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2008年08月06日

原爆を正当化する人々にとっての「平和」

 経団連会長が主催した学生向けの企画に、シーファー駐日米大使が招かれて、「平和や正義など人類普遍の価値を求めて活躍してほしい」と言ったそうです。
 そして、その直後に原爆投下に対する質問を受け、「戦争被害者を最少限に抑えるためだった」と回答したとの事です。(参照サイト
 つまり、この駐日米大使にとっての「平和や正義」というのは、広島や長崎で何十万人の人を虐殺し、その上、その場で生き残った人も放射能で苦しめる事が「平和や正義などの人類普遍の価値」のようです。
 「原爆を投下しなければより多くの人が死んでいた」という論法自体、理解しがたいものがあります。少なくとも、ドイツもイタリアも、原爆を落とさずに戦争は終わっています。
 ただ、このような発言は別に珍しいことではありません。「原爆を落とした側」にとっては、毎度の事です。そして、彼らは今でも「平和のため」などと言いながら、残虐兵器を作り、実際に使用して多くの人を殺したり傷つけたりしています。

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2008年03月11日

63年前と変わらぬ残虐行為

 10日の朝、TVニュースを見たら、東京大空襲の惨状を伝える写真が新たに発見された、という報道がありました。あわせて、その写真が撮られた避難所で運良く生き残った方の談話も流れていました。
 その方は、最後に「もうこんな事は二度と起きてほしくない」と言っていました。確かに、東京では、1945年を最後に、あのような残虐な事は起きていません。そういう意味では、その方の願いはかなっていると言えます。
 ただ、これはあくまでも限定的な話でしかありません。「東京での大空襲」を除けば、同種の事は連綿と起き続けています。

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2008年02月28日

自衛隊が守らないもの

 自衛隊のイージス艦が漁船に衝突するという事件が発生しました。もちろん、事故が発生したということ自体が最大の問題です。ただ、それとは別に、事故発生後の防衛省の動きにも、見過ごすことができない問題があります。
 防衛省による発表は、なるべく、自らの責任を回避したり、被害者側に責任を押しつけようとするものです。そして、時には虚偽も交えた発表をし、指摘を受けて撤回というのが繰り返されています。
 これらの事から、事故発生前・発生時はもちろん、今になっても、海上自衛隊の考えの根本が、「自分たちの組織>漁船ならびに乗員の安全」である、という事がよく分かります。

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2008年01月06日

沖縄戦を「誤解」させようとする勢力

 1945年に行われた沖縄での戦争で、日本軍が沖縄の住民に「集団自決」を強いた事が文部科学省の検定で削除されました。その結果、沖縄を中心に大規模な検定撤回運動が起きました。しかし、「集団自決」について、ある程度の譲歩は見られたものの、「軍の命令により、住民が『自決』を強いられた」という記述は、やはり検定を通りませんでした。
 日本がかつて行った戦争に関する教科書検定は、一貫して当時の天皇制政府および日本軍の行動を美化しようとしています。私が中学生だった頃には、「侵略」を「進出」に書き換えさせるような「検定」が行われた、という事が話題になりました。おかげさまで、教科書を読みながら、天皇制政府がアジアを侵略した事のみならず、文部省(当時)が「侵略」という事実を隠蔽しようとしている事まで学ぶことができました。そのような文部省(当時)の「政治的立場」を知ることができた、という点においてのみ、検定には価値があると、当時も今も思っています。

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2007年12月18日

「脅威」と「国際貢献」で儲ける人々

 一連の防衛省がらみの問題発覚は止まるところを知りません。今回、新たに「省ぐるみの裏金作成」問題が浮上しました。他にも様々な問題が判明しており、逮捕された前次官氏や、大きく報道されている軍需企業だけに止まる問題でないことは明らかです。
 日本のみならず、アメリカの軍需産業も莫大な利益を挙げ、その見返りとして、防衛省関係者が個人的に利益供与を受け、さらに省ぐるみでも裏金作りをやって収益を得ていたわけです。言うまでもないことですが、これらの利益はいずれも、国民がおさめた税金が元になっています。
 軍事関係の事になると、二言目には「国益」という言葉が使われていました。しかし、実際のところ、その「国」という言葉は自分たち個人の懐を意味していたようです。

