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2012年02月03日

大阪ペットボトル水に見る「正確かつ公正な報道」

 大阪市が水道水を「ほんまや」というブランドでペットボトルに詰めて販売していたそうです。それを、橋下市長が廃止をする、と発言しました。
 Googleニュースで検索すると、その発言を、朝毎読の大新聞および産経新聞・テレビ朝日・日刊スポーツがサイトに掲載しています
 そして、その際に橋下市長が言った「税金でそんな商売をやる必要は全くない。民業圧迫だ」・ほんまやのPRには平松邦夫前市長の「政治的な意図が強い事業だった」とも言及、と特に論評・検証をせずに、発言をそのまま掲載しています。
 新聞・テレビが報じることが正しいと思っている人がこれを読めば、「前市長が個人宣伝のために行なっていた、税金を無駄にする事業を英断で終了させた」と思い、現市長の「改革」を高く評価したことでしょう。

 しかし、それから数日後、橋下市長は記者会見で、「事実誤認があった」と釈明した。という報道がありました。
 それによると、「ほんまや」には税金は使われておらず、事業が始まったのも前市長が就任するより前だった、という事が判明した、とのことでした。
 ところが、これを書いている時点で、それをサイトに載せているのは日刊スポーツのみです。
 という事は、朝毎読など一般紙の読者や、テレビ朝日でそのニュースを見た人は、その「ほんまや」は前市長のPRのために税金を無駄にして行った、という誤った情報を現時点でも信じ続けている可能性が高いわけです。

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2012年01月26日

NHKニュースの経済感覚

 NHK NEWS WEBというサイトにどうなる・貿易立国・日本という記事が載っていました。サイトの説明を見ると、NHKのニュース番組で流されたものをWEBページにまとめたもののようです。
 読んでみたのですが、冒頭からいきなり度肝を抜かれました。なんと、日本が31年ぶりの貿易赤字となりました。 戦後、経済成長を続けてきた「貿易立国・日本」は、これからどうなるのか。という言葉で始まっているのです。
 確かに、戦後に日本が経済成長を続けていた時期はありました。しかし、そのようなものは20年以上前に終わっています。その後、バブル崩壊から「失われた20年」を経て現在に至っているわけです。

 さらに、追い打ちをかけるように、日本の貿易黒字は高度経済成長などと重なります。黒字が始まった1981年(昭和56年)輸出の主役は自動車や電機製品などの組み立て産業でした。などとなんか2010年まで高度経済成長が続いていたかのように報じています。
 一方で、その数行後には、バブル崩壊による国内景気の低迷、アジア通貨危機、ITバブルの崩壊、資源価格の高騰、中国など新興国の台頭、そして、リーマンショックによる世界的な景気悪化など何度も危機が襲いましたが、貿易黒字を続けてきました。と書かれています。
 ここで挙げたマイナス要因は、「高度経済成長など」とは似ても似つかないものです。つまり、ちょっと前で述べた「日本の貿易黒字は高度経済成長などと重なります。」と整合性がまったく取れていません。

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2012年01月12日

「経済は一流」という遺物

 1980年代の新聞でよく見かけた標語に「日本は経済は一流、政治は三流」というものがありました。「経済大国になった事から分かるように、日本はの経済は一流だが、不祥事を起こす事からも分かるように政治家は三流だ」という主張です。
 実際にGNP(当時)などで示される指標は好調でした。一方の政治のほうは汚職事件などがよく報じられていました。特に、その代表格で刑事事件で有罪判決が下された故・田中角栄氏が相変わらず政権政党である自民党を牛耳っている、というような状況でした。
 それゆえに、この標語は当時の多くの人に信じられていたようです。

 この思想が拡大され、「政治家・官僚の主張・施策には間違いもあるが、日本経済を一流にした財界の行動・主張は正しい」という事が常識であるかのように報じられました。
 そのため、最も収益力があったトヨタが採用したシステムは、完璧に正しいものであるかのように伝えられました。また、メザシが好物だった経団連会長は、庶民の救世主であるかのようにもてはやされました。
 そして、「政治や国営および公営事業は間違いだ。民間企業のやり方を導入すべきだ」「財界の主張に従えば間違いない」というような「世論」が形成されました。これらの根底には「政治は三流だが経済は一流」という理念があったと思われます。

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2011年12月31日

権力者の死と軍部暴発の因果関係

 半月ほど前に、北朝鮮の最高指導者であるキム=ジョンイル氏が亡くなりました。それ以降、新聞や週刊誌は「北朝鮮軍が軍事行動を起こす可能性」などという記事を何度も流しています。
 私の知る限り、歴史上、圧倒的な力を持つ権力者が病死し、直後にその国の軍隊が他国を攻めた、という事例は聞いたことがありません。普通に考えても、リーダーがいなくなれば、まずは国内体制を再構築しようとするのが普通です。
 もし、「軍部が暴発」する可能性があるとしたら、これまで過激な思想を持つ軍を、キム=ジョンイル氏が抑えており、死によってそのタガが外れた、というくらいしかありません。
 しかしながら、もしそうだとしたら、これまで散々「報道」されてきた、「ジョンイル氏は異常な独裁者であり、いつ日本に攻めてくるかわからない」という論調と矛盾してしまいます。
 つまり、この「軍部暴発報道」は、どう考えても破綻しているわけです。

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2011年11月26日

事実を無視した「選挙応援記事」

 半月ほど前に出た読売新聞の記事に、大阪市長選の「争点」として「市営地下鉄民営化」が取り上げられていました。
 そこでは、「公営だから無駄な例」を挙げていました。その槍玉になったのは乗り入れ先の私鉄はワンマン運転をしているが、大阪市営地下鉄では車掌が乗務している、という例でした。
 記事の冒頭では、車掌が乗務する理由として近鉄線は乗客の転落防止用センサーが各駅に設置されているため、電車は車掌なしのワンマン運転だ。一方、地下鉄はセンサーがなく、乗降客も多いため運転士、車掌の2人乗務となる。と書いています。
 つまり、同じ電車を使ってはいるが、ホームの設備が異なるうえに乗降客が多いから市営地下鉄ではワンマン運転ができないというわけです。設備もなく、客が多ければ車掌が乗務する、などというのは当然の事です。
 ところが、数行たつと、経営改善が進んだとはいえ、市営地下鉄の営業キロ当たりの人員約44人は、関西大手私鉄5社の平均の2倍以上だ。中央線の例にあるように、官特有の過剰な人員はまだ残る。などと、いきなり中央線の車掌さんは、公営の弊害ゆえに存在する「余剰人員」になってしまいました。
 ちなみに、近鉄にも車掌がいる路線など山ほどあります。一方、読売新聞の本社のすぐ下を走っている都営地下鉄三田線はワンマン化されています。つまり、鉄道のワンマン運転と公営・私営は何ら関係がありません。にも関わらず、車掌さんが「官特有の過剰な人員」と結論づけているのです。

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2011年10月18日

マスコミの「権力監視」

 昔から、マスコミの役割として「権力監視」というものが言われています。そして、当のマスコミも、自らそれを宣伝しています。
 確かに、一部の政治家・政党・官僚に対しては、日頃から批判記事を書いているように見えます。たとえば、「脱原発依存」を宣言した後の管首相(当時)に対しては、感情的な言葉までまじえて、激しい熱意で批判報道をしていました。同様に、原発事故の被害を受けた地域を「死の町」と言った閣僚も徹底的に叩かれました。
 そのように、一部の政治家については、そのような姿勢を見せることもあります。しかしながら、それ以外の「権力」に対しては、「監視」とは程遠い事しか書いていません。

 その象徴は、「財界総理」とも言われる経団連会長およびそれに準じる財界幹部の発言に関する報道です。彼等は厳然たる権力を持ち、それによって日本経済に影響を与えています。
 しかし、マスコミはその発言を無批判に報じるだけです。特に、財界と政界の意見が食い違うような事が生じると、政治家を批判しますが、財界幹部は批判しません。もし、本当にマスコミが「権力監視」をしていると思っている人がその日の新聞を読めば、「財界の言っているほうが正しい」と思ってしまうでしょう。
 もちろん、財界の主張が常に正しいのならば、マスコミが「監視」する必要はありません。しかし、財界の主張に沿って政策が進められた結果、日本の経済はどうなったのでしょうか。
 確かに財界を構成する大企業は利益と内部留保を増やしています。その一方で、働く人が得る給与は減っています。要は「1%が儲けるために99%が損をする」という結果になっているわけです。
 そのような現実がありながら、マスコミは相変わらず、財界幹部の発言を、神の言葉であるかのように、褒めたたえています。
 また、その財界に忠実な政策を行う地方地自治体の知事に対しても同様です。彼らが失政を重ねて税金を無駄にしても、それを批判することはありません。一方で、彼等が派手な発言をすれば、これまた無批判で報じます。

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2011年08月22日

大企業の「6重苦」

 最近、財界人が日本の「6重苦」なるものを主張し、それをマスコミが報じています。その六つとは「円高、法人税が高い、貿易自由化の遅れ、労働規制、温室効果ガス抑制策、電力不足」で、この状態が続けば、企業は海外に出て行く、と脅しています。
 つまり、これらの制度を財界の都合のいいように変更しろ、と主張し、マスコミもそれを後押ししているわけです。
 では、その「6重苦」の解消とは、具体的にどのような政策によって実現されるのでしょうか。

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2011年07月23日

「安全性が確保された」の意味

 電力会社・財界・政治業者たちが盛んに「原発の安全性」について宣伝しています。彼らによると、安全性は既に確保されており、それについては政府が責任を取れるそうです。
 同様に、商業マスコミも社説などで「原発の安全性を発信し、再稼動せよ」などと主張しています。
 しかし、現に福島では、いまだに原発事故が解決していません。それどころか、「いつまでにどうやって解決するか」すら明確になっていません。つまりは全くもって安全ではないのです。

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2011年07月11日

税と社会保障の一体改革における「現役世代」

 財界とマスコミが熱心に「税と社会保障の一体改革」の旗振りをしています。その口実として、「現役世代の負担軽減のため」という言葉をよく使います。
 実際に日本の社会保障に問題があるのは、福祉削減を推し進め続けた、当時の自民党政府と財界の政策が原因です。それについては触れずに、「老人の取り分が多いから」という分断支配の手法を用いて、「現役世代」の敵意を老人に向けさせるわけです。
 ところで、その「税と社会保障の一体改革」によって現役世代の負担はどのように軽減されるのでしょうか。

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2011年06月23日

軍事脅威国家との経済提携

 日米安全保障競技委員会の協議が行われ、改めて名護市辺野古に新基地を作るなど、在日米軍の新施設建設を盛り込んだ合意をしました。そのような軍拡を行う理由として、中国の脅威があると発表されました。
 そして、それを報じた日経新聞の一面に載った記事でも、「中国の脅威」を煽るような書き方をしています。さらに「トモダチ作戦」なども持ち出して、「合意を受け入れるのは当然」という結論にしていました。
 ところが、その記事の隣には、三菱商事が国有企業と提携して、中国全土で食料事業を行うという記事が載っていました。一面に載るくらいですから、かなり大規模な提携なのでしょう。

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2011年05月18日

報道されない風評被害

 この二ヶ月、「風評被害」という言葉を数多く見ました。辞書によると、この言葉の意味は「根拠のない噂のために受ける被害。」とのことです。
 ところが、実際に「風評被害」として報じられているものを見ると、「根拠のない噂」が原因でないにも関わらず、「風評被害」として報じられています。たとえば、福島原発周辺で収穫された農産物および畜産物・水産物が売れなくなった、という被害です。
 これはどう見ても「風評」によるものではありません。福島の原発から有害な放射性物質が撒き散らされ、それに汚染されたのが原因です。
 もちろん、「基準値」を満たした農産物が売れない問題もあります。しかしその、政府などの発表する「基準値」自体が信用できないのが現状です。したがって、「根拠のない噂」によって売れなくなったわけではありません。いずれの場合も、加害者は「風評」でなく「原発」です。
 したがって、この問題を「風評被害」とするのは誤りです。「原発事故による被害」が正しい表現となります。

