どの国のための外交?

 沖縄に行った外相が、8月のヘリ墜落事件で操縦士の技術を褒め称えました。報道によると、直後に「陳謝した」となっていますが、その記事を読んでみると「操縦士の技術レベルも分からないで言ったのは不適切だった」と「陳謝」し、続けて「あの狭い所に機体を持っていったのは、それはそれですごい」と言っています。つまり、発言そのものは意地でも撤回する気がないようです。
 そのような不評を買ってまで「何をやらかしても米軍は偉大だ」とでも主張したいのでしょうか。大統領選挙で頼まれもしないでブッシュ氏の「応援演説」をした首相や幹事長もそうですが、彼らはアメリカならびに現政権の忠誠心を表明したくて仕方ないようです。
 この墜落事件では、機体を回収した際に作業員が防護服を着ていた事が目撃され、「何か危険な物を積んでいたのでは」という疑いも持たれました。しかし、私の知る限りでは、その件について日本政府が米軍に問い質したという話は聞いていません。さらに、墜落したのと同型機の飛行再開についても、地元が反対しているにも関わらず、あっさり容認しています
 地元住民の声には耳を貸さずに、ひたらすら操縦士の技術を称える事に執着する外相。いったい、どの国の利害を代表して「外交」を行っているのでしょうか。