政府交渉に初参加

 日本共産党千葉県委員会の政府交渉に参加しました。
 このような交渉に参加するのは、地方自治体も含めて初めての事です。初めて議員会館に行った事もあり、少々緊張しました。
 自分が参加したのは、文部科学省・国土交通省・環境省・厚生労働省との交渉でした。
 事前に先方に渡した要請文の回答を聞き、それに対して再度質疑応答をする、という形式です。
 自分は初めてという事もあり、ひたすら質疑を聞いていました。
 それぞれ、興味深いやりとりだったのですが、その中で、特に驚いたやりとりを二つほど紹介しようと思います。

 一つは、文科省に、非正規教員問題を質した時の事でした。
 非正規教員は増える一方で、千葉県の一部の自治体に至っては、新規採用の半分が非正規という状況になっています。
 つまり、新人教員の二人に一人は、いつ解雇されるかわからない、という状況で教壇に立っているのです。
 しかも、同じ授業を行っているにも関わらず、非正規教員だと有給休暇を翌年に持ち越せないなどという差別的待遇まで行われています。
 教師にとっても、児童・生徒にとっても極めて不幸な話です。

 しかし、文科省の担当者は、それを当然視するような回答をしていました。
 最初は、合格者の採用事態や途中退職などがあるため、非正規教員の採用も仕方ない、などと言っていました。
 さらに、再度「新規採用の半分が非正規」というのが問題だと思わないのか、と質問した人に対し、「今後は少子化になるから、教員が余ってくる。それに備えるため仕方ない」と回答したのです。
 現在、学校では、教員の多忙が問題になっています。休みもほとんど取れず、残業代も出ずに長時間働くという「ブラック労働」を強いられ、心身を壊す人が多発しています。
 自分も先日、朝6時ころに学校の前を通ったら、職員室の電気が煌々とついていて驚いた、という経験をしたばかりです。
 つまり人手不足なのですが、それを補おうという感覚はないわけです。
 さらに、低待遇・不安定な非正規教員の現状を改善する気もないようでした。

 また、厚労省と「ブラック労働」について質疑応答したときも、色々と驚かされました。
 特にびっくりしたのは、違法企業の名前を公表すべきでは、という質問への回答でした。
 なんと、「企業名を公表すると、調査に入った時に隠蔽工作を行うなど、非協力的になる。それを防ぐために非公表にしている」というものでした。
 聞いていて、調査に入った際に企業名を公表しなければ、厚労省の調査に対し積極的に協力し、問題点を改善すると、この人達は思っているのだろうか、と思いました。
 もちろん、実際にそんな事はありません。
 筆者もいくつか労基の調査を受けた企業の内情を聞いたことがあります。
 しかしながら、その「温情」で社名を非公開にしてもらったから、それらの企業がそれ以降は労働基準法を守るようになった、という事はありません。
 ある企業は労基の指摘で、それまで管理職扱いだった係長に残業代を出すようになりました。
 しかしながら、その係長たちに人件費管理の圧力をかけ、その結果、係長たちは「サービス残業」をせざるをえなくなった、という結果に終わりました。
 別の会社は、変形労働を悪用して人件費を削減していました。その結果労基の調査が入ったのですが、その会社が取った対策は「労基に提出する勤務表と、実際の勤務表をそれぞれ作成する」というものでした。
 このような現実を知っているだけに、「非公表にすれば調査に協力しなくなる」などと堂々と言うこの担当者は、現実を知らないのだろうか、と心底呆れました。
 同時に、非公表にしているのがそんないい加減な理由である以上、違法企業の社名公表は必須だと強く思いました。

 ここでは、特にひどい回答を二つほど挙げました。
 ただ、だからといって、回答を行った担当者が全員ひどい役人だったと言うわけではありません。
 中には、誠実な態度で、問題点を上申すると真摯な表情で回答していた人もいました。
 ただ、全体を見ると、「上の意向」を受けて、苦労して働いている人に対しての冷たい回答が多かったと思いました。
 とはいえ、現場で働く政府の担当者の主張を知ること、さらには彼らに現状を知らせる事は、このような政治を変えるためには重要です。
 実際、このような交渉を重ね、さらには国会で質問をすることにより、いくつかの「ブラック労働」が明らかになり、一定の改善を成し遂げた実例は色々あります。
 そういう事も含め、非常に有益だった、初めての政府交渉でした。

「ダラダラ残業」という都市伝説

 過労自殺を出した電通が「夜10時を過ぎたら全館消灯」という指示を出した事がニュースになりました。
 また、先日は、東京都知事が「午後8時で消灯」という指示を出したことも大きく報じられていました。
 いずれも、マスコミはこれを「長時間労働問題の対策」であると報じています。
 長時間労働の経験がある人で、これに違和感を覚えない人はいないと思います。
 にも関わらず、なぜ、このような報道がなされるのでしょうか。

 それは、表題にも書いた「ダラダラ残業」などというものが存在する事を前提に、記事が作られているからです。
 要は、「遅くまで残業している人は、残業代で収入を増やすために、8時間で終わる仕事を9時間以上かけてダラダラ行っている。だから消灯時刻を早めれば残業は減るのだ」という理屈です。
 ちなみに、自民党が国会に提出中の「高度プロフェッショナル制度」というものがあります。これについては反対する野党や労働者は「残業代ゼロ制度」と呼び、自民党に近いマスコミは「時間ではなく成果で評価される制度」と読んでいるものです。
 この「解説記事」にも、これで、「残業代を稼ぎたいがためにダラダラ仕事をする人がいなくなる」などという趣旨の事が書かれています。
 しかしながら、本当に「ブラック企業」が蔓延している現代日本社会において、そのような事は存在するのでしょうか。

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「民営化」するとサービス向上?

 今から30数年前、政財界とマスコミは、「民営化万能論」を宣伝していました。
 よく使われたのは「経済は一流、政治は三流」という宣伝文句でした。
 世界2位の経済大国になったのだから「経済(=私企業)は一流」だというわけです。
 一方、当時、徹底的に報道されたロッキード事件などの不祥事から「政治(=官公庁)は三流」と定義しました。
 そして、「民間企業は優秀で官公庁はダメなのだから、国有企業などを民営化すれば改善される」「公務員は利潤追求する必要がないからサービスが悪い。民営化することによりサービスは向上する」という宣伝がなされました。
 そこで作られた「世論」を後押しにして、国鉄・電電公社・専売公社などの「民営化」が進められたわけです。そして、それぞれ、JR・NTT・JTといった「民営企業」になったわけです。
 この論法はいまだに各所で使われています。最近だと、大阪での「市営交通民営化論」が有名です。他にも、各自治体で、「公的機関に民間企業を導入」が進められています。
 しかし、本当に「民営化」はサービス向上を招くのでしょうか。

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