記者会見

 イラクの人質事件被害者の郡山さんと今井さんの記者会見が日本特派員協会で行われました。(詳細は、有料ニュースサイトの日刊ベリタに掲載)。
 この事件の被害者については、それこそ家族の言動の品定めまでマスコミは細かく報じてきました。しかし、当事者が始めて本格的に語った機会であるのもかかわらず、この会見は各社のサイトを見ても、かなり目立ちにくい扱いで、会見内容も抄録だけでした。
 唯一、産経新聞だけは、かなり詳しく報じていましたが、それでも上記の有料ページに載った中で非常に重要だと私が感じた、郡山さんによる「昨年と今年ではイラク人の日本人への態度が全然違った」という事も、高遠さんの代理で会見した写真家の森住卓さんの「事件当時嫌がらせをした人で謝罪してきた人もいる」という発言も報じられていません。また、産経としては当然なのでしょうが、別ページでは「識者」が両者をこきおろす「論評」をしていました。
 政府筋から出てきた「煽り情報」は事細かに報道するが、当事者の発言は軽視する、という姿勢なのでしょうね。
 あと、今井さんに対して、「挑戦者、反日活動家、親不孝者、自分は何者だと思いますか」などという質問をした「記者」がいたそうです。どこの社の誰か知りませんが、論理的にも倫理的にも「報道者」に値する質問とは思えません。その記者こそ「扇動者、政治業者の下働き、60年前の亡霊、自分を何者だと思いますか」と自問自答したほうがいいと思いました。