メイン

2008年03月28日

「税金泥棒」叩きの二重基準

 東京の税金を1,000億円投入して作った「新銀行東京」の経営が悪化しました。この銀行創設を公約にして当選した石原都知事は、責任を他人に押しつけるようは発言を連発しています。そして、やっと出てきた謝罪の言葉は「都民に心配をかけたことをお詫びしたい」でした。
 そして「お詫び」と同時に、400億円もの税金をさらにつぎ込む事決まりました。
 石原都知事といえば、以前から、公費での海外旅行が何度も問題になっていました。つまり、「普段から公費で桁違いの遊興していた公務員が、1,400億円もの税金を無駄にしようとしている」わけです。これほどの「税金泥棒」はなかなか存在しないでしょう。

続きを読む "「税金泥棒」叩きの二重基準" »

2008年03月07日

自動車事故と見出し

 スーパーに自動車が突っ込む、という事故が5日にありました。運転していた人は警察の調べに対し、「ブレーキを踏んだにも関わらず、車が進んだ」と証言しているそうです。
 当然ながら、現時点では原因は不明です。ところが、読売新聞並びに、6日の夕方に出かけた先で見た民放番組では、「アクセルとブレーキを踏み間違えたらしい」と、勝手に「原因」を報じていました。読売新聞に至っては、見出しを「アクセル踏み違え」と書くほどの念の入れようです。

続きを読む "自動車事故と見出し" »

2008年02月04日

騒音行為を応援する言論機関

 日教組が教研集会をグランドプリンスホテル新高輪で行おうとしたところ、「右翼団体の街宣車が押し寄せてくるから」という理由で、急遽、会場側からキャンセルが入り、全体集会ができない、という事件が発生しました。さらに裁判でも、会場使用の仮処分が出たにも関わらず、それを無視したとのこと。司法より右翼を優先したわけです。
 この類の「教員が集会を開くために会場を借りる」「一度は受け付けたものの、右翼の街宣活動の危険性を理由に会場側からキャンセル」というのは毎年のように発生しています。しかしながら、全体集会が開けなくなったのは初めてとのことです。

続きを読む "騒音行為を応援する言論機関" »

2008年01月07日

特定候補の選挙カーと化すマスコミ

 私は大阪府民ではないので、府知事選挙の情報を積極的に集めてはいません。ところが、なぜか、橋下徹氏に関しては、出馬をする、しないから始まり、最新の状況まで、非常に細かい情報が入ってきます。情報源は、Yahoo!やGoogleニュースくらいなのですが、そこの見出しに毎日のように氏の名前が出てくるので、覚えたくなくても覚えてしまうわけです。
 私の場合は投票権はないですし、あってもマスコミの報道で投票を決めることはないから別にかまいません。しかし、これだけマスコミが名前を出せば、投票に影響を受ける人もいるのでしょう。なにせ、TVの人気番組が「この商品が体にいい」と報じれば、翌日にはその商品が売れるというお国柄です。
 ある意味、一連の報道は、マスコミが自主的に橋下氏の選挙カーの役割をしているのと同じなわけです。確かに、公職選挙法などを見ると、選挙報道に関して「虚偽の報道はできない」とはなっています。そう考えると、この「特定候補の動向のみを大きく報じる」事は合法ではあります。しかし、これは果たして、「報道」と言えるのでしょうか。
 候補者や政党によるWEB上の活動は制限が加えられ、このような「選挙カー化するマスコミ」は問題ない、というのも奇妙なものだ、と改めて思いました。

2007年07月17日

自民対民主?

 自民党が、各TV局に安倍首相の出演を要請したそうです。その中での条件がいろいろ細かくあるのですが、その中に、「野党党首との論争は、民主党の小沢党首に限る」というのがあったそうです。
 商業マスコミ言うところの「二大政党の流れが加速」している状況において、民主党は自民党の政権を脅かす存在のはずです。ところが、その政敵とはTVで論争できるが、より勢力の小さい他の政党の党首とは話せない、というのはどういう事なのでしょうか。

続きを読む "自民対民主?" »

2007年07月11日

侵略正当化ハラスメント

 身内の女性から、職場で嫌がらせを受けた話を聞きました。なんでも、同じ職場の男性が、IMなどでひたすら、「南京大虐殺否定論」だの「従軍慰安婦商行為論」だのの主張を送ってくるとのことです。別にその女性は職場で政治的な活動をやっているわけではありません。普通に働いているだけです。
 もちろん、どのような思想を持とうがその人の自由です。ナチスのユダヤ人虐殺を肯定しようと、サリン事件を肯定しようと、頭の中で考える分にはその人の権利です。とはいえ、それを違う思想を持っている人に、相手の気持ちを考えずに一方的に主張する、というのは正常とは思えません。

続きを読む "侵略正当化ハラスメント" »

2007年06月27日

「世界中の笑いもの」になった人

 本日付で、「ブッシュのプードル」のあだ名を持つイギリスのブレア首相が退任しました。普通、外国の首脳につけられたあだ名が日本で広まる事はあまりありません。しかしながら、先々代のサッチャー氏に続き、このブレア氏のあだ名も日本ではかなり有名になりました。ただ、先々代が「鉄の女」と、その政策の是非はともかく「強さ」が伝わるものであるのに対し、彼についたものは「情けなさ」ばかりが伝わるものでした。
 仮にも一国の首相が愛玩犬呼ばわりされたわけです。しかも「主人」はこれまた国内外の多くの人から尊敬を集めていないアメリカ大統領です。歴史ある大国の首相で、ここまで情けないあだ名をつけられた人もそうはいないでしょう。そして、「プードル」としてアメリカの下について行ったイラク侵略戦争は泥沼化したまま現在も続いています。それも失点となり、選挙での大敗もあって任期中に辞任したわけです。

