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    <title>これでいいのか？</title>
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    <updated>2012-04-18T16:10:59Z</updated>
    <subtitle>政治・経済およびそれに関わる報道などについて書いています。</subtitle>
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    <title>生活保護受給者攻撃の構図（現代における分断支配・その3）</title>
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    <published>2012-04-18T16:08:45Z</published>
    <updated>2012-04-18T16:10:59Z</updated>
    
    <summary> 　マスコミと保守政治業者が、事あるごとに生活保護受給者を批判しています。彼らの...</summary>
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            <category term="報道" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　マスコミと保守政治業者が、事あるごとに生活保護受給者を批判しています。彼らの宣伝で作られた「生活保護者像」は、「生活保護を不正受給している人は多い。そして、受給者たちは何も働かないで最低賃金より高い生活保護費を貰い、しかもその金でパチンコに行っている人」になります。<br />
　そして、そのような連中のせいで、毎年生活保護受給者並びに生活保護費が増えて財政を圧迫していると煽ります。<br />
　その影響を受けた労働者・自営業者など苦労して働いている人は、生活保護受給者に対し、敵意をもやします。そして、生活保護費削減や生活保護受給者への就労支援強制などを主張するマスコミや政治業者の主張に賛同するわけです。
</p>
<p>
　これらの宣伝に使われている情報は、それぞれの一面だけを見れば「事実」なのでしょう。しかしそれらの「事実」が持つ原因並びに、その恣意的な組み合わせ方により、全体としては現実と大きく異なってしまっています。<br />
　まず最初の「不正受給者」ですが、これは生活保護受給者攻撃キャンペーンの「入口」とも言える存在です。今でも、不正受給事件があると、マスコミは大事件であるかのように報じます。<br />
　そして、それに「増大する生活保護費」をからめ、あたかも生活保護受給者全般の問題であるかのようなミスリードを促す記事を作ります。<br />
　しかし、実のところ不正受給者の問題と、生活保護制度の問題は、関係ありません。不正受給者がいるから制度を見なおせ、という考えは、本屋で万引きが多発しているから、本屋に来る人の身体検査を強化しろ、などと言っているのと同じです。<br />
　ちなみに、一昨年のデータによると、<a href="http://www.asahi.com/national/update/0301/TKY201203010550.html" target="_blank">不正受給に支払われた費用は、保護費全体の0.4％</a>との事でした。しかしながら、生活保護報道全体から見た不正受給報道の比率は、それを大きく超えています。
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　次の「最低賃金より生活保護費が高い」事は、よく「逆転現象」などと報じれられます。この現象のどこに問題があるかは、ちょっと計算すればわかります。<br />
　たとえば、筆者の住む千葉県では最低賃金は748円となっています。これで、労働基準法に定められた「1日8時間週40時間」で1ヶ月働くと、12万5千664円にしかなりません。<br />
　ここから衣食住に関する費用、さらには税金・社会保険料などを払わなければならないのです。よほど狭い家に住み、節約を重ねても、貯金は難しいでしょう。<br />
　つまり、最低賃金が安すぎるだけの事なのです。ところが、このようなデータが出されると、「生活保護費が最低賃金より高いと、働く事が馬鹿らしくなる」などとマスコミは煽るのです。もちろん、だからと言って、新聞社やTV局を辞めて、生活保護受給に「転職」した、という報道関係者がいた、という話は聞いたことがありませんが・・・。<br />
　そして一方で、最低賃金引き上げの話が出ると、「引き上げるとパート労働者が仕事を失う可能性がある」などとデータも提示せずに賃金抑制を主張します。<br />
　しかしながら、筆者以前務めていた会社では、一部の事業所での時給が最低賃金ギリギリで、改定のたびに「時給アップ」していました。しかしながら、その際に人員削減の話など、一切出ませんでした。<br />
　同様に、マスコミの報道を見ても「最低賃金引き上げによって雇用が減少する可能性」を煽る記事は何度も見ました。しかしながら、「最低賃金増によって解雇された人数」などを具体的に報じたものを見たことは一度もありません。<br />
　生活保護から少々ずれましたが、要は最低賃金が安すぎるだけの事なのです。それを基準に「保護費が高すぎる」というのは、賃下げを推進しつつ、それに対する不満を生活保護受給者に向けるたの世論誘導と言わざるを得ないでしょう。
</p>
<p>
　また、生活保護費をパチンコに使った、という話ですが、これも批判するというのは変な話です。<br />
　個人的にはパチンコというのは最終的に利用者が損をする仕組みなので、やめたほうがいいと思っています。しかしながら、パチンコ屋に行く人は、お金を増やす目的で行くわけです。つまりは、生活保護の環境から抜け出したいわけなのでしょう。それを批判する、というのも変な話です。<br />
　なお、この件は都市伝説並に広がり、「生活保護受給者＝パチンコ屋の常連」みたいな認識を持っている人が少なからずいるようです。しかし、これだって統計を取ったわけではありません。<br />
　いずれにせよ、生活保護費を何に使っているか、という事で、受給者並びに生活保護制度を批判するのは筋違いです。
</p>
<p>
　また、生活保護費用の増大を問題視する論調があります。もちろん、生活保護を受けざるを得ない人が増える、というのは問題です。それを、マスコミなどはこれまで分析したような宣伝手法を用いて、暗に「怠け者が増えているせいだ」と思わせようとしています。<br />
　しかし、実際は違います。「失われた20年」と呼ばれる時期の間、企業はひたすら人員削減を続けていました。最近でも、日本トップのメーカー各社が相次いで万単位の人員削減計画を発表しあっています。<br />
　それによって雇用が減るわけですが、政府は抑制などはしません。それどころか、「民間」と競うように公務員の削減・賃下げを行なっている始末です。<br />
　つまり、年々、働ける枠が減っているわけです。そうなれば、枠からはみ出した人が生活保護に流れるのは必然です。<br />
　したがって、生活保護費増大の元凶は、人員削減を行う企業と、それに追随する政府にあります。それを、本当は被害者である受給者に原因があるかのように宣伝されているのが現状なわけです。
</p>
<p>
　あと、「生活保護費が最低賃金より高い」の項でも書きましたが、マスコミがよく使うキャッチフレーズに「働く人が損をする」というのがあります。この言葉にはもうひとつ別の問題があります。<br />
　この言葉を見ていると、「仕事するのが面倒になった怠け者が、『働かなくても生活保護があるからそれで暮らそう』と考えて受給している」という印象を持ってしまいます。<br />
　しかしながら、生活保護というものは、役所に行って申請すれば受給できる、というものではありません。<br />
　不正受給については大げさに取り上げるマスコミですが、逆に「生活保護を申請しても断られた」という事例については取り上げません。最近では、毎月のように餓死者が発生した、というニュースを見ますが、「生活保護については本人の意志で申請しなかった」という担当者の発言をそのまま書いて終わりです。<br />
　しかし、「水際作戦」という言葉で知られているように、実際には生活保護を申請しても、様々な理由付けで断られる人はいるわけです。<br />
　実際に、職を失って困窮している人が生活保護にたどり着く経緯を見れば、「働く人が損」などと思うことはできないでしょう。<br />
　にも関わらず、それらの重要な要因を書かずに、働いている人の不満を生活保護受給者に向けるような報道が日常化し、それに乗じて自民党だの維新の会だのが、生活保護叩きをして人気を取ろうとしているわけです。
</p>
<p>
　結局、生活保護叩きの目的というのは、賃金・労働環境とも下がり続けている労働者の怒りを、「賃金・労働条件を下げる側」に向けない事にあるのです。<br />
　このあたり、<a href="http://korede.iinoka.net/zizi/masukomi/bundan.htm">公務員</a>や<a href="http://korede.iinoka.net/archives/2010/09/2.html">老人</a>を「敵」に仕立てて、怒りの矛先をずらさせるという、分断支配と同じものだと言えるでしょう。<br />
　それに加え、生活保護受給者叩きの場合は、もう一つの目的があるように思えます。<br />
　働いているのに賃金が低い人、というのは、このような社会においては、一番下に位置する形になります。そのままだと、不満は「上」のほうに向いてしまいます。それを防ぐために、「より下の層」として「生活保護受給者」を設定し、彼らを見下す事によって、自分たちのいる「層」が一番下ではない、と思わせるわけです。<br />
　この方法で一番知られているのは、古代インドのカースト制で、奴隷の下の身分を作った、という事でしょう。<br />
　日本でも、江戸時代の「士農工商」において、同じ目的でその下に位置する身分を作りました。これは制度上では廃止されましたが、現代においてもそれに起因する差別は根強く残っています。現在は、その役目を生活保護受給者に担わせようとしているわけです。<br />
　これだけ文明が発達した現代においても、その古代インド由来の分断支配方法が継承され、しかもそれが有効であるわけです。
</p>
<p>
　生活保護受給者に至るまでの事例をちょっと調べれば、彼らは自分たちと同じ「普通に働いている人」だった事がわかります。しかし、この人減らしを美徳とする世の中において、はじき出されて、生活保護に頼らざるを得なくなったわけです。<br />
　その原因は、勤務先の事情・怪我・病気・精神的なものなど、さまざまです。そして、それは普通に働いている人なら、誰でも生じる可能性があるものなのです。<br />
　生活保護の削減というのは、そのような事態が生じた時に、国の助けが削減される、という事なのです。もちろん、その対象は生活保護に限らないでしょう。他の社会的弱者救済措置も同様に削減されます。<br />
　つまり、生活保護削減に賛同するという事は、老人福祉削減と同様、自分が賛同した「削減」によって、いざという時に自分も痛い目にある危険性が高いわけです。その事も認識しておく必要があると思います。
</p>
]]>
    </content>
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    <title>北朝鮮人工衛星打ち上げ騒動から分かったこと</title>
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    <published>2012-04-16T13:40:24Z</published>
    <updated>2012-04-16T13:44:05Z</updated>
    
