高官発言と軍が行っていることの整合性

 アメリカ国務省の日本部長で、一昨年まで沖縄総領事を務めていた、ケビン=メア氏が、国務省内にて「オフレコ」で、沖縄の人は怠惰すぎなどという発言をしました。
 これについて、各所で「暴言」として報じられています。たしかに、読むとメア氏が、日本人、特に沖縄県民を心から侮蔑している事がよく伝わってきます。
 当然ながら、日本人の一人として、不快感をおぼえました。ただ、それは、さほど意外性のある「不快感」ではありませんでした。
 つい先週にも、岡山で低空飛行していた米軍機が、民家の土蔵を破壊したという事件がありました。
 他にも、群馬県など全国各地で、米軍の訓練が日本人の生活をおびやかしています。何年か前には、いきなり出会った米兵に殺された主婦やタクシー運転手もいました。

 そして、その最大の被害者は、メア氏が最も侮蔑していた沖縄県民です。しばらく前に米兵によるひき逃げが発生した際、犯人は「夜に道を歩いていたほうが悪い」などと公言していました。
 かつては犯罪を犯した米兵がそのまま基地に逃げこみ、「治外法権」で逮捕もされずに帰国した、などという事もありました。
 大学校舎にヘリコプターが墜落した事件において、大学側は「米軍機を学校上空に飛ばすな」と要請していますが、完全に無視されています。
 そして、現在、ヘリパッド反対運動が起きている高江では、米軍ヘリが超低空飛行を行って、反対派を脅かしています。
 なお、被害は「犯罪」「事件」に限りません。一年程前、沖縄に行って高速道路を車で走っていたら、「実弾訓練中注意」などと出ていました。公道を走る際にも、米軍の演習が優先される、というのが沖縄の日常なのです。
 少なくとも、日本人、特に沖縄県民をまともな人間だと思っていれば、これらの事はできないでしょう。
 つまり、在日米軍のやっている事と、この発言には極めて強い整合性があるわけです。したがって、発言を読んだときは「まさかこんな事を言うとは」という驚きは一切なく、「やはりこう思っていたんだ」という感想しか持てませんでした。