京葉線幕張新駅予定地見学会に日本共産党千葉県議・市議と一緒に参加しました。
これは、海浜幕張駅と新習志野駅の中間地点、両駅からちょうど1.7kmの場所に新駅を建設する、という計画です。それについて、県企業庁と千葉市の方に説明をしていただきました。
なお、この駅は「請願駅」となるため、JR東日本は費用を負担しないそうです。いただいた資料によると、「幕張新都心拡大地区新駅設置調査会」という組織を、千葉市・習志野市・イオンモール(株)・千葉県企業庁の四者で設置したとのことでした。
ということは、この四者が費用を負担することになるのだろうか、と思いました。
その金額ですが、駅設置で130億円、さらに、線路の向こうまで自由通路を設置すれば50億円かかる、という試算がJR東日本より出ています。合わせると180億円です。単純に均等割りした場合、千葉市は45億円負担となります。
ただ、習志野市は隣接しているとはいえ、市外です。さらに、関係者が地元にメリットがどれほどあるのか分からないと発言しているのを見ると、費用負担する気がどれだけあるか疑問です。それを考えれば、千葉市の負担額が45億円でおさまらない可能性は高そうです。
なお、自分がこの度の市長選挙で訴えている小中学校普通教室の全てにエアコンをつけるための費用は4年間で総額66億円です。
まず、新駅建設予定の場所に行きました。場所は、イオンのファミリーモール前にあるバスターミナルに隣接したところです。
この部分の京葉線は、東京方面が高架、蘇我方面が地上となっています。当然ながら、ホームは二面必要です。高架の部分については傾斜などもあり、既存の高架にホームをつけるだけでは済まなさそうです。
また、新駅予定地周辺にあるのは、巨大なイオンモールです。その向こうには、コストコ・島忠ホームズなどの大型店や企業の施設があります。
したがいまして、ここに駅ができれば、イオンモールに大変有益です。だからこそ、「幕張新都心拡大地区新駅設置調査会」に唯一の企業として参画しているのでしょう。
ちなみに、商業施設・事業所は色々ありましたが、住宅は見当たりませんでした。したがって、新駅で生活が便利になる居住者はいません。
続いて、自由通路の出口予定地に移動しました。
新駅予定地の北東には京葉線の車庫が広がっています。そのため、新駅と線路の向こうを行き来するために約150mの自由通路が建設するという計画についての説明です。
マンション・アパートが数棟ありましたが、あとは、工場・事業所です。線路側はカーオークションの会場で、自動車が並んでいました。
ここまで人が住んでいないところだとは思っておらず、驚きました。
数分歩けば免許センターがあるので、免許証の書き換えをする人には便利かもしれません。しかし、後は、近辺の会社と数棟のマンション・アパートの人しか使う人はいなさそうです。
また、習志野市香澄の住宅地が直線距離では近隣にあります。しかし、その間には、高速道路の料金所があり、それを渡って住宅地に行く道はありません。
習志野市がこの自由通路にお金を出す可能性はかなり低そうです。
以下にGoogleマップによる周辺図並びに、いただいた資料・説明を元に航空写真に予定地を書き込んだ図を掲載します。
議員たちも「誰が利用するのですか?」と驚いていました。それに対し、職員の方は、「ちょっと向こうに大きなマンションがあるので、そこの人が…」と言っていました。
しかし、この地域とそのコロンブスシティというマンションの間には、高速道路があり、そこに行くには長大な陸橋を越える必要があります。
既存駅である海浜幕張駅とを結ぶシャトルバス、さらには幕張本郷駅に至るバス路線があります。確かに、シャトルバスでこちらと結べば、所用時間は少し短くなります。しかし、そこから150mもの自由通路を渡るわけです。それを考えれば、マンションの住人が利用するかは疑問です。
職員の方が「向こうのマンションが…」と言っていたときの表情は、かなり苦しそうに見えました。
率直な感想ですが、この新駅でメリットがあるのはイオンモールであり、市民・県民ではありません。
にも関わらず、千葉市・千葉県の税金を投入する必要があるのか、大変疑問でした。
さらに、自由通路に至っては、イオンモールにすらメリットがあるのだろうか、と思いました。
計画そのものが必要なのかどうか十分検討すべきです。ましてや、税金を投入する必要はないと思いました。
なお、寺尾さとし県議と佐々木ゆうき市議もこの問題をブログで取り上げています。あわせてご覧いただければ幸いです。