    <summary> 　ここ一ヶ月ほど、ほとんど毎日、マスコミは「北朝鮮が打ち上げる人工衛星」の事を...</summary>
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            <category term="報道" />
            <category term="平和" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　ここ一ヶ月ほど、ほとんど毎日、マスコミは「北朝鮮が打ち上げる人工衛星」の事を逐一報じていました。<br />
　相手は国交がなく、直接情報を取材できる状況にはないはずです。しかしながら、非常に詳しく発射に関する情報並びに、それによって沖縄に被害が及ぶ可能性について、事細かに報じ続けていました。<br />
　もっとも、結果は、各社の「詳細な分析」からは予想だにしなかった「打ち上げ失敗」でした。というわけで、結局、大騒ぎしたにも関わらず、実際のところ、日本にとっては全くもってどうでもいい事でしかありませんでした。
</p>
<p>
　しかしながら、今回の騒動のおかげで、色々と興味深いことが分かりました。<br />
　まずは、「沖縄の安全保障」についてです。日頃、沖縄の米軍基地が問題になると、マスコミは「日本の安全保障の問題だ。普天間固定化か辺野古移転しか選択肢はない」などと報道します。<br />
　この論法が正しければ、沖縄にある米軍基地は、1,600km離れた東京をはじめ、日本列島全てを守ってくれているはずです。ならば、実際に基地がある沖縄にに、衛星の破片などで被害が及ぶ事など、心配する必要など何もなかったはずです。<br />
　しかしながら、マスコミは毎日のように沖縄の危機を煽り、<a href="http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819695E3E0E2E2828DE3E0E2E6E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C9381959FE3E0E2E7EA8DE3E0E2E6E0E2E3E09C9CEAE2E2E2" target="_blank">不安に思っている住民の声</a>などを報じていました。おかげで沖縄旅行のキャンセルが発生し、地元の観光産業に、本来の意味での風評被害が発生したほどでした。<br />
　もともと日本に駐留する米軍の半数以上は、「上陸作戦、即応展開などを担当する外征専門部隊」であるところの海兵隊です。したがって、日本を守るためにいるわけではありません。したがって、沖縄のみならず、日本を守るのに何ら役に立たないのは当然の事です。<br />
　これまで、そのような事を報じなかったマスコミが、この「北朝鮮危機」において、間接的ではありますが、ついにその現実を認めた、というのは興味深いことでした。
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　さらに、マスコミがここまで「人工衛星の破片が空から落ちてきて、沖縄県民の生活に影響を及ぼする事」が脅威であると煽っていることにも呆れました。<br />
　実際に北朝鮮の人工衛星は沖縄には落ちませんでした。しかしながら、過去何度か、沖縄の人々は外国の軍事脅威が空から落ちてきて、深刻な被害を受けた事があります。<br />
　その「発生源」は北朝鮮ではなく、アメリカです。8年前には、<a hre="http://korede.iinoka.net/archives/2004/08/post_aq.html">沖縄の大学に米軍ヘリが墜落する</a>、という事件がありました。<br />
　偶然ながら、ちょうど、北朝鮮が衛星を打ち上げる前日、<a href="http://takae.ti-da.net/e3983148.html" target="_blank">沖縄県東村高江で建設が強行されているヘリパッド基地に配備されるヘリコプターがモロッコで墜落した</a>というニュースが流れました。<br />
　そのような「実績」があるものが沖縄に配備されようとしているわけです。過去一度も沖縄に落ちた事がない北朝鮮の人工衛星などよりも、よほど沖縄の住民を不安に陥れていることでしょう。<br />
　つまり、上空から落ちてくるもので沖縄県民にとっての脅威の度合いは、北朝鮮の人工衛星などよりも、アメリカ軍のほうがよっぽど上なのです。<br />
　本気で沖縄県民の生活を心配するならば、東村高江のヘリパッド問題や、辺野古の基地移転における問題点をもっと大きく報じるべきでしょう。それを無視して、北朝鮮の人工衛星の破片という、現実味のない「危機」を大げさに騒ぎ立てる姿は、非常に滑稽でした。
</p>
<p>
　というわけで、我が国（特に沖縄）にとって、最大の脅威である外国がアメリカであることおよび、その「脅威」の代償である「日本を守ってくれる」に何ら現実味がない事が改めてよく解りました。<br />
　同時に、そのような現実を、商業マスコミが直接報じることはない、すなわち、実際には沖縄県民の生活の事など何も考えていない、という事も再認識できました。<br />
　結局、連日のように大げさに報道された「北朝鮮人工衛星打ち上げ報道」自体は、我々の生活にとって、何ら価値のないものでした。<br />
　しかしながら、そのような現実並びに「報じないでいい事を大げさに書き、重要な事は報じないマスコミ」という物を浮き彫りにした、という事においてのみは、価値があったかもと思いました。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>妄想を前提とした労働法改悪論</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2012/03/post_94.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=184" title="妄想を前提とした労働法改悪論" />
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    <published>2012-03-29T12:40:18Z</published>
    <updated>2012-03-29T12:41:09Z</updated>
    
