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「死刑」「懲役300年」を嬉々として幹部が語る党

 自民党の石破幹事長の「憲法改正」発言が話題になっています。(動画
 上記リンク先の2分40秒あたりから、件の発言を聞くことができます。要約すれば、「現在の自衛隊員は、命令を拒否することができる。そこで、命令を拒否すれば死刑・無期懲役・懲役300年など、その国の最高刑を適用したい。そうすれば、『そんな目に遭うくらいなら』と出動命令に従うだろう」という感じです。
 このくだりを、石破氏は、身振り手振りを交え、力をこめて語っていました。よほど、このような制度を作りたいのでしょう。
 その顔やしぐさを見ながら、68年前、もはや勝敗の帰趨は決定的であったにも関わらず、「特攻隊」だの「人間魚雷」などを考えだし、若い人たちを犬死させた人々も、おそらくは、この映像の石破氏のような、表情・身振りで、自ら立案した作戦を説明したのかも、などとも思いました。

 権力者というのは、他人を従わせる事に喜びを覚えるという性癖があるように思えます。
 かつて自分も何度か「ワンマン指向の経営者」の下で何度か働いた事がありました。彼らの共通点は、自分が決めた事を強権的に社員に実行させる事および、意に沿わない社員は人事権を使って飛ばしたり、退職に追い込んだりしました。
 この石破氏の発言からも、それに通じるものを感じました。
 実際、自民党が作った「改憲案」を見ても、このような考え方が随所に出ています。
 ついでに言うと、今回、自民党から立候補している「ミスターブラック企業」の渡邉美樹氏も、自分の考えを強権的に社員に行わせる事を自慢話として語っています。

 現在の日本では、一部の強者・富裕者のみがより強く豊かになり、その一方で、それ以外の人々は着実に弱く、貧しくなっています。
 そのような世の中を作ったのが、「小泉改革」に代表される、自民党の諸政策でした。
 今後も、このような人々が権力を持ち続ければ、このように力づくで弱い人を従わせ、収奪する傾向がより一層ひどくなるでしょう。
 冒頭の、石破氏の発言は、それを象徴するものなのだろうな、と思いました。

文春の「アンケート」問題

 週刊文春がネットで、「緊急アンケート!安藤美姫選手の出産を支持しますか?」などというアンケートを行いました。
 当然のことながら抗議が殺到し、数時間でアンケートは中止になり、編集長からの謝罪文が載りました。
 しかしながら、この「謝罪文」がまた不誠実極まりない内容で、さらに不評を買っています。

 このような「アンケート」をしていいかどうかなどは、ちょっと考えればすぐ分かることです。
 この編集長氏の名前は新谷学さんだそうですが、彼は、もし誰かが「あなたは新谷学編集長のお母さんが学さんを出産した事を支持しますか?」などというアンケートが行ったら、どのような気分になるのでしょうか。
 「アンケート」を実施する前に数秒間使ってそれを考えれば、このような「アンケート」を出す事などできなかったでしょう。
 そのような想像力すら持てない人間がいること、さらにはそのような輩が新聞や電車に何枚もの広告を出せるほど影響力を持っている週刊誌の編集長をやっている、という事に呆れると同時に、恐怖心を感じました。
 もっとも、週刊文春といえば、かつての「名物編集長」が栄転後に「ホロコースト否定論」をやって国際的な避難を浴びた、という前例があります。
 それを考えると、まあ、このような人が編集長をやっているのは「適材適所」なのかもしれません。
 マスコミで働く人は、その影響力ゆえに、人一倍の人権意識が必要なはずです。しかしながら、この編集長氏のみならず、むしろ人一倍人権感覚が欠如している人が少なからず存在しています。
 毎度の事ですが、その異常さに呆れました。