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小泉首相にとっての「平和」

 「終戦記念日」の式典が行われました。そこでの小泉首相の談話は不戦の誓いを堅持し、平和国家の建設にまい進する。国際社会の一員として世界の恒久平和の確立に積極的に貢献していくというものだそうです。
 この談話だけを見ると、首相はかなりの「平和主義者」のようです。しかし、実際に行っている政策は、イラク侵略の全面賛成であり、自衛隊を派兵して米兵輸送を行っている事であり、かつての被侵略国の再三の抗議を無視しての靖国参拝なわけです。
 この発言と実際に行っている政策・行動に「整合性」を持たせるには、発言における単語を「翻訳」する必要がありそうです。
 さしずめ、

  • 不戦-アメリカ相手には戦争しない事。
  • 平和-アメリカの軍事力により、「敵対勢力」が打ち負かされる事。実現するには大量虐殺を伴なう事が多い。
  • 国際社会-アメリカが絶対的な権力を持つ社会。

 とでもなるのでしょう。
 これならば、あれだけ9条改憲を個人でも党でも主張しながら、原爆記念日の演説で今後とも、平和憲法を順守するなどと堂々と言えるのも理解できます。
 いずれにせよ、このような人物が政治を行っている限り、一般的な意味での「平和な生活」を我々が維持するのは難しそうです。

軍事力によって侵略は防げる?

 憲法9条擁護や自衛隊削減を主張すると、反論として「では日本が攻めて来られたらどうする?」と言われる事があります。これはつまるところ、「軍備がない(弱い)と、他国の侵略を防げない」という主張のようです。
 しかし、これは本当なのでしょうか。これだと、「他国の侵略を防げるのは軍備がある(強い)からだ」となります。しかし、昨年からのイラクを見ればそんな事はないのは明らかです。かつてのイラク同様にアメリカが「ならず者国家」などと名づけて敵視している国は他にもあります。それらの国がイラクのようになっていないのは、イラクより軍事力が充実しているからではないでしょう。
 さらに言うと、地上最強の軍隊を要するアメリカは、3年前に国家の中心地を攻撃されました。もちろん、これは「侵略を受けた」とは違います。しかし、「国外の勢力に攻めて来られて多くの死者を出した」わけです。この惨事においてアメリカの軍事力は抑止力として役に立ちませんでした。むしろ、テロを起こされる原因だったくらいです。
 このように、ここ数年の例だけ見ても、「軍備がない(弱い)と、他国の侵略を防げない」というのが本当なのか、非常に疑問です。ついでに言うと、日本が一番強烈な「他国の侵略」を受けたのは、非武装どころか、東アジアから赤道近くまでを侵略し、ハワイを攻撃できるほどの軍事力を持っていた時期でした。

発言の重み

 米兵がイラクで捕虜を虐待したという疑惑が報じられて話題になっています。まあ、クラスタ爆弾を落として、子供たちを爆殺する軍隊なわけですから、捕虜虐待をやった事については特に驚きませんでした。
 ただ、興味深かったのはブッシュ大統領の反応です。即座に大統領はホワイトハウスで記者団に対し、関与したのは「ごく少数」で、在外米軍全体の傾向を示すものではないと強調した。そうです。
 普通、どんな「疑惑」でも「調査の結果を待って」とか言いそうなものです。しかも、一方では、イラク人虐待に軍情報機関関与、准将が示唆などという情報も流れています。もし、後者が事実でしたら、ブッシュ大統領は情報を分析せずに思い込みで「自分の願望」を公式発表したことになります。また、万が一虐待が事実でなかったとしても、疑惑が残っている段階で「ごく少数」と断言しているのが不適切なのには変わりありません。
 まあ、「自分の願望」を明白な事実であるかのように宣言したのは、昨年の春先にもやっているので、その異常さには驚きはしませんでしたが。
 いずれにせよ、これは「一国の大統領」以前の問題として、社会人としての資質を問いたくなるような言動です。こんな人間が世界最強の軍隊の指揮権を有していること、さらにそのような人間に絶対服従に近い態度をとる政府があること、さらにはその政府が自分の住んでいる国の行政をつかさどっている事に、何とも言えない不快感を覚えました。