多国籍軍参加の「説明」

 アメリカで「ご主人」に対して多国籍軍参加を明言した首相が、遅ればせながら日本で多国籍軍参加の「説明」をしました。その説明によると、司令部の指揮下には入らず(中略)人道復興支援活動等を行う。この点は多国籍軍及び統合された司令部の主要な構成国である米英両政府との間で了解に達している。との事。マスコミもそのまま報道しています。
 ところが、野党との党首会談ではこの「了解」は「口頭でしかるべき人に了解を得た」などという、いい加減極まりない「了解」である事が判明しています(参考・民主党サイト共産党サイト)。別にこんなの軍事機密でもないでしょうから、本当に「了解」を得ているなら、具体的に話せるはずです。
 まあ、現在派兵中の自衛隊についても、「独立している」みたいに言いながら、連合統治任務軍のサイトには「自衛隊は英国の指揮下」とあった、と書かれていた、という事がありました。今回もおそらく同様のオチなのでしょう。

 さらにすごいのは、自衛隊参加が憲法の枠内と判断する根拠を問われた首相が、「今までの活動を停止することがイラクの国民に喜ばれるか」と答えた事です。自衛隊が輸送した米軍が、イラクでいかに残虐な事をやり、その結果、荷担した日本の評価がイラクでどうなったのか、という事はここ数ヶ月の事件から明らかです。にもかかわらず、よくもそんな事を言えるものです。なんで正直に「イラク国民のため」などと露骨な嘘をつかず「今までの活動を停止する事がアメリカ政府に喜ばれるか」と本音を語らないのでしょうか。

 かつてヒトラーは「嘘も何回も繰り返せば真実になる」と言ったそうです。もしかすると、首相はそれを意識してこのような嘘をつき続けるのでしょうか。実際に首相をはじめとする政府筋の嘘を無批判に報じつづけるマスコミによって、「嘘が真実になる」事例が4月にもありました。この状況を見ると、今の日本がそのような方向に着々と進んでいるようