自民党参院選公約とSF商法

 自民党の参院選公約が色々と話題になっています。
 公式サイトから、自民党の政権公約を開いたのですが、最初のページは安倍首相の写真しか掲載されていません。
 そこから左側のガイドをクリックしながらページをめくっても、自慢話的な事や、具体性のない言葉がほとんどです。
 そして、最後までそれを見るとやっと政策BANKという名前の公約を箇条書きにしたものがやっと見ることができます。
 その大量の項目の一番下に、「国民合意の上に憲法改正」という項目が出てきます。
 自民党サイトの設定した「順路」にしたがって政権公約ページを読み進めれば、ここにたどりつくまで、15分以上はかかりそうです。
 しかも、その改憲に関するページには、具体的に憲法のどの項目を変えたいのかが一切書かれていません。
 自ら作成した改憲草案(※PDF注意)がせっかくあるのに、それへのリンクすら貼っていないのです。

 改憲は党是ですし、総裁である安倍首相もしばらく前まではさんざん口にしていました。にも関わらず、その「党是」をここまで気づかれにくい場所に置いてあるわけです。
 改憲草案とあわせて、よほど、国民に見られたくないのでしょう。
 このサイト構成を見た時に思ったのが、SF商法(催眠商法)の事でした。
 これは、チラシに激安商品を並べて、興味を持った人を通常の店舗と異なる販売所に集める、という商法です。さんざん安く売ったりタダでプレゼントしたりして、集まった人の意識を操り、最後には本当に売りたかったものを市価より高く売りつけて大儲けをする、というものです。
 ちなみに、その「本当に売りつけたい高額商品」は、「激安」が並んだチラシの目立たない所に、小さく掲載されています。
 この政権公約を見た時は、このSF商法のチラシと非常によく似通っていると思いました。

 「党是」だと総裁が公言しているほどの重要政策です。ならば、政権公約の一番目立つ所に、改憲草案とともに表示するのが普通ではないでしょうか。
 それを、このようなSF商法を彷彿させるような目立たない所に置いているわけです。
 これは、存在が気づかれてはまずいほど、多くの国民にとって不利益をもたらす改憲であることを、自民党自体が承知していると言わざるをえないのではないでしょうか。
 改めて、今回の選挙で改憲を自公並びにその補完勢力を伸ばしては大変な事になるな、と強く思わされた「自民党政権公約」でした。