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2011年04月21日

世論「調査」と消費税増税計画発表のタイミング

 先日、各マスコミが一斉に「世論調査結果」を発表しました。それぞれ「当社が行った世論調査によると」と発表しています。ところが、発表時期はもちろん、質問内容も全て同じような内容でした。
 その「結果」として報じられ、見出しとなったものの一つに、「過半数の人が震災復興の財源として増税を容認している」と「調査結果」がありました。それだけ見ると、国民の過半数が「震災が起きた以上、増税は仕方がない」と思っているかのように思えてきます。
 しかし、その質問内容を読んでみると、これは「復興財源として、増税・国債発行・増税と国債発行の双方」という三つの選択肢から一つを選ぶ、という形になっていました。
 日頃から、「国債により、日本の借金額は膨大になっている」という報道に慣らされている人が、この「三択」を提示されれば、確かに「増税」に○が一番多く集まる、というのは当然かと思います。

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2011年03月30日

原発推進報道と重なるもの

 東電の原発に関する問題は、発生後半月経っても悪化するばかりで収束する気配がありません。原子炉の冷却には多くの人・資源が投入されていますが、被曝者の数は増える一方です。
 半径20キロ圏は人が入れなくなり、さらにそれより離れた地域も、「屋内退避」が「自主避難勧告」になるなど、状況は悪化する一方です。それに加え、陸地に飛び散った放射性物質により、農業が多大な被害を受けています。また、現在はあまり報じられていませんが、海中にもかなりの放射性物質が流れているとの事で、これが環境や漁業にどのような影響を与えるかも心配です。

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2011年02月22日

中国の「デモ」と東京の「抗議行動」

 中東各国の影響があったのか、中国でもネットに反政府デモの呼びかけがありました。
 当初の報道では「当局が書き込みを全て削除・遮断した」と出ていました。しかしながら、全ての書き込みを消す事は不可能だったようで、20日には、実際に呼びかけがあった場所には人々が集まりました。そして、官憲が暴力的に、集まった人々を捕らえたとのことです。
 何千キロも離れた場所で発生した事ですが、Googleニュースを「デモ」で検索すると、日本の各全国紙はもちろん、TV局さらには一部ブロック紙まで報じています。
 しかも、「立ち話をしただけで捕まるなど、北京と上海で少なくとも5人が逮捕された」などと、かなり細かい事まで報じていました。

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2011年02月12日

結論ありきで創作される報道

 昨年末に行われた日航で整理解雇が行われました。経営破綻が現実となって以来、商業マスコミはその原因として「社員の給料が高い」「退職者の年金が高い」だのと、ひたすら、人件費の高さを「原因」として挙げてきました。
 その流れもあり、希望退職者が目標人数に達しており、四要件を満たしていないにも関わらず整理解雇をした、という異常な事態についても、当然の事であるように報じられています。
 しかしながら、この「日航は人件費で破綻した」というのは事実ではありません。実際に調べたところ、国際的にはもちろん、ライバル企業である全日空と比べても、日航における営業費用における人件費の比率は低いというデータがありました。ちなみに、2002年以降は、全日空のほうが常に高い比率となっているとのことです。

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2011年01月22日

公務員給与の「削減効果」

 今に始まった事ではありませんが、「公務員の給与を削減せよ」という主張をする人は、商業マスコミに好意的に取り上げられます。そして、私企業に勤務している人には、それに賛同する人が少なからず存在します。
 これは、私企業で働く人の賃金や労働条件の低下に対する不満を、経営者に向けさせないための分断支配が成功している事の好例と言えます。
 では、果たしてそのような扇動者の主張通り、公務員の給与が削減されると、私企業で働く人などに何かいい事はあるのでしょうか。
 一番最初に想定されるのが、公務員給与削減により、国や自治体の財政が良くなって住民サービスが向上する、という考えです。実際、話題になっていた阿久根市の選挙で、前市長はそれを「実績」としていました。
 しかしながら、実際に行われたものとして挙がっていたのは、「住民票の発行手数料が100円安くなった」とか「市役所に住民が閲覧可能のインターネット端末が設置された」といった程度のものだけでした。 
 同じく「公務員叩き発言」で商業マスコミに持てはやされている大阪府知事なども、公務員給与削減とともに住民サービスも削減しています。

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2010年12月05日

民主政治に適わない政治業者とそれを讃え続ける報道業者

 石原東京都知事が、表現規制に条例に関連して、反対意見を述べた漫画家などを「バカ」呼ばわりしました。自分の政策が全て正しく、反対者は「バカ」とするのは、民主政治を行う者として不適切であるとしか言いようがありません。
 氏はこれまでも、さまざまな層・文化・思想の対し暴言や差別発言を繰り返しています。
 ところが、これらの発言に対し、マスコミは「批判があった」とは報じますが、それがいかに事実でもなく、品位もない発言であるかについて論じることはありません。
 一方で、先日の尖閣問題のように、東アジアの国と問題が発生すると、商業マスコミは競って氏の談話を取り、持論である「感情的な東アジア蔑視論」を掲載します。
 そして、氏に定期的に寄稿させたり、「石原語録」なるコーナーを常設し、氏の発言を無批判に掲載している新聞が少なからず存在します。

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2010年11月02日

過重労働と「正社員過剰」

 メディスコーポレーションという介護付き老人ホームを経営している会社があるそうです。この会社に勤めていた40代の経理部長が最高で時間外労働月228時間もの過重労働を強いられた挙句、過労うつで自殺しました。
 それに対して、遺族が損害賠償を求めて裁判を起こし、一審で支払いを命じる判決が出ました。そこにおける会社側の主張は普段の行動からもうつ病を発症していたとは考えられず、自殺は予見できなかったというものでした。
 228時間も時間外労働をさせておいて、異常を感じることがなかった、と主張できる会社側の主張には呆れるよりありません。

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2010年10月03日

裸の「王道」

 先週の日経新聞一面に、企業の活性化を通じて雇用や賃金を確実に生み出し、家計の不安を和らげるという「王道」を歩む必要があるという一文がありました。
 現実として「一部大企業だけが業績と資産を増やし、働く人は貧しくなる」という状況が続いているわけです。にも関わらず、財界やマスコミは、このような非現実的な事を繰り返し宣伝し続けています。

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2010年09月20日

老人への敵視を煽る報道(現代における分断支配・その2)

 現役世代が将来受け取る年金が不足する、という見通しがよく報じられます。その「対策」としてマスコミがよく宣伝するものが二つあります。一つは消費税増税で、もう一つは「現在の老人世代は受け取りすぎている。彼らの取り分を減らせ」というものです。
 今回は、この後者の主張である「老人が受け取りすぎている」という主張について考えてみます。

 確かに、現在の状況を見ていると、現在の老人世代より、現役世代のほうが年金の受取額は少なくなりそうです。
 しかし、その理由は、年金をはじめとする社会保障を後退させてきた政策が原因です。受け取る側に罪はありません。
 それを、「老人がもらい過ぎだ」などと、あたかも彼らのせいで、現役世代が損をしているかのように煽るのはなぜでしょうか。

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2010年08月18日

企業収益と個人消費の関係

 日経新聞の三面に「4月から6月にかけての経済成長鈍化」に関する記事がありました。その中の一節に「輸出増→投資→雇用・所得→個人消費という好循環もうまく働かなかった」というくだりがありました。
 これまで散々、この新聞は「大企業が成長すれば、それが個人消費に行き渡る」と主張し続けていました。その「教義」を元に、民主党政権が発足当初に主張していた「成長より分配」を否定しているわけです。
 ところが結果として「一部大企業は好調なのに、個人には行き渡らない」という従来の主張と全く異なる結果が出たわけです。しかしながら、この記事は他人事のように「うまく働かなかった」などと書くばかりで、その原因にはふれていません。

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2010年06月26日

空論による法人税減税宣伝

 経団連とマスコミが、様々な理由で「法人税減税キャンペーン」を行っています。「理由」として挙げるものに「他国に比べると高い」「したがって、このままでは、高すぎる法人税から逃れるために企業が国外に逃げてしまう」「減税により企業が成長し、国全体の経済が上向きになる」「法人税率が下がることにより、海外からの投資が増える」などというのがあります。
 このうち、「他国に比べて高い」ですが、ごく一部の「高い部分」を過大に強調し、実際に支払っている税率や、国際的に低い社会保障の企業負担率の低さをあえて無視して作成された空論です。

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2010年06月19日

「景気回復」で潤った「個人消費」

 数日前の日経新聞に、上場企業の配当が増加した、という記事がありました。これによって個人消費が増加して、内需に波及するとのことです。
 確かに大株主ともなれば、配当による収入は巨額です。そして、その金の一部は消費に回るわけですから、確かに「個人消費の増加」とは言えます。
 もっとも、そのような事で「個人消費を増やせる」人など、極めて限られています。基本的には株を持っている人です。ただし、一般投資家の多くは、サブプライム破綻などで既に大損しているわけですから、「個人消費」にまわせる余裕などないでしょう。また、当然の事ですが、ただでさえ賃金を減らされている、たいていの給与所得者には、配当で儲ける以前の問題として、株などを持つ余裕などありません。

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2010年06月09日

「パイ」が大きくなった結果

 一時期、「経済のパイ全体を大きくすべきだ」という主張を商業マスコミや経営者が声高に主張していました。要は、企業の収益が向上すれば、経済自体が大きくなり、それによって、一般国民も豊かになる、という論調です。
 その「経済のパイ」はその後どうなったのでしょうか。それについて、しばらく前の日経新聞に興味深い記事が載っていました。
 それによると、3月末の現預金と短期保有の有価証券を合計した手元資金は63兆円と、決算が連結主体になった00年3月期以降で過去最高を記録。日本の10年度予算の一般歳出(53兆円)を上回ったとのことでした。要は、上場企業全体で、使おうと思えばすぐに使える金が、国家予算に匹敵するほど貯まっている、というわけです。

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2010年05月23日

軍隊が「守る」もの

 タイの内乱状態が一段落したそうです。戦いの一方の当事者は、前首相を支持し、現政府に反旗を翻しているUDDという団体です。それに対する政府側の当事者ですが、報道を見るとほとんどが「治安部隊」となっていました。
 この「治安部隊」の写真を見ると、明らかに軍隊です。また、所々で、彼らの事を「軍」と表現したり、「治安部隊」の活動方針についてタイ軍の幹部が発言しています。
 それらの情報をまとめれば、UDDと戦っていたのは「タイ軍の治安維持を担当する部隊」と考えるのが普通でしょう。

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2010年04月27日

マスコミが「常識」と主張するものの検証

 政治・経済における重要な問題において、しばしば大手マスコミは「○○であるのは当然」という語調で、それが世間一般での常識であるかのような主張をします。
 その最たるものに「我が国の安全は日米同盟によって守られている」などという、安保条約およびそれによる日本の米兵駐留は絶対的なものという主張が挙げられます。
 しかしながら、マスコミが「当然の事」として書くことは、本当に疑う余地もない真理なのでしょうか。

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2010年02月27日

「成長か分配」か、という選択肢

 政権交代に伴なう政策転換に対し、財界やマスコミが「民主党がやろうとしている、『成長より分配』は誤りだ」と批判しています。実際に民主党政権が「成長より分配」という政策を実行するかは甚だ疑問ではあります。とはいえ、この「成長か分配か」という選択肢および、それに対して執拗に批判をする勢力およびその内容については、色々と興味深いところがあるので、考察してみます。
 財界やマスコミによる、「分配より成長」という主張の論点に、「分配しても効果がない」というものがあります。これは、低所得者の分配を増やしても、それは貯蓄に回る。したがって、経済効果はない、というものです。実際、昨年行われた定額給付金の多くは貯蓄に回ったそうです。したがって、現時点においては「分配したら貯蓄にまわる」という推定自体は正しいと思われます。

