侵略正当化ハラスメント

 身内の女性から、職場で嫌がらせを受けた話を聞きました。なんでも、同じ職場の男性が、IMなどでひたすら、「南京大虐殺否定論」だの「従軍慰安婦商行為論」だのの主張を送ってくるとのことです。別にその女性は職場で政治的な活動をやっているわけではありません。普通に働いているだけです。
 もちろん、どのような思想を持とうがその人の自由です。ナチスのユダヤ人虐殺を肯定しようと、サリン事件を肯定しようと、頭の中で考える分にはその人の権利です。とはいえ、それを違う思想を持っている人に、相手の気持ちを考えずに一方的に主張する、というのは正常とは思えません。

 しかも、内容が内容です。性的な事で異性に嫌がらせを行えば「セクハラ」として問題になるのが普通です。それに対し、「慰安婦問題」は、桁違いの性暴行問題です。以前も書いたように、安倍首相らの妄想を前提とした「商行為説」が成り立ったとしても(もちろん、成り立ちようがないのですが)、やっとそれで東南アジアの少女買春と同レベルにしかならないのです。
 そのような極めて大規模な性的虐待事件を正当化する意見を、職場で嫌がる女性に押しつけるわけです。ある意味、究極の「性的嫌がらせ」です。
 そうやって考えてみると、公共の場や媒体を使って「他国を侵略して大量の人を殺し、さらに殺人のために性欲処理として大量の女性をひどい目にあわせた」というような事を正当化しようと主張し続ける輩の存在、というのは何になるのでしょうか。
 殺人や性的暴行が好きな人はそれを見たり聞いたりして嬉しくなるのかもしれません。しかし、それが嫌いな人にとっては、政治業者やマスコミのそれらの主張は「嫌がらせ」以外の何者でもありません。さらに、彼らは権力を傘に、それを声高に主張しています。権力によってそれを押しつけるのですから、「セクハラ」に「パワハラ」を加えた、と言っていいかもしれません。
 具体的な被害を知ってあらためて、自民党政府や右派マスコミの行っている主張が、いかに社会的に不適切なものであるか、改めて認識させられました。