千葉市パラリンピック学校連携観戦について

 8月17日、千葉市は、パラリンピック学校連携観戦を当初の予定通り実施する、と発表しました。
 計画通りに進むと、約2万8千人の小中学生が、パラリンピックを観戦することになります。
 すでに、パラリンピックは無観客開催が決定されています。その理由はもちろん、観客を入れたら新型コロナ感染のリスクが高まるからです。
 当然ながら、小中学生を観戦させれば、新型コロナ感染のリスクが発生します。

 特に、この8月になって、状況は大きく変わっています。
 まず、感染者数が、五輪強行開催の影響もあり、大幅に増えました。
 8月18日の千葉県新規感染者は1,600人を越えました。死者も5人出ています。うち295人の感染者を出した千葉市では、40代の方も亡くなっています。
 そして、学校・保育所などでクラスターが多発しています。
 それだけ、若年者の感染が拡大し、しかもそこからさらに別の若い人に感染、という状況になっているわけです。
 当初よく言われた、「新型コロナは若い人はかかりにくいし、かかっても無症状」などというのは、もはや現在には通用しません。
 そのようななか、学校連携観戦などを実施したらどうなるでしょうか。
 極めて高い確率で、子どもの間で感染爆発が発生します。さらに家庭内感染で大人にも広がるでしょう。

 この現状で、千葉市が学校連携観戦を行うなど、絶対に許されません。
 市長などは、「教育効果をふまえ、一生の財産として心に残る機会にしたい」と発言していました。
 そもそも、政治家が勝手に「これが子どもの一生の財産だ」などと決めつけるのは極めて傲慢です。
 人、それぞれ考えや価値観があります。パラ観戦が一生の思い出になる人もいるでしょうが、同時に、「興味がなく退屈だった」という人もいるでしょう。
 一生の財産というものは、市長や県知事が決めるものではないのです。
 
 もちろん、パラスポーツを観戦することが、貴重な学びの機会になる、という可能性を否定する気はありません。
 しかし、それはあくまでも、「観戦している子どもたちの健康が守られる」という大前提があります。
 それが担保されなければ、「観戦による教育効果」よりも、「感染による命・健康のリスク」のほうが大きくなります。
 感染して命を落としたり、重篤な後遺症が発生すれば、人生に関わります。
 政治家が勝手に押し付けた「一生の財産」なるものの対価として、「一生残る負債」が発生するなど、容認できることではありません。
 本当に子どもの将来を考えているのならば、この学校連携観戦計画を即時に中止すべきです。

 千葉市が強行するならば、市民の声で止めるしかありません。
 かつて千葉市は、小中学校普通教室にエアコンが設置されていませんでした。
 設置に背を向け続ける当時の市長に対し、多くの市民が粘り強く声をあげ、署名を集めました。
 その結果、ついに昨年夏、エアコン設置が実現しました。
 このように多くの市民が声を挙げれば、政治を動かすことができるのです。
 日本共産党千葉市議団は、パラリンピック学校連携観戦中止のネット署名を立ち上げました。
 千葉市外の方でも署名は可能です。
 ぜひ、皆さんの声を千葉市に届けてください。
クリックすると、千葉市パラリンピック学校連携中止を求める署名へ移動します

千葉市パラリンピック学校連携中止を求める署名です

 現在、この千葉市による学校連携観戦実施という事があまりにも異常なので、まずはそれを止めるために全力を尽くしています。
 しかしながら、学校連携観戦をしなければ、パラリンピックを開催していいとは考えていません。
 オリンピックで実証されたように、仮に「無観客」でも、感染が大きく広がります。
 パラリンピックそのものを中止すべきだと考えています。