自らの存在価値を否定する議員と政党

 自民党と民主党が、議員数の削減を競い合っています。現在、日本政治は不況対策をはじめ、行なわねばならない課題が山ほどあるはずです。にも関わらず、国権の最高機関である議会の「担当者」を削減しよう、というのですから奇妙な話です。
 しかも、これは国会議員の集団である自民党と民主党が自ら言っているわけです。自ら議員として仕事をした結果、そのような主張をするわけです、ということは、彼らは議員として存在する価値がないような仕事しかしていない、としか解釈のしようがありません。
 しかし、それならば、議員定数の削減などする必要はありません。単に、彼らが議員に立候補するのをやめればいいだけの話です。
 これなら、法改正などする必要もありません。したがって、彼らの主張する「政治の経費削減」という意味でも極めて理に適っています。
 もちろん、「経費削減」が建前でしかないことは分かっています。彼らの真意は少数政党を締めだして、今以上に財界やアメリカの意に沿った政治をやりたいだけの話です。
 そのような真意を隠して、「自らも身を削る」みたいな事を主張するする事自体に問題があります。そしてそれ以上に、いくら国民を偽るための建前とはいえ、このような「自分たちの存在は無駄」と主張をするという自民党・民主党の論理性の低さには改めて驚かされました。