    <summary> 　ダイヤモンド・オンラインというサイトに、会社側の労務専門の弁護士による労働者...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　ダイヤモンド・オンラインというサイトに、会社側の労務専門の弁護士による<a href="http://diamond.jp/articles/-/16583" target="_blank">労働者のニーズにもあわなくなった労働法</a>なる文章が掲載されていました。<br />
　話の概要をまとめると、「労働法は労働者を『弱者』として規定しているが、それは女工哀史時代の遺物で、現在はそのような事はない。だから労働法を変え、過剰な保護規定を減らすべきだ。それが労働者のためにもなる」となります。したがって、かつて財界が提言して大反発を受けた「ホワイトカラー・エグゼンプション」など肯定的に論じています。<br />
　このような題名の文章を書く以上、まずは「労働者のニーズ」の現状を説明して、論を進めるというのが当然の事です。実際、この文章も、さわりにそれを書いています。ところがそれは、<cite>たとえば漫画家のアシスタントとして働く人のなかには、「憧れの先生のもとで働けるなら時給100円でもかまわない。ただ働きでもいいくらいだ」と考える人もいるでしょう。</cite>というものでした。<br />
　冒頭に出てくるわけですから、本論の重要な前提になるはずです。しかしながら、よく読んでみると、最後に「考える人もいるでしょう」などと書いています。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　つまり、この「労務専門の弁護士」は漫画家のアシスタントに取材をして、そのような発言を引き出したわけではありません。「漫画好きな人にとっては趣味の一環だから、タダ働きもするだろう」という勝手な妄想を書いているだけなのです。<br />
　もちろん現実は違います。実際には漫画やアニメなどの制作現場での低賃金が問題になり、争議になった事例などいくらでもあります。また、NHKでアニメ化された、漫画家を題材にした作品を見ても、アシスタントにとっての給料がそんなお気楽なものではない、という事くらいすぐ分かります。<br />
　だいたい、それ以前の問題として、趣味で無償でもいいから働きたい、という人を元に雇用契約に関して語る、という事自体が、「労働」というものを論ずるのに適切ではありません。
</p>
<p>
　さらにこの「労務専門の弁護士」の妄想は続きます。今度は、特養老人ホームの慢性人手不足を理由に、<cite>こうして老人ホームの賃金はどんどん上がっていきます。</cite>などと書いています。<br />
　これが事実かどうかなど、すぐに分かります。検索サイトに「特養老人ホーム」と打ち込めば、実在の施設の募集要項をいくらでも見ることができます。そこで提示されている給料は「どんどん上がっていきます」などと言うのは、どこの世界の話だ、と思えてくるようなものばかりです。<br />
　つまり、この文章は、筆者の妄想によって作り上げた架空の労働者や労働条件を元に、「労働者は本人のニーズ以上に保護されすぎている」と主張しているわけです。</p>
<p>
　まあ、会社側の労務を担当する弁護士の仕事には、「残業代未払いなどで裁判沙汰になった労働者の主張をいかに抑えつけるか」というのがあるわけです。<br />
　その際に必要なのは、いかに労働者の実態を知る能力ではなく、会社側が勝手に決めつけている「労働者の身勝手」を主張する能力です。そんな事を繰り返しているうちに、妄想と現実の区別がつかなくなったのでしょう。<br />
　もしかすると、この「労務専門の弁護士」にとって過労死は全て本人の体調管理ミスであり、過労自殺は全て勝手に自殺しただけ、そしてサービス残業は全て好きで会社にいたい従業員の自発的行為、という認識なのだろうか、とまで思えてきました。</p>
<p>
　そのように架空の「事例」ばかり出てくる中で、唯一事実に即している事例がありました。それは、賃下げによって収入が減った労働者が、生活費を稼ぐために残業を希望する、という事です。<br />
　つまり、それだけ賃下げがひどく、この論の主題である「労働者は弱者でない」が事実と異なる事証明する一例なわけです。ところが、この「労務専門の弁護士」にかかると、それは「労働基準法三十二条に定めた労働時間の制限がおかしい」という事になってしまうのです。<br />
　ちなみに、この文章によると、その要求を飲んで、本来必要ない残業をさせている会社が存在するとのことです。もし事実だとしたら、労働者に残業代を払うがために、不要な生産物を作り、それに伴う経費をかけている、という事になります。<br />
　ならば、賃上げし、残業しなくても同じ収入を得るようにすればいいだけの話です。その分、不良在庫も経費も削減できます。<br />
　というわけで、数少ない、事実に基づいた事例も、進めていくうちに、とんでもない非現実的な話になってしまいました。
</p>
<p>
　というわけで、この文章は、労働の現実と乖離した「作り話」であるとしか言いようがありません。しかしながら、書いているのはプロの弁護士で、掲載されているのは有名な雑誌です。したがって、これを信じる人も少なからず存在するでしょう。<br />
　そして、このような論法に基づく「厳しすぎる労働規制」は、<a href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/08/6.html">日本産業における6重苦</a>の一つだ」という論法が大手を振って通っているわけです。そのような考えを持つ勢力により、派遣法の改正が骨抜きにされたのは、記憶に新しいところです。<br />
　今世紀に入ってから、労働者の賃金は減った上に、労働時間は増え、失業率は上がりました。そして、減った労働者の取り分は、そのまま一部大企業の収益になっています。<br />
　その結果、かなりの労働者が疲弊し、それが消費にも影響しています。したがって、いくら大企業の利益や内部留保が増えても、国の経済は相変わらず「長引く不況」のままです。<br />
　それをさらに悪化させるのを目的とした、このような言説が堂々と流され続けられているわけです。そのような事を行なっている勢力が目指している近未来の日本の事を思うと、背筋が寒くなりました。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>なぜ「公務員は多すぎる」のか</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=183" title="なぜ「公務員は多すぎる」のか" />
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    <published>2012-03-15T10:14:02Z</published>
    <updated>2012-03-15T10:15:34Z</updated>
    
    <summary> 　様々な所で「公務員は多すぎる。人員も賃金ももっと減らせ」という論調が流れてい...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="政治" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　様々な所で「公務員は多すぎる。人員も賃金ももっと減らせ」という論調が流れています。新聞やテレビなどの商業マスコミは自社の主張としてそれを流し、同時にそのような主張をする政財界人の発言を報じ続けています。<br />
　最近になって特に目立ちますが、このような主張は30年以上前から続けられてきました。それらの報道を見続けていると、公務員というものはよほど人が余っているのだろう、と思ってしまうでしょう。<br />
　ところが不思議な事に、筆者の身近にいる公務員は皆忙しく働いています。日曜出勤はザラとか、多忙期には連日終電を逃すという国家公務員もいました。また、所定の夏休みなど消化できず、正月も二日から出勤、という地方公務員もいました。<br />
　ちなみに、筆者の住む県において<a href="http://komatsu3.at.webry.info/201203/article_14.html" target="_blank">職員の有給取得率は10.4日で取得率は26.7％</a>というデータがあります。本当に公務員は無駄が多くて過剰なら、有給取得率は100％になるはずです。<br />
　さらに、報道される事はまずありませんが、公務員の過労死や過重労働問題も発生しています。
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　にも関わらず、なぜあのような「公務員過剰論」が流れるのでしょうか。その原因を推測できる個人的経験があります。<br />
　実は、筆者自身は役所の窓口に行くのも年に一度あるかないか、という感じです。一応、生活に不自由しない経済状況で健康にも問題もないからです。つまり、公務員のお世話にならないでも済む立場なのです。<br />
　しかし一方で、知り合いには先天的な障がい者がいます。彼に関しては、本人も両親も何度も公的機関の世話になっています。住む所を決めるのも、まず、その自治体の福祉状況がどうなっているかを調べることから始まる、という感じです。もし公務員が提供するサービスが削減されたら、彼は生きることにより苦労する事になります。<br />
　最初に書いたように、「公務員過剰論」を飽きもせず流すのは商業マスコミです。そして、その原動力となるのは政財界人の発言です。<br />
　政財界人はもちろん、商業マスコミ記者も一般の平均よりははるかに高い収入を得ています。何かあれば高価な医療サービスも受けられます。そして、このままいけば、老後も豊富な年金で暮らすことができます。<br />
　つまり、現時点での筆者以上に、彼らには公務員によるサービスに頼らなくても特に困らないのです。そのため、実情がどうであろうと、「公務員は多すぎる」と主張できるわけです。<br />
　このことは、彼らの行う公務員攻撃の内容にも現れています。昔からよく見る「公務員批判」として「必ず定時に退勤する」「窓口や電話でたらい回しにされる」「年度末になると予算消化に走る」などがあります。<br />
　しかしながら、定時退社は労働基準法32条で定められた、働く人として当然の権利です。また、「たらい回し」や「期末の予算消化」なども別に公務員に限った事ではありません。ある程度大きい私企業なら、普通に見られることです。<br />
　実際の働きぶりに接する機会がないからこそ、このような言いがかりで「公務員批判」をするわけです。
</p>
<p>
　商業マスコミおよび保守政治業者・財界人がたきつける「公務員たたき」に一般の企業労働者が乗ってくれる事は、たきつける側にとっては思う壺になります。<br />
　以前にも書いていますが、私企業で働く人などの不満が公務員に向かう事は<a href="http://korede.iinoka.net/zizi/masukomi/bundan.htm">分断支配</a>を進める上で極めて都合がいい事です。また、<a href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/01/post_75.html">公務員給与の削減を煽る事</a>は、その分断支配に加え、私企業でのさらなる賃下げにもつながるため、特に財界にとっては一石二鳥とも言える、有難いキャンペーンになります。<br />
　公務員過剰論による削減キャンペーンも同様です。公共サービスを削れば、それだけ税金が浮き、それを法人税減税や企業への補助金など、彼らの利益になる事に使えるわけです。それによって公共サービスが低下し、弱者は困るわけですが、裕福な彼らにとってそのような事は知ったことではありません。<br />
　今年に入っても、何度か自宅で餓死した人がニュースになりますが、それについては「役所の体制に不備があった可能性がある」などと、他人事みたいに報じます。その一方で、よりそのような悲劇を生む事になる「公務員削減」を声高に叫んでいるわけです。<br />
　多くの私企業労働者や自営業者などは、仕事が減少や失業、さらには健康を害するなどの理由で、いつ公務員が担っているサービスを受ける事になるか分かりません。そして、そのようなリスクは以前より大幅に増えています。<br />
　そのような立場にある人々が、そのリスクを持たないマスコミ・政財界の煽りに乗って「公務員は余っている。減らせ！」などと同調するのは、自分で自分の首を締めるのに等しい行為なのでは、と思っています。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
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    <title>日経コラムが「ネット絶ち」を勧める理由</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2012/02/post_92.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=182" title="日経コラムが「ネット絶ち」を勧める理由" />
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    <published>2012-02-09T12:26:58Z</published>
    <updated>2012-02-09T12:27:49Z</updated>
    