続きを読む "「世界中の笑いもの」になった人" »

2007年06月22日

「社保庁職員叩き」の影にひそむ狙い

 年金問題において、「社会保険庁およびその職員叩き」た連日商業マスコミを賑わしています。先日も、週刊誌の中吊り広告や夕刊紙の一面で、露骨なまでの「社会保険庁職員叩き」を煽る見出しが載っていました。
 読売新聞なども勤務時間 細かい覚え書きなどと、いかに職員が仕事をしていないか、と宣伝する記事を書いています。過去には、毎月何十時間も残業させられて過労自殺した社会保険庁職員もいるのですが、もちろんそのような存在はこの記事では無視されます。それに呼応しているのか、自民党の幹部もTVで「社会保険庁の職員が怠けるからだ」などという発言をしていました。

続きを読む "「社保庁職員叩き」の影にひそむ狙い" »

2007年06月07日

自衛隊国民監視に見る閣僚とマスコミ

 自衛隊が、国民の反戦活動などを調査していた、という内部文章の存在が発覚しました。
 それを受けた防衛省はイラク派遣の反対運動が高まっていた時期で、対応を考えるのが目的とあたかも当然の事であるかのような談話をしています。ちなみに、年金や消費税に関する集会なども「調査」の対象となっていたとのこと。それらも「対応を考える目的」がある行為だという事なのでしょう。
 今更ながら、「軍事力は国民を守るためのもの」という宣伝がいかに事実とかけ離れているかがよく分かります。

続きを読む "自衛隊国民監視に見る閣僚とマスコミ" »

2007年05月03日

「国民の益」と乖離する9条改憲論

 憲法記念日ということで、自民党政治業者や右派商業新聞が、改憲論を打ち上げています。もちろん、以前から変わらず、その主張にあるのは、「アメリカの命令で軍拡を進めてきたが、より進めるために邪魔な9条をなくす」というだけのものです。それによって国民にもたらされるのは、今以上に進む、将来の生活・安全の低下だけです。
 それを分かりやすく教えて(?)くれたのが、今日の読売新聞社説でしょう。核心はやはり9条であるとして、北朝鮮の核兵器開発や中国の軍事大国化による日本の安全保障環境の悪化や、イラク情勢など国際社会の不安定化に対し、現在の9条のままでは、万全の対応ができない。日本の国益にそぐわないことは明らかだ。としています。「万全の対応」について具体的な記載がないのですが、文脈から判断するに、中国や北朝鮮に軍事力で対抗するのみならず、アメリカのイラク侵略にもより協力できるほど軍拡しなければならない、という意味のようです。

続きを読む "「国民の益」と乖離する9条改憲論" »

2007年04月09日

スポーツ紙による選挙運動

 Googleニュースを見たら、都知事選挙の最終日の模様なる各スポーツ紙の記事がありました。なんか、黒川候補が「乱入」した「事件」を報じているようにも見えますが、内容は石原氏の主張をそのまま載せているだけ。例の「身内の重用や高額の税金での旅行や飲み歩き」も「説明が足りなかった。反省しています」と謙虚な姿勢をアピールして戦った。などと書いています。
 対立候補からは、この「釈明」は、行為の説明について「反省」しているだけで、行為そのものは肯定している、と批判されています。しかし、そのような事は記事には一切ありません。さらに、黒川候補の「乱入」にかこつけて、今は亡き人気俳優の家族の名前まで出して、石原氏を「応援」していました。

続きを読む "スポーツ紙による選挙運動" »

2007年04月02日

「悪い方向」に進んだ理由

 内閣府が31日発表した「社会意識に関する世論調査」によると、現在の日本で「悪い方向に向かっている分野」(複数回答)を聞いたところ、「教育」と回答した人が昨年の前回調査より12.3ポイント増の36.1%で、初めてトップになった。という発表記事がありました。
 この発表を報じた記事を見ると、「教育が悪い方向に行っている理由」についての調査結果はないようです。ところがなぜか、その原因として「学力低下」「いじめ」さらには、一部マスコミが勝手に煽っただけの「必修科目未履修問題」などを、勝手に「理由」として分析しています。
 だいたい、「学力低下」や「いじめ」は今になって始まった事なのでしょうか。「分数の計算ができない中学生がいる」という記事を読んだのは、もう10年くらい前だったと記憶しています。「いじめ自殺」に至っては、特に大きく報じられた「葬式ごっこ自殺」などはもう20年以上前の話です。そこから何ら改善がなされず、現在に継続されているだけの話です。
 こう考えると、「昨年に比べて『教育』が悪い方向に進んでいる」という結果に対して、報道機関が勝手に分析した「理由」が、いかに見当外れなのかよくわかります。

続きを読む "「悪い方向」に進んだ理由" »

2007年03月29日

自民党政治業者でも論破(?)できる相手

 安倍首相が、新聞記者の問いかけをに逆質問をして黙らせた、という記事を見かけました。さらに、それに対して、毎日新聞が分析記事(?)を書いていました。何でも、支持率急落の安倍首相が、内閣支持率の続落で、首相は「どうせ落ちるなら、やりたいことをやる」(首相周辺)という心境になっているとのことです。
 支持されなくなると、国民の意思など無視してやりたいことをやろうとする、という時点で、彼の頭の中に「民主政治」という概念がないことがよくわかります。そんな感覚で、企てている憲法改悪が、ほとんどの国民にとって、百害あって一利ない事があらためてよく分かります。もっとも、該当の分析記事にはそのような観点はどこにもありませんが・・・。

続きを読む "自民党政治業者でも論破(?)できる相手" »