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2010年01月13日

派遣切りで報道される事とされない事

 年末年始の「派遣村」を引き継ぐような形で、そこにいる人達は、大田区の「なぎさ寮」という都施設に、引き続き「宿泊」する形になりました。その際、これまで求職者に日ごとに支給していた昼食代と交通費を二週間分ということで、二万円支給したところ、全体の一割近い人達が無断外泊し、さらに三割近くが外出届を出して夕食の時間にも戻りませんでした。
 この事を、各新聞が一斉に報道しています。もちろん、その論調は、「彼らが二万円を持ち逃げした」とでも言うような批判ばかりでした。
 しかも、届け出して外出した人も含た数字を元に派遣村人2万円もらった途端204人消えたなどと、いかにも多くの人が「持ち逃げ」したかのような見出しを掲示しています。

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2009年12月18日

「脅威」の煽りかた

 15日の日経新聞一面に、「日米同盟宣伝記事」が載っていました。毎度ながら、米軍基地が日本にとっていかに重要かを力説しており、アメリカ軍がいなくなった場合の「脅威」として、フィリピンの例を挙げていました。
 フィリピンは、1991年に米軍基地撤去を決め、実際に1994年には完了しました。すると、「軍事力の空白を突いたのが中国だ。帰属が不明確な南沙、西沙などの島々に次々と部隊を送って実効支配した」そうです。
 しかし、これは完全なる誇大記事です。確かに、中国が軍事力で南沙・西沙諸島(英語でいうところの、スプラトリー諸島とバラセル諸島)を侵略しているのは事実です。しかし西沙諸島を侵略したのは1974年です。さらに言えば、西沙諸島の領有権を主張しているのはベトナム・台湾・中国であり、フィリピンは関係ありません。

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2009年12月16日

誰のための「日米同盟」

 沖縄の米軍基地問題が連日報じられています。その中で見られる論調に「日米同盟は国の基軸である」というものがあります。これは、「日米同盟」は我が国で最も重要な存在である。したがって、地元住民の反対などよりも、アメリカの意思通りに基地移設を進めるべきだ、というものです。
 ところが、なぜそこまで「日米同盟」なるものが重要なのか、となると、説得力がありません。結局、最後に落ち着くところは「中国と北朝鮮の軍事的脅威に対抗する」になります。冷戦時代から使い古されている「仮想敵がいつ攻めてくるか分からない。その時、守ってくれるのはアメリカしかいない」という論法です。
 ちなみに、日米安保条約締結時から1990年代までの最大の仮想敵はソ連でした。それが崩壊したら、北朝鮮が後釜を引き継いだ、という次式になっています。

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2009年10月30日

「パイ」が大きくなれば皆が潤う?

 財界や日経新聞がよく使う論法に経済のパイを大きくするのが一番重要だというのがあります。
 経済を食べ物のパイになぞらえて、「パイが大きくなれば、一人当たりの分け前も増え、末端の国民も豊かになる。だからとにかく経済成長が必要で、企業活動の規制などはもっての他だ」という論法です。
 これを前提とすることにより、「製造業派遣を禁止すれば、むしろ雇用情勢は悪化する。なぜならば禁止によって企業の利益が減少し、『パイ』は大きくならずに景気もよくならない。その結果、雇用情勢は悪化する」などという主張が堂々となされています。

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2009年08月24日

「政権選択選挙」と「郵政選挙」

 先月、衆議院の解散が決まった時から、各マスコミは「政権選択選挙」とあおり立てています。そして、民主党の「政権交代によって官僚政治を打破する」というスローガンが報じられています。
 一方、前回の総選挙は「郵政選挙」でした。そして、当時の自民党のサイトには「官から民へ」を実現するためには、この選挙に勝たなければなりません。もし敗れれば改革はストップし、「官主導」「役人天国」が続くことになりかねません。郵政民営化はあらゆる改革につながります。などと書かれていました。
 こうやって比較してみると、言っている事はさほど変わりません。

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2009年07月15日

「日本の軸」と「大衆」

 先週の日経新聞一面で、三日にわたって「日本の軸を問い直す」という連載をやっていました。
 世界経済危機の影響から回復しきれない現状を踏まえての、政策に対する提言という事になっています。しかし、その内容は毎度お馴染みの「構造改革」「規制緩和」「消費税増税と法人税減税」「社会保障の見直し」という、「新自由主義のより一層の推進」でした。ちなみに、「小泉改革」の問題点は「郵政以外の『改革』の推進が鈍かった事」だそうです。
 一方で、福祉の改善など、国民にとって益のある政策については、「大衆迎合」の一言で切り捨てています。

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2009年07月09日

選挙演説で堂々と嘘が言える世の中

 朝、駅から出て会社へ向かったら、民主党の選挙演説が聞こえてきました。内容は、石原都政による福祉削減と、新銀行東京の批判でした。
 ちょっと調べれば分かることですが、民主党は、そのどちらの政策にも都議会では賛成しています。少なくとも、歩きながら聞こえた限りでは、彼がそれらの政策に対し、党の方針に逆らって反対した、などという話はありませんでした。
 つまり、この候補者は自分や所属政党が賛成した政策について、自らの議会においての言動を隠して隠して批判しているわけです。
 もちろん、今回の都議選において、民主党がそのような演説や宣伝を繰り返していることは知ってはいました。しかし、実際に直接それを聞くと、不快感よりもむしろ、恐怖心を感じました。

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2009年03月24日

商業マスコミの定める「争点」

 千葉県知事選挙が行なわれています。そんな中、数週間前の毎日新聞の報道で、際だった争点もなく、有権者に対立軸が分かりづらい構図などという記事がありました。
 これだけ、経済がガタガタになり、国民生活は打撃を受けています。そんな中、県知事を決めるという大規模な選挙で、本当に争点がなかったりするのでしょうか。
 たとえば、千葉県では、銚子市の市立病院閉鎖などという問題がありました。これは、別に一つの市だけの問題ではありません。自民党政府が財界と一体となって進めている、「国民の福祉に関する事業のうち、儲けになるものは私企業化し、そうでならないものは切り捨てていく」という政策の一環です。

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2008年03月28日

「税金泥棒」叩きの二重基準

 東京の税金を1,000億円投入して作った「新銀行東京」の経営が悪化しました。この銀行創設を公約にして当選した石原都知事は、責任を他人に押しつけるようは発言を連発しています。そして、やっと出てきた謝罪の言葉は「都民に心配をかけたことをお詫びしたい」でした。
 そして「お詫び」と同時に、400億円もの税金をさらにつぎ込む事決まりました。
 石原都知事といえば、以前から、公費での海外旅行が何度も問題になっていました。つまり、「普段から公費で桁違いの遊興していた公務員が、1,400億円もの税金を無駄にしようとしている」わけです。これほどの「税金泥棒」はなかなか存在しないでしょう。

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2008年03月07日

自動車事故と見出し

 スーパーに自動車が突っ込む、という事故が5日にありました。運転していた人は警察の調べに対し、「ブレーキを踏んだにも関わらず、車が進んだ」と証言しているそうです。
 当然ながら、現時点では原因は不明です。ところが、読売新聞並びに、6日の夕方に出かけた先で見た民放番組では、「アクセルとブレーキを踏み間違えたらしい」と、勝手に「原因」を報じていました。読売新聞に至っては、見出しを「アクセル踏み違え」と書くほどの念の入れようです。

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2008年02月04日

騒音行為を応援する言論機関

 日教組が教研集会をグランドプリンスホテル新高輪で行おうとしたところ、「右翼団体の街宣車が押し寄せてくるから」という理由で、急遽、会場側からキャンセルが入り、全体集会ができない、という事件が発生しました。さらに裁判でも、会場使用の仮処分が出たにも関わらず、それを無視したとのこと。司法より右翼を優先したわけです。
 この類の「教員が集会を開くために会場を借りる」「一度は受け付けたものの、右翼の街宣活動の危険性を理由に会場側からキャンセル」というのは毎年のように発生しています。しかしながら、全体集会が開けなくなったのは初めてとのことです。

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2008年01月07日

特定候補の選挙カーと化すマスコミ

 私は大阪府民ではないので、府知事選挙の情報を積極的に集めてはいません。ところが、なぜか、橋下徹氏に関しては、出馬をする、しないから始まり、最新の状況まで、非常に細かい情報が入ってきます。情報源は、Yahoo!やGoogleニュースくらいなのですが、そこの見出しに毎日のように氏の名前が出てくるので、覚えたくなくても覚えてしまうわけです。
 私の場合は投票権はないですし、あってもマスコミの報道で投票を決めることはないから別にかまいません。しかし、これだけマスコミが名前を出せば、投票に影響を受ける人もいるのでしょう。なにせ、TVの人気番組が「この商品が体にいい」と報じれば、翌日にはその商品が売れるというお国柄です。
 ある意味、一連の報道は、マスコミが自主的に橋下氏の選挙カーの役割をしているのと同じなわけです。確かに、公職選挙法などを見ると、選挙報道に関して「虚偽の報道はできない」とはなっています。そう考えると、この「特定候補の動向のみを大きく報じる」事は合法ではあります。しかし、これは果たして、「報道」と言えるのでしょうか。
 候補者や政党によるWEB上の活動は制限が加えられ、このような「選挙カー化するマスコミ」は問題ない、というのも奇妙なものだ、と改めて思いました。

2007年07月17日

自民対民主?

 自民党が、各TV局に安倍首相の出演を要請したそうです。その中での条件がいろいろ細かくあるのですが、その中に、「野党党首との論争は、民主党の小沢党首に限る」というのがあったそうです。
 商業マスコミ言うところの「二大政党の流れが加速」している状況において、民主党は自民党の政権を脅かす存在のはずです。ところが、その政敵とはTVで論争できるが、より勢力の小さい他の政党の党首とは話せない、というのはどういう事なのでしょうか。

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2007年07月11日

侵略正当化ハラスメント

 身内の女性から、職場で嫌がらせを受けた話を聞きました。なんでも、同じ職場の男性が、IMなどでひたすら、「南京大虐殺否定論」だの「従軍慰安婦商行為論」だのの主張を送ってくるとのことです。別にその女性は職場で政治的な活動をやっているわけではありません。普通に働いているだけです。
 もちろん、どのような思想を持とうがその人の自由です。ナチスのユダヤ人虐殺を肯定しようと、サリン事件を肯定しようと、頭の中で考える分にはその人の権利です。とはいえ、それを違う思想を持っている人に、相手の気持ちを考えずに一方的に主張する、というのは正常とは思えません。

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2007年06月27日

「世界中の笑いもの」になった人

 本日付で、「ブッシュのプードル」のあだ名を持つイギリスのブレア首相が退任しました。普通、外国の首脳につけられたあだ名が日本で広まる事はあまりありません。しかしながら、先々代のサッチャー氏に続き、このブレア氏のあだ名も日本ではかなり有名になりました。ただ、先々代が「鉄の女」と、その政策の是非はともかく「強さ」が伝わるものであるのに対し、彼についたものは「情けなさ」ばかりが伝わるものでした。
 仮にも一国の首相が愛玩犬呼ばわりされたわけです。しかも「主人」はこれまた国内外の多くの人から尊敬を集めていないアメリカ大統領です。歴史ある大国の首相で、ここまで情けないあだ名をつけられた人もそうはいないでしょう。そして、「プードル」としてアメリカの下について行ったイラク侵略戦争は泥沼化したまま現在も続いています。それも失点となり、選挙での大敗もあって任期中に辞任したわけです。

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2007年06月22日

「社保庁職員叩き」の影にひそむ狙い

 年金問題において、「社会保険庁およびその職員叩き」た連日商業マスコミを賑わしています。先日も、週刊誌の中吊り広告や夕刊紙の一面で、露骨なまでの「社会保険庁職員叩き」を煽る見出しが載っていました。
 読売新聞なども勤務時間 細かい覚え書きなどと、いかに職員が仕事をしていないか、と宣伝する記事を書いています。過去には、毎月何十時間も残業させられて過労自殺した社会保険庁職員もいるのですが、もちろんそのような存在はこの記事では無視されます。それに呼応しているのか、自民党の幹部もTVで「社会保険庁の職員が怠けるからだ」などという発言をしていました。