    <summary> 　2月7日の日経朝刊一面コラム「春秋」にアメリカのある元新聞記者の家庭で、週末...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　2月7日の日経朝刊一面コラム「春秋」に<a href="http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1EAE4E3E5E7E2E2E2E5E2E0E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D" target="_blank">アメリカのある元新聞記者の家庭で、週末にネット閲覧をやめたら、家族水入らずの時間が戻り、本に向かいじっくりと物事を考える習慣が戻る。アメリカではそのような「ネット安息日」を設ける人が多い</a>などという事が書かれていました。<br />
　他にも色々と書いていますが、一言でまとめると「ネットから離れる日を設けるべきだ」という主張になります。。<br />
　しかしながら、なぜネットは駄目で、他の媒体から情報を得るのがいいのかは何度読んでも分かりません。紹介した例ではテレビは絶たなかったそうです。しかしながら、家族水入らずを実現するには、テレビもないほうがいいに決まっています。<br />
　だいたい、ネットが団欒や読書の邪魔になるのなら、一日の一定時間を「ネット禁止」にすればいいだけの話です。丸一日以上も遮断する必要などありません。
</p>
<p>
　こうやって考えてみると、このコラムは、論理的な理由もなく、「ただとにかくインターネットから情報を得る時間を減らしたほうがいい」と主張しているわけです。<br />
　自社でも記事のネット有料配信を事業化しているわけです。にも関わらず、なぜこのような主張をするのでしょうか。<br />
　そのヒントになりそうな記事が、同じ日に掲載された「大機小機」というコラムにありました。<br />
　そこでは、相も変わらず消費税率上げキャンペーンが書かれています。その材料として、<cite>フランスではサルコジ大統領が、今年の10月から付加価値税（日本の消費税に相当）を19.6％を21.2％に引き上げを表明した。</cite>とし、さらにイタリア・イギリスでも付加価値税を上げる、という情報を紹介しています。<br />
　もちろん、そこから導き出される「結論」は、「だから日本も大幅に消費税を増税すべきだ」というものです。<br />
　実は、この主張には大きな嘘が隠されています。それは、「付加価値税（日本の消費税に相当）」という部分です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>
　このコラムで挙げた付加価値税は、消費税のように全ての商品購入にかかるものではありません。食料品についてはイギリスは非課税ですし、フランスは5％、イタリアは10％です。<br />
　つまり、この20％近い税率は、高級品にのみかかるものです。つまり、日本の消費税とは同じ間接税ではありますが、ぜんぜん違うものです。したがって、「EU諸国が付加価値税を20％以上に上げたから、日本の消費税もそれだけ上げていい」などというのは詭弁以外の何者でもありません。<br />
　このような情報は、ちょっとネットを調べればわかります。<a href="http://www.horae.dti.ne.jp/~snzk/q-and-a/q-and-a.htm#e" target="_blank">「消費税をなくす会」のサイトには、各国の付加価値税率および適用範囲がどうなっているか</a>について、具体的な一覧表が掲載されています。<br />
　また、国会図書館の資料にも<a href="http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2008/200804.pdf" target="_blank">各国の付加価値税率と食料品税率の一覧表(PDF注意・4ページ目）</a>各国の付加価値税と食料品にかかる税率の違いが記載されています。これを見ると、EUの多くの国で、食料品にかかる税率を付加価値税の3分の1以下にしている事がわかります。</p>
<p>
　別に筆者は付加価値税について詳しく研究したわけではありません。しかし、ちょっとネットで調べれば、この「大機小機」が嘘を書いている事がすぐ分かるわけです。<br />
　しかしながら、冒頭に挙げた「春秋」子が推奨する「ネットを断った生活」をすると、どうなるでしょうか。他の商業新聞もテレビも、このような事は書いたり放送することはまずありません。したがって、このようなコラムの嘘も信じてしまう可能性が高いわけです。<br />
　もちろん、これは消費税に限った事ではありません。原発事故・TPP・沖縄基地問題・大阪市長発言など、昨年から今年にかけて話題になった様々な問題において、大手新聞・テレビでは一切報じない事が、ネットによって明らかになった、という事は多々存在しました。<br />
　一番有名な例は、読売新聞が「柏市や三郷市の一部で、放射線量が高い『ホットスポット』が存在する、という悪質なデマが流れている」という記事を載せた件でしょう。今では、これらの地域にホットスポットがある事など、常識であり、読売の記事こそが「悪質なデマ」だった事は明らかになっています。これなども、読売の記事が出た直後から、ネットでその検証が行われていました。<br />
　つまるところ、冒頭の「春秋」が行った「ネット絶ちの勧め」は、あまりネットで情報を得られると、自分たちの発する虚偽報道がバレてしまうという理由で行ったと考えるのが自然でしょう。<br />
　改めて、商業マスコミがいかに平然と虚偽を書いているか、およびそれを知られないためにどのような「対策」を取っているかがよく分かった一連のコラムでした。<br />
</p>]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>大阪ペットボトル水に見る「正確かつ公正な報道」</title>
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    <published>2012-02-02T17:30:41Z</published>
    <updated>2012-02-02T17:33:53Z</updated>
    
    <summary> 　大阪市が水道水を「ほんまや」というブランドでペットボトルに詰めて販売していた...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　大阪市が水道水を「ほんまや」というブランドでペットボトルに詰めて販売していたそうです。それを、橋下市長が廃止をする、と発言しました。<br />
　Googleニュースで検索すると、その発言を、<a href="http://news.google.co.jp/news/more?hl=ja&gl=jp&q=%E3%81%BB%E3%82%93%E3%81%BE%E3%82%84&gs_upl=428949l432253l0l432354l0l0l0l0l0l0l0l0ll0l0&um=1&ie=UTF-8&ncl=dzVW69EZgnZqsWMmzPHTrgO4aEF0M&ei=kkopT-ayGvHSmAXIm-DMAw&sa=X&oi=news_result&ct=more-results&resnum=3&ved=0CDkQqgIwAg" target="_blank">朝毎読の大新聞および産経新聞・テレビ朝日・日刊スポーツがサイトに掲載しています</a>。<br />
　そして、その際に橋下市長が言った<cite>「税金でそんな商売をやる必要は全くない。民業圧迫だ」・ほんまやのＰＲには平松邦夫前市長の「政治的な意図が強い事業だった」とも言及</cite>、と特に論評・検証をせずに、発言をそのまま掲載しています。<br />
　新聞・テレビが報じることが正しいと思っている人がこれを読めば、「前市長が個人宣伝のために行なっていた、税金を無駄にする事業を英断で終了させた」と思い、現市長の「改革」を高く評価したことでしょう。
</p>
<p>
　しかし、それから数日後、橋下市長は記者会見で、<a href="http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120201-897902.html" target="_blank">「事実誤認があった」と釈明した。</a>という報道がありました。<br />
　それによると、「ほんまや」には税金は使われておらず、事業が始まったのも前市長が就任するより前だった、という事が判明した、とのことでした。<br />
　ところが、これを書いている時点で、それをサイトに載せているのは日刊スポーツのみです。<br />
　という事は、朝毎読など一般紙の読者や、テレビ朝日でそのニュースを見た人は、その「ほんまや」は前市長のＰＲのために税金を無駄にして行った、という誤った情報を現時点でも信じ続けている可能性が高いわけです。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　あれだけマスコミが持ち上げ続けている政治家が、事実と異なる情報を根拠に判断をくだして発表し、それを記事にしたわけです。ならば、その誤りが明らかになった以上、その情報を伝えるのは当然の義務ではないでしょうか。言い換えれば、それを行わない新聞社・ＴＶ局は、読者・視聴者に誤った情報を持ち続けさせようとしている、としか言いようがありません。<br />
　加えて言うと、これにより、最初の記者会見の時に、各社がその真偽について「裏を取る」事を一切していなかった事も明らかになっています。つまり、記者たちは、それが事実であるかどうかを調べもせずに虚偽発表を記事にして多くの人に読ませたわけです。
</p>
<p>
　日本新聞協会に掲載されている<a href="http://www.pressnet.or.jp/outline/ethics/index.html" target="_blank">新聞倫理綱領</a>には<cite>新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。</cite>と書いてあります。一連の「報道」および「誤りであったという会見を報道しなかったこと」は、この「綱領」に完全に違反しています。<br />
　まさか、「この報道を左右したのは、記者個人の立場や信条でなく、新聞社の立場や信条だからかまわない」という解釈なのでしょうか。</p>
<p>
　今回の件により、大手新聞は、間違った発言を調べもせずに大きく報道し、さらに間違いが判明してもその訂正報道をしない、という、他人に情報を伝える際の基本すら守れていない、という事が改めて明らかになりました。<br />
　同時に、ご大層な「新聞倫理綱領」などは、中身のない掛け声でしかなく、各新聞社およびその報道内容に「倫理」などというものは欠片もない、という事も改めてよく分かりました。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
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    <title>NHKニュースの経済感覚</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2012/01/nhk.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=180" title="NHKニュースの経済感覚" />
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    <published>2012-01-25T16:16:59Z</published>
    <updated>2012-01-25T16:21:38Z</updated>
    
