二重の意味で不要なポスター

 都営地下鉄に乗ったら、駅に石原都知事の写真が大きく載ったポスターが貼ってありました。読んでみたところ、花粉症対策のためのポスターだそうです。
 災害の対策なら、公共機関が何らかの啓発をするポスターを貼る必要があるのかもしれません。しかし、そのポスターには花粉症に対する対策は何一つ書かれていません。ただ、都(都知事?)が「花粉症対策をやっている」と宣伝しているだけのようです。
 言うまでもなく、花粉症が発生するのは今の季節です。そんな時にこんなポスターを貼られても何の役にも立ちません。もし、これから花粉症対策をやる、という意図だとしたら、典型的な「泥縄」です。そう考えるとこのポスター、「知事の政策は見当違いだ」と宣伝しているとすら言えそうです。
 さらに、知事選挙の近いこの時期に、何の役にもたたず、ただ知事の写真だけが目立つようなポスターを掲載すれば、何か意図するところがあるのでは、と氏の支持者以外は疑うでしょう。実際、そういう事もあり、都内の自治体にもこのポスターの掲載を拒否したところもあると聞きます。
 そう考えると、このポスター、二重の意味で、都が税金を使って作成・掲載する必要がないものです。そのような物が存在し、かつそれについて、商業マスコミが取り上げている形跡もありません。そのあたり、今の東京都政の状況を象徴しているな、と電車に乗りながら思いました。