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2007年09月10日

殺人協力に内閣の存廃をかける首相

 安倍首相が、テロ対策特別措置法に基づくインド洋での自衛隊の給油活動を継続するための法整備について「職を賭して取り組んでいかないといけない」と表明した。(中略)内閣総辞職の可能性を示唆した。そうです。
 「テロ対策」「給油活動」などという字面だけ見ると、なんかテロ活動を防ぐために協力しているように見えます。しかし、実態はただの米軍の兵站活動です。さらに、建前ではアフガニスタンの「テロ対策」にのみに給油しているはずが、実際に給油を受けた米軍機は、イラクやソマリアへ飛んでいって軍事活動をしているという疑惑も発生しています。

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2007年07月11日

侵略正当化ハラスメント

 身内の女性から、職場で嫌がらせを受けた話を聞きました。なんでも、同じ職場の男性が、IMなどでひたすら、「南京大虐殺否定論」だの「従軍慰安婦商行為論」だのの主張を送ってくるとのことです。別にその女性は職場で政治的な活動をやっているわけではありません。普通に働いているだけです。
 もちろん、どのような思想を持とうがその人の自由です。ナチスのユダヤ人虐殺を肯定しようと、サリン事件を肯定しようと、頭の中で考える分にはその人の権利です。とはいえ、それを違う思想を持っている人に、相手の気持ちを考えずに一方的に主張する、というのは正常とは思えません。

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2007年07月02日

「事実上の撤回」でより明らかになった本質

 久間防衛相が、大学で行った講演で、原爆投下について、「しょうがないなと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない」「日本が負けると分かっているのにあえて原爆を広島と長崎に落とし、終戦になった。幸い北海道が占領されずに済んだが、間違うと北海道がソ連に取られてしまった」などと発言したそうです。
 一日たって「事実上の発言撤回」なる事をしたそうです。ところがその発言は「原爆を落とすのを是認したように受け取られたのは残念だ。(当時の)ソ連の意図や米国が原爆を落とすことを見抜けなかった判断ミスを含めての話だ」と述べ、原爆投下を止められなかった当時の日本政府への批判が真意だと釈明した。というものです。

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2007年06月27日

「世界中の笑いもの」になった人

 本日付で、「ブッシュのプードル」のあだ名を持つイギリスのブレア首相が退任しました。普通、外国の首脳につけられたあだ名が日本で広まる事はあまりありません。しかしながら、先々代のサッチャー氏に続き、このブレア氏のあだ名も日本ではかなり有名になりました。ただ、先々代が「鉄の女」と、その政策の是非はともかく「強さ」が伝わるものであるのに対し、彼についたものは「情けなさ」ばかりが伝わるものでした。
 仮にも一国の首相が愛玩犬呼ばわりされたわけです。しかも「主人」はこれまた国内外の多くの人から尊敬を集めていないアメリカ大統領です。歴史ある大国の首相で、ここまで情けないあだ名をつけられた人もそうはいないでしょう。そして、「プードル」としてアメリカの下について行ったイラク侵略戦争は泥沼化したまま現在も続いています。それも失点となり、選挙での大敗もあって任期中に辞任したわけです。

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2007年06月07日

自衛隊国民監視に見る閣僚とマスコミ

 自衛隊が、国民の反戦活動などを調査していた、という内部文章の存在が発覚しました。
 それを受けた防衛省はイラク派遣の反対運動が高まっていた時期で、対応を考えるのが目的とあたかも当然の事であるかのような談話をしています。ちなみに、年金や消費税に関する集会なども「調査」の対象となっていたとのこと。それらも「対応を考える目的」がある行為だという事なのでしょう。
 今更ながら、「軍事力は国民を守るためのもの」という宣伝がいかに事実とかけ離れているかがよく分かります。