    <summary> 　NHK NEWS WEBというサイトにどうなる・貿易立国・日本という記事が載...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　<a href="http://www3.nhk.or.jp/news/index.html" target="_blank">NHK NEWS WEB</a>というサイトに<a href="http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0125.html" target="_blank">どうなる・貿易立国・日本</a>という記事が載っていました。サイトの説明を見ると、NHKのニュース番組で流されたものをWEBページにまとめたもののようです。<br />
　読んでみたのですが、冒頭からいきなり度肝を抜かれました。なんと、<cite>日本が３１年ぶりの貿易赤字となりました。 戦後、経済成長を続けてきた「貿易立国・日本」は、これからどうなるのか。</cite>という言葉で始まっているのです。<br />
　確かに、戦後に日本が経済成長を続けていた時期はありました。しかし、そのようなものは20年以上前に終わっています。その後、バブル崩壊から「失われた20年」を経て現在に至っているわけです。</p>
<p>
　さらに、追い打ちをかけるように、<cite>日本の貿易黒字は高度経済成長などと重なります。黒字が始まった１９８１年（昭和５６年）輸出の主役は自動車や電機製品などの組み立て産業でした。</cite>などとなんか2010年まで高度経済成長が続いていたかのように報じています。<br />
　一方で、その数行後には、<cite>バブル崩壊による国内景気の低迷、アジア通貨危機、ＩＴバブルの崩壊、資源価格の高騰、中国など新興国の台頭、そして、リーマンショックによる世界的な景気悪化など何度も危機が襲いましたが、貿易黒字を続けてきました。</cite>と書かれています。<br />
　ここで挙げたマイナス要因は、「高度経済成長など」とは似ても似つかないものです。つまり、ちょっと前で述べた「日本の貿易黒字は高度経済成長などと重なります。」と整合性がまったく取れていません。
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　この時点で既に論理的にも破綻し、かつ経済の実情とかけ離れていると言えるでしょう。しかし、この「ニュース」の現実離れぶりは、この後、さらに加速していきます。<br />
　まず、貿易赤字に転落した原因として、東日本大震災を挙げています。この部分については、その中にさりげなく、「原発停止による燃料輸入」などを挙げて、原発再稼働宣伝を暗に行なっている部分に問題はありますが、まあ一理あると思います。<br />
　しかし、続いて挙げたのは、財界お得意の「6重苦」でした。この論法がいかに身勝手なものかは、<a href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/08/6.html">既に書いている</a>のでここでは省略します。<br />
　さらにそれを補完するためか、これを報じている記者氏は自らの経験を元に<cite>私は去年の夏まで電機業界など製造業の取材を担当していました。１ドル＝８５円を突破したときから「雇用を守りたいのは山々だが、これ以上、円高が進めば、日本でのものづくりはもはやできない」という声を経営者からよく耳にしました。</cite>などと述べています。<br />
　1ドルが85円になったのは2009年です。ではそれまで製造業は「雇用を守」っていたのでしょうか。もちろん、そのような事は全然ありません。正社員をリストラし、有期雇用・非正規雇用・派遣・偽装請負などの雇用形態を多用し、ちょっとでも収益が減れば、容赦なく労働者を切り捨てる、というのが、今世紀に入ってからの製造業を初めとする大企業の常套手段です。<br />
　これだけでも、このニュースを作った人は現実を見る能力がなく、かつて取材した経営者の主張を、無批判・無考察でそのまま流しているだけ、ということがよく解ります。</p>
<p>
　そのようなニュースですので、当然、最後に提示される「解決案」も同レベルです。<br />
　まず書いているのが、<cite>去年の夏まで製造業の取材を担当していた私は、各地の「ものづくり」の現場を見てきました。 そこには、日本人ならではの「繊細さ」、「緻密さ」を生かした技術や製品があり、製造ノウハウが詰まっていました。（中略）「勤勉さ」や「我慢強さ」など、他の国が真似しようとしても真似のできない強みを日本人は持っています。</cite>などというものです。<br />
　二度にわたって「製造業の取材経験」をひけらかしているわけですが、それがどう飛躍すれば「他の国が真似しようとしても真似のできない強みを日本人は持ってい」る事になるのでしょうか。<br />
　もしそのような事を主張するならば、実際に海外で綿密な取材を行い、「他の国が真似しようとしても真似のできない」理由を明確に示す必要があります。<br />
　まさかとは思いますが、「日本人はその社畜根性とも言える『勤勉さ・我慢強さ』ゆえに、何百人も過労死している。このような事が起きるのは日本しかないことからも、他の国は真似できないことが分かる」とでも主張したいのでしょうか。<br />
　そして、その空論を元に、<cite>企業がその強みを活かし</cite>・<cite>政府は企業の投資を促し</cite>と、「政府が企業をもっと応援すれば良くなる」という、日経新聞や読売新聞に何十回も載っているような、財界の主張そのままの、使い古された「解決策」で結ばれていました。
</p>
<p>
　NHKのニュースといえば、少なからぬ人が「信頼に足る情報」として見ていると思われます。その枠において、このような経済的な考察力も分析力もない記者が作った、財界の主張をそのまま垂れ流すだけの「ニュース」が流れたわけです。<br />
　そう考えると、日本経済が良くなる（≠大企業の利益増大）ためにはまず、「NHKのニュースが言っている事に信じる価値はない」という事実を、多くの人が知る事から始まるのでは、と強く思いました。それが、この「ニュース」を読んだ唯一の「収穫」でした。
</p>]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>「経済は一流」という遺物</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2012/01/post_90.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=179" title="「経済は一流」という遺物" />
    <id>tag:korede.iinoka.net,2012://1.179</id>
    
    <published>2012-01-11T15:24:55Z</published>
    <updated>2012-01-11T15:26:15Z</updated>
    
    <summary> 　1980年代の新聞でよく見かけた標語に「日本は経済は一流、政治は三流」という...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="政治" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　1980年代の新聞でよく見かけた標語に「日本は経済は一流、政治は三流」というものがありました。「経済大国になった事から分かるように、日本はの経済は一流だが、不祥事を起こす事からも分かるように政治家は三流だ」という主張です。<br />
　実際にGNP（当時）などで示される指標は好調でした。一方の政治のほうは汚職事件などがよく報じられていました。特に、その代表格で刑事事件で有罪判決が下された故・田中角栄氏が相変わらず政権政党である自民党を牛耳っている、というような状況でした。<br />
　それゆえに、この標語は当時の多くの人に信じられていたようです。
</p>
<p>
　この思想が拡大され、「政治家・官僚の主張・施策には間違いもあるが、日本経済を一流にした財界の行動・主張は正しい」という事が常識であるかのように報じられました。<br />
　そのため、最も収益力があったトヨタが採用したシステムは、完璧に正しいものであるかのように伝えられました。また、メザシが好物だった経団連会長は、庶民の救世主であるかのようにもてはやされました。<br />
　そして、「政治や国営および公営事業は間違いだ。民間企業のやり方を導入すべきだ」「財界の主張に従えば間違いない」というような「世論」が形成されました。これらの根底には「政治は三流だが経済は一流」という理念があったと思われます。
</p>]]>
        <![CDATA[<p>
　日本が「世界に誇る経済大国」だった1980年代までなら、この標語にも有効性があったのかもしれません。<br />
　ところが、その後、日本経済はバブル崩壊とともに「失われた20年」に突入しました。その厳しい時期において、「経済は一流」と喧伝された財界は、何一つ「一流」な所を見せることができませんでした。<br />
　そして、彼らの行った方策は、「働く人たちに損をさせて、自分たちだけは利益を維持する」というものでした。<br />
　その方針のもと、法人税・富裕層の所得税減税・証券優遇税制などが実施されました。さらに、リストラ・賃下げ・雇用の不安定化が横行しました。その結果、日本は「先進国」では、給与所得者の収入が年々減り続ける国になってしまいました。（<a href="http://f.hatena.ne.jp/asaka-kazunobu/20120110212119" target="_blank">参考資料</a>)</p>
<p>
　このような状態ではもはや、「経済は一流」などと言えるわけがありません。もはや過去の遺物だとしか言いようがないでしょう。ところが、なぜか「政治は三流、経済は一流」という理念および、それを前提とした報道は、いまでも普通に報じられています。<br />
　たとえば、<a href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/10/post_86.html">以前にも書きました</a>が、政治家の言動に対しては時には感情的な言葉を使ってまで批判するのに、財界有力者の発言はどんな破綻した内容でも無批判に載せます。<br />
　また、「経済は一流」を前提にした、「民営化すれば何でも良くなる」「『民』は『官』より優れている」という報道が流され続けています。<br />
　実際には、あれだけ大騒ぎした郵政民営化がもたらしたのは、過疎地の郵便局の閉鎖・遅配の増加・投信販売購入者の損失、などというものでしかありませんでした。<br />
　また、国鉄は「分割・民営化」によって安全を軽視するようになり、福知山線事故などで多くの人が亡くなっています。<br />
　さらに、大王製紙やオリンパスのような経営者の異常行動や、大手企業の偽装請負・労働者酷使による過労死など、「民間企業」の様々な問題点が明るみになっています。<br />
　最近では大阪市で、「成果主義の手法を用いて学校教育をやる」などという方針が発表されました。「民」の方策の誤りの中でも、成果主義は特に有名で、富士通を筆頭に多数の失敗例が存在していいます。しかし、そのような事実を加味した報道は行われません。<br />
　このように、現実を見ずに、「経済は一流（＝私企業のやることは正しい）」というとっくの昔に通用しなくなった標語を前提に論が組み立てられているのです。<br />
　商業マスコミの使う宣伝文句によく「新聞を読めば世の中がわかるようになる」というのがあります。しかしながら、このように「30年前の遺物」に拘泥した報道を見ていると、むしろ「新聞を読むと現実の世の中が理解できなくなる」というほうが正しいのでは、と思えてしまいます。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>権力者の死と軍部暴発の因果関係</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/12/post_89.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=178" title="権力者の死と軍部暴発の因果関係" />
    <id>tag:korede.iinoka.net,2011://1.178</id>
    
