自分を貫く生き方

 翁長雄志沖縄県知事が逝去されました。
 翁長さんは、もともと自民党の沖縄県幹部として、議員や市長を務めていました。
 しかし、辺野古基地建設をはじめとする、沖縄で暮らす人の苦しみを無視する自民党政治についていけず、基地反対を表明しました。
 そして圧倒的大差で県知事となり、辺野古反対をはじめ、自民党の悪政と闘い続けていました。
 しかし、膵臓がんにより、志半ばで亡くなってしまいました。

 もし翁長さんが、沖縄の方々の苦しみに背を向け、自民党幹部の道を続けてきたらどうなったでしょうか。
 多くの財産と地位を得て、心労もなく、安寧とした政治家人生を過ごし、長生きできたかもしれません。
 しかしながら、その道を捨て、強大な権力と闘い続ける道を選んだわけです。

 翁長さんには遠く及びませんが、自分も似たような選択をした事があります。
 都内で働いていたとき、一度ならず、「その職場で権力を持つ勢力に従い、弱い立場の人を切り捨てる立場に行けば出世できる」という可能性を提示された事がありました。
 その道を選んでいたら、今よりずっと裕福な生活ができていた事でしょう。
 ただ、どうしても、自分はその道に進むことができませんでした。
 道を変えることによって得られるお金や地位よりも、失うもののほうが多いと思ったからです。
 実際、いま振り返っても、あの時の選択は間違いなかったと確信しています。
 翁長さんが権力に屈して地位や名誉を得る道を捨て、苦労して闘う道を選んだのも、同じ考えだったからなのでは、と僭越ながら思っています。

 残念ながら、翁長さんは、道半ばにして亡くなりました。
 しかしながら、その結果、日本の歴史に残る名政治家として、名を残すことになりました。
 自分も、この翁長さんを生きざまを見習って、これからの人生を過ごしていきたいと思っています。