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2007年06月07日

自衛隊国民監視に見る閣僚とマスコミ

 自衛隊が、国民の反戦活動などを調査していた、という内部文章の存在が発覚しました。
 それを受けた防衛省はイラク派遣の反対運動が高まっていた時期で、対応を考えるのが目的とあたかも当然の事であるかのような談話をしています。ちなみに、年金や消費税に関する集会なども「調査」の対象となっていたとのこと。それらも「対応を考える目的」がある行為だという事なのでしょう。
 今更ながら、「軍事力は国民を守るためのもの」という宣伝がいかに事実とかけ離れているかがよく分かります。

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2007年05月03日

「国民の益」と乖離する9条改憲論

 憲法記念日ということで、自民党政治業者や右派商業新聞が、改憲論を打ち上げています。もちろん、以前から変わらず、その主張にあるのは、「アメリカの命令で軍拡を進めてきたが、より進めるために邪魔な9条をなくす」というだけのものです。それによって国民にもたらされるのは、今以上に進む、将来の生活・安全の低下だけです。
 それを分かりやすく教えて(?)くれたのが、今日の読売新聞社説でしょう。核心はやはり9条であるとして、北朝鮮の核兵器開発や中国の軍事大国化による日本の安全保障環境の悪化や、イラク情勢など国際社会の不安定化に対し、現在の9条のままでは、万全の対応ができない。日本の国益にそぐわないことは明らかだ。としています。「万全の対応」について具体的な記載がないのですが、文脈から判断するに、中国や北朝鮮に軍事力で対抗するのみならず、アメリカのイラク侵略にもより協力できるほど軍拡しなければならない、という意味のようです。

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2007年04月09日

スポーツ紙による選挙運動

 Googleニュースを見たら、都知事選挙の最終日の模様なる各スポーツ紙の記事がありました。なんか、黒川候補が「乱入」した「事件」を報じているようにも見えますが、内容は石原氏の主張をそのまま載せているだけ。例の「身内の重用や高額の税金での旅行や飲み歩き」も「説明が足りなかった。反省しています」と謙虚な姿勢をアピールして戦った。などと書いています。
 対立候補からは、この「釈明」は、行為の説明について「反省」しているだけで、行為そのものは肯定している、と批判されています。しかし、そのような事は記事には一切ありません。さらに、黒川候補の「乱入」にかこつけて、今は亡き人気俳優の家族の名前まで出して、石原氏を「応援」していました。

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2007年04月02日

「悪い方向」に進んだ理由

 内閣府が31日発表した「社会意識に関する世論調査」によると、現在の日本で「悪い方向に向かっている分野」(複数回答)を聞いたところ、「教育」と回答した人が昨年の前回調査より12.3ポイント増の36.1%で、初めてトップになった。という発表記事がありました。
 この発表を報じた記事を見ると、「教育が悪い方向に行っている理由」についての調査結果はないようです。ところがなぜか、その原因として「学力低下」「いじめ」さらには、一部マスコミが勝手に煽っただけの「必修科目未履修問題」などを、勝手に「理由」として分析しています。
 だいたい、「学力低下」や「いじめ」は今になって始まった事なのでしょうか。「分数の計算ができない中学生がいる」という記事を読んだのは、もう10年くらい前だったと記憶しています。「いじめ自殺」に至っては、特に大きく報じられた「葬式ごっこ自殺」などはもう20年以上前の話です。そこから何ら改善がなされず、現在に継続されているだけの話です。
 こう考えると、「昨年に比べて『教育』が悪い方向に進んでいる」という結果に対して、報道機関が勝手に分析した「理由」が、いかに見当外れなのかよくわかります。

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2007年03月29日

自民党政治業者でも論破(?)できる相手

 安倍首相が、新聞記者の問いかけをに逆質問をして黙らせた、という記事を見かけました。さらに、それに対して、毎日新聞が分析記事(?)を書いていました。何でも、支持率急落の安倍首相が、内閣支持率の続落で、首相は「どうせ落ちるなら、やりたいことをやる」(首相周辺)という心境になっているとのことです。
 支持されなくなると、国民の意思など無視してやりたいことをやろうとする、という時点で、彼の頭の中に「民主政治」という概念がないことがよくわかります。そんな感覚で、企てている憲法改悪が、ほとんどの国民にとって、百害あって一利ない事があらためてよく分かります。もっとも、該当の分析記事にはそのような観点はどこにもありませんが・・・。

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2007年01月24日

残業代ゼロ法案と「選挙の争点」

 残業代ゼロ法案こと「ホワイトカラー・エグゼンプション」が見送りになりました。といっても、「実際に深く検討したところ、これでは対象となる労働者の生活と健康に悪影響をおよぼし、不幸にするから」ではありません。最大の理由は「反対が多く、7月の参院選に影響を及ぼす可能性があるから」です。
 つまり、この「残業代ゼロ法案」は実施すると国民に迷惑がかかるものであり、選挙での得票に悪影響を及ぼす、と自民党政府が認めたわけです。まあ、あれだけ大手企業が「サービス残業」という名の「ただ働き」を社員に強制している時代に、「働き方によっては、短時間労働ですむ」などと言っても、よほどの物好きでない限り信じないのは当然でしょう。
 それはいいのですが、これで「残業代ゼロ法案」は消滅したと考えていいのでしょうか。ここで注意すべき事は「撤回」の最大の理由です。参院選に影響があるから撤回した、というのは参院選が終わったら、再び実現に向けて動く可能性が高い、という事です。
 「選挙前には隠しておいて、選挙が終わった後に作られた、国民を損させる法律」は過去にもいくらでもあります。

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2006年12月09日

なんでもかんでも戦後教育のせい?

 数日前の日経新聞一面で、教育問題に関する連載が始まりました。「財界の広報紙」としては当然ながら、自民党政府の行おうとする教育基本法「改正」を全面的に支持するような内容となっています。
 そのため、さまざまな子供周囲の「乱れぶり」を報じ、その原因は「戦前の修身教育の反省から、戦後では道徳教育が軽視されたから」というように論じています。もちろん、「ではなぜ、戦前の『修身』は見直しを受ける事になったか」という理由については一切論じていません。

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2006年11月04日

内閣府の「調査結果」とその報道

 昨日、内閣府が陸上自衛隊のイラク派兵を、七割が評価している、という「調査結果」を発表しました。何でも、9月下旬に全国3,000人を対象に行ったそうです。回答率は60.4%ほどで、「高く評価する」が25.6%で、「多少は評価する」が45.9%だったとの事です。
 そしてその「評価」の理由で一番多かったのは「イラクの復興に役立った」で、67.9%、ついで「戦闘に巻き込まれずに無事に任務を終えた」が45.3%だったそうです。
 この選択肢一覧を見る限り、質問書は「陸上自衛隊派兵はイラクの復興に役立った」という事を前提にしているようです。
 では果たして本当にイラクは「復興」しているのでしょうか。10月もアメリカの兵士がイラクで100人死んだそうです。「イラク新政府」の上に位置しているアメリカ軍の兵士ですらそれだけ死んでいるのですから、前線で戦っているイラク人の兵士は、親米側・反米側をあわせてどれだけ死んでいるのでしょうか。さらに、その戦闘に巻き込まれている一般市民はどのような生活をしているのでしょうか。
 さらに、イラクの現状を紹介しているブログなどを見ると、どう考えても「イラクが復興している」などという認識はできません。
 つまりこれは、存在しない「イラクの復興」および「復興に自衛隊が役立った」事を前提に、陸上自衛隊派兵の評価を「調査」しているのです。それこそ、「大本営発表」を前提にして「1930年代からの日本軍によるアジア侵略はアジアの人々に有益だったか?」という「調査」をやっているのと大差ありません。

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2006年09月16日

「どう考えてもおかしい」週刊誌

 半月ほど前に、学校内で殺人事件が発生し、被疑者とされた少年が消息不明になり、指名手配されました(実際には事件直後に自殺)。これに対し、週刊新潮が、その少年の実名と顔写真を掲載しました。その理由は逃亡して指名手配されているのに、実名も顔写真も公開されていないことはどう考えてもおかしい。公表は犯人の自殺・再犯の抑止にもつながるとの談話を発表したそうです。
 この「逃亡して指名手配されているのに、名前・顔写真が載らないのはどう考えてもおかしい」というのはどういう論法なのでしょうか。私は週刊新潮をさほど読んでいるわけではないのですが、まさか毎週、「今週の指名手配犯」というコーナーがあって、全国各地の警察が指名手配した全ての容疑者の名前と顔写真を「自殺・再犯抑止のために」と言って掲載しているのでしょうか。
 それとも、まさかこの少年に限っては、極めて特殊な例で、実名と顔写真を掲載しないと自殺・再犯の可能性が極めて高まる、とでも言いたいのでしょうか。

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2006年07月19日

北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃したい人々

 北朝鮮がミサイルを発射した事に対して、「そのミサイル基地を日本から先制攻撃すべし」という意見が自民党政府の高官や一部全国紙などから出ています。中には「金総書記に感謝」と冗談を言った閣僚もいたそうです。
 政治業者・情報産業とも、「ミサイル基地攻撃」という名前の戦争をやりたいという本音が抑え切れなくなっている、という感じです。それほど彼らにとって「戦争」というのは魅力的なものなのでしょう。
 確かに、自分たちの指示や報道によって自衛隊員や煽られた国民が動くわけです。そして自分たちは安全なところにいて、彼らが命を失うさまを見て、「この失われた命のおかげで今の我が国が成り立っている事を忘れてはならない」などと言えばいいわけです。
 ちょうど時を同じくして、「テロ対策」などと言ってイスラエルがレバノン人を虐殺しています。しかしその「効果」は「テロ組織」のミサイル弾などによる反撃でしかありません。そのため、イスラエルの一般市民も死んでいます。しかしながら、攻撃を命じるイスラエル政府の閣僚の所にはその弾は届きません。

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2006年06月16日

「都心の公務員宿舎叩き」報道の受益者

 しばらく前に、「都心の官舎に安い家賃で住む公務員」がマスコミで叩かれた事がありました。ご丁寧に具体的な所在地から家賃の詳細まで調べ上げて、あたかもそれが悪事であるかのように新聞・週刊誌は批判していました。
 その流れにあわせて行われた、財務省の「国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議」なるものが、「答申」を発表しました。その内容は、都心を中心とした公務員宿舎二百十八カ所を売却する、というものでした。
 国有財産を処分するわけですから、本来なら我々国民に何らかの利益がもたらされるはずです。ところが、その売却による収入は3,740億円とのこと。確かに個人レベルでは少なくない額です。しかし、その記事によると現在の国債残高は600兆円ですから、そんな売却収入があっても国家財政にはほとんど寄与しません。600万円の借金に苦しんでいる人に3,470円援助するのと同じ理屈です。したがって、答申通りに公務員宿舎を売ったところで、我々の支払う税金が減ったりすることはありません。
 しかしながら、この売却に期待している人もいます。それは、跡地開発を見込む不動産業者です。確かに都心をはじめとする優良物件が手に入るわけです。それについて、上記の記事は問題は(中略)入札により用地取得コストが膨らむ事を懸念する見方も多い。また、公共用地の払い下げには高さや景観などに制約条項が付くことも多いと心配しています。

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2006年05月17日

見出しになる「世論」

 日経新聞を読んでいたら、いきなり「『やむなし』28%」という見出しが目に入りました。読んでみたところ、在日米軍の再編にともなう日本の経費負担の電話による「世論調査」の結果記事でした。
 この「やむなし」というのは、米軍が海外に移転する際の費用を日本の税金から払うのが「やむなし」、という事です。有効回答の3割未満という「少数派」でしかありません。
 さらにこの「調査記事」を読んでみると、どこにも日本がいくら負担をするのか、についての情報が記載されていません。米国防副次官は「日本の負担は3兆円程度」と発言していますが、ちゃんとその額は、電話口で質問する際に伝えているのでしょうか。
 さらに、この「『やむなし』28%」の隣には、一回り小さい大きさの文字で「『国内分に限定を』40%」とあります。この「国内分に限定」というのは、在日米軍が国内の別の基地に移設する際は日本が経費負担をしてもいい、という意見です。
 普通、世論調査といえば、どのような意見が多いか、を紹介するのが建前のはずです. ところがこの記事では、少数意見がより多い意見より大きい文字で紹介されているのです。

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2006年05月03日

時代の流れは9条改憲?