2007年01月24日

残業代ゼロ法案と「選挙の争点」

 残業代ゼロ法案こと「ホワイトカラー・エグゼンプション」が見送りになりました。といっても、「実際に深く検討したところ、これでは対象となる労働者の生活と健康に悪影響をおよぼし、不幸にするから」ではありません。最大の理由は「反対が多く、7月の参院選に影響を及ぼす可能性があるから」です。
 つまり、この「残業代ゼロ法案」は実施すると国民に迷惑がかかるものであり、選挙での得票に悪影響を及ぼす、と自民党政府が認めたわけです。まあ、あれだけ大手企業が「サービス残業」という名の「ただ働き」を社員に強制している時代に、「働き方によっては、短時間労働ですむ」などと言っても、よほどの物好きでない限り信じないのは当然でしょう。
 それはいいのですが、これで「残業代ゼロ法案」は消滅したと考えていいのでしょうか。ここで注意すべき事は「撤回」の最大の理由です。参院選に影響があるから撤回した、というのは参院選が終わったら、再び実現に向けて動く可能性が高い、という事です。
 「選挙前には隠しておいて、選挙が終わった後に作られた、国民を損させる法律」は過去にもいくらでもあります。

続きを読む "残業代ゼロ法案と「選挙の争点」" »

2006年12月09日

なんでもかんでも戦後教育のせい?

 数日前の日経新聞一面で、教育問題に関する連載が始まりました。「財界の広報紙」としては当然ながら、自民党政府の行おうとする教育基本法「改正」を全面的に支持するような内容となっています。
 そのため、さまざまな子供周囲の「乱れぶり」を報じ、その原因は「戦前の修身教育の反省から、戦後では道徳教育が軽視されたから」というように論じています。もちろん、「ではなぜ、戦前の『修身』は見直しを受ける事になったか」という理由については一切論じていません。

続きを読む "なんでもかんでも戦後教育のせい?" »

2006年11月04日

内閣府の「調査結果」とその報道

 昨日、内閣府が陸上自衛隊のイラク派兵を、七割が評価している、という「調査結果」を発表しました。何でも、9月下旬に全国3,000人を対象に行ったそうです。回答率は60.4%ほどで、「高く評価する」が25.6%で、「多少は評価する」が45.9%だったとの事です。
 そしてその「評価」の理由で一番多かったのは「イラクの復興に役立った」で、67.9%、ついで「戦闘に巻き込まれずに無事に任務を終えた」が45.3%だったそうです。
 この選択肢一覧を見る限り、質問書は「陸上自衛隊派兵はイラクの復興に役立った」という事を前提にしているようです。
 では果たして本当にイラクは「復興」しているのでしょうか。10月もアメリカの兵士がイラクで100人死んだそうです。「イラク新政府」の上に位置しているアメリカ軍の兵士ですらそれだけ死んでいるのですから、前線で戦っているイラク人の兵士は、親米側・反米側をあわせてどれだけ死んでいるのでしょうか。さらに、その戦闘に巻き込まれている一般市民はどのような生活をしているのでしょうか。
 さらに、イラクの現状を紹介しているブログなどを見ると、どう考えても「イラクが復興している」などという認識はできません。
 つまりこれは、存在しない「イラクの復興」および「復興に自衛隊が役立った」事を前提に、陸上自衛隊派兵の評価を「調査」しているのです。それこそ、「大本営発表」を前提にして「1930年代からの日本軍によるアジア侵略はアジアの人々に有益だったか?」という「調査」をやっているのと大差ありません。

続きを読む "内閣府の「調査結果」とその報道" »

2006年09月16日

「どう考えてもおかしい」週刊誌

 半月ほど前に、学校内で殺人事件が発生し、被疑者とされた少年が消息不明になり、指名手配されました(実際には事件直後に自殺)。これに対し、週刊新潮が、その少年の実名と顔写真を掲載しました。その理由は逃亡して指名手配されているのに、実名も顔写真も公開されていないことはどう考えてもおかしい。公表は犯人の自殺・再犯の抑止にもつながるとの談話を発表したそうです。
 この「逃亡して指名手配されているのに、名前・顔写真が載らないのはどう考えてもおかしい」というのはどういう論法なのでしょうか。私は週刊新潮をさほど読んでいるわけではないのですが、まさか毎週、「今週の指名手配犯」というコーナーがあって、全国各地の警察が指名手配した全ての容疑者の名前と顔写真を「自殺・再犯抑止のために」と言って掲載しているのでしょうか。
 それとも、まさかこの少年に限っては、極めて特殊な例で、実名と顔写真を掲載しないと自殺・再犯の可能性が極めて高まる、とでも言いたいのでしょうか。

続きを読む "「どう考えてもおかしい」週刊誌" »

2006年07月19日

北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃したい人々

 北朝鮮がミサイルを発射した事に対して、「そのミサイル基地を日本から先制攻撃すべし」という意見が自民党政府の高官や一部全国紙などから出ています。中には「金総書記に感謝」と冗談を言った閣僚もいたそうです。
 政治業者・情報産業とも、「ミサイル基地攻撃」という名前の戦争をやりたいという本音が抑え切れなくなっている、という感じです。それほど彼らにとって「戦争」というのは魅力的なものなのでしょう。
 確かに、自分たちの指示や報道によって自衛隊員や煽られた国民が動くわけです。そして自分たちは安全なところにいて、彼らが命を失うさまを見て、「この失われた命のおかげで今の我が国が成り立っている事を忘れてはならない」などと言えばいいわけです。
 ちょうど時を同じくして、「テロ対策」などと言ってイスラエルがレバノン人を虐殺しています。しかしその「効果」は「テロ組織」のミサイル弾などによる反撃でしかありません。そのため、イスラエルの一般市民も死んでいます。しかしながら、攻撃を命じるイスラエル政府の閣僚の所にはその弾は届きません。