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2007年05月03日

「国民の益」と乖離する9条改憲論

 憲法記念日ということで、自民党政治業者や右派商業新聞が、改憲論を打ち上げています。もちろん、以前から変わらず、その主張にあるのは、「アメリカの命令で軍拡を進めてきたが、より進めるために邪魔な9条をなくす」というだけのものです。それによって国民にもたらされるのは、今以上に進む、将来の生活・安全の低下だけです。
 それを分かりやすく教えて(?)くれたのが、今日の読売新聞社説でしょう。核心はやはり9条であるとして、北朝鮮の核兵器開発や中国の軍事大国化による日本の安全保障環境の悪化や、イラク情勢など国際社会の不安定化に対し、現在の9条のままでは、万全の対応ができない。日本の国益にそぐわないことは明らかだ。としています。「万全の対応」について具体的な記載がないのですが、文脈から判断するに、中国や北朝鮮に軍事力で対抗するのみならず、アメリカのイラク侵略にもより協力できるほど軍拡しなければならない、という意味のようです。

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2006年11月05日

国民の安全と「核兵器保有論議」

 自民党の閣僚や党幹部が、事あるごとに「核武装論議の必要性」を語っています。その論拠を一言でまとめると「北朝鮮が核実験をし、金正日総書記はいつ核兵器を撃ち込んでくるかわからないほど異常だから、日本も核武装を考えるべきだ」になります。
 しかし、核武装をすることは、日本国民の安全に役立つのでしょうか。
 仮に北朝鮮が日本に核攻撃を行ったら、アメリカが「報復」という大義名分を得て平壌に核兵器を撃ち込むでしょう。つまるところ、日本が核兵器を持っていようといまいと、北朝鮮にとっては同じ話になるわけです。ましてや、自ら金正日総書記を異常者と決めつけているわけです。異常者でしたら、「相手が核兵器を持っていなければ攻撃し、所持していれば攻撃を控える」などという判断力を期待できないでしょう。
 つまり、「北朝鮮核攻撃抑止のための核武装」などと言うものは無意味です。ましてや、この自民党の核武装論者が何度も繰り返している「金正日総書記は異常だから」を援用すると、その無意味さは倍増するわけです。
 このように、彼らの「核武装論議が必要」という発言を解釈するだけで、「核武装することの無意味さ」が証明されてしまっているわけです。

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2006年08月17日

首相の靖国参拝とかつての開戦

 8月15日に、小泉首相が靖国神社に参拝しました。今回もまた、毎度おなじみの破綻した「参拝した理由」を言っています。これについては当ブログや長文集で何度も批判してきました(不戦の誓い?小泉首相の「理解」力など)。したがって、ここでは「参拝の口実」についてではなく、この状況での靖国参拝と国益の関わりについて考えてみたいと思います。
 この参拝については、小泉首相の「主」であるアメリカや、「スポンサー」である財界からも、批判の声が日を増すごとに強まるばかりでした。それだけ、中国や韓国の反対および、対日関係の冷え込みが、アメリカの世界戦略や経済界にも悪影響をおよぼしているのでしょう。言い換えれば、それだけ中国の経済的に占める位置が大きくなっているわけです。
 もちろん、日本の侵略戦争を肯定し続けるような宗教施設に首相が特別な感情を持って参拝を繰り返す事は、それ自体が日本の未来のために良くない事です。したがって、中国・韓国の賛否や経済力がどうであろうと参拝すべきではありません。

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2006年08月06日

核兵器の脅威から守ってくれないもの

 61年前、日本の広島で核兵器の実戦投入が行われました。そして3日後には長崎で同じ事が行われました。そしてあわせて20万を越す人が死に、生き残った人でも火傷や放射能により、61年たった今でも苦しんでいる人がいるわけです。
 この、歴史上最大の日本人虐殺行為が行われる中、一方で日本は他国を侵略し続けていました。もちろん、最初の侵略先である中国はもちろんですが、東南アジアだの南洋のサイパンだのポナペだのにまで、兵士を送っていました。
 一応、高射砲など、空襲への対処も行っていました。とはいえ、「空襲対策」の基本方針はあくまでも疎開などといったもので、「空襲を防ぐ」ではなく、「空襲は仕方ないから逃げろ」というものでした。その一方で、侵略継続のために、空襲の恐怖にさらされる国民から生活必需品を供出させたり、松の根を掘らせたりしていたわけです。
 もちろん、1945年の状況だと、日本近海の制空権も制海権も奪われていたわけです。したがって、本土に空襲があったからといって、中国や南洋の日本軍が即座に引き返して本土防衛に回る、という事ができるわけはありません。とはいえ、敵軍の空襲で一般市民が命を奪われている中で、兵隊が外国で侵略行為を行い、さらにその軍隊を維持するために国民が生活を削らされ、その果てに核兵器を落とされて大量の死者が出た、というのは一見すると奇妙な構図です。