 商業マスコミなどの「9条改憲論調」を見ると、憲法9条は時代の流れにあっていない、という事を主張点にしています。で、その時代の流れにあわせて何をすべきかというと、アメリカの世界戦略にあわせて、日本も自衛隊を米軍の下で世界に派兵する体制を作る、となるわけです。
 つまり、時代は、「アメリカの世界戦略に軍事貢献する」という形で流れている、というのが主張の前提となっています。ではなぜ、憲法を変えて軍事貢献までしてアメリカの世界戦略につきあわねばならない「時代」に日本はなったのでしょうか。
 ところが、そのあたりになると、そのマスコミの主張は明快でなくなります。「日米同盟が国際的に重要なのは自明」とか「アメリカの軍事力の下で経済発展をした日本が戦略を一にするのは、当然の事」などと、「是非について国民は考える必要すらない」という論調になるのです。そしてその「日米同盟絶対時代」にあわない憲法9条を変えようと主張しています。

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2006年04月18日

犯罪企業を宣伝した会社

 サラ金のアイフルが、度重なる違法行為のため、金融庁に業務停止命令を受けました。過酷な取り立てのみならず、顧客の同意なしに委任状を作成して戸籍謄本などを取得するといった犯罪行為まで行っていたようです。
 ちょうど、TVのニュースをつけたら、この件を報じており、処分が下った事・その原因となった問題行為・アイフル社長の会見などが流れていました。さて次は、この会社の広告を流した事に関してTV局自らはどんな言い訳ををするのだろうか、と期待していました。ところがそこでこの事件に関する報道は終わり、次のニュースに切り替わりました。
 確かに、様々な違法行為をしたのはアイフルです。しかし、TVを初めとする各メディアは、これを他人事のように報道できる立場なのでしょうか。
 アイフルに限った事ではありませんが、大手サラ金の名前は、TV・新聞をはじめ、各種の広告で流れています。しばらく前から、夜間限定に戻ったようですが、それまでは一日中流れていました。その浸透具合は、街中で子供がサラ金のCMソングを口ずさむほどでした。

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2006年03月22日

「独裁者」と呼ばれるための条件

 ベラルーシのルカシェンコ大統領が三選されました。その当選報道には「欧州最後の独裁者」「暴君」などという敵意むき出しの「称号」を見出しや冒頭に出した記事が多数見受けられました。そして、選挙に不正があった可能性についても報じています。
 私は、ベラルーシの政情も、どのような選挙が行われているかも知りません。ただ、チェチェンなどで自国の少数民族の弾圧を行っているロシアのプーチン大統領がいち早く当選を祝福した、という事から、「同類」なのでは、という印象は持っています。
 とはいえ、このあまりにも露骨な「レッテル張り」報道を見ると、やはり違和感を覚えます。はたして、このルカシェンコ大統領という人は、それほど特異な独裁者なのでしょうか。

 そこで非常に気になったのは、「当選」が決まったときの大統領の談話に「ブッシュ大統領こそ最大のテロリストだ」と述べた事でした。これは選挙に対する欧米の批判に対する反撃のようです。いずれにせよ、アメリカと激しく敵対している事に間違いはありません。さらに言うと、アメリカには「ベラルーシ民主化法」というものがあるそうです。
 さて、仮にこの大統領が対外的には親米だった場合でも、日本の商業マスコミは同様に「独裁者」「暴君」と報じたのでしょうか。
 だいたい、「不正選挙」などといいますが、それで「独裁者」なら、ブッシュ現大統領はどうなるのでしょうか。2004年に行われた選挙では、「パンチカード問題」を筆頭に、さまざまな疑惑がありました。しかし、この問題は解決されていません。ベラルーシの選挙にどのような問題があったか知りません。しかし、アメリカとベラルーシの大統領選挙にどのような違いがあるのでしょうか。報道で見る限りでは、似たようなものになってしまうのですが・・・。
 このように考えていくと、このルカシェンコという人が批判されているのは、その政治手法そのものよりむしろ、「バリバリの反米」にあるのでは、と思えてきます。
 現在のマスコミにおける「独裁者」や「暴君」の基準は、まず第一に「反米であること」で、「不正選挙疑惑」や「人権弾圧」はその大前提を満たして初めて問題視される、と考えたほうがいいのかもしれません。

2006年01月22日

自分たちで煽っておきながら

 先週の強制捜査が契機となって株価が大きく下がり、少なからぬ人が大損をしたようです。それについて、日経新聞が「12月に経団連の奥田会長が『バブル期のような雰囲気になってきた』と言っていたにも関わらず、安易にネット取引などで株式投資をしたからだ」という論調で、大損した人達の「自業自得」のように書いています。
 実際、株式投資は自分の責任で行うべきもので、この考え方自体は間違っているとは思えません。しかし、よりによってこの新聞が言うのはいかがなものか、とも思いました。
 この新聞の2面や3面の下段を見ると、「主婦が株で大儲けした」だの「初めて投資した学生が何億円儲けた」みたいな本や雑誌の広告が毎日のように出ています。さらに、紙面に載る記事にも「株式投資を初めて短期間で大きく儲けた人」の例を挙げ、「貯蓄から投資の時代になった」みたいな感じで煽るような文章が一度ならず載っていました。
 もちろん、その頃は日経平均が上がり続けていたわけです。しかし、株なのですから、平均が上がろうと下がろうと儲かる人は儲かり、損する人は損をします。しかし、先日の急落までの約半年間、私の見た限りでは、「株で簡単に儲けた初心者」は出てきましたが、「儲けるつもりで株をやって損した初心者」が記事に出る事はありませんでした。

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2006年01月08日

思考停止をうながそうとする「殺し文句」

 自民党政府の政策を宣伝するために商業マスコミが行う「報道」において、しばしば「殺し文句」が作られます。13年前の「非自民政権誕生」の時の「改革派・守旧派(現在でいうところの抵抗勢力)」あたりが特に効果がありました。この当時、「守旧派は地方分権に反対する」と書いておけば、「地方分権」が進むとどのような層が喜んでどのような層が困るのか、などといった考察をしなくても「地方分権の推進=善」という定義づけが成立しました。
 この「改革」という言葉は相変わらず、「この称号がつけば善」になってしまう殺し文句であり続けています。その名のもとに「毎年300億円もの税金を政治業者にばらまく」だの「一部の富裕層はより豊かになる一方で、貧困層は人数も貧しさの度合いも拡大させる」事だのが進められました。それを商業マスコミは「改革」という名前がついているから、という理由で応援しているわけです。

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2005年12月31日

前回の鉄道惨事の教訓

 春の福知山線に続き、今度は羽越線で死者の出る鉄道脱線事故がありました。乗客数が少なかったため、死傷者の数も多くはありません。しかし、数両が脱線し、事故後一日以上経っても、被害者の捜索が完了しなかったなど、事故そのものの規模はあまり変わらないようです。これがたとえば帰省ラッシュの時期だったらどうなっていたか、と思うとゾッとします。
 前回の福知山線事故は「人災」とか言いようがなかったため、各マスコミもその線で報道していました。しかし、今回は、「偶然の天災」である可能性もあるので、事故原因において人災的な要因の報道はあまりなされていません。事故現場の風についても、「普段は強風がなかった」と「普段から風が怖かった」という運転士経験者の談話を「両論併記」している記事があったほどでした。

 そういう事もあり、あまり知られていないようですが、福知山線の通勤電車と今回事故が起きた「特急いなほ」には象徴的な共通点があります。それは、「競争による速度向上が社の課題だった路線で起きた惨事」という事です。
 大阪-宝塚間でJRと阪急が競争していたように、東京-酒田間では、JRと飛行機の競争があります。そのため、JRにとって、この区間の速度向上は課題だったようです。
 そのため、JR東日本がダイヤを改正する際、「東京-酒田間の所要時間の短縮」を宣伝する事は少なからずありました。今年の12月に行われたダイヤ改正に関するJR東日本新潟支社の発表で、一番最初に出ていたのも、上越新幹線を経由して乗り換えた時の「東京-酒田の最短時間が4時間42分から3時間55分に短縮した」でした。この短縮は、主に上越新幹線のダイヤ見直しによるものではあります。とはいえ、その際に、接続する「いなほ」の新潟-酒田間の所要時間も3分ほど短縮されています。
 そのような「スピードアップの掛け声」は、今回の「強風下で運転を再開するか、運休覚悟で待つか」という判断を下すにあたって何ら影響がなかったのでしょうか。

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2005年12月05日

貧しいと清らか?

 右翼テロ団体の最高顧問を務め、「国のために死ねる人を育てるのが教育だ」という発言を筆頭に、戦前回帰思想を公言していた民主党の政治業者が、「非弁活動」なるものにからんで逮捕されました。これに関する記事で、二つほどの新聞が、ちょっと変わった論調を書いていました。
 一つは東京新聞で、今回のような暴力団まがいの方法による「政治資金調達」問題で逮捕された人に対し、「金にクリーン」なる言葉を二回も使っています。さらに、「質素な生活」「服装がヨレヨレ」だったなどとも書いています。また、WEBでは削除されましたが、産経新聞も「家は雨漏りがするほどだった」などと、これまた「貧しさ」を強調した記事を載せていました。

 昔から、マスコミが政治家の事を論じる時、「井戸塀政治家」なるものが理想であるかのような事を書きます。これは、、政治資金を捻出するために、あらゆる物を売り払って、井戸と塀しか残らいほど貧しくなった事を意味する言葉です。
 確かに、政治活動で多額の収益を挙げて「○○御殿」などと呼ばれる家を建てるより、こちらのほうが好感は持たれるでしょう。しかし、本来、「収支」というもの自体は政治家としての評価の対象にはならないはずです。たとえば、「井戸塀政治家」でも、その家まで売った金を使って、侵略戦争を推進して多くの人を殺せば、政治家としての業績はマイナスにしかなりません。ところが、多くの報道では、「お金がなかった」という所で評価が終了してしまいます。
 今回逮捕された議員は、特にその主張の右翼性が際立っていました。それに対し、日頃からこの議員と似通った主張をしている産経新聞と、「つくる会」の構成員の主張をほぼ丸ごと載せた事がある東京新聞が、あたかもこの議員が「清貧」であるとも取れる記事を載せたわけです。何か意図する所でもあるのでは、と思えてきてしまいます。
 少なくとも政治家においては「貧」と「清」には何ら関連性がないと考えたほうがいい、と今回の報道を見て、改めて思いを強くしました。

 なお、これは本筋から外れますが、逮捕された容疑者について、プラスの評価も含めたさまざまな立場からの声を掲載した、という点においては、上記の報道は評価に値すると思います。願わくば、このような報道手法を、このような政治業者だけではなく、刑事事件で逮捕・起訴された一般人(特に無罪を主張している人)にも適用してほしいものです。

2005年09月12日

議席数よりもむしろ

 選挙の結果、民主党が64議席、「諸派・無所属」が14議席減って、自民党と公明党で差し引き81議席増えました。つまり、自民・公明・民主の合計の議席数はさほど変わっていないわけです。選挙の直前に書いたように、自民党と民主党の本質は変わらないと考えていますので、そういう点では「自民党大勝」という情報にはさほど驚いていません。正確に言えば、共産・社民が激減した前回ほど驚いていない、という感じです。
 とはいえ、今後の日本に対する不安感はより一層高まりました。特に気になったのは、今回の選挙では、これまで以上に商業マスコミと自民党の一体化が目立った事です。ここまで協力体制が整ったのは、60年ぶりではないのか、とまで思っています。今回は、その「成果」が「民主党の議席が自民党に移動」という程度の結果にしかなりませんでした。しかし、この手法を応用すれば、憲法をはじめ、重要な諸問題が今回の選挙と同様な形で進んでしまう危険性が大きいでしょう。そのあたりについては、明日以降また書いていきます。