続きを読む "北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃したい人々" »

2006年06月16日

「都心の公務員宿舎叩き」報道の受益者

 しばらく前に、「都心の官舎に安い家賃で住む公務員」がマスコミで叩かれた事がありました。ご丁寧に具体的な所在地から家賃の詳細まで調べ上げて、あたかもそれが悪事であるかのように新聞・週刊誌は批判していました。
 その流れにあわせて行われた、財務省の「国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議」なるものが、「答申」を発表しました。その内容は、都心を中心とした公務員宿舎二百十八カ所を売却する、というものでした。
 国有財産を処分するわけですから、本来なら我々国民に何らかの利益がもたらされるはずです。ところが、その売却による収入は3,740億円とのこと。確かに個人レベルでは少なくない額です。しかし、その記事によると現在の国債残高は600兆円ですから、そんな売却収入があっても国家財政にはほとんど寄与しません。600万円の借金に苦しんでいる人に3,470円援助するのと同じ理屈です。したがって、答申通りに公務員宿舎を売ったところで、我々の支払う税金が減ったりすることはありません。
 しかしながら、この売却に期待している人もいます。それは、跡地開発を見込む不動産業者です。確かに都心をはじめとする優良物件が手に入るわけです。それについて、上記の記事は問題は(中略)入札により用地取得コストが膨らむ事を懸念する見方も多い。また、公共用地の払い下げには高さや景観などに制約条項が付くことも多いと心配しています。

続きを読む "「都心の公務員宿舎叩き」報道の受益者" »

2006年05月17日

見出しになる「世論」

 日経新聞を読んでいたら、いきなり「『やむなし』28%」という見出しが目に入りました。読んでみたところ、在日米軍の再編にともなう日本の経費負担の電話による「世論調査」の結果記事でした。
 この「やむなし」というのは、米軍が海外に移転する際の費用を日本の税金から払うのが「やむなし」、という事です。有効回答の3割未満という「少数派」でしかありません。
 さらにこの「調査記事」を読んでみると、どこにも日本がいくら負担をするのか、についての情報が記載されていません。米国防副次官は「日本の負担は3兆円程度」と発言していますが、ちゃんとその額は、電話口で質問する際に伝えているのでしょうか。
 さらに、この「『やむなし』28%」の隣には、一回り小さい大きさの文字で「『国内分に限定を』40%」とあります。この「国内分に限定」というのは、在日米軍が国内の別の基地に移設する際は日本が経費負担をしてもいい、という意見です。
 普通、世論調査といえば、どのような意見が多いか、を紹介するのが建前のはずです. ところがこの記事では、少数意見がより多い意見より大きい文字で紹介されているのです。

続きを読む "見出しになる「世論」" »

2006年05月03日

時代の流れは9条改憲?

 商業マスコミなどの「9条改憲論調」を見ると、憲法9条は時代の流れにあっていない、という事を主張点にしています。で、その時代の流れにあわせて何をすべきかというと、アメリカの世界戦略にあわせて、日本も自衛隊を米軍の下で世界に派兵する体制を作る、となるわけです。
 つまり、時代は、「アメリカの世界戦略に軍事貢献する」という形で流れている、というのが主張の前提となっています。ではなぜ、憲法を変えて軍事貢献までしてアメリカの世界戦略につきあわねばならない「時代」に日本はなったのでしょうか。
 ところが、そのあたりになると、そのマスコミの主張は明快でなくなります。「日米同盟が国際的に重要なのは自明」とか「アメリカの軍事力の下で経済発展をした日本が戦略を一にするのは、当然の事」などと、「是非について国民は考える必要すらない」という論調になるのです。そしてその「日米同盟絶対時代」にあわない憲法9条を変えようと主張しています。

続きを読む "時代の流れは9条改憲?" »

2006年04月18日

犯罪企業を宣伝した会社

 サラ金のアイフルが、度重なる違法行為のため、金融庁に業務停止命令を受けました。過酷な取り立てのみならず、顧客の同意なしに委任状を作成して戸籍謄本などを取得するといった犯罪行為まで行っていたようです。
 ちょうど、TVのニュースをつけたら、この件を報じており、処分が下った事・その原因となった問題行為・アイフル社長の会見などが流れていました。さて次は、この会社の広告を流した事に関してTV局自らはどんな言い訳ををするのだろうか、と期待していました。ところがそこでこの事件に関する報道は終わり、次のニュースに切り替わりました。
 確かに、様々な違法行為をしたのはアイフルです。しかし、TVを初めとする各メディアは、これを他人事のように報道できる立場なのでしょうか。
 アイフルに限った事ではありませんが、大手サラ金の名前は、TV・新聞をはじめ、各種の広告で流れています。しばらく前から、夜間限定に戻ったようですが、それまでは一日中流れていました。その浸透具合は、街中で子供がサラ金のCMソングを口ずさむほどでした。

続きを読む "犯罪企業を宣伝した会社" »

2006年03月22日

「独裁者」と呼ばれるための条件

 ベラルーシのルカシェンコ大統領が三選されました。その当選報道には「欧州最後の独裁者」「暴君」などという敵意むき出しの「称号」を見出しや冒頭に出した記事が多数見受けられました。そして、選挙に不正があった可能性についても報じています。
 私は、ベラルーシの政情も、どのような選挙が行われているかも知りません。ただ、チェチェンなどで自国の少数民族の弾圧を行っているロシアのプーチン大統領がいち早く当選を祝福した、という事から、「同類」なのでは、という印象は持っています。
 とはいえ、このあまりにも露骨な「レッテル張り」報道を見ると、やはり違和感を覚えます。はたして、このルカシェンコ大統領という人は、それほど特異な独裁者なのでしょうか。

