カテゴリー別アーカイブ: 平和

サマワの情勢と派兵の関係

 自衛隊の派兵延長が閣議決定されました。その際に、「陸上自衛隊の派兵先であるサマワは安全なのかどうか」というニュースや論議がよく聞かれました。
 しかしながら、自衛隊が派兵されているのはサマワだけではありません。航空自衛隊はアメリカ兵ならびに軍需物資を輸送しつづけ、海上自衛隊もアメリカ補給艦及び駆逐艦に「物品の輸送」を何百回も行いました。これらが報道される事はあまりありません。しかし、こちらのほうが、陸上自衛隊よりもアメリカの軍事活動にとって重要な行為であると思えます。
 これらの「貢献」は当然ながら、サマワの情勢とはなんら関係なく行われています。したがって、サマワがどうなろうが、航空自衛隊や海上自衛隊の「貢献」が終了することはないでしょうし、万が一撤兵しようとしても、アメリカは難色を示すでしょう。

 こうやって考えてみると、小泉首相の「自衛隊のいる所が安全なところだ」発言も、サマワに五時間滞在して「安全を確認した」という防衛長官の言動も、別の意味で理解できます。サマワの治安状況についての論議をのらりくらりとかわしながら派兵を継続し、それ隠れて比較的目立たない形で航空自衛隊や海上自衛隊が「貢献」を継続する、という図式は自民党政府にとっては理想的な展開でしょう。
 今後も、サマワの治安=派兵の是非、みたいなニュースが流れるのに隠れて、どれだけ自衛隊が「アメリカ軍に貢献=イラクの人々の虐殺に協力」するのだろうか、と思うと陰鬱な気持ちになります。

何の「作戦」がどのように「成功」?

 ファルージャの虐殺は、アメリカ軍によると制圧作戦が完了したとのことです(「武装勢力」側の発表は異なるようですが)。そして現時点での死者は「武装勢力」だけで1,200人とのことでした。
 虐殺が始まる前、アメリカ軍は目的として「ザルカウィ容疑者の拘束」「『テロリスト』の一掃」「1月に予定されている選挙実施のため」などを挙げていました。しかし、虐殺前はファルージャにいると言われていたザルカウィ容疑者は気配すらつかめませんでした。武装勢力は各地で蜂起しているようです。また、この虐殺を原因とした選挙ボイコットの動きも出ているようです。
 この状況を見ると、確かにファルージャ制圧はできたものの、主要目的はほとんど達成できず、作戦は大失敗だったと考えるのが妥当なように思えます。しかし、アメリカ軍からもイラク暫定政府からも、そのような反省の談話と思しきものは見当たりません。むしろ、成功を喜ぶようなものばかりです。

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暗殺者ごときにはイラクは支配させない?

 アメリカのラムズフェルド国防長官が、記者会見で「イラクの一部を暗殺者に支配させるわけにはいかない。この連中は人殺しだ。人の首を切り落とすようなやつらだ」と言ったそうです。
 なんでアメリカ人に「イラクの支配資格」を論じる権利があるか、という重大な疑問があるのですが、それはとりあえず置いておいてこの発言を分析してみます。どうやら、イラクを「支配させる事ができる」有資格者(?)は、「暗殺をしない」「人殺しをしない」「人の首を切り落としてはいけない」の三つを行わない集団のようです。
 言われて見れば確かに、この国防長官が指揮する軍隊は、「暗殺」などという小規模な事はせず、爆弾を振りまいて大量虐殺を行っています。「人の首」も同様です。爆弾の当たり具合によっては、首どころか何十人もの五体が吹っ飛ぶわけです。最後の「人殺し」に関しては理解不能です。しいて解釈すれば、彼らがイラク人の事を、かつての広島や長崎の市民同様、「人」として認識していない、という意味なのか、と思います。
 つまり、彼にとってイラクの支配に適しているのは、そのような殺害能力が比較的弱い「暗殺者」ではなく、大量殺戮のできる「虐殺者」だ、という事なのでしょうね。