    <published>2011-12-31T14:29:49Z</published>
    <updated>2011-12-31T14:30:31Z</updated>
    
    <summary> 　半月ほど前に、北朝鮮の最高指導者であるキム=ジョンイル氏が亡くなりました。そ...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　半月ほど前に、北朝鮮の最高指導者であるキム=ジョンイル氏が亡くなりました。それ以降、新聞や週刊誌は「北朝鮮軍が軍事行動を起こす可能性」などという記事を何度も流しています。<br />
　私の知る限り、歴史上、圧倒的な力を持つ権力者が病死し、直後にその国の軍隊が他国を攻めた、という事例は聞いたことがありません。普通に考えても、リーダーがいなくなれば、まずは国内体制を再構築しようとするのが普通です。<br />
　もし、「軍部が暴発」する可能性があるとしたら、これまで過激な思想を持つ軍を、キム=ジョンイル氏が抑えており、死によってそのタガが外れた、というくらいしかありません。<br />
　しかしながら、もしそうだとしたら、これまで散々「報道」されてきた、「ジョンイル氏は異常な独裁者であり、いつ日本に攻めてくるかわからない」という論調と矛盾してしまいます。<br />
　つまり、この「軍部暴発報道」は、どう考えても破綻しているわけです。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　実際、さんざん煽った、「北朝鮮軍の暴走」などは、当然ながら一切発生しませんでした。しかしながら、「ジョンイル氏直後に、無責任かつ事実と異なる憶測記事を流し、いたずらに読者の不安を煽って申し訳ない」などと謝罪記事を載せた新聞・週刊誌はありません。<br />
　このように、商業マスコミは「記事の正しさ」について、何ら責任感を持っていません。その事を象徴するような一件でした。
</p>
<p>
　今年は、原発事故関連において、商業マスコミの報道の不正確さおよび、その誤りが明らかになってからの無責任な態度が、従来以上に目立ちました。<br />
　さらに、政府高官が原発に否定的な事を言うと感情的な言葉で否定し、その一方で大阪市長については、府知事時代の失政を無視して礼賛記事を垂れ流す、などという異常さもありました。<br />
　この「何の根拠も論理的な理由もなく北朝鮮軍暴発を煽り、それが間違っていても何ら責任を取らない」というのは、この一年流され続けた「不正確・無責任報道」の総仕上げみたいなものだな、と思いました。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>事実を無視した「選挙応援記事」</title>
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    <published>2011-11-25T16:04:00Z</published>
    <updated>2011-11-25T16:08:05Z</updated>
    
    <summary> 　半月ほど前に出た読売新聞の記事に、大阪市長選の「争点」として「市営地下鉄民営...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　半月ほど前に出た読売新聞の記事に、大阪市長選の「争点」として<a href="http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/kansai1320596829627_02/news/20111107-OYT8T00080.htm?from=yoltop" target="_blank">「市営地下鉄民営化」</a>が取り上げられていました。<br />
　そこでは、「公営だから無駄な例」を挙げていました。その槍玉になったのは乗り入れ先の私鉄はワンマン運転をしているが、大阪市営地下鉄では車掌が乗務している、という例でした。<br />
　記事の冒頭では、車掌が乗務する理由として<cite>近鉄線は乗客の転落防止用センサーが各駅に設置されているため、電車は車掌なしのワンマン運転だ。一方、地下鉄はセンサーがなく、乗降客も多いため運転士、車掌の２人乗務となる。</cite>と書いています。<br />
　つまり、同じ電車を使ってはいるが、ホームの設備が異なるうえに乗降客が多いから市営地下鉄ではワンマン運転ができないというわけです。設備もなく、客が多ければ車掌が乗務する、などというのは当然の事です。<br />
　ところが、数行たつと、<cite>経営改善が進んだとはいえ、市営地下鉄の営業キロ当たりの人員約４４人は、関西大手私鉄５社の平均の２倍以上だ。中央線の例にあるように、官特有の過剰な人員はまだ残る。</cite>などと、いきなり中央線の車掌さんは、公営の弊害ゆえに存在する「余剰人員」になってしまいました。<br />
　ちなみに、近鉄にも車掌がいる路線など山ほどあります。一方、読売新聞の本社のすぐ下を走っている都営地下鉄三田線はワンマン化されています。つまり、鉄道のワンマン運転と公営・私営は何ら関係がありません。にも関わらず、車掌さんが「官特有の過剰な人員」と結論づけているのです。<br />
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　さらに、<cite>民営化すれば、人員削減など経営の合理化が加速し、路線建設に「政治判断」が入り込む余地がなくなる。その結果、「運賃の値下げが進む」と、橋下氏は主張する。</cite>などという候補者の発言を、無批判に掲載しています。<br />
　しかしながら、公営鉄道が民営化されたら値下げされた、などという事例はありません。ちなみに、その逆の例はいくらでもあります。なんでも、今回の選挙で「東京メトロは民営化されたら値下げした」などと言っている人がいるそうですが、もちろんこれは根も葉もないつくり話です。<br />
　ついでに言えば、国鉄は「民営化」されましたが、その後も、「政治判断」が入り込んでの新幹線建設は行われ続けています。つまり、ここで掲載された氏の発言は、一つ残らず事実と反しているわけです。しかし、この記事ではそれに対する指摘は一切ありません。<br />
　ついでに言うと、大阪市のすぐ近くの福知山線で「民営化」が契機となっての競争重視と労働強化方針によって、6年前に大惨事がおきました。しかしながら、この記事はそのような「民営化による問題点」についても一切書かれていません。
</p>
<p>
　その後も、両論併記の体裁をとりながら、市営地下鉄民営化およびそれを主張する橋下氏の視点ばかりで記事は進んでいきます。これでは、事実を報じる「記事」ではなく、単なる特定候補の「選挙公報」であると言うよりありません。<br />
　橋下氏が当選して大阪市営地下鉄が私企業になると、スポンサー筋などの関係で読売新聞の利益になるのでしょう。それゆえ、このような論理性もなければ事実検証も一切行なっていない「選挙応援文」を「記事」と称して掲載したのかと思われます。<br />
　改めて、日本の商業マスコミの本質は、大本営発表を垂れ流した1940年代後半から何一つ変わっていないのだ、と痛感させられた、「記事」でした。
</p>
]]>
    </content>
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    <title>派遣法改正を骨抜きにした勢力</title>
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    <published>2011-11-16T15:59:00Z</published>
    <updated>2011-11-16T16:00:32Z</updated>
    
    <summary> 　派遣労働者法の改正案として、製造業派遣と登録型派遣を禁止する条項が盛り込まれ...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="政治" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　派遣労働者法の改正案として、製造業派遣と登録型派遣を禁止する条項が盛り込まれる事になっていました。それを削除する事を、民主・自民・公明が合意した、というニュースを見ました。<br />
　削除された経緯として読売新聞は<a href="http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111115-OYT1T00381.htm" target="_blank">経済界に「急な仕事の発注に対応できない中小企業が影響を受ける」などと反対意見が強い。自公両党も経済界の懸念を踏まえて政府案を批判。</a>という記事を書いています。<br />
　この文章を読むと、なんか中小企業に配慮したかのように思われます。しかし、もし「中小企業のため」というのならば、「製造業派遣・登録派遣は禁止。ただし、資本金3億円以下並びに従業員300人以下で連結対象でない企業には当分の間猶予」などという例外規定を設け、大企業のみ禁止にすればいいだけの話です。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　また、「経済界」がそのように中小企業を心配するならば、なぜ大企業は、ちょっとでも売上が下がると、すぐに下請け叩きや切り捨てを行うのでしょうか。そちらのほうがよほど「中小企業が影響を受ける」と思うのですが・・・。<br />
　つまるところ、実際は自分たち大企業が、今まで通り派遣社員を自由に切り捨てて、利益を増やしたいだけの話なわけです。そして、その主張の建前として「中小企業のため」などという心にもない言葉を使うわけです。「日本経済のため」などといいながら、自分たちだけが儲かるような主張しかしない、財界らしさがよく出ています。<br />
　そして、その主張を受けて法案を骨抜きにしようとする政治業者および、「中小企業のため」などという空虚な建前を無批判に掲載する新聞の姿を見れば、彼等が財界と一心同体である事がよく分かります。</p>
<p>
　この国で権力を持っている集団が、いかに自分達の利益しか考えておらず、そのためには他人の不幸などどうでもいいと思っている事、およびその口実として平然と嘘の理由を主張するかが、改めてよく分かった一件でした。<br />
　同時に、この権力構造が続く限り、一部の豊かな人々がさらに莫大な利益を得るために、さらに多くの働く人が切り捨てられる、という構図が変わる事はない、ということを改めて実感しました。
</p>
]]>
    </content>
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<entry>
    <title>マスコミの「権力監視」</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/10/post_86.html" />
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    <published>2011-10-18T13:35:14Z</published>
    <updated>2011-10-18T13:36:08Z</updated>
    