2005年05月05日

被害者と加害者を取り違えた報道

 JR西日本の安全軽視体質が起こした4月25日の福知山線の大事故について、3日あたりから奇妙な報道が流れています。まず、3日夜に「事故を起こした列車に乗って通勤していたJR西日本の運転手が、救助もせずに出勤した」という記事が出ました。続いて、4日には、「JR西日本の社員のグループが、当日、休暇を取ってボウリング大会を行い、事故が報じられても大会を中止しなかった」という記事が出ました。いずれも、「JR西日本の発表によるとそういう社員がいたことが分かった」という形で報じられています。
 この、当局などの発表記事を「という事が分かった」という形で各紙が一斉に報じる事については、メディアの辺境地帯さんが、「『分かった』ジャーナリズム」として、厳しく批判されています。今回のは、その「分かった」の情報源が、大惨事の最大の責任者であるJR西日本であり、そこの発表をそのまま掲載しているだけに、より異常と言えるでしょう。

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2005年04月29日

マスコミの提言通りにやった結果

 月曜の朝に、尼崎でJRの大事故が発生しました。最終的な死者数は百人を越えました。鉄道事故でこの死者数は42年ぶりの事だそうです。
 そのニュース速報を見ていたら、記者会見をするJR西日本の幹部や、応対している社員に対し、マスコミの記者が乱暴な言葉で詰め寄る場面が報じられました。また、ほとんどの商業マスコミも、自動制御装置が古かった事などを挙げて、JRの安全管理を批判するような論調を載せています。
 もちろん、JRの安全管理に重大な問題があるのは事実ですし、早急に改善されるべきです。ただ、そのような企業体質になった原因を考えると、このようなマスコミの「体質追及」にはかなりの違和感がありました。

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2005年04月13日

中国の反日デモ報道から伝わるもの

 先週末あたりから、中国で反日デモが過激化している、と報じられています。教科書問題など日本側にも非があるとはいえ、大使館への投石や日本人留学生を殴打するなど、暴力で意見を主張する、という行為は断じて賛成できません。
 ところで、このデモに関する日本側の報道を見ていると、二つほど興味深い点が見受けられます。一つは、中国の高官の発言や、大使館周辺の警官の言動を元に、「中国側がデモを扇動している」というような書き方をしているところです。その一方で、「報道管制をしいて、この件は一般市民には伝えないようにしている」とも報じています。
 中国政府が「反日行動」を拡大したいのなら、都合の悪い部分は隠して「愛国者たちのデモ」と報道させればいいだけですし、逆に収束させたいのなら警官に厳しく取締らせればいいわけです。いずれにせよ、ちょっと矛盾しています。もちろん、巨大な官僚組織ですから、それぞれの部局に思惑があって、矛盾した行動を取っていると考えるべきなのかもしれません。しかしながら、一つの記事に「中国政府を糾弾する」という点を除けば矛盾している情報を載せるというのはどうなのでしょうか。

 ところで、「大規模デモを報道しない・させない」という事を日本のマスコミは中国ならではの事であるかのように報じています。
 しかし、日本でも似たような事は最近になって増えています。2年前のイラク戦争の時の反戦運動しかり、九条の会の活動しかり、商業マスコミでの扱いは良くてベタ記事程度。黙殺する事も少なくありません。特に、好戦・九条改悪派の会社ほど扱いが小さくなる傾向にあります。
 こういうのを見ていると、公然と国家の統制を受けている中国のマスコミと、「権力を監視する」と自称している日本のマスコミの違いについて、考えさせられてしまいます。

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2005年03月25日

「ジャーナリズム」の自己過信

 毎日新聞に載ったライブドア社長氏の「ジャーナリズム論」が、既存の情報産業から批判されています。普段はかなり論調が違う東京新聞と、読売新聞の社説が、ほとんど同じ論調で批判している事からも、彼らが根源的なところで、あの発言を嫌っている事がわかります。
 基本的には、ライブドアの社長氏は好きではありません。しかし、その好き嫌いとは別に、この発言およびその反応には興味深いものがあります。

 読売の社説では権力を監視し、社会の不正を暴き、公正な世論を形成する。(中略)官庁や企業の発表、発生した事件を垂れ流すだけでは、ジャーナリズムとは言えない。などと言っています。東京新聞の社説も、毎日新聞での質問者も、似たような事を言っていました。
 もちろん、自分たちの所属している業界がこれまで行ってきた事を肯定したい気持ちは分かります。とはいえ、ちょっと自分たちの能力や仕事を過大評価しすぎていませんでしょうか。
 確かに、彼らは情報の収集ならびに発信の専門家として、豊富な経験を積んでいます。しかし、その得た情報を取捨選択する事についてはどうなのでしょうか。
 たとえば、上記社説で自分たちの実績(?)として、「権力の監視」「社会の不正」「公正な世論を形成」を挙げています。では、その「権力『監視』の対象範囲」「『不正』だの『公正』といった定義はどのように行われるのでしょうか。
 言うまでもない事ですが、各情報産業の社員に、絶対神のような善悪を判断する能力があるわけではありません。ではその判断基準が何になるかと言うと、結局は「社の儲けになるかどうか」です。(その構造的な問題による報道の「偏向」については、当ブログの長文集・「マスコミ」という情報産業についてでふれているので、よろしければご参照ください。)
 いずれにせよ、ライブドア社長氏のマスコミ批判に対し、「俗」だの「金儲け」だのと批判できるほどの立派なことを、現在の情報産業が行っていない事は確かです。
 特に、「公正な世論を形成」などどこをどう勘違いしたら言えるのでしょうか。この前のプロ野球選手会スト問題の時に、自社の社説がどれほど「公正な世論の形成」に貢献したか、一度じっくり考えてみてほしいものです。

2005年03月16日

何に支配されるなら問題ない?

 読売の会長氏が、ニッポン放送株問題についてテレビ、ラジオといった社会の恒久なメディア媒体をマネーゲームで排除される、支配されることはあってはならないと述べたと、スポーツ報知の一面トップで報じられていました(※なお、他のスポーツ2紙は「高級なメディア」と記載していました。こちらのほうが、意味は通りやすい感じです)。
 要は、「政財界に頭を下げないようなポット出での成り上がりなんぞに支配されてたまるか」という意味なのでしょう。それはともかく、この発言を見ていると、「マネーゲーム」でないものになら、支配されても問題がないのだろうか、と思えてきます。

 読売新聞をはじめ、多くの大手情報産業は、自民党政府や財界と密接な関係があります。この発言をした読売の会長も、先日辞任したNHKの前会長も、政治記者時代から自民党の特定勢力と密接な関係を持ち、それを利用して頂点に登りつめたほどです。
 そのため、必然的に基本的な論調は、それらの勢力の利益を意識したものとなります。その結果、「日米同盟は絶対視すべきもの」であり、アメリカの軍事戦略は常に正しく、国内では大企業の利益を維持する経済政策が正しいものとなります。その一方、一般国民は、増税や社会保障のサービス低下および負担増を容認すべき、となるわけです。
 この権力と情報産業の密着については、よく言われるように、「政・財・官」にマスコミが加わった「鉄の四角形」といった感じです。しかしながら、その結果が先ほど書いたような「自民党政府・財界の立場に立った論調」になっているわけです。その結果、天皇制政府の支配を受けていた「大本営発表」の時代の報道に着実に近づきつつあるわけです。

 昔のマスコミには、「いかなる権力にも支配されない」みたいな建前がありました。それをあの発言は、「マネーゲームで支配される事があってはならない」と「敵」を否定する形式を取りながら、「現在の商業マスコミを『支配』している勢力の存在」について自ら明示したわけです。今更とはいえ、思わぬ所で「本音」が聞けました。
 それにしても、系列スポーツ紙とはいえ、この「お言葉」を有難く一面トップにするというのもすごい感覚です。「高級」だか「恒久」だかわかりませんが、その程度のものならば、マネーゲームに支配されようとされまいと、さほど変わらないと思うのですが・・・。

2005年01月20日

「公正」の基準

 番組改変で問題になった、「女性国際戦犯法廷」について、当時者の安倍氏・中川氏はもちろん、右よりのマスコミが「公正ではない」と批判しています。ただ、その批判を見ると、「その裁判では当時の国際法に基づいて、日本や天皇の行為を裁いているが、その判決の○○は国際法上、明らかに誤っている」というように、「裁判」を正面から批判しているものではありません。
 その代わりに「昭和天皇に有罪判決を出した」とか「北朝鮮の人も加わっている。あれは工作員だ(※工作員である具体的証拠の提示はなし)」などと、読者・視聴者の感情を刺激するような語句を連ねて、「不公正だ」と決め付けています。
 また、安倍氏は何度もTV出演をして、自分の正当性を主張しています。ある番組に至っては、司会者は、万が一にも安倍氏に「失言」が出ないよう、細やかな気遣いのもとに質問していました。
 それらのマスコミは、放映されなかった番組の内容や、「女性国際戦犯法廷」を「不公平だ」と批判しています。しかしながら、これらの論調や司会者の態度を見ると、彼らのも十分「安倍氏に偏った報道」をしています。報道される量も、安倍氏・NHK側に比べ、「女性国際戦犯法廷」側の主張の類は、ほとんど見られません。
 もっとも、安倍氏・NHKの主張が出れば出るほど、NHKと自民党の密着ぶり、並びに彼らがそれを当然と認識している事が伝わってくる、という皮肉な結果にもなってはいますが。
 NHKにせよ、安倍氏・NHK側に立つマスコミにせよ、彼らにとっての「公正」の条件はまず第一に「自民党政府に認められる事」なのだろうか、と思いながら「安倍氏側に偏った報道」を見ています。

2004年12月22日

他に選択肢はない?

 マスコミの社説などで、「○○以外の選択肢はない」という表現がたまに見られます(例1例2)。
 「マスコミがそう言うのだから」などと素直に読んでいると、「他に選択肢がないのか。ならば仕方がない」などと納得しかねません。しかし、一体その「選択肢」とは誰が作るのでしょうか。

 試験の選択式問題ではあらかじめ「正解」が決まっているにも関わらず、受験者を迷わせる「誤った選択肢」が二つ以上存在します。その、それぞれ一理ありそうな選択肢から、いろいろと考えた結果「正解」を選ぶわけです。つまり、「選択肢」というのは、正解である必要などないのです。
 加えて言えば、それまで「正解」とされていたものを疑い、不正解とされていた選択肢を再検討する事によって、科学は進歩していきました。
 ましてや、誰もが「正解」を知らない現時点においては、様々な「正解となりえる選択肢」が存在し、その外側にはさらに無数の「正解とは思えないが、選ぶ事ができなくはない選択肢」が存在するわけです。にもかかわらず、「他に選択肢はない」などと、他の全ての可能性を否定する、というのは果たして可能なのでしょうか。

 冒頭に書いたように、「他に選択肢はないのか、ではそれしかないな」と単純に理解してくれる人ばかりなら、このような物言いは説得力を持てるかもしれません。しかし、このようにちょっと突っ込んで考えてみれば、「他に選択肢はない」などという言葉を使って主張するのは、「事実としてありえない事」を前提に主張しているようなものだという事に気づかされます。
 逆に言えば、そのような無茶をしなければならないほど非論理的な事を主張する時に使うのが、「他に選択肢はない」という言葉である、と考えると分かりやすいのかもしれません。

2004年10月12日

草野球とマッサージ器が年金崩壊の原因?