 そこで非常に気になったのは、「当選」が決まったときの大統領の談話に「ブッシュ大統領こそ最大のテロリストだ」と述べた事でした。これは選挙に対する欧米の批判に対する反撃のようです。いずれにせよ、アメリカと激しく敵対している事に間違いはありません。さらに言うと、アメリカには「ベラルーシ民主化法」というものがあるそうです。
 さて、仮にこの大統領が対外的には親米だった場合でも、日本の商業マスコミは同様に「独裁者」「暴君」と報じたのでしょうか。
 だいたい、「不正選挙」などといいますが、それで「独裁者」なら、ブッシュ現大統領はどうなるのでしょうか。2004年に行われた選挙では、「パンチカード問題」を筆頭に、さまざまな疑惑がありました。しかし、この問題は解決されていません。ベラルーシの選挙にどのような問題があったか知りません。しかし、アメリカとベラルーシの大統領選挙にどのような違いがあるのでしょうか。報道で見る限りでは、似たようなものになってしまうのですが・・・。
 このように考えていくと、このルカシェンコという人が批判されているのは、その政治手法そのものよりむしろ、「バリバリの反米」にあるのでは、と思えてきます。
 現在のマスコミにおける「独裁者」や「暴君」の基準は、まず第一に「反米であること」で、「不正選挙疑惑」や「人権弾圧」はその大前提を満たして初めて問題視される、と考えたほうがいいのかもしれません。

2006年01月22日

自分たちで煽っておきながら

 先週の強制捜査が契機となって株価が大きく下がり、少なからぬ人が大損をしたようです。それについて、日経新聞が「12月に経団連の奥田会長が『バブル期のような雰囲気になってきた』と言っていたにも関わらず、安易にネット取引などで株式投資をしたからだ」という論調で、大損した人達の「自業自得」のように書いています。
 実際、株式投資は自分の責任で行うべきもので、この考え方自体は間違っているとは思えません。しかし、よりによってこの新聞が言うのはいかがなものか、とも思いました。
 この新聞の2面や3面の下段を見ると、「主婦が株で大儲けした」だの「初めて投資した学生が何億円儲けた」みたいな本や雑誌の広告が毎日のように出ています。さらに、紙面に載る記事にも「株式投資を初めて短期間で大きく儲けた人」の例を挙げ、「貯蓄から投資の時代になった」みたいな感じで煽るような文章が一度ならず載っていました。
 もちろん、その頃は日経平均が上がり続けていたわけです。しかし、株なのですから、平均が上がろうと下がろうと儲かる人は儲かり、損する人は損をします。しかし、先日の急落までの約半年間、私の見た限りでは、「株で簡単に儲けた初心者」は出てきましたが、「儲けるつもりで株をやって損した初心者」が記事に出る事はありませんでした。

続きを読む "自分たちで煽っておきながら" »

2006年01月08日

思考停止をうながそうとする「殺し文句」

 自民党政府の政策を宣伝するために商業マスコミが行う「報道」において、しばしば「殺し文句」が作られます。13年前の「非自民政権誕生」の時の「改革派・守旧派(現在でいうところの抵抗勢力)」あたりが特に効果がありました。この当時、「守旧派は地方分権に反対する」と書いておけば、「地方分権」が進むとどのような層が喜んでどのような層が困るのか、などといった考察をしなくても「地方分権の推進=善」という定義づけが成立しました。
 この「改革」という言葉は相変わらず、「この称号がつけば善」になってしまう殺し文句であり続けています。その名のもとに「毎年300億円もの税金を政治業者にばらまく」だの「一部の富裕層はより豊かになる一方で、貧困層は人数も貧しさの度合いも拡大させる」事だのが進められました。それを商業マスコミは「改革」という名前がついているから、という理由で応援しているわけです。

続きを読む "思考停止をうながそうとする「殺し文句」" »

2005年12月31日

前回の鉄道惨事の教訓

 春の福知山線に続き、今度は羽越線で死者の出る鉄道脱線事故がありました。乗客数が少なかったため、死傷者の数も多くはありません。しかし、数両が脱線し、事故後一日以上経っても、被害者の捜索が完了しなかったなど、事故そのものの規模はあまり変わらないようです。これがたとえば帰省ラッシュの時期だったらどうなっていたか、と思うとゾッとします。
 前回の福知山線事故は「人災」とか言いようがなかったため、各マスコミもその線で報道していました。しかし、今回は、「偶然の天災」である可能性もあるので、事故原因において人災的な要因の報道はあまりなされていません。事故現場の風についても、「普段は強風がなかった」と「普段から風が怖かった」という運転士経験者の談話を「両論併記」している記事があったほどでした。

 そういう事もあり、あまり知られていないようですが、福知山線の通勤電車と今回事故が起きた「特急いなほ」には象徴的な共通点があります。それは、「競争による速度向上が社の課題だった路線で起きた惨事」という事です。
 大阪-宝塚間でJRと阪急が競争していたように、東京-酒田間では、JRと飛行機の競争があります。そのため、JRにとって、この区間の速度向上は課題だったようです。
 そのため、JR東日本がダイヤを改正する際、「東京-酒田間の所要時間の短縮」を宣伝する事は少なからずありました。今年の12月に行われたダイヤ改正に関するJR東日本新潟支社の発表で、一番最初に出ていたのも、上越新幹線を経由して乗り換えた時の「東京-酒田の最短時間が4時間42分から3時間55分に短縮した」でした。この短縮は、主に上越新幹線のダイヤ見直しによるものではあります。とはいえ、その際に、接続する「いなほ」の新潟-酒田間の所要時間も3分ほど短縮されています。
 そのような「スピードアップの掛け声」は、今回の「強風下で運転を再開するか、運休覚悟で待つか」という判断を下すにあたって何ら影響がなかったのでしょうか。

続きを読む "前回の鉄道惨事の教訓" »

2005年12月05日

貧しいと清らか?

