。批判する相手が日本の一市民だろうと、外国首脳だろうと変わりはありません。
 今更言うまでもない事ですが、靖国神社は「平和を祈るための神社」などではありません。天皇制政府のために戦って死んだ兵士・戦争遂行者などを「神」として祭る事により、「お国のために戦死するのは名誉な事だ」という事を、これから戦地に送られる人に教え込むための存在です。現代でも、神社の公式サイトを見ても分かるように、そこに流れている思想は「日本政府が行った戦争は基本的に正しい。そしてその戦争のために死ぬ事は崇高な事だ」というものです。

 つまり、靖国神社には世間一般でいうところの「平和」とは対極的な思想が流れています。したがって、その神社に「平和のため」といいながら参拝しつづける小泉首相にとっての「平和」という概念も、世間一般での「平和」と考えざるをえません。
 なにしろ、自分が送り込んだ自衛隊員が、米軍の兵站活動をを通じてイラク人の虐殺に協力している真っ最中に「不戦を誓う」などと発言するほどです。おそらくは、彼にとって、「平和」というのは、アメリカの軍事戦略がうまくいっている状況を言うのでしょう。戦火が交えられているとか、そこで人が死んでいる、などという事は関係ないのです。
 もしかしたら、「1945年に日本は平和になった」という歴史的事実についても、「日本人が戦争で死ぬ事がなくなったから平和になった」ではなく、「アメリカが完全勝利を達成したから平和になった」と認識しているのかもしれません。
 とにかく、「平和」の概念が違うわけです。したがって、「戦争によって一般市民が不当に死なないのが平和」と考えている人々が、首相の戦争奨励神社への参拝を批判して裁判を起こす事について、「理解」などできないのも仕方がないのでしょう。

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2005年12月05日

貧しいと清らか?

 右翼テロ団体の最高顧問を務め、「国のために死ねる人を育てるのが教育だ」という発言を筆頭に、戦前回帰思想を公言していた民主党の政治業者が、「非弁活動」なるものにからんで逮捕されました。これに関する記事で、二つほどの新聞が、ちょっと変わった論調を書いていました。
 一つは東京新聞で、今回のような暴力団まがいの方法による「政治資金調達」問題で逮捕された人に対し、「金にクリーン」なる言葉を二回も使っています。さらに、「質素な生活」「服装がヨレヨレ」だったなどとも書いています。また、WEBでは削除されましたが、産経新聞も「家は雨漏りがするほどだった」などと、これまた「貧しさ」を強調した記事を載せていました。

 昔から、マスコミが政治家の事を論じる時、「井戸塀政治家」なるものが理想であるかのような事を書きます。これは、、政治資金を捻出するために、あらゆる物を売り払って、井戸と塀しか残らいほど貧しくなった事を意味する言葉です。
 確かに、政治活動で多額の収益を挙げて「○○御殿」などと呼ばれる家を建てるより、こちらのほうが好感は持たれるでしょう。しかし、本来、「収支」というもの自体は政治家としての評価の対象にはならないはずです。たとえば、「井戸塀政治家」でも、その家まで売った金を使って、侵略戦争を推進して多くの人を殺せば、政治家としての業績はマイナスにしかなりません。ところが、多くの報道では、「お金がなかった」という所で評価が終了してしまいます。
 今回逮捕された議員は、特にその主張の右翼性が際立っていました。それに対し、日頃からこの議員と似通った主張をしている産経新聞と、「つくる会」の構成員の主張をほぼ丸ごと載せた事がある東京新聞が、あたかもこの議員が「清貧」であるとも取れる記事を載せたわけです。何か意図する所でもあるのでは、と思えてきてしまいます。
 少なくとも政治家においては「貧」と「清」には何ら関連性がないと考えたほうがいい、と今回の報道を見て、改めて思いを強くしました。

 なお、これは本筋から外れますが、逮捕された容疑者について、プラスの評価も含めたさまざまな立場からの声を掲載した、という点においては、上記の報道は評価に値すると思います。願わくば、このような報道手法を、このような政治業者だけではなく、刑事事件で逮捕・起訴された一般人(特に無罪を主張している人)にも適用してほしいものです。