 ここのところ、社会保険庁の「不祥事」に関する報道をよく見ます。業者に便宜を図って約4億4600万円分受注させ、その見返りに数十万円貰った課長が逮捕されたという事件は、確かに純粋な不祥事です(ただし、それが社会保険庁に限る特殊な例とは思いづらいですが)。
 しかし、職員の親睦草野球大会などに年間136万円を保険料から支出していたなどというのを、社会保険庁大阪社会保険事務局がマスコミ発表した、という記事などを見ると、よくそんなもん調べて、わざわざ発表するな、と思ってしまいます。
 もちろん、草野球だろうとボウリング大会だろうと、保険料を使って行う事が適切だとは思いません。しかし、保険料の不適切な使途というならば、もっと多額のものがあるのではないでしょうか。
 たとえば、年金保険料無駄遣いの象徴とされる「グリーンピア」。この存在並びに非効率的な経営については、どのマスコミも取り上げます。しかし、この大半は、歴代厚生大臣や、議員に立候補しようとした厚生官僚の地元に造られた、という指摘については、いくら検索しても、マスコミのサイトにはなく、議員などのサイトにしか掲載されていません。
 そのうちの一つである、グリーンピア二本松の赤字だけで80億円だそうですから、それだけで野球大会が5,882回も開催できます。そのような大赤字の根源については明らかにせず、野球大会を調査する社会保険庁の上層部の意図はどこにあるのでしょうか。

 そのような傾向を受けてか、今週の週刊文春はマッサージ器に観劇チケット…ムダ遣い総額6300億円社会保険庁全職員に告ぐ一人3700万円を返還せよ!という記事を掲載しています。マッサージ器もグリーンピアもいっしょくたにし、全て「年金官僚」が悪いとしています。
 年金に関わっている人にも、自らの利権のために数十億円の保険料を使いまくった大臣や高給官僚がいる一方で、こき使われて過労自殺した青年職員もします。にもかかわらず、大臣から末端の職員まで一つにまとめて「ムダ遣い総額」を「職員の数」で割り算し、全て均質に同罪、としたわけです。国民に一般の職員を敵視させ、根源的な問題から目をそらさせるという、自民党政府と親密なマスコミの常套手段の記事と言えるでしょう(※この「常套手段」については本サイトの長文・現代に生きる「分断支配」の構図に詳細を記載してあります)
 なお、自民党議員でも、この問題に対して、首相や歴代厚相を批判している人がいます。ただ、結局この責任はいずれ明確にすべきだが、私は事ここに至っては年金財源に間接税を充てる以外にはないと考えている。との事。党内レベルでは一応首相などと対立しているにも関わらず、その相手の責任は先送りするが、国民の負担増については明確な方針がある、というこれまた象徴的な見解です。

 昔の国鉄にせよ、最近の道路公団にせよ、巨大赤字が出た国営事業が問題になると、「赤字の根源への批判をずらし、末端の職員レベルの問題を槍玉に挙げて攻撃して世論を誘導」→「その流れで『改革』を行ったら、自民党の利権はそのまま温存」という結果を導く、という政治とマスコミの連携プレーがありました。今回の年金もその方向に持っていこうとする意志があるように思えます。

2004年09月07日

タリバン型支配?

 4日に共同通信が流したニュースによると、イラクのファルージャが、過激派がタリバン型支配/ファルージャ、統治及ばずという状態になっているそうです。
 といっても、もちろん記者がファルージャに潜入取材をして、「タリバン型支配」を目の当たりにしたわけではありません。ある程度確かと思われる情報は、ファルージャが、アメリカの意を受けた「暫定政府」の支配下でなく、「ムジャヒディン」(イスラム戦士)と呼ばれる組織が権力を掌握している、というものだけ。それに、「アラブ紙のアッシャルク・アルアウサトがタリバン型支配をしていると報じた」だの、「アルカイダと関係があるとされ」だの「日本人人質事件を起こしたとみられる」という、不確かな情報をつぎ足しただけ。そのようにして集めた情報に「過激派がタリバン型支配」という見出しをつけているのです。

 もちろん、大虐殺が起きたような戦場の情報ですから、直接取材に行くのは危険が伴ないます。したがって、間接的な情報から記事を作るのはある程度仕方ありません。しかし、このように情報源もはっきりせずに「アルカイダ」「人質事件」と報じ、「ムジャヒディン」側の声を載せずにそのような見出しをつけるのはバランスに欠けるのではないでしょうか。
 ベタ記事みたいな量ですが、このように不確かな情報を元に「ファルージャは2001年のアフガンみたいな状況だ」という記事を出すという事は、なんらかの意図でもあるのでは、と思えてきます。

 もっとも、それ以前の問題として、仮に「アルカイダとつながっている人質事件の犯人集団が、タリバン型支配をファルージャで行っている」というのが事実だとしても、その「支配」は、春にファルージャで600人以上の人を虐殺し、現在もイラクの大部分の実権を握っている米軍の「支配」よりはマシだと思いますが。

2004年08月26日

ペンは街宣車より弱し?

 8月13日に大いに話題になった「読売球団首脳総辞職事件」について、週刊ポスト・現代・AERAといった週刊誌がそれぞれ「事件発覚は右翼団体の来訪がきっかけだった」という記事を掲載していました。内容は各誌ほぼ同じで、右翼団体が、「学生選手に200万円の裏金」の情報を入手し、読売球団の事務所に乗り込んだ上に街宣車も出した。その結果が、「総辞職」につながった。というような感じです。

 確かに、今回、読売球団が起こした裏金事件が発覚した、という事は、徹底究明すべき大問題です。それを明るみにした、という点では右翼団体の「功績」と言えます。また、私自身も「たかが選手」に代表される一連の言動には強い不快感を覚えていました。
 とはいえ、いくら読売球団の行いや当時のオーナー氏の言動に問題があっても、この「球団事務所周辺に数台の車で乗り付け、大音量の拡声器で不正行為を指弾した」という示威行為は、一般的には異常な行動です。それによる被害は球団事務所のみならず、無関係の周囲にも及ぶわけです。
 しかも、その右翼団体は、かつて「天皇に戦争責任がある」と議会で発言した長崎市長を銃撃しました。現在でも団体のサイトには「主な活動」の一つとしてその事を掲載しています。
 にもかかわらず、三誌とも、そのような「暴力集団」の主張をそのまま掲載しています。また、その右翼団体幹部氏は「情報は読売内部から入手した」と公言していました。もしこれが事実だとしたら、「市長銃撃を実績と公言するような右翼団体に、大手新聞社の一部社員が内部情報を漏洩」というかなりの問題だと思うのですが、それについても検証・論評はありません。

 もちろん、取材先の発言をそのまま掲載するのは、相手がどのような個人・団体であれ大切な事です。しかし、「テロ行為」を自慢する団体の人の発言の場合、それなりに解説なども載せるのが筋だと思うのですが。もしかして、右翼団体に取材するときには、他に取材するときとは異なる「規定」が業界にはあるのだろうか、とまで思ってしまいました。
 それまで、傍若無人の限りを尽くしてきた読売球団首脳陣が、来訪+街宣車の一発で総辞職した事も含め、なんとも言えない不気味さを感じた、「マスコミと右翼団体の力関係」でした。

2004年08月08日

週刊新潮への反証

 今週の週刊新潮は特に呆れた内容の記事が多かったようです。その中の記事二つに対し、明確に反証しているサイトがありましたので、紹介させていただく事にしました。

「イラクから帰国された5人をサポートする会世話人会」『週刊新潮』記事「未だに『飛行機代』を払わない 『イラク人質3人組』」について

 上記サイトによると、「その金の支払いの規程を外務省に確認している段階」との事。請求自体が不当である可能性もあるわけです。
 しかも、外務省の設定した支払期限は10月末日だとか。それで「未だに払わない」のなら、公共料金の支払い請求書が来て、それを即座に払わない人は「公共料金を未だに払わない人」になってしまいます。
 それにしても、自社で陰湿かつ執拗なバッシングをしておいて激しいバッシングを受けたのは記憶に新しいが、この人たち、まだまだ懲りていないなどと言うのですから、恐ろしいものです。要は、自分達が記事を使って中傷した人は、それに「懲りて」思想信条を曲げねばならない、と主張しているわけですから。

「マリンブルーの風」週刊新潮の偏向記事に抗議する!

 こちらは、「プロ野球一リーグ推進記事」。「パリーグは観客が少ないからつぶれて当然」という主張を「立証」するために、「ガラガラのロッテ戦」の写真を撮りに行ったようです。ところが、球場はホーム側は満員。ビジター側もかなりの入り。そこで仕方なく、長時間試合となった終盤の、客が帰りだした後のビジター側の観客席を撮影して「つぶれるはずだよパシフィック」という見出しをつけて「記事」にしたようです。

 他人の反証ばかり紹介するのも何なので、自分が記事を読んだ感想も。
 「レイプ被害者」の夫もレイプで逮捕された「沖縄米兵事件」という記事がありました。題名の通り、米兵が起訴された婦女暴行事件で、被害者女性の夫が女児に暴行して逮捕された、という記事です。その夫のみならず、被害者女性も「飲み屋で独身と言って遊んでいた」などと、いかにも「品行不方正な夫婦」であるかのように扱っています。仮にそれが事実であっても、米兵の犯罪にはなんら関係がないとは思うのですが。それとも、この社の基準だと、「家族に犯罪者を出した犯罪被害者の言う事などあてにならない」とでもなるのでしょうか。
 また、米兵容疑者に対しては、逮捕された事件推測記事など一切書かず、「一審判決では強姦より軽い強制わいせつになった」「現在、控訴中」などと「刑が確定するまでは推定無罪」の原則に従った「公正な報道」に徹しています。これだけなら、極めて妥当な報道姿勢とも言えます。しかし、その一方、「夫」に対しては、「供述では性行為を否定しているが、その状況から考えるとしていないわけがない」などと、「断罪」までしています。
 同じ日本で発生した婦女暴行事件でも、容疑者が米兵だと、最大限その人権に配慮した扱いにし、日本人でしかも米兵犯罪の被害者の身内だと、自供すらしていない罪状まで「やったに違いない」と決め付ける。なかなか凄い「ダブルスタンダード」です。

2004年08月01日

半数が消費税増税に賛成?

 読売新聞に老後不安83%・年金不信71%、過去最悪という「調査結果」が載りました。表題だけ見ると、自民党政府の年金・福祉政策を批判しているように見えます。
 しかし、この記事の主旨はそこにはありません。続いての質問内容は年金などの社会保障制度を維持するために、「消費税の引き上げはやむを得ない」という意見の賛否なのです。そして、「そう思う」が「どちらかといえば」を合わせて50%、「そうは思わない」が同じく48%だった。という、「半数は消費税増税に理解」みたいな「調査結果」を導き出しています。

 消費税が導入されて15年、税率引き上げから7年。消費税については自民党政府なりマスコミは「福祉・社会保障のため」と言いつづけています。しかし、この15年なり7年で、日本の福祉や社会保障がよくなったという事はありません。そして、15年分の消費税による税収増額は、法人税引き下げによる税収減とほぼ同額です。
 つまり、消費税はこの15年間、「福祉のための税」としての活用などなされていませんでした。にもかかわらず、「社会保障を維持するために」などという、現実にない前提をもとに、消費税増税の是非を質問しているわけです。これは、「宇宙人の侵略を防ぐためには防衛費の増額はやむを得ないか」と尋ねているのとさほど変わりません。

 先日、プロ野球問題で読売の社長と首相が密室で会談したという報道がありました。別に野球の事ばかり話しているのではないでしょうから、政策や報道についても話し合ったのでしょう。その際に、このような「消費税を引き上げるための世論作り」などという、協力方法についても話し合われていたのかもしれません。

2004年07月12日

「注目」の候補

 TVの選挙速報は基本的に見ませんが、昨日は野球中継の途中で割り込んで放送されていたので、見てみました。10分ほどでしたが、その間で「憲法」「イラク」などという言葉は全然出ませんでした。また、「年金」すらちょっと出たかな、という程度です。
 その代わりに、番組の大半を占めたのは「注目の候補」。と言っても、そのほとんどは、芸能界・スポーツ界など、政治以外で名の知られた人です。さらには犯罪をおかして議員辞職に追い込まれた人まで、大きく取り上げられていました。
 いわゆる「タレント候補」ですが、ここ何十年の間、彼らによって何か政治が改善されたり動いたりした事はありません。ましてや「犯罪前歴」などが、他の候補者よりも優先される要因になるとは思えません。

 確かに、こんな報道ばかり見ていると、「政治や選挙などあほらしい」などと思ってしまう人も出てくるのかもしれませんね。それこそ、自民党政府の意をくんで、各報道機関があえてそのような番組構成をしているのでは、とまで思ってしまったほどでした。

2004年06月21日

社風?