 右翼テロ団体の最高顧問を務め、「国のために死ねる人を育てるのが教育だ」という発言を筆頭に、戦前回帰思想を公言していた民主党の政治業者が、「非弁活動」なるものにからんで逮捕されました。これに関する記事で、二つほどの新聞が、ちょっと変わった論調を書いていました。
 一つは東京新聞で、今回のような暴力団まがいの方法による「政治資金調達」問題で逮捕された人に対し、「金にクリーン」なる言葉を二回も使っています。さらに、「質素な生活」「服装がヨレヨレ」だったなどとも書いています。また、WEBでは削除されましたが、産経新聞も「家は雨漏りがするほどだった」などと、これまた「貧しさ」を強調した記事を載せていました。

 昔から、マスコミが政治家の事を論じる時、「井戸塀政治家」なるものが理想であるかのような事を書きます。これは、、政治資金を捻出するために、あらゆる物を売り払って、井戸と塀しか残らいほど貧しくなった事を意味する言葉です。
 確かに、政治活動で多額の収益を挙げて「○○御殿」などと呼ばれる家を建てるより、こちらのほうが好感は持たれるでしょう。しかし、本来、「収支」というもの自体は政治家としての評価の対象にはならないはずです。たとえば、「井戸塀政治家」でも、その家まで売った金を使って、侵略戦争を推進して多くの人を殺せば、政治家としての業績はマイナスにしかなりません。ところが、多くの報道では、「お金がなかった」という所で評価が終了してしまいます。
 今回逮捕された議員は、特にその主張の右翼性が際立っていました。それに対し、日頃からこの議員と似通った主張をしている産経新聞と、「つくる会」の構成員の主張をほぼ丸ごと載せた事がある東京新聞が、あたかもこの議員が「清貧」であるとも取れる記事を載せたわけです。何か意図する所でもあるのでは、と思えてきてしまいます。
 少なくとも政治家においては「貧」と「清」には何ら関連性がないと考えたほうがいい、と今回の報道を見て、改めて思いを強くしました。

 なお、これは本筋から外れますが、逮捕された容疑者について、プラスの評価も含めたさまざまな立場からの声を掲載した、という点においては、上記の報道は評価に値すると思います。願わくば、このような報道手法を、このような政治業者だけではなく、刑事事件で逮捕・起訴された一般人(特に無罪を主張している人)にも適用してほしいものです。

2005年09月12日

議席数よりもむしろ

 選挙の結果、民主党が64議席、「諸派・無所属」が14議席減って、自民党と公明党で差し引き81議席増えました。つまり、自民・公明・民主の合計の議席数はさほど変わっていないわけです。選挙の直前に書いたように、自民党と民主党の本質は変わらないと考えていますので、そういう点では「自民党大勝」という情報にはさほど驚いていません。正確に言えば、共産・社民が激減した前回ほど驚いていない、という感じです。
 とはいえ、今後の日本に対する不安感はより一層高まりました。特に気になったのは、今回の選挙では、これまで以上に商業マスコミと自民党の一体化が目立った事です。ここまで協力体制が整ったのは、60年ぶりではないのか、とまで思っています。今回は、その「成果」が「民主党の議席が自民党に移動」という程度の結果にしかなりませんでした。しかし、この手法を応用すれば、憲法をはじめ、重要な諸問題が今回の選挙と同様な形で進んでしまう危険性が大きいでしょう。そのあたりについては、明日以降また書いていきます。

2005年05月05日

被害者と加害者を取り違えた報道

 JR西日本の安全軽視体質が起こした4月25日の福知山線の大事故について、3日あたりから奇妙な報道が流れています。まず、3日夜に「事故を起こした列車に乗って通勤していたJR西日本の運転手が、救助もせずに出勤した」という記事が出ました。続いて、4日には、「JR西日本の社員のグループが、当日、休暇を取ってボウリング大会を行い、事故が報じられても大会を中止しなかった」という記事が出ました。いずれも、「JR西日本の発表によるとそういう社員がいたことが分かった」という形で報じられています。
 この、当局などの発表記事を「という事が分かった」という形で各紙が一斉に報じる事については、メディアの辺境地帯さんが、「『分かった』ジャーナリズム」として、厳しく批判されています。今回のは、その「分かった」の情報源が、大惨事の最大の責任者であるJR西日本であり、そこの発表をそのまま掲載しているだけに、より異常と言えるでしょう。

続きを読む "被害者と加害者を取り違えた報道" »

2005年04月29日

マスコミの提言通りにやった結果

 月曜の朝に、尼崎でJRの大事故が発生しました。最終的な死者数は百人を越えました。鉄道事故でこの死者数は42年ぶりの事だそうです。
 そのニュース速報を見ていたら、記者会見をするJR西日本の幹部や、応対している社員に対し、マスコミの記者が乱暴な言葉で詰め寄る場面が報じられました。また、ほとんどの商業マスコミも、自動制御装置が古かった事などを挙げて、JRの安全管理を批判するような論調を載せています。
 もちろん、JRの安全管理に重大な問題があるのは事実ですし、早急に改善されるべきです。ただ、そのような企業体質になった原因を考えると、このようなマスコミの「体質追及」にはかなりの違和感がありました。

続きを読む "マスコミの提言通りにやった結果" »