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2006年07月19日

北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃したい人々

 北朝鮮がミサイルを発射した事に対して、「そのミサイル基地を日本から先制攻撃すべし」という意見が自民党政府の高官や一部全国紙などから出ています。中には「金総書記に感謝」と冗談を言った閣僚もいたそうです。
 政治業者・情報産業とも、「ミサイル基地攻撃」という名前の戦争をやりたいという本音が抑え切れなくなっている、という感じです。それほど彼らにとって「戦争」というのは魅力的なものなのでしょう。
 確かに、自分たちの指示や報道によって自衛隊員や煽られた国民が動くわけです。そして自分たちは安全なところにいて、彼らが命を失うさまを見て、「この失われた命のおかげで今の我が国が成り立っている事を忘れてはならない」などと言えばいいわけです。
 ちょうど時を同じくして、「テロ対策」などと言ってイスラエルがレバノン人を虐殺しています。しかしその「効果」は「テロ組織」のミサイル弾などによる反撃でしかありません。そのため、イスラエルの一般市民も死んでいます。しかしながら、攻撃を命じるイスラエル政府の閣僚の所にはその弾は届きません。

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2005年12月19日

小泉首相の「理解」力

 小泉首相は、就任してから毎年必ず靖国神社に参拝しています。そのたびに、内外問わず厳しい批判が起きます。その参拝が政教分離に反する事争った裁判では、高裁で違憲とする判決も出ました。かつての被侵略国でも、反発が相次ぎ、中国や韓国をはじめ、外交でも重大な問題となっています。その深刻さは、かつては関心を持たなかった、小泉首相の「宗主」であるアメリカまでが問題視するほどになっています。
 それほどの問題になっているにも関わらず、靖国参拝批判に対する小泉首相の発言は判で押したように同じで、「自分は平和を願って参拝している。批判する人は理解できない」というものです。批判する相手が日本の一市民だろうと、外国首脳だろうと変わりはありません。
 今更言うまでもない事ですが、靖国神社は「平和を祈るための神社」などではありません。天皇制政府のために戦って死んだ兵士・戦争遂行者などを「神」として祭る事により、「お国のために戦死するのは名誉な事だ」という事を、これから戦地に送られる人に教え込むための存在です。現代でも、神社の公式サイトを見ても分かるように、そこに流れている思想は「日本政府が行った戦争は基本的に正しい。そしてその戦争のために死ぬ事は崇高な事だ」というものです。

 つまり、靖国神社には世間一般でいうところの「平和」とは対極的な思想が流れています。したがって、その神社に「平和のため」といいながら参拝しつづける小泉首相にとっての「平和」という概念も、世間一般での「平和」と考えざるをえません。
 なにしろ、自分が送り込んだ自衛隊員が、米軍の兵站活動をを通じてイラク人の虐殺に協力している真っ最中に「不戦を誓う」などと発言するほどです。おそらくは、彼にとって、「平和」というのは、アメリカの軍事戦略がうまくいっている状況を言うのでしょう。戦火が交えられているとか、そこで人が死んでいる、などという事は関係ないのです。
 もしかしたら、「1945年に日本は平和になった」という歴史的事実についても、「日本人が戦争で死ぬ事がなくなったから平和になった」ではなく、「アメリカが完全勝利を達成したから平和になった」と認識しているのかもしれません。
 とにかく、「平和」の概念が違うわけです。したがって、「戦争によって一般市民が不当に死なないのが平和」と考えている人々が、首相の戦争奨励神社への参拝を批判して裁判を起こす事について、「理解」などできないのも仕方がないのでしょう。

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2005年08月01日

誰にとっての「平和と安全」を保つのか?

