暗殺者ごときにはイラクは支配させない?

 アメリカのラムズフェルド国防長官が、記者会見で「イラクの一部を暗殺者に支配させるわけにはいかない。この連中は人殺しだ。人の首を切り落とすようなやつらだ」と言ったそうです。
 なんでアメリカ人に「イラクの支配資格」を論じる権利があるか、という重大な疑問があるのですが、それはとりあえず置いておいてこの発言を分析してみます。どうやら、イラクを「支配させる事ができる」有資格者(?)は、「暗殺をしない」「人殺しをしない」「人の首を切り落としてはいけない」の三つを行わない集団のようです。
 言われて見れば確かに、この国防長官が指揮する軍隊は、「暗殺」などという小規模な事はせず、爆弾を振りまいて大量虐殺を行っています。「人の首」も同様です。爆弾の当たり具合によっては、首どころか何十人もの五体が吹っ飛ぶわけです。最後の「人殺し」に関しては理解不能です。しいて解釈すれば、彼らがイラク人の事を、かつての広島や長崎の市民同様、「人」として認識していない、という意味なのか、と思います。
 つまり、彼にとってイラクの支配に適しているのは、そのような殺害能力が比較的弱い「暗殺者」ではなく、大量殺戮のできる「虐殺者」だ、という事なのでしょうね。