2005年10月04日

政権公約の解釈方法

 選挙のしばらく前に、政府税調が「定率減税全廃、配偶者控除、扶養控除の廃止」などを盛り込んだ、「サラリーマン増税」と呼ばれるものを発表しました。それに対し、自民党は選挙公約で引き続き聖域なき歳出改革に果断に取り組みながら、国民の合意を得つつ、新しい時代にふさわしい税体系を構築する。その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。と公約しました。
 ところが、選挙が終わるとすぐに、その政府税調にあった「定率減税の撤廃」に向けて動き出しました。それに対し、「公約違反だ」と問われると、小泉首相はゆっくりとマニフェストを朗読した後、「サラリーマンだけを対象とした増税は行わない、ということだ」とかわしたそうです。
 もしかすると、「サラリーマンだけに増税するわけではなく、自営業者や公務員にも増税するから『サラリーマン増税』ではない」という論法なのでしょう。しかし、実際にサラリーマンは増税をされるわけです。
 だいたい、上に引用した政権公約を読んで、「これは、サラリーマンに対する増税はするが、他の職業の人にも増税するから『サラリーマン増税』という考え方はとらない」と解釈するのは、一般的には難しいのではないでしょうか。少なくとも、あの政権公約を見て、「自民党が選挙後にサラリーマンの税率を上げるつもりだ」と考えたのは、「自民党の政権公約など、しょせんは「このくらいの約束を守らなかったというのは大したことではない」という程度のものだ、と認識している私のような人を除けばいなかったのではないでしょうか。

 これでまだ、政権公約の全てを反故にしてくれるのなら、まだ救いがあります。しかし、「改憲して戦争を起こせるようにする」だの、「教育基本法を変え、戦前のような教育にする」など、国民にとって害になるものは、約束通りに履行する雰囲気なのですから、より一層困ります。

 なお、本記事の例に代表されるように、国民にとって不利益になるような政治を行いつづけている自民党がなぜ先の選挙で大勝したかの原因についての一考察「民」の最新手法を導入した選挙宣伝を、長文集に掲載しました。あわせてお読みいただけると幸いです。

2005年09月11日

政権選択?

 大手マスコミを筆頭に、色々な所で、今回の選挙を「政権選択」と定義づけしている論調を見かけます。確かに、「誰が政治を行うか」という事のみを考えれば、そうなるのかもしれません。しかし、「どのような政治を行うか」という事を考えると、果たして今回の選挙の意義は「政権選択」になるのでしょうか。
 「どのような政治を」という点から考えると、現在の与党である二つの政党と、最大野党は似通いすぎています。経済政策にしろ、「安全保障」にしろ、本質的な違いを感じるのは難しいでしょう。だいたい、「自民党の公認が取れなかったから民主党で出た」などという候補者すら存在するのですから、本質的な違いなど出しようがありません。

 10年ちょっと前に、「佐川マネー」などで自民党政治に対する批判が高まった時に、「非自民連立政権」が誕生しました。しかし、その結果としてもたらされたものは、「企業献金を維持しながら、税金からも政党に金がつぎ込まれる」という「政治資金改正」と、自民党のような利益誘導型の大政党に最も有利となる「小選挙区を軸とした選挙制度」でした。そしてその結果、議席数の多寡にかかわらず、「9条改憲」を始め、自民党の目指しているものが、着実かつ急速に進むようになっています。
 このような過去を見る限り、「政権選択」というのは見かけほど重要ではないように思えます
 「誰が政治を行うか」だけ考えれば、「勝った負けた」は自民党(+公明党)と民主党の議席数のどちらが多いか、だけを考えればいいのでしょう。しかし、「どのような政治が行われるか」を考えると、重要なのはむしろ「全議席数に対する、自民党的政治を行う議員の比率」になるのでは、と思っています。

2005年09月08日

「公務員削減」を競う理由

 自民党と民主党が、「公務員削減」を競い合っています。自民党の配布する小冊子を見たら、大阪市だの社会保険庁などといった、マスコミが執拗に取り上げる「公務員の非行」を例示し、「だからこそ、自分たちの公務員削減は絶対的に正しい」という感じで書いていました。民主党の「反論」も、「自分たちの考えた公務員の減らし方のほうが正しい」という程度のものです。つまり、「公務員削減」は「二大政党」の双方にとっての「錦の御旗」なわけです。
 しかし、公務員削減という行為が、我々の生活に何か役立つのでしょうか。たとえば、日本は諸外国に比べて人口あたりの公務員が多すぎる、というのなら分からなくもありません。しかし、事実はその正反対です。
 また、公務員が多すぎて、市民サービスが過剰にでもなっているのでしょうか。確かに、国も自治体も、相変わらず無意味な建造物を作ったりしています。しかし、それに従事するのは建設業の社員であり、公務員が自分で工事をするわけではありません。それによって利益を得るのは、建築業者および首長などのごく限られた公務員のみです。
 だいたい、現在の公務員の賃金総額が減ったところで、サラリーマンの収入が増えたり、税金が下がるなどといった事は絶対にありません。それどころか、そのような形で公務員の収入が減れば、その分、金が消費市場にまわらないのですから、むしろ売上が下がるわけです。もしそうなった場合に行われるのは賃下げ・労働強化・リストラなわけですから、むしろ、サラリーマンの生活は苦しくなる可能性すらあるわけです。

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