 読売新聞の渡辺社長が、自分の計画する「プロ野球再建案」に疑問を呈した、古田選手会長を「バカ」呼ばわりしました。世の中多種多様の意見があり、その中には自分の考えと正反対の意見もあるでしょう。しかし、言論機関にいる人間が反対意見を言う人を「バカ」と言うのはいかがなものでしょうか。ちなみに、対立意見に対する具体的な反駁は特にありません。「自分のやり方が絶対正しいのだから、反対者はバカだ」という論法(?)です。

 一方、18日の読売新聞は、『国を愛する心』でなぜいけないという社説を掲載しています。
 表題から分かるように、現在進められている「愛国心教育」を推進しようとする文章です。やれ「中教審答申」だの「現在の学習指導要領」だの「国民の祝日に関する法律の建国記念日の部分」だのを持ち出して、愛国心の涵養(かんよう)は、国家主義とはまったく別の問題なのだ。と結論付けています。いくら「愛国心導入勢力」の「成果」を羅列したところで、そのような「結論」は導き出せないと思うのですが。だいたい、この論説委員氏が引用した文章のどこにも「国家主義との相違点」など書いてありません。
 さらに、60年前のアジア侵略を元に「日の丸」「君が代」を批判する人々は一部のイデオロギー勢力と切り捨てています。社長ほど露骨ではないですが、「そんなバカは相手にする必要がない」という意味なのでしょう。
 まあ、好意的に解釈すれば、社長と論説委員のものの考え方が極めて似通っている意思疎通の優れた会社と言えるのでしょう。ついでに言うと、我が家にいらっしゃる読売関係者の方の、こちらの断りすら許さないような一方的なしゃべりも、この社長の談話や論説委員氏に通じるものがあります。グループ全体の意思統一が優れていると言えるのかもしれません。

 なお、当サイトでは「愛国心教育」に関する長文を戦前の「愛国心」は現在に通用するのか「愛国心」と「公徳心」としてまとめてあります。よろしければ、ご覧いただければ幸いです。

2004年06月17日

資産運用で失敗したのは17%だけ?

 日経BP社のメルマガに過半数が資産運用中、目減り運用は全体の17%というのがありました。その号の表題・トップ記事にもなっている「一押し情報」です。
 読んでみると「82.1%が資産運用に前向き」「過去1年での運用利回りを質問したところ、『0~20%未満』が過半数を超えて56.0%」「一方、運用によって目減りしてしまった方は、17.0%にとどまりました。目減りした割合も、『0未満~-20%』が圧倒的に多く、損失は最小限に抑えられているようです。」などと、「資産運用は、皆が儲かる上にリスクもたいしたことがない」という「データ」が目白押しです。
 この場合、一体何をもって「資産運用」と言えるのでしょうか。最初に見た時は「資産運用=株式投資」なのか、と思っていました。しかし、この記事の後段には、運用方法は、「貯蓄型重視」が42.1%に対して、「投資型重視」が32.0%と、やはり堅実な運用に重きが置かれていることがわかります。という一文もありました。
 という事は、銀行などに金を預けて利息を貰えば「資産運用をしている」となるわけです。ついでに言うと、このアンケートでは、残る25.9%の人の資産運用方法についてのデータは提示していません。その内訳も提示してくれないと、「資産運用の実態」が見えてきません。

 そうなってくると、「過去1年での運用利回りを質問したところ、『0~20%未満』が過半数を超えて56.0%」などという回答紹介は全く持って無意味だという事がわかります。日本円の預金のみ、という「資産運用」をしている人は全てここに含まれます。実際に、「分析結果」として細かくは伺いませんでしたが、おそらく微々たる低金利に甘んじていらっしゃる方が大半ではないでしょうか。などと書いてあります。
 そうなると、「0%~20%」というのはあまりにも大雑把すぎます。500万円を元手に株式投資に成功して600万円にした人も、定額預金にして0.03%の利子を得て500万1,500円になった人も同じにする、というのは無理がありすぎます。現在の金利を考えれば、「0%~1%未満」と「1%以上20%未満」に分けるか、「普通預金」「定期預金」のみの「資産運用」は除いたデータを提示するしないと、適切な情報とは言えないのではないでしょうか。
 当然、こうなると「目減りしてしまった人は17%」などという「データ」も何の意味をなしません。「資産運用」している人全体のうち、「目減りのリスクがある運用方法を利用している人」の比率がどこにも書いていないからです。極端な話、1,000人のうち560人が普通預金・定期預金だけしかしておらず、173人がプラマイゼロで、97人が投資で儲け、170人が投資で損をしても「目減りした人は全体17%」となってしまいます。
 このような結果でありながら、最後は読者の皆さんは手堅く、非常に堅実に資産運用されているという印象を受けました。でもいくつかの景気動向指数が好転し、景気にも薄日が差してきました。企業業績も活況を呈しているようです。そろそろ多少の“冒険”もよいのではないでしょうか。などと、まとめて(?)います。

 質問結果の恣意的な提示と、この結びから見る限り、どうやらこの「アンケート結果」は、読者の貯金を株式投資に振り向けさせるために作られた記事のようです。
 まあ、国策でもあることですし、証券会社などから広告を貰うためにも、こういう「記事」は必要なのでしょう。別に、これを真に受けて投資した人が大損しても、この会社や記者が責任を取る必要はどこにもないわけですから。
 「ナニワ金融道」で先物業者が「赤の他人にわざわざ儲け話を電話するようなマヌケがいるわけないんやけどなー」と言う場面があります。この「真理」はあやしげな業者の勧誘電話のみならず、大手出版社のメールマガジンやWEBサイトにも当てはまるのかもしれません。

2004年05月11日

「賞」が落選

 写真家の森住卓さんが。第51回産経児童出版文化賞を辞退したそうです。森住さんの報道姿勢からすれば、当然の事でしょう。  したがって、森住さんが「辞退」した事には驚きませんでしたが、産経新聞社が森住さんに賞を出していた事にはかなり驚きました。イラクで日本人が拘束された事件の際に、森住さんのルポを漫画化した「汚れた弾丸」について、ヒューマニズムの皮をかぶった反米・反日書であるなどと、右翼団体の張り紙かと見間違うような内容の「書評」を掲載していたからです。  この書評を書いた人が、ちゃんと5月5日の「産経児童出版文化賞」発表日に、審査委員に対し、「ヒューマニズムの皮をかぶった反米・反日書の著者を選ぶとは」などと批判の論陣(?)を張ったかどうかは興味深いところです。ついでに言えば、今の「米英兵残虐行為」の報道に対しても、「反米・反日報道」などと憤っているのでしょうか。
 基本的に「賞」というものは、発行する側が受賞者を選ぶわけです。しかし、今回の「産経児童出版文化賞」については、森住さんが発行社を「賞」にふさわしくないと「落選」させた、という表現がふさわしいのかな、と思いました。

2004年05月08日

唯我独尊で謝罪なし?

 週刊文春の車内吊り広告に、イラク誘拐被害者の今井さんの会見を、「唯我独尊」「今井君、どこまでも謝罪なし」などと揶揄した見出しが出ていました。  この雑誌などが中心となって、政府・警察の情報を垂れ流して行った「人質たたきキャンペーン」は、海外各メディアが呆れて報道したように「日本の恥」をさらしました。しかし、彼らはまだ、そのへんを認識していない(認識していて開き直っている?)ようです。このような報道姿勢こそ「唯我独尊」と言えるのではないでしょうか。  また、今井さんを「君」づけで呼んでいますが、これは彼が18歳だからなのでしょうか。確かに週刊文春の編集部員は全員、今井さんより年上だと思います。しかし、だからといって、彼をそのように見下して報じる資格などあるのでしょうか。  そのように今井さんを見下している彼らの仕事と言えば、政治家の娘の離婚問題記事などで大々的に騒ぎ、一介の殺人事件で「被害者が若い女性で全裸で遺棄されていた」というだけでその被害者女性の顔写真を大きく載せるような程度の質の低さです。そんな事より、イラクの現状・自衛隊派兵による現地の日本人観の変化を身をもって伝えた今井さん達のほうが、よはど報道者としては上だと思うのですが。
 ちなみに、週刊文春と言えば、かつて妻を殺された元会社社長の三浦和義さんを犯人であるかのように大々的に報道した実績があります。しかし、三浦さんの無罪が確定した時に会社として出した談話は「我々は三浦さんを犯人として報じたことはない」だったそうです。こういう会社の論じる「謝罪なし」というのはどういう概念なのでしょうね。

2004年05月06日

新聞社による改憲試案

 ちょっと前の話ですが、3日の憲法記念日に読売新聞社が3度目の自社で作った改憲試案を載せていました。  一通り目を通して見ましたが、「条文」の中には、現行の憲法そのままか、ちょっと文章の一部を変えたものが意外に多くありました。改憲をするために作った「記事」だというのに、そうなっているという事は、現行憲法がさほど「勤続疲労」していない、という事を意味しているのでしょうか。  また、「変えた」部分ですが、当然ながら、読者ウケのよさそうな「条文」が目立ちました。たとえば、軍備を持つことは明記していますが、「戦争の放棄」はそのままで、さらに「軍隊に強制参加させられる事はない」と徴兵制を否定している、といった具合です。  もちろん、この「試案」は「改憲の印象を良くするために掲載した記事」でしかなく、法案でもなんでもありません。これを見て「改憲しても悪い事はないだろうな」などと思っても、実際にそのような国民のリスクの低い憲法になる保障はどこにもありません。
 ところで、この新聞社の社説では、アメリカが戦争を起こすと「重要な日米同盟のためにも、全面協力すべきだ」という感じの「日米安保条約最優先」をもとにした主張をします。にもかかわらず、3日の社説では、なぜか改憲の理由に「アメリカの強い希望」を挙げていませんでした。やはり、アメリカが9条改憲を露骨に言い出す前は「押し付け憲法批判」をしていた手前、主張しにくかったのでしょうか。
 話は戻って、「改憲案」ですが、よく宣伝する「プライバシー権」「環境権」なんかを見ても、「これが憲法に加わったらなにか良くなるか」はピンと来ません。  だいたい、現在、自衛隊派兵を目指ししている勢力は、自分の年金未納は「プライバシー」を主張するが、自衛隊イラク派兵に都合の悪い行動をした人々に対しては「過去を洗え」と警察やマスコミに指示するような事をします。また、環境を破壊する大型工事や高速道路建設を推進する事はあっても、抑制する事はありません。一方、現行憲法で保障されているはずの「勤労権」や「生存権」を破壊するような政策は次々と行っています。  そういう人々が主導して「改正」された憲法に「新たな権利」が記載されたとしても、現実の運用レベルで強化されるのは「政治家のプライバシー権」くらいしかないしょう。  少なくとも、この「大衆受け」を意識した「改憲試案」を読んでも、これが実現しても日常生活で何か良くなる事があるとは、全然思えませんでした。

2004年05月02日

記者会見

 イラクの人質事件被害者の郡山さんと今井さんの記者会見が日本特派員協会で行われました。(詳細は、有料ニュースサイトの日刊ベリタに掲載)。
 この事件の被害者については、それこそ家族の言動の品定めまでマスコミは細かく報じてきました。しかし、当事者が始めて本格的に語った機会であるのもかかわらず、この会見は各社のサイトを見ても、かなり目立ちにくい扱いで、会見内容も抄録だけでした。
 唯一、産経新聞だけは、かなり詳しく報じていましたが、それでも上記の有料ページに載った中で非常に重要だと私が感じた、郡山さんによる「昨年と今年ではイラク人の日本人への態度が全然違った」という事も、高遠さんの代理で会見した写真家の森住卓さんの「事件当時嫌がらせをした人で謝罪してきた人もいる」という発言も報じられていません。また、産経としては当然なのでしょうが、別ページでは「識者」が両者をこきおろす「論評」をしていました。
 政府筋から出てきた「煽り情報」は事細かに報道するが、当事者の発言は軽視する、という姿勢なのでしょうね。
 あと、今井さんに対して、「挑戦者、反日活動家、親不孝者、自分は何者だと思いますか」などという質問をした「記者」がいたそうです。どこの社の誰か知りませんが、論理的にも倫理的にも「報道者」に値する質問とは思えません。その記者こそ「扇動者、政治業者の下働き、60年前の亡霊、自分を何者だと思いますか」と自問自答したほうがいいと思いました。