2005年04月13日

中国の反日デモ報道から伝わるもの

 先週末あたりから、中国で反日デモが過激化している、と報じられています。教科書問題など日本側にも非があるとはいえ、大使館への投石や日本人留学生を殴打するなど、暴力で意見を主張する、という行為は断じて賛成できません。
 ところで、このデモに関する日本側の報道を見ていると、二つほど興味深い点が見受けられます。一つは、中国の高官の発言や、大使館周辺の警官の言動を元に、「中国側がデモを扇動している」というような書き方をしているところです。その一方で、「報道管制をしいて、この件は一般市民には伝えないようにしている」とも報じています。
 中国政府が「反日行動」を拡大したいのなら、都合の悪い部分は隠して「愛国者たちのデモ」と報道させればいいだけですし、逆に収束させたいのなら警官に厳しく取締らせればいいわけです。いずれにせよ、ちょっと矛盾しています。もちろん、巨大な官僚組織ですから、それぞれの部局に思惑があって、矛盾した行動を取っていると考えるべきなのかもしれません。しかしながら、一つの記事に「中国政府を糾弾する」という点を除けば矛盾している情報を載せるというのはどうなのでしょうか。

 ところで、「大規模デモを報道しない・させない」という事を日本のマスコミは中国ならではの事であるかのように報じています。
 しかし、日本でも似たような事は最近になって増えています。2年前のイラク戦争の時の反戦運動しかり、九条の会の活動しかり、商業マスコミでの扱いは良くてベタ記事程度。黙殺する事も少なくありません。特に、好戦・九条改悪派の会社ほど扱いが小さくなる傾向にあります。
 こういうのを見ていると、公然と国家の統制を受けている中国のマスコミと、「権力を監視する」と自称している日本のマスコミの違いについて、考えさせられてしまいます。

続きを読む "中国の反日デモ報道から伝わるもの" »

2005年03月25日

「ジャーナリズム」の自己過信

 毎日新聞に載ったライブドア社長氏の「ジャーナリズム論」が、既存の情報産業から批判されています。普段はかなり論調が違う東京新聞と、読売新聞の社説が、ほとんど同じ論調で批判している事からも、彼らが根源的なところで、あの発言を嫌っている事がわかります。
 基本的には、ライブドアの社長氏は好きではありません。しかし、その好き嫌いとは別に、この発言およびその反応には興味深いものがあります。

 読売の社説では権力を監視し、社会の不正を暴き、公正な世論を形成する。(中略)官庁や企業の発表、発生した事件を垂れ流すだけでは、ジャーナリズムとは言えない。などと言っています。東京新聞の社説も、毎日新聞での質問者も、似たような事を言っていました。
 もちろん、自分たちの所属している業界がこれまで行ってきた事を肯定したい気持ちは分かります。とはいえ、ちょっと自分たちの能力や仕事を過大評価しすぎていませんでしょうか。
 確かに、彼らは情報の収集ならびに発信の専門家として、豊富な経験を積んでいます。しかし、その得た情報を取捨選択する事についてはどうなのでしょうか。
 たとえば、上記社説で自分たちの実績(?)として、「権力の監視」「社会の不正」「公正な世論を形成」を挙げています。では、その「権力『監視』の対象範囲」「『不正』だの『公正』といった定義はどのように行われるのでしょうか。
 言うまでもない事ですが、各情報産業の社員に、絶対神のような善悪を判断する能力があるわけではありません。ではその判断基準が何になるかと言うと、結局は「社の儲けになるかどうか」です。(その構造的な問題による報道の「偏向」については、当ブログの長文集・「マスコミ」という情報産業についてでふれているので、よろしければご参照ください。)
 いずれにせよ、ライブドア社長氏のマスコミ批判に対し、「俗」だの「金儲け」だのと批判できるほどの立派なことを、現在の情報産業が行っていない事は確かです。
 特に、「公正な世論を形成」などどこをどう勘違いしたら言えるのでしょうか。この前のプロ野球選手会スト問題の時に、自社の社説がどれほど「公正な世論の形成」に貢献したか、一度じっくり考えてみてほしいものです。

2005年03月16日

何に支配されるなら問題ない?

 読売の会長氏が、ニッポン放送株問題についてテレビ、ラジオといった社会の恒久なメディア媒体をマネーゲームで排除される、支配されることはあってはならないと述べたと、スポーツ報知の一面トップで報じられていました(※なお、他のスポーツ2紙は「高級なメディア」と記載していました。こちらのほうが、意味は通りやすい感じです)。
 要は、「政財界に頭を下げないようなポット出での成り上がりなんぞに支配されてたまるか」という意味なのでしょう。それはともかく、この発言を見ていると、「マネーゲーム」でないものになら、支配されても問題がないのだろうか、と思えてきます。

 読売新聞をはじめ、多くの大手情報産業は、自民党政府や財界と密接な関係があります。この発言をした読売の会長も、先日辞任したNHKの前会長も、政治記者時代から自民党の特定勢力と密接な関係を持ち、それを利用して頂点に登りつめたほどです。
 そのため、必然的に基本的な論調は、それらの勢力の利益を意識したものとなります。その結果、「日米同盟は絶対視すべきもの」であり、アメリカの軍事戦略は常に正しく、国内では大企業の利益を維持する経済政策が正しいものとなります。その一方、一般国民は、増税や社会保障のサービス低下および負担増を容認すべき、となるわけです。
 この権力と情報産業の密着については、よく言われるように、「政・財・官」にマスコミが加わった「鉄の四角形」といった感じです。しかしながら、その結果が先ほど書いたような「自民党政府・財界の立場に立った論調」になっているわけです。その結果、天皇制政府の支配を受けていた「大本営発表」の時代の報道に着実に近づきつつあるわけです。

 昔のマスコミには、「いかなる権力にも支配されない」みたいな建前がありました。それをあの発言は、「マネーゲームで支配される事があってはならない」と「敵」を否定する形式を取りながら、「現在の商業マスコミを『支配』している勢力の存在」について自ら明示したわけです。今更とはいえ、思わぬ所で「本音」が聞けました。
 それにしても、系列スポーツ紙とはいえ、この「お言葉」を有難く一面トップにするというのもすごい感覚です。「高級」だか「恒久」だかわかりませんが、その程度のものならば、マネーゲームに支配されようとされまいと、さほど変わらないと思うのですが・・・。

