残虐行為の経費負担

 米軍のイラクでの残虐行為が続々に明るみになっています。よくぞここまで、というような残虐・異常行為のオンパレード。さらに議員が見てさらなる不快感をおよぼした「公開できない映像」があるそうです。
 このような行為は、当然ながら米軍がイラクに駐留するための資金がなくてはできません。そして、日本はそのイラク占領軍に人的・金銭的にも「多大な貢献」をしています。日本からイラクに行く金額は今年だけで総額で50億ドルだそうです。これらの「イラク復興支援資金」を実質的に管理するのは米軍だそうです。実際、最初に日本が15億ドルの「資金拠出」を決めたとき、ブッシュ大統領が歓迎の声明を出しています。
 この「復興資金」がどのように使われているのか分かりません。ただ、このカネがアメリカのイラク占領政策に貢献することは、ブッシュ大統領の発言からも明白です。また、それ以前の問題で、現在イラクにいる米軍のうち、日本に基地がある部隊の駐留経費は「思いやり予算」という名前で日本が負担しています。さらに、航空自衛隊が米兵を輸送するという「人的貢献」も別に存在し、当然ながらその経費は日本のカネです。
 つまり、形の上では直接負担していないとはいえ、現在の米軍の駐留経費の一部は我々の税金から出てきているわけです。そして、その一部が「虐待のための経費」としてイラクで「貢献」したわけです。
 この金額を明らかにする事は、先月一部マスコミで流行した「拘束された日本人を政府の都合で強制送還するためにかけた費用の算出」などよりよほど意義のある事だと思います。しかし、そんな事どころか、税金からどのくらいのカネがイラク占領政策のためにつぎ込まれ、さらに今後どのくらいつぎ込まれそうか、という事すらなかなか記事になりません。
 ついでに言うと、これだけの事が明らかになっても、占領軍に協力することをいまだに「人道支援」などと表現されているのですから、呆れるよりありません。