    <summary> 　昔から、マスコミの役割として「権力監視」というものが言われています。そして、...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　昔から、マスコミの役割として「権力監視」というものが言われています。そして、当のマスコミも、自らそれを宣伝しています。<br />
　確かに、一部の政治家・政党・官僚に対しては、日頃から批判記事を書いているように見えます。たとえば、「脱原発依存」を宣言した後の管首相（当時）に対しては、感情的な言葉までまじえて、激しい熱意で批判報道をしていました。同様に、原発事故の被害を受けた地域を「死の町」と言った閣僚も徹底的に叩かれました。<br />
　そのように、一部の政治家については、そのような姿勢を見せることもあります。しかしながら、それ以外の「権力」に対しては、「監視」とは程遠い事しか書いていません。
</p>
<p>
　その象徴は、「財界総理」とも言われる経団連会長およびそれに準じる財界幹部の発言に関する報道です。彼等は厳然たる権力を持ち、それによって日本経済に影響を与えています。<br />
　しかし、マスコミはその発言を無批判に報じるだけです。特に、財界と政界の意見が食い違うような事が生じると、政治家を批判しますが、財界幹部は批判しません。もし、本当にマスコミが「権力監視」をしていると思っている人がその日の新聞を読めば、「財界の言っているほうが正しい」と思ってしまうでしょう。<br />
　もちろん、財界の主張が常に正しいのならば、マスコミが「監視」する必要はありません。しかし、財界の主張に沿って政策が進められた結果、日本の経済はどうなったのでしょうか。<br />
　確かに財界を構成する大企業は利益と内部留保を増やしています。その一方で、働く人が得る給与は減っています。要は「1％が儲けるために99％が損をする」という結果になっているわけです。<br />
　そのような現実がありながら、マスコミは相変わらず、財界幹部の発言を、神の言葉であるかのように、褒めたたえています。<br />
　また、その財界に忠実な政策を行う地方地自治体の知事に対しても同様です。彼らが失政を重ねて税金を無駄にしても、それを批判することはありません。一方で、彼等が派手な発言をすれば、これまた無批判で報じます。
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　また、権力を濫用している組織として、警察があります。露骨に政治介入を行なっており、他の政党が行う政治活動は黙認しても、反権力・反財界的な政策を掲げる政党の活動については、わざわざ尾行した上で言いがかりのような理由で逮捕する、などという事を平然と行います。<br />
　そして、今年になって盛んになった反原発などのデモにおいては、参加者の逮捕を繰り返しています。逮捕された人は拘留され、家宅捜索までされますが、もちろん犯罪を立件する事などはできません。つまり、典型的な不当逮捕なわけです。<br />
　しかし、このような警察の行為に対しても、マスコミの「権力監視」機能は一切働きません。原発デモの不当逮捕においては、「参加者のうち、機動隊員を殴った12名が逮捕された」などと、不当逮捕をする側の立場で報道しています。<br />
　常識で考えれば、街中をデモしている市民が、闘いのプロである機動隊員を殴れるはずなどありません。にも関わらず、そのような「権力側の発表」をそのまま記事にしているわけです。こんな事で「監視」などできるわけがありません。
</p>
<p>
　というわけで、いくつかの「権力」に対する報道状況を確認するだけで、「マスコミの権力監視」などは存在しない事がよくわかります。<br />
　なお、冒頭で取り上げた管前首相などに対する批判報道ですが、これも本質的には「権力監視」ではありません。「政財官」の三者によって構築されている「権力」の方針である「事故が起ころうと原発推進」に逆らった政治家を叩いているだけの事です。<br />
　つまり、政治的な権力についても、そのような「異端」は叩きますが、根源については「監視」など一切していないのです。<br />
　たとえば、最近になって、日本に米軍基地を設置する際に様々な密約が存在した事が明かされています。しかし、そのような「売国的行為」をマスコミが批判する事はありません。それどころか、相も変わらず「日米同盟は国の基軸」などと言って、米軍の言いなりになるよう主張している有様です。<br />
　結局、マスコミが主張している「権力監視」などというものは、建前でしかないわけです。それを真に受けてしまい、「権力を監視しているマスコミの主張だから、我々一般市民の側に立ったものに違いない」などと思ってしまうと、とんでもない事実誤認をおかしてしまう事になってしまいます。
</p>
<p>
　この「権力監視」以外にも、彼らが主張している建前と現実が大幅に乖離している事はたくさんあります。<br />
　ちょうど今週は「新聞週間」との事です。この機会に、このような商業マスコミの掲げる建前と現実の違いを色々見ていけば、彼らが何のために存在し、誰のために記事を発信しているのかがより一層明らかになるのでは、と思っています。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>大企業の「6重苦」</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=174" title="大企業の「6重苦」" />
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    <published>2011-08-21T15:06:53Z</published>
    <updated>2011-08-21T15:07:27Z</updated>
    
    <summary> 　最近、財界人が日本の「6重苦」なるものを主張し、それをマスコミが報じています...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　最近、財界人が日本の「6重苦」なるものを主張し、それをマスコミが報じています。その六つとは「円高、法人税が高い、貿易自由化の遅れ、労働規制、温室効果ガス抑制策、電力不足」で、この状態が続けば、企業は海外に出て行く、と脅しています。<br />
　つまり、これらの制度を財界の都合のいいように変更しろ、と主張し、マスコミもそれを後押ししているわけです。<br />
　では、その「6重苦」の解消とは、具体的にどのような政策によって実現されるのでしょうか。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　まず円高ですが、彼らの求めている対策をとるとなると、政府が円を売ってドルを買う為替介入を行わざるをえません。要は、税金からそれだけの円が「対策」のために使われるわけです。<br />
　続いての「法人税が高い」は長年宣伝し続けている事です。既に何度も書いていますが、減免措置や社会保障費用の負担率を考えれば、他国に比べて日本企業の負担が高い、などという事はありません。いずれにせよ、減税すればもちろん、財政に悪影響を及ぼします。<br />
　「貿易自由化の遅れ」は、TPP推進の事を意味しています。実現すれば一部輸出企業は儲かるのかもしれません。その代償に農業などの一次産業はもちろんですが、サービス業などの第三次産業も損害を被ります。<br />
　「労働規制」ですが、日本の労働者は、労働時間・有休消化率のいずれも「先進国」と言えないレベルでの労働条件で働かされています。そして、残業代ピンはね・長時間残業、さらには過労死などの問題が頻発しています。<br />
　その現状を見れば、「日本の労働規制は厳しい」などと言うのは妄言であるとしか言いようがありません。にも関わらず、より一層労働者をこき使わないとやっていけない、と主張しているわけです。<br />
　「温室ガス効果抑制」についても、別に「温室ガス抑制に根拠がないから解除せよ」と言っているわけではありません。単に「温室ガスで地球の未来に悪影響を及ぼしても、そんな事は知った事ではない。今自分が利益を挙げれば、後は野となれ山となれだ」と主張しているだけのことです。<br />
　「電力不足」については、「原発を再稼働せよ」を言い換えているに過ぎません。したがって、前述の「未来の地球など知った事ではない」に、「原発事故が再度発生し、福島と同様の被害が発生しようと、知った事ではない」が追加された主張だと解釈すべきでしょう。
</p>
<p>
　このように考えていけば、「6重苦」の対策によってどの層が痛みを受けるかは明白です。<br />
　円高対策や法人税減税で税収が減れば、再分配の対象となる人の苦しみが増えます。TPPや労働規制緩和は、一次産業従事者や労働者の生活を苦しくします。そして、温室ガス規制撤廃や原発推進は、地元の人、さらには未来の人々に負担を押し付けます。<br />
　それを代償として、自分たちの利益を増やしたい、というのが「6重苦」発言の真意です。</p>
<p>
　彼らの「脅し文句」は「今のままでは海外に行かざるをえない。そうなれば産業が空洞化し、雇用が失われる」です。<br />
　しかしながら、それを真に受けて「分かりました。ならば国民の生活及び未来の環境を犠牲にしますので、日本にいてください」などと懇願する必要があるとのでしょうか。<br />
　仮にそこまでして「居残ってもらった」とします。しかし、彼らの利益はすぐに頭打ちになり、また「6重苦」を持ち出すでしょう。そして、「居続けてもらう」ためには、より一層、一般国民の生活と未来の環境を彼らに「切り売り」するよりないわけです。
</p>
<p>
　そんな事までして、彼らにいてもらう必要があるとは思えません。だいたい、「空洞化」などと脅してますが、仮に彼らが出て行ったら日本の経済がなくなるわけではありません。その後に新たな産業が興るだけの話です。<br />
　「6重苦」などと主張している企業は、当然ながら国や自治体を動かせるだけの力と既得権益を得ているわけです。そのような権益を持っている企業がいなくなってくれば、新たな産業も育ちやすくなるでしょう。<br />
　このように、「国民の生活と未来の環境を犠牲にしなければ外国に出ていくと脅す企業」は、日本にとって百害あって一利なしの存在なのです。彼らの要求を丸呑みして生活と未来を犠牲に残ってもらう必要性などどこにもありません。<br />
　むしろ、積極的に日本から出て行ってくれるような対応を取ったほうが、生活や環境はもちろんの事、経済にも好影響をもたらす事でしょう。
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>「安全性が確保された」の意味</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=173" title="「安全性が確保された」の意味" />
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    <published>2011-07-23T14:03:14Z</published>
    <updated>2011-07-23T14:04:02Z</updated>
    