 ちょっと前の話ですが、かつて米兵に性暴力を受けた女性の手紙を読んだ外務大臣が、「被害者の心情は受け止めなければならないが、軍隊があるから日本の平和と安全が保たれたとの一面がすっぽり抜け落ちている」「戦争抑止の機能への認識をもらえれば幸いだ」と反論(?)した、という事がありました。
 「軍隊があるから日本の平和と安全が保たれた」という事は、「日本の平和と安全が保たれなかったのは、軍隊がなかったからだ」となります。しかしながら、60年ほど前、歴史上最大の「日本の平和と安全が保たれなかった」事件の直接の原因は米軍の大量虐殺によるものであり、それを誘発したのは日本軍の侵略戦争だったわけです。
 さらに、「戦争抑止の機能への認識」などと言っていますが、現にイラクでは沖縄を根拠にしている部隊を含んだ米軍が戦争を行っており、それを自衛隊は兵站活動などで協力しています。つまり、現在進行形の「戦争推進の機能」を発揮しているわけです。それを「戦争抑止の機能」などと言っているのですから、悪い冗談にもなりません。

 だいたい、「平和と安全を保」ちに来ている軍隊が女性を襲ったり、ヘリを学校に墜落させるという事自体が意味不明です。
 これは日常レベルに置き換えると分かりやすいでしょう。たとえば、警備会社の社員が、そのビルで働いている人を襲ったり、「警備の訓練」と称して備品を破壊すれば、なんらかの賠償金をビルの持ち主から請求されるのが普通ですし、場合によっては契約を解除されるまであります。それを「文句を言うのはいいが、守ってもらっているのを忘れては困る」などといって警備会社の肩を持つビルの持ち主はいないでしょう。

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2005年07月10日

「対テロ戦争」の戦果

 ロンドンで大規模テロが発生しました。現時点での死者は50人以上だそうです。
 事件の起きたイギリスは、イラクなどで2年以上も続いている「対テロ」戦争において、アメリカに次ぐ兵力を供出しています。参戦時には「イラクは45分以内に大量破壊兵器を使える」などといった情報を作り上げたりもしました。
 イギリスの金銭的・人的負担がどのくらいのものだか分かりません。そして、そこまでかけてまで戦い続けた「対テロ戦争」の「戦果」がこの首都での大量虐殺となったわけです。
 改めて、彼らが「対テロ」として言っている事や実際に行っている事が、自らの国の一般市民の安全には役立たないという事が確認されたと言えるでしょう。「テロ」の標的が、アメリカ・イギリス・そして我々も含む日本の一般市民であるのと同様、彼らの「対テロ」の標的はイラクなどの一般市民です。そして、「対テロ」によってイラクなどの一般市民が惨殺されればされるほど、我々の生命が脅かされる事はあっても、安全になることはありません。

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2005年02月13日

15年戦争の「勝ち組」「負け組」

 1945年まで行われた戦争において、日本は負けたという事は一般常識と言っても差し支えないでしょう。実際、広島・長崎の原爆をはじめ、多くの都市が焼き払われ、その結果、多くの一般市民が殺されました。そして、徴兵された人々は海を渡った先で殺人をはじめとする残虐行為を強制された上、相手の反撃や食糧難・疫病などでこれまた多くの人々が死んでいきました。
 このように、大多数の国民にとって、あの戦争は手痛い被害を受けた「負け戦」でした。今風に言えば、「負け組」となってしまったわけです。しかし、これは全ての日本人にとってそうだったのでしょうか。

 たとえば、軍需工場を経営していた企業などで考えてみます。国という「お得意先」から大量の受注があった上に、学徒動員だの強制連行だので安い労働力を得る事ができました。もちろん、空襲による生産設備破壊という負の要因ももありました。しかし、最終的な損得がどうだったのでしょうか。資料がみつからなかったので分からないのですが、興味深いところです。
 また、敗戦後は財閥解体などという処置も行われました。しかし、「財閥」という建前こそなくなりましたが、旧財閥を軸にした企業グループはそのまま残りました。そして敗戦後5年もたたないうちに、朝鮮戦争による「特需」が生じ、戦争によって大儲けする事により、日本財界は再び強大化していったわけです。
 なお、「業種」は違いますが、戦時中に国民には耐乏と犠牲を強いて、虚偽の情報を唯唯諾々として流すなど、天皇制政府に全面に服従し、「戦争責任」の一端を担ったにもかかわらず、戦前と同じ形で残って発展していった、新聞社などの「情報産業」にも同様の疑問を感じます。
 一方、戦争を遂行していた政治家はどうだったのでしょうか。確かに、一部はA級戦犯として処刑されたり、敗戦を前に自殺した人もいました。しかし、生き残った人々は、いち早く占領軍であるアメリカに忠誠を誓うことにより、支配層にとどまる事ができました。「A級戦犯として投獄」や「公職追放」などの処分を一時的に受けた人の中からも首相は誕生しています。そして、その政治家の血脈は、現在の自民党や民主党に受け継がれています。
 こうやって考えてみると、かつての天皇に代わってアメリカが絶対的存在になっただけで、総合的に見れば政財界にとっては戦争を通して本質的な打撃はこうむらなかったのでは、とも思えてきます。

