3月8日に、千葉西警察署前交差点の切り替えが行われました。
その結果、旧14号で大渋滞が発生しました。乗り合いバスも渋滞に巻き込まれています。
それに限らず、14号・357号でも渋滞が悪化しています。
結果を見れば、この切り替えは改悪だったと言わざるを得ません。
この問題点と解決策について書いてみます。
1.交差点新旧比較
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ではまず、この交差点が以前はどうなっていて、現在はどうなっているかを解説していきます。
3月7日までは、上図のような構造になっていました。
まず、旧道の信号「①」と、14号・357号の信号「②」が同時に青になります。
同様に、並行する横断歩道「B」も青になります。
なお、「①」で進んだ車と「②」で進んだ車が合流する地点(画像に「事故発生」と書かれているところ)には、信号がありません。譲り合って合流します。
しばらくすると、旧道の「①」だけが赤になり、「②」が青のまま、旧道交差点を北に行く「③」が青(厳密には前方と左の青矢印)になります。
これは14号・357号から曲がって北に行く車を通すためです。なお、「③」の信号は遠くから見えにくいように配慮されているので、「④」で信号待ちしている車には青になった事は見えません。
続いて、「②」が右折可能の赤になります。
それが終わると、「④」が青になり、南から北に行けるようになります。横断歩道「A」も同様です。
それが終わると、「⑤」が青になり、今度は北から南に行けるようになり、それが終わると、「①」「②」が青になって一周する、という仕組みでした。
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これが、3月8日から以下のように変わりました。
最大の変化は、旧道から直接14号・357号へ合流する道を通行止めにした事です。
それと同時に、信号の設定も大幅に変わりました。
まず、14号・357号の「イ」が直進・左折のみ青となります。以前と違い、旧道の「ロ」は赤のままです。
続いて、「イ」が右折のみとなります。
「イ」が赤になると、今度は「ロ」及び、北から14号・357号に向かう「ハ」が同時に青になります。
続いて、「ロ」が赤になり、代りに「ニ」が青になります。「ハ」は青のままです。
そして、「ニ」と「ハ」が赤になると、「ホ」が青になります。
「ホ」が赤になると、「イ」が直進・左折のみ青となり一周します。
一番変わったのは、旧道からの信号(上の図では「①」、下の図では「ロ」でした。
これまでは、青の間に車が12台くらいは進めました。
しかも、そのまま14号・357号に入れたのです。
ところが、改悪後は青の間に7台しか進めなくなりました。しかも、これはクレームを受けての措置であり、当初は4台しか進めませんでした。
しかも、14号・357号に入るには、そこから右折と左折をしなければなりません。
当然ながら、進める台数が大幅に減った旧14号は渋滞が慢性化しました。
また、その煽りをくって、14号・357号の渋滞も悪化しました。
上の図の信号「②」は、「①」が青の間はずっと青で、さらに「④」が青になるまで進めました。
それに対し、「イ」は、「ロ」が青になると赤になるため、以前より進める台数が減ったのです(計測していませんが、体感的にそう思いました)。
2.変更の目的を検証
上に掲載した図は、当局側が説明のために作ったものです。
2つの効能が書かれていますが、その実態を検証してみます。
まず、最大の問題点である、旧道から14号・357号に直接入る道を通行止めにした理由です。
「合流する時に事故が発生するから、それを防ぐため」となっています。
しかし筆者は、6年ちょっと前の免許取り立ての頃から、この道で合流していますが、危険を感じた事はありません。
だいたい、この合流が危ないから廃止する、というのなら、まったく同じ構造である、高速道路でインターから合流する道は、全て信号をつけるか廃止する必要が生じてしまいます。
もう一つの、上図の横断歩道「A」で事故が発生するから、横断歩道を移設した、というのも意味不明です。
どこに移設しようと、横断歩道が青の時に、曲がってくる車が存在する以上、巻き込み事故は発生します。
実際、新設された横断歩道に対応する信号「ハ」地点には、「左折者は巻き込み注意」という看板が新たに出ていました。
巻き込みリスクをゼロにするには、歩車分離式交差点にするしかありません。それをせずに、横断歩道の場所だけを変えても、新たな巻き込みリスクが発生するだけの話です。
3.新たな事故リスクが
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当局の作成した図では、以前発生した事故リスクが、変更によりゼロになったかのように見せられています。
しかし、実はこの改悪により、重大な事故リスクが発生しています。
旧道から14号・357号に進む車のために、改悪後は、「ロ」と「ハ」の信号が同時に青になりました。
一方で、「ハ」のすぐ手前にある「ニ」の信号は赤のままです。
しかし、「ニ」のすぐ前で待つ運転手はどこを見るのでしょうか。
運転席が低ければ、「ニ」より「ハ」のほうがよく見えます。
10mも離れずに同じ向きに設置されている、「ハ」と「ニ」が違う表示をしているとは考えにくいでしょう。
その結果、「ハ」でなく、「ニ」を見て北から南に進んだり、旧道へ右折する危険性があります。
実際、筆者も、そのような「信号無視」を目撃した経験がありました。
ともに気づかず右折をした場合、重大な事故が起きる危険性があるのです。
4.小手先の対策でさらなる渋滞が発生
3月8日の切り替えが失敗である事は、この渋滞の現状を見れば明らかです。
先述したように、旧道から出る青信号の時間を伸ばしましたが、渋滞はなくなりません。
また、千葉西警察署前交差点でなく、検見川陸橋のところで、14号・357号に入るよう促す文言が、後付で看板に追加されました。
しかし、そこでも渋滞が起きています。さらに、渋滞が渋滞を発生させ、検見川陸橋より西の部分にも渋滞が発生するようになりました。一番酷かった時は、花見川のあたりまで渋滞していたのを見た人もいます。
旧道から14号・357号に簡単に入ることができた道を潰してしまったわけです。その後、小手先の対策をいくら取っても、渋滞がなくなるわけがありません。
5.結論
というわけで、この千葉西警察署前交差点改悪が、事故防止の効果も期待できず、ただ渋滞を発生させるだけ、という事が明らかになりました。
当初の設計の際に、十分な検証をせずに実行してしまったから、と言わざるを得ません。
その結果、多くの人が困っています。
特に、旧道を利用しているバス路線も、この渋滞に巻き込まれています。
この路線は、かつては平日のみ運行だったのが、乗客が増え、土日も運行するようになり、本数も増えました。
しかし、この渋滞が続けば、乗客が離れてしまう可能性があります。
そのような不便を防ぐためにも、早急に合流道路の通行止めを解除し、信号も以前に戻す必要があります。
そして、この失敗を十分に検証し、今度は地域住民やバス会社などと十分に話し合った上で、再度、交差点をどうするかを決めるべきです。