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イラク「解放」と水害

 アメリカ南部のハリケーンの被害が拡大する一方です。最初は単にハリケーンの威力が凄かったのだと思っていたのですが、どうもそうではないようです。伝染病が発生しているだの、救助物質がいきわたらないだのというのを聞くと、「どのくらい災害にたいする備えをしていたのだろうか?」と不思議に思えます。そしてアメリカ政府は「被害者が退避勧告に従わなかったからだ」と、責任を転嫁しています。このようなニュースを見れば見るほど「天災に人災が加わって、被害を拡大した」という印象を持ちます。
 一方で、アメリカは相変わらず、イラクに大量の軍隊を駐留させています。確か、最初に戦争を始めた題目の一つに「フセイン大統領の圧政からイラク国民を解放する」などというのがありました。しかし、この状態を見ると、自国の災害対策もちゃんとせずに、イラクの民衆を「解放」しに派兵していた事になります。呆れるよりありません。
 もっとも、「解放」などという題目とは裏腹に、イラクで実際にやっている事は、大量虐殺を始めとする、旧体制に劣るとも勝らない圧政です。かつて、江戸幕府は士農工商の下に身分をつくり、その最下層の人々を差別させる事によって身分の低い人々の不満をそらせようとしました。まさか、それと同じで、一連の政策は、イラクの人々を虐待する事により、自国の恵まれない人々に、「彼らに比べれば・・・」と思わせるためなのか、などとすら思えてきてしまいます。