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2004年12月14日

サマワの情勢と派兵の関係

 自衛隊の派兵延長が閣議決定されました。その際に、「陸上自衛隊の派兵先であるサマワは安全なのかどうか」というニュースや論議がよく聞かれました。
 しかしながら、自衛隊が派兵されているのはサマワだけではありません。航空自衛隊はアメリカ兵ならびに軍需物資を輸送しつづけ、海上自衛隊もアメリカ補給艦及び駆逐艦に「物品の輸送」を何百回も行いました。これらが報道される事はあまりありません。しかし、こちらのほうが、陸上自衛隊よりもアメリカの軍事活動にとって重要な行為であると思えます。
 これらの「貢献」は当然ながら、サマワの情勢とはなんら関係なく行われています。したがって、サマワがどうなろうが、航空自衛隊や海上自衛隊の「貢献」が終了することはないでしょうし、万が一撤兵しようとしても、アメリカは難色を示すでしょう。

 こうやって考えてみると、小泉首相の「自衛隊のいる所が安全なところだ」発言も、サマワに五時間滞在して「安全を確認した」という防衛長官の言動も、別の意味で理解できます。サマワの治安状況についての論議をのらりくらりとかわしながら派兵を継続し、それ隠れて比較的目立たない形で航空自衛隊や海上自衛隊が「貢献」を継続する、という図式は自民党政府にとっては理想的な展開でしょう。
 今後も、サマワの治安=派兵の是非、みたいなニュースが流れるのに隠れて、どれだけ自衛隊が「アメリカ軍に貢献=イラクの人々の虐殺に協力」するのだろうか、と思うと陰鬱な気持ちになります。

2004年11月14日

何の「作戦」がどのように「成功」?

 ファルージャの虐殺は、アメリカ軍によると制圧作戦が完了したとのことです(「武装勢力」側の発表は異なるようですが)。そして現時点での死者は「武装勢力」だけで1,200人とのことでした。
 虐殺が始まる前、アメリカ軍は目的として「ザルカウィ容疑者の拘束」「『テロリスト』の一掃」「1月に予定されている選挙実施のため」などを挙げていました。しかし、虐殺前はファルージャにいると言われていたザルカウィ容疑者は気配すらつかめませんでした。武装勢力は各地で蜂起しているようです。また、この虐殺を原因とした選挙ボイコットの動きも出ているようです。
 この状況を見ると、確かにファルージャ制圧はできたものの、主要目的はほとんど達成できず、作戦は大失敗だったと考えるのが妥当なように思えます。しかし、アメリカ軍からもイラク暫定政府からも、そのような反省の談話と思しきものは見当たりません。むしろ、成功を喜ぶようなものばかりです。

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2004年11月10日

暗殺者ごときにはイラクは支配させない?

 アメリカのラムズフェルド国防長官が、記者会見で「イラクの一部を暗殺者に支配させるわけにはいかない。この連中は人殺しだ。人の首を切り落とすようなやつらだ」と言ったそうです。
 なんでアメリカ人に「イラクの支配資格」を論じる権利があるか、という重大な疑問があるのですが、それはとりあえず置いておいてこの発言を分析してみます。どうやら、イラクを「支配させる事ができる」有資格者(?)は、「暗殺をしない」「人殺しをしない」「人の首を切り落としてはいけない」の三つを行わない集団のようです。
 言われて見れば確かに、この国防長官が指揮する軍隊は、「暗殺」などという小規模な事はせず、爆弾を振りまいて大量虐殺を行っています。「人の首」も同様です。爆弾の当たり具合によっては、首どころか何十人もの五体が吹っ飛ぶわけです。最後の「人殺し」に関しては理解不能です。しいて解釈すれば、彼らがイラク人の事を、かつての広島や長崎の市民同様、「人」として認識していない、という意味なのか、と思います。
 つまり、彼にとってイラクの支配に適しているのは、そのような殺害能力が比較的弱い「暗殺者」ではなく、大量殺戮のできる「虐殺者」だ、という事なのでしょうね。

