採点

 名古屋で、「イラク派兵の是非」を試験問題にして、「賛成」を0点、「反対」を5点とした日本史の教師のニュースがありました。この人がなぜ「イラク派兵はよくない」と考えるに至ったか分かりません。しかし、自分のやった「採点権を利用して、生徒にイラク派兵反対と書かせる」という事が、多数の議席を利用して派兵を強引に推し進めた自民党政府と同レベルでしかない、という事に気づかなかったのでしょうか。

 ちなみに私の高校3年の時の日本史の教師は、若くて気さくで冗談なんかを飛ばしながら、かつ大学受験にあわせた効率のいい授業をする人でした。1月の最後の授業の時、その先生は第二次大戦に関する項目を普通に進めました。そして最後に、「下半身の服を剥ぎ取られた現地女性と日本兵の『記念写真』」を見せました。特に何か主張するわけでもなく、ただ「こういう事実があった」という事を淡々と説明していました。私自身はその「記念写真」はすでに知っていたので、それに対する驚きなどはありませんでした。しかし、その先生の「最後の授業」は今でも鮮明に覚えています。

 ところで、新聞の投書欄を見ていたら、72歳の女性が1944年、女学校で「日本は戦争に勝つか」という試験問題が出て、その中で一人「わからない」と書いた生徒がいたところ、本人は厳しく叱責され、学校レベルでの大問題になったというのがありました。
 こんな「昔話」、10年くらい前に聞いたら「当時の教育は異常だったんだな」という笑い話ですむのでしょう。しかし、東京での異常な「日の丸・君が代」の押し付けや、久留米の「君が代」を歌った時の「声の大きさ」を採点するなどというニュースを見ていると、「当時も今も変わらないんだな」としか思えませんでした。
 いつの時代にもいろいろな「教育者」がいるわけですが、いずれにせよ、自分が持つ「権力」を押し付けるような「教育」だけはしてほしくないものです。

採点」への3件のフィードバック

  1. こだわる こだわる 戦争はんたい!!

    女性や子どもが被害を受ける戦争。 銃を持たされ戦う小さな男の子。戦略化しているかのような性的暴力を女の子に女性へ…後に戦争が終結しても傷は消えない。この愚行 許せない。 戦争は男の力が示されること? 時代背景に反映されてきた女性蔑視、子ども軽視は今後益々…

  2. はじめましてmilouと申します。遅くにお邪魔します。
    大変興味深く拝見いたしました。
    確かに0点なんておかしいですね。あくまで教育的にイラク問題の是非を導いて欲しかったです。
    戦争で一番被害者になるのは一般市民ですよね、(女性が傷つけられる)弱い者に例えられるいつもそうです。
    日本史の先生ですか…大事な教科です。
    私も高校一年生の国語科、(古典)第一日目の授業の時 黒板に『君が代』の詩を全文書きこの『君と』は何かを教えたあとで、赤チョークで大きくバツをしてとんでもない歌だと言った先生が忘れられません。
    日の丸掲揚 国歌斉唱の強制はなりふり構わず横行していますね。
    流れに竿さす一人でありたいと思います。
    私の大人げないblogにもお暇な時にのぞいて見てください。

  3. milou様
    はじめまして。コメント有難うございます。
    ブログのほう、拝見させていただきました。
    PTAの話など、興味深く読ませていただきました。
    あと、私もセではタイガースを応援しています。
    もっとも、先月からの一番のひいきチーム(?)は「選手会」ですが。
    これからも楽しみに読ませていただきます。

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