都知事選で宇都宮けんじ候補を推す理由

 2月9日に都知事選挙があります。
 自分は千葉県民なので投票権はありません。ただ、自分の出身地であり、27年間住んでいた所です。また、現在も家族や多くの友人・知人が暮らしています。そのため、毎回、都知事選は非常に注目しています。
 今回、自分が推しているのは、宇都宮けんじ候補です。
 これを読んだ都民の方は、ぜひ宇都宮さんに投票していただければと思います。
 では、以下にその理由を記載します。

 宇都宮さんのサイトにある、「5つの基本政策」を読むと、氏の考えの土台がどこにあるか、非常によく分かります。
 まず、
I 世界一、働きやすく、くらしやすい希望のまち東京をつくります。
 これは、安倍首相が常日頃言っている「世界一企業が活動しやすい国」に真っ向から対立する考え方です。
 世界一企業が活動しやすくすると、賃金・税金などの支出を下げ、環境規制なども大幅に緩和する事になります。
 それはそのまま、そこで暮らす人の労働条件・生活環境の悪化となります。
 つまり、宇都宮氏は、安倍首相の基本政策と正反対の主張をしているわけです。
 この公約が実現すれば、確かに企業は活動しにくくなります。労働法を順守し、適正な賃金と労働時間を守り、環境にも配慮せねばならないからです。
 一方、その結果、東京は、働きやすく、暮らしやすい街に変わるわけです。

 二番目の基本政策は
II 地域経済を活性化し、環境重視・防災減災重視のまち東京をつくります。
 これも、現在進められている経済政策とは根本的に異なっています。
 現在の日本では、「とにかく大企業がより栄えればいい」という経済政策が行われています。そして、大企業の活動を制限する「規制」が大幅に緩和されました。
 それをさらに進めたものが、いま問題となっている「国家戦略特区構想」なわけです。
 これらの政策が進められた結果、多くの地域では、大企業が系列するチェーン店に、個人や中小事業者が経営する店が淘汰されてしまっています。
 大企業のチェーン店は低賃金・非正規で人を働かせ、収益は本社が持っていきます。
 つまり、「地域」にはお金がまわらなくなってしまっているのです。
 それを切り替えて、「地域」を主体にすれば、おのずと、お金のまわり方も変わってきます。
 「I」もそうですが、これが実現すれば大企業の収益は減るかも知れません。しかし、普通に働いている人たちの暮らしはよくなるでしょう。
 これは、「環境重視」にも言える事です。あれだけ道路があるのに、東京ではさらに高尾山にトンネルを掘っってまで道路を増やそうとしています。
 これも、ごく一部の層が大儲けできる代わりに、貴重な自然が傷つけられてしまうわけです。
 環境を重視する都政になれば、このような流れも変わるでしょう。

 「3」の反原発と、「5」の反安倍・反自民ももちろん重要です。しかし、長くなるので、ここでは、東京ならではの問題である
IV 教育現場への押し付けをなくし、すべての子どもたちが生き生きと学べる学校をつくります。
についてのみ書きます。
(※「3」と「5」に関する事は、当ブログの他記事で色々と書いています。お時間があれば、別途お読みいただければ幸いです。)
 石原元知事の時代錯誤の「教育政策」によって、東京の教育は「先祖がえり」してしまいました。
 日の丸・君が代の強制がその象徴でしょう。他にも、障がいのある子供の現状を無視して、養護学校の実情に即した性教育を「過激な性教育」だのと弾圧した事もありました。
 そのため、そのような「押し付け」に協力するならば、教育に対する識見のないような人間ですら教育委員にしました。
 日頃から、女性を「モノ」扱いするような発言を繰り返し、園遊会で「日本中の学校に日の丸を上げて君が代を歌わせるのが私の使命」などと言うような輩を「教育委員」にしたのはその象徴と言えるでしょう。
 もちろん、これは東京都だけではありません。安倍政権も、それと同じように、「戦前教育への回帰」を進めています。
 この「東京発」の教育改悪を、「押し付け型」から「子どもが生き生きと学べる学校」に変えるのは、非常に意義のある事です。

 では、他の「有力候補」はどうでしょうか。
 自民公認の舛添氏や、安倍首相を持ち上げている田母神氏は、自他ともに認める安倍首相や石原元知事の側、すなわち「世界一企業が活動しやすい国」「地域よりも大企業を優先」「原発推進」を目指す立場です。
 また、「反原発」を主張し、「反安倍」であるかのように言われている細川氏も実は、その二人と同じ立ち位置です。
 その一番分かりやすい理由は、氏と一緒に選挙運動をしている小泉元首相の存在です。
 安倍首相の目指している「世界一企業が活動しやすい国」の路線を明確に作ったのは、10年前の「小泉改革」でした。
 当時、マスコミはこの「改革」をさんざん持ち上げましたが、その実態は、自殺者を増やす改革でしかありませんでした。
 その小泉元首相は、今回の選挙において、「首相時代の原発推進政策」については、反省を表明しています。
 しかしながら、これらの「小泉改革」については、何ら反省など表明していません。
 そして、細川氏自身のサイトにも、「政策」として、「国家戦略特区の活用」などと、「世界一企業が活躍しやすい国」に向けた安倍首相の政策の「活用」が書かれています。
 これに対しては批判が多かったようで。2月6日に急きょ「国家戦略特区については雇用を守る方向での活用を考えています」という一文が追加されました。
 また、あわせて、当初書かれていた「ハローワークの都営化・民間活用」という文言も削除されています。
 雇用を守るのなら、「区域内は既存の法律を適用しない」という「特区」などは必要がありません。労働基準法などの厳守を進めればいいだけの話です。
 だいたい、投票三日前に批判を受けた公約を「修正」するというのもいい加減な話です。
こんな安易に追加できるという事は、いつでも撤回できるわけです。ちなみに、小泉首相の「名言」にはこのくらいの公約を守らない事など大したことではないというのがあります。
 これらの事実から分かるように、「脱原発」にという主張で、自分が「反安倍」であるかのように見せかけている細川氏も、本質は「安倍首相の側に立つ人」なのです。
 加えて言えば、今回の細川陣営には、石原元知事が共同代表を務めている日本維新の会の議員も参加しています。「反石原」の候補だったら、このような事は生じるわけがありません。

 この何十年か、自民党の政治よって、日本はごく一部の層だけが大きな利益を得て、それ以外の人々は、彼らに利益を吸い上げられる、という経済状況になりました。
 それをさらに進めていく安倍政権、並びに、その自民党的な手法を先鋭的に進めた石原都政のせいで生活が悪化した人、並びに、子供や孫の将来が心配になっている人は、ぜひとも宇都宮けんじ候補に投票していただきたいと思っています。