2004年11月08日

今おきつつある虐殺

 ここ数日、テロリストの巣窟となったファルージャに対し、アメリカ軍が攻撃態勢を整えているという記事がよく見られます。
 前回でも書きましたが、攻撃する理由は同市に武装勢力約3000人がいると推計。多くのテロや外国人拉致の首謀者とされるヨルダン人、ザルカウィ容疑者も潜んでいるとみている。といった、「大量破壊兵器」と同様の不確定情報です。そんなもののために、連日ファルージャ市を空襲して多くの死者・負傷者を出し、それでも飽き足らず、総攻撃を仕掛けようとしているのです。ちなみに、攻撃の口実の一つとなっている「ザルカウィ容疑者」について、イラクではザルカウィはアメリカの犯罪行為を正当化する新たな口実です。この新しい人物は一年前に、でっち上げられました。と主張している人もいます。もちろん、アメリカも日本のほとんどの商業マスコミも、そのような主張は相手にしていません。

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2004年11月03日

屈しないテロと屈するテロ

 イラクで日本人が捕らわれ、「自衛隊を撤兵しなければ殺す」という犯行声明が出されました。対する小泉首相は即座に「自衛隊は撤兵しない」と宣言。その発言を受けて、日本人は殺されました。
 それに対して首相は自衛隊派遣が事件を招いたとの批判については「私はそうは思っていない。テロはイラク戦争前から、全世界で無差別に無辜(むこ)の市民を平気で殺害していた」と強調した。そうです。
 相も変わらず稚拙な「すりかえ発言」です。ここで問題になったのは、一般名詞としての「テロリスト」ではありません。具体的に日本人を襲撃して「自衛隊を撤兵しなければ殺す」と言った勢力の事です。そして仮に日本政府がフィリピンのように自衛隊を撤兵していれば捕らわれた日本人は解放された可能性は高かったでしょう。その事を問われているのに「過去にテロで殺された無辜な市民はいくらでもいた」などと言っているのですから、回答になっていません。
 このような発言を堂々とできる原因として、「とにかく『テロに屈しない』と言えばいい」という感覚があると思います。ところで、その小泉首相が敵視する「テロ」とは一体どんなものなのでしょうか。

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2004年08月21日

我が国にとって最大の脅威である外国

 沖縄で米軍ヘリが大学に墜落しました(沖縄国際大学・米軍ヘリコプター墜落事件に関する情報)。これだけでも大問題なのに、その後米軍は日本警察の捜査を実質的に拒否し、米軍だけで残骸などを撤去しました。その作業を行っている米軍関係者は防護服を着ていたという情報もあります。となると、そのヘリには人体に極めて有害な物質が積まれていた可能性も少なくありません。
 しかし、それについての正確な情報も、再発防止策についても、いまだに我々国民には提供されていません。そして、米軍の日本国内での「飛行訓練」も再開されました。という事は、今後も沖縄をはじめとする日本各地は、何を積んでいるかわからない米軍機が落ちてくる危険性に、常にさらされているという事になります。

 自民党政府は、米軍およびその補完部隊である自衛隊が、国民の権利を侵害しても活動ができるような法律を作っています。その際に持ち出される建前の一つに「外国の脅威から国民を守るため」というものがあります。しかし、現在の日本において、このような「正体不明の物を積んでいる軍用機がいつどこに落ちてくるか分からない」という現状より危険な「外国による脅威」などは存在するのでしょうか。
 具体性の無い「外国(北朝鮮?)が攻めて来るという脅威」で国民をあおって、アメリカの軍事戦略に忠実な法律を作っているわけです。その結果、極めて具体的な「外国軍による脅威」が増大しているのですから、呆れるよりありません。