    <summary> 　電力会社・財界・政治業者たちが盛んに「原発の安全性」について宣伝しています。...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="経済" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　電力会社・財界・政治業者たちが盛んに「原発の安全性」について宣伝しています。彼らによると、安全性は既に確保されており、それについては政府が責任を取れるそうです。<br />
　同様に、商業マスコミも社説などで「原発の安全性を発信し、再稼動せよ」などと主張しています。<br />
　しかし、現に福島では、いまだに原発事故が解決していません。それどころか、「いつまでにどうやって解決するか」すら明確になっていません。つまりは全くもって安全ではないのです。
</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　ではなぜ、政財界やマスコミは「安全」などと主張できるのでしょうか。実は私もしばらく不思議に思っていました。しかし最近になって、「安全」の概念が、彼らと我々では違うからだ、という事に気づきました。<br />
　少なからぬ人が「福島が現在進行形で事故を起こしているから安全でない」と考えています。その理由は当然ながら、原発は未だに爆発の危険性を残したまま放射能を排出し続けているからです。<br />
　なにしろ、それによって原発周囲は居住不能になり、福島では大量の放射線が降り注ぎ、多くの農産物や畜産物から放射性物質が検出されているのです。それにより、住民の健康・農家の生活に被害が出ています。</p>
<p>
　ところが、住民が被っているそれらの事は、実は政財界やマスコミにとってはどうでもいい事なのです。原発周辺の人が住むところを失おうと、子供が将来癌になろうと、収入源を絶たれた農民が自殺しようと、それは地元住民などの安全が侵されているだけの話です。<br />
　実際、東電の役員で住むところを失った人はいませんし、財界要人の子供に尿からセシウムが検出された例もありません。もちろん、自殺したマスコミ関係者もいません。<br />
　そして、相変わらず彼らは立派な家に住み、安定した収入があります。話題の福島産牛肉などを食べる事もないでしょう。<br />
　仮に今後、玄海や大飯の原発に何かあってもそれは変わりません。これまでも、万が一の事が発生しても、彼らの「安全」が担保されるような場所を選んで原発を作ってきたからです。したがって、彼らにとっては、3月11日以降も「原発は安全」なのです。
</p>
<p>
　このような事は他にもいくらでもあります。たとえば、何百万人もの人が兵隊に取られ、中国・ソ連や南方で戦死・餓死・凍死をしても、権力者たちのほとんどが生き残れば「あの戦争はかならずしも悪くはなかった」となります。<br />
　また、労働者の収入が減り、雇用が不安定になっても、大企業の当期純利益が増えれば、「日本経済は回復している」となるわけです。<br />
　同様に、「原発の安全性が確立された」と主張する勢力にとっての「安全」と、普通に暮らしている人の「安全」は全く違うものです。その大前提を認識せずに、彼らが流す「原発の安全性確立」などという言葉を信じるのは、大きな勘違いになる、という事に注意する必要があるでしょう。
</p>
]]>
    </content>
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<entry>
    <title>税と社会保障の一体改革における「現役世代」</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://korede.iinoka.net/archives/2011/07/post_84.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://korede.iinoka.net/cgi/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=1/entry_id=172" title="税と社会保障の一体改革における「現役世代」" />
    <id>tag:korede.iinoka.net,2011://1.172</id>
    
    <published>2011-07-10T15:25:54Z</published>
    <updated>2011-07-10T15:26:51Z</updated>
    
    <summary> 　財界とマスコミが熱心に「税と社会保障の一体改革」の旗振りをしています。その口...</summary>
    <author>
        <name>OONO</name>
        
    </author>
            <category term="報道" />
            <category term="政治" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://korede.iinoka.net/">
        <![CDATA[<p>
　財界とマスコミが熱心に「税と社会保障の一体改革」の旗振りをしています。その口実として、「現役世代の負担軽減のため」という言葉をよく使います。<br />
　実際に日本の社会保障に問題があるのは、福祉削減を推し進め続けた、当時の自民党政府と財界の政策が原因です。それについては触れずに、「老人の取り分が多いから」という<a href="http://korede.iinoka.net/archives/2010/09/2.html">分断支配</a>の手法を用いて、「現役世代」の敵意を老人に向けさせるわけです。<br />
　ところで、その「税と社会保障の一体改革」によって現役世代の負担はどのように軽減されるのでしょうか。</p>
]]>
        <![CDATA[<p>
　一体改革のうち、「税」にあたる部分で行おうとしているのは消費税増税です。言うまでもなく、消費税の負担に年齢は関係ありません。どの世代であろうと、同じだけ負担が増えます。<br />
　一方、「社会保障」にあたる部分で行われるのは給付の削減です。その方法は、実際に支払う金額を減らすことと、年金の支給開始年齢の変更などにより、支給対象者を減らす方法の二つに大別されます。いずれにせよ、給付が減ることには変わりはありません。<br />
　これも世代は全く関係ありません。確かに、最初に被害を受けるのは「引退世代」です。しかし、将来受給する現役世代も同じ目にあうわけです。むしろ、この道筋が作られれば、今後も同様に削減が進むでしょう。そう考えると、現役世代はより負担が重く、給付が減るわけです。<br />
　こうやって考えれば、「税と社会保障の一体改革」が現役世代にとっても百害あって一利なしである事は簡単に分かります。その一方で、財界やマスコミは「現役世代の負担軽減のため」と宣伝しています。なぜこのような事が起きるのでしょうか。
</p>
<p>
　その疑問を解く鍵は、「現役世代」という言葉の定義にあります。「現役世代」と聞けば、現在労働していて、将来社会保障を受ける予定の人、いわゆる「生産年齢人口」に近い世代を思い浮かべるのが普通です。実際、ここまでこの文章でも。それを前提に書いていました。<br />
　しかし、実はマスコミの記事において、「現役世代」とはどのような人々を意味するのか、という定義はなされていません。<br />
　では、その記事における「現役世代」とはどのような層の事なのでしょうか。その答えは、「現役世代の負担軽減のための一体改革」という言葉に隠されています。<br />
　「一体改革」が実現し、消費税を増税し、福祉を削減しても負担が発生しないという条件を満たせるのは、かなりの収入を得ている人たちです。すなわち「一体改革」を進めている財界やマスコミの経営層が当てはまります。そして、年齢こそ高いものの、確かに彼らは現役で活動しています。<br />
　つまり、彼らの言う「現役世代」とは「財界やマスコミなどに現役で所属して高収益を得ている世代」なのです。もちろん、それを読んだ生産年齢世代の労働者が、「現役世代の負担軽減」と聞いて、「一体改革が進めば自分たちの負担を軽減する」と勝手に誤解しても、それは彼らの知った事ではありません。</p>
<p>
　これまで、国鉄解体・小選挙区制・郵政私企業化など、多くの国民が損をして、財界などの一部だけが儲かる政策が何度も行われてきました。いずれに於いても、それを推進する際には、それが実現さえすれば、普通に働いている一般国民に益がある、とマスコミは宣伝していました。今回もその手法を使っているわけです。<br />
　「現役世代の負担軽減のため」の本当の意味が「財界などに属する現役世代の負担を軽減するために、高齢世代のみならず、普通に働いている生産年齢人口の負担を増やす」である、という事を意識しておく必要がああります。さもないと、現実を180度逆に認識してしまうでしょう。
</p>
]]>
    </content>
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