震災時に露呈した千葉県保守県政の弊害

 千葉県知事選挙の投票日が迫っています。日本共産党は、自由党・新社会党・緑の党・市民ネットとともに、すみや信一候補を推しています。
 これまで、大変残念な事に、戦後の民主化によって知事が公選制になって以来、千葉県で革新県政が誕生した事はありません。
 その弊害を象徴するのが、下記の表です。

東日本大震災で、千葉と東京は隣接しているにも関わらず、液状化の被害件数は大差がありました。
その理由を知り合いの一級建築士の方は「当時の知事の違い」と説明してくれました。

 これは、6年前の大震災における、液状化現象の被害発生件数のリストです。
 川一つ隔てただけなのに、千葉と東京における被害件数の違いは顕著です。
 実際、自分の経験でも、あの頃、千葉の埋立地の被害は甚大だったのに、東京の埋立地の被害はほとんど聞きませんでした。
 不思議に思って、以前の仕事でお世話になった一級建築士に尋ねたところ、即座に、「それは東京と千葉の知事の違いによるものです」と答えられました。

 大幅な埋め立てが行われたのは、50年くらい前からです。その時、東京では、今で言う「野党共闘」により、美濃部都知事が誕生していました。
 福祉を充実させた事で知られている人ですが、環境についても、厳しい規制を行ったそうです。
 埋め立ての基準も同様で、その結果、東京の埋立地で液状化現象はほとんど起きなかった事は、6年前の結果から明らかです。

 それに対し、千葉の保守県政は、そのような対処は一切しませんでした。
 話を伺った一級建築士さんの言葉によると、「千葉の県知事は、地盤に使うべき金を、その上の建物や、埋立地による利権のために使っていました」との事でした。
 その建築士さんは、黒川紀章氏の弟子で、独立後は個人の住宅を主に行っている人であり、別に政界の内情に詳しいというわけではありません。
 にも関わらず、あっさりこのように明言した、事には驚かされました。もしかして、「業界の常識なのかも」と思ったほどでした。

 他にも、様々な形で、「70年にわたる保守県政のツケ」を千葉県民は払わされています。
 この状況が続けば、さらなる「ツケ」が千葉に溜まり続ける事、間違いありません。
 たとえば、現知事が常に自慢するのは「アクアラインの値下げ」です。その効果など、千葉市をはじめとする人口密集地や、東総地域には何の「恩恵」もありません。
 メリットがあったのも内房のごく一部に限られるものです。もっとも、その御蔭で鉄道の内房線の衰退が激しいので、内房に効果があったとも言い切れませんが…。ついでに言えば、アクアライン効果に期待して、無謀にも開発が強行された「かずさアカデミアパーク」はいつまでたっても換算しています。
 このように、震災の被害のみならず、歴代の保守県政による弊害は多大なものがあります。それを象徴するのが、「税収は全国4位だが、福祉は軒並み最下位クラス」という千葉の現状でしょう。
 ちょうど50年前の東京では、「野党共闘」による革新知事の誕生により、将来の液状化リスクを防ぐ事ができました。同様に、初の野党共闘が実現したこの千葉県知事選挙でも、すみや信一革新知事を誕生させ、現在の諸問題、さらには将来のリスクを防ぐ必要があると強く思っています。