地方議員が言論を弾圧する時代

 本宮ひろ志氏の「国が燃える」という漫画が、南京大虐殺を題材にしました。すると、地方議員がその内容について抗議。すると出版社は連載を休載にしました。
 代表者のサイトにあった「抗議文」ですら所謂『南京大虐殺』は、当時の体験者や、研究者、学者により、諸説が分かれているところであり、ないという強力な証拠があるものの、あるという確証がない状態 中国の真偽定かでない写真を用い、百人斬りを事実として記載し、意図的 に歴史を歪曲している。との事です。
 ないという強力な証拠があるものの、あるという確証がないというのが議員氏の立場ですが、その人による抗議文ですら、「諸説が分かれている」と書かざるをえないわけで、問題にしている写真も「真偽定かでない」であり「偽造が立証されている」というわけではありません。
 つまるところ、ある種の政治思想の持ち主にとって看過しがたいものである、というだけです。絶対に正されなければいけない事実誤認とは違います。

 ところが、結局この抗議を受けて、掲載している集英社はあっさりとこの作品を休載に。さらに、それを報じた新聞記事はいずれも「ベタ記事」扱い。仮にも、議員が思想信条を理由に出版社に圧力をかけ、それにあっさり屈した事件にしては小さすぎます。
 少なくとも、しばらく前に話題になった「元外相の娘の私生活」などよりは、よほど「言論の自由」に関わると思うのですが。

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