2004年08月15日

小泉首相にとっての「平和」

 「終戦記念日」の式典が行われました。そこでの小泉首相の談話は不戦の誓いを堅持し、平和国家の建設にまい進する。国際社会の一員として世界の恒久平和の確立に積極的に貢献していくというものだそうです。
 この談話だけを見ると、首相はかなりの「平和主義者」のようです。しかし、実際に行っている政策は、イラク侵略の全面賛成であり、自衛隊を派兵して米兵輸送を行っている事であり、かつての被侵略国の再三の抗議を無視しての靖国参拝なわけです。
 この発言と実際に行っている政策・行動に「整合性」を持たせるには、発言における単語を「翻訳」する必要がありそうです。
 さしずめ、

  • 不戦-アメリカ相手には戦争しない事。
  • 平和-アメリカの軍事力により、「敵対勢力」が打ち負かされる事。実現するには大量虐殺を伴なう事が多い。
  • 国際社会-アメリカが絶対的な権力を持つ社会。

 とでもなるのでしょう。
 これならば、あれだけ9条改憲を個人でも党でも主張しながら、原爆記念日の演説で今後とも、平和憲法を順守するなどと堂々と言えるのも理解できます。
 いずれにせよ、このような人物が政治を行っている限り、一般的な意味での「平和な生活」を我々が維持するのは難しそうです。

2004年07月11日

軍事力によって侵略は防げる?

 憲法9条擁護や自衛隊削減を主張すると、反論として「では日本が攻めて来られたらどうする?」と言われる事があります。これはつまるところ、「軍備がない(弱い)と、他国の侵略を防げない」という主張のようです。
 しかし、これは本当なのでしょうか。これだと、「他国の侵略を防げるのは軍備がある(強い)からだ」となります。しかし、昨年からのイラクを見ればそんな事はないのは明らかです。かつてのイラク同様にアメリカが「ならず者国家」などと名づけて敵視している国は他にもあります。それらの国がイラクのようになっていないのは、イラクより軍事力が充実しているからではないでしょう。
 さらに言うと、地上最強の軍隊を要するアメリカは、3年前に国家の中心地を攻撃されました。もちろん、これは「侵略を受けた」とは違います。しかし、「国外の勢力に攻めて来られて多くの死者を出した」わけです。この惨事においてアメリカの軍事力は抑止力として役に立ちませんでした。むしろ、テロを起こされる原因だったくらいです。
 このように、ここ数年の例だけ見ても、「軍備がない(弱い)と、他国の侵略を防げない」というのが本当なのか、非常に疑問です。ついでに言うと、日本が一番強烈な「他国の侵略」を受けたのは、非武装どころか、東アジアから赤道近くまでを侵略し、ハワイを攻撃できるほどの軍事力を持っていた時期でした。

2004年05月04日

発言の重み

 米兵がイラクで捕虜を虐待したという疑惑が報じられて話題になっています。まあ、クラスタ爆弾を落として、子供たちを爆殺する軍隊なわけですから、捕虜虐待をやった事については特に驚きませんでした。  ただ、興味深かったのはブッシュ大統領の反応です。即座に大統領はホワイトハウスで記者団に対し、関与したのは「ごく少数」で、在外米軍全体の傾向を示すものではないと強調した。そうです。  普通、どんな「疑惑」でも「調査の結果を待って」とか言いそうなものです。しかも、一方では、イラク人虐待に軍情報機関関与、准将が示唆などという情報も流れています。もし、後者が事実でしたら、ブッシュ大統領は情報を分析せずに思い込みで「自分の願望」を公式発表したことになります。また、万が一虐待が事実でなかったとしても、疑惑が残っている段階で「ごく少数」と断言しているのが不適切なのには変わりありません。  まあ、「自分の願望」を明白な事実であるかのように宣言したのは、昨年の春先にもやっているので、その異常さには驚きはしませんでしたが。
 いずれにせよ、これは「一国の大統領」以前の問題として、社会人としての資質を問いたくなるような言動です。こんな人間が世界最強の軍隊の指揮権を有していること、さらにそのような人間に絶対服従に近い態度をとる政府があること、さらにはその政府が自分の住んでいる国の行政をつかさどっている事に、何とも言えない不快感を覚えました。