2005年01月20日

「公正」の基準

 番組改変で問題になった、「女性国際戦犯法廷」について、当時者の安倍氏・中川氏はもちろん、右よりのマスコミが「公正ではない」と批判しています。ただ、その批判を見ると、「その裁判では当時の国際法に基づいて、日本や天皇の行為を裁いているが、その判決の○○は国際法上、明らかに誤っている」というように、「裁判」を正面から批判しているものではありません。
 その代わりに「昭和天皇に有罪判決を出した」とか「北朝鮮の人も加わっている。あれは工作員だ(※工作員である具体的証拠の提示はなし)」などと、読者・視聴者の感情を刺激するような語句を連ねて、「不公正だ」と決め付けています。
 また、安倍氏は何度もTV出演をして、自分の正当性を主張しています。ある番組に至っては、司会者は、万が一にも安倍氏に「失言」が出ないよう、細やかな気遣いのもとに質問していました。
 それらのマスコミは、放映されなかった番組の内容や、「女性国際戦犯法廷」を「不公平だ」と批判しています。しかしながら、これらの論調や司会者の態度を見ると、彼らのも十分「安倍氏に偏った報道」をしています。報道される量も、安倍氏・NHK側に比べ、「女性国際戦犯法廷」側の主張の類は、ほとんど見られません。
 もっとも、安倍氏・NHKの主張が出れば出るほど、NHKと自民党の密着ぶり、並びに彼らがそれを当然と認識している事が伝わってくる、という皮肉な結果にもなってはいますが。
 NHKにせよ、安倍氏・NHK側に立つマスコミにせよ、彼らにとっての「公正」の条件はまず第一に「自民党政府に認められる事」なのだろうか、と思いながら「安倍氏側に偏った報道」を見ています。

2004年12月22日

他に選択肢はない?

 マスコミの社説などで、「○○以外の選択肢はない」という表現がたまに見られます(例1例2)。
 「マスコミがそう言うのだから」などと素直に読んでいると、「他に選択肢がないのか。ならば仕方がない」などと納得しかねません。しかし、一体その「選択肢」とは誰が作るのでしょうか。

 試験の選択式問題ではあらかじめ「正解」が決まっているにも関わらず、受験者を迷わせる「誤った選択肢」が二つ以上存在します。その、それぞれ一理ありそうな選択肢から、いろいろと考えた結果「正解」を選ぶわけです。つまり、「選択肢」というのは、正解である必要などないのです。
 加えて言えば、それまで「正解」とされていたものを疑い、不正解とされていた選択肢を再検討する事によって、科学は進歩していきました。
 ましてや、誰もが「正解」を知らない現時点においては、様々な「正解となりえる選択肢」が存在し、その外側にはさらに無数の「正解とは思えないが、選ぶ事ができなくはない選択肢」が存在するわけです。にもかかわらず、「他に選択肢はない」などと、他の全ての可能性を否定する、というのは果たして可能なのでしょうか。

 冒頭に書いたように、「他に選択肢はないのか、ではそれしかないな」と単純に理解してくれる人ばかりなら、このような物言いは説得力を持てるかもしれません。しかし、このようにちょっと突っ込んで考えてみれば、「他に選択肢はない」などという言葉を使って主張するのは、「事実としてありえない事」を前提に主張しているようなものだという事に気づかされます。
 逆に言えば、そのような無茶をしなければならないほど非論理的な事を主張する時に使うのが、「他に選択肢はない」という言葉である、と考えると分かりやすいのかもしれません。

2004年10月12日

草野球とマッサージ器が年金崩壊の原因?

 ここのところ、社会保険庁の「不祥事」に関する報道をよく見ます。業者に便宜を図って約4億4600万円分受注させ、その見返りに数十万円貰った課長が逮捕されたという事件は、確かに純粋な不祥事です(ただし、それが社会保険庁に限る特殊な例とは思いづらいですが)。
 しかし、職員の親睦草野球大会などに年間136万円を保険料から支出していたなどというのを、社会保険庁大阪社会保険事務局がマスコミ発表した、という記事などを見ると、よくそんなもん調べて、わざわざ発表するな、と思ってしまいます。
 もちろん、草野球だろうとボウリング大会だろうと、保険料を使って行う事が適切だとは思いません。しかし、保険料の不適切な使途というならば、もっと多額のものがあるのではないでしょうか。
 たとえば、年金保険料無駄遣いの象徴とされる「グリーンピア」。この存在並びに非効率的な経営については、どのマスコミも取り上げます。しかし、この大半は、歴代厚生大臣や、議員に立候補しようとした厚生官僚の地元に造られた、という指摘については、いくら検索しても、マスコミのサイトにはなく、議員などのサイトにしか掲載されていません。
 そのうちの一つである、グリーンピア二本松の赤字だけで80億円だそうですから、それだけで野球大会が5,882回も開催できます。そのような大赤字の根源については明らかにせず、野球大会を調査する社会保険庁の上層部の意図はどこにあるのでしょうか。

 そのような傾向を受けてか、今週の週刊文春はマッサージ器に観劇チケット…ムダ遣い総額6300億円社会保険庁全職員に告ぐ一人3700万円を返還せよ!という記事を掲載しています。マッサージ器もグリーンピアもいっしょくたにし、全て「年金官僚」が悪いとしています。
 年金に関わっている人にも、自らの利権のために数十億円の保険料を使いまくった大臣や高給官僚がいる一方で、こき使われて過労自殺した青年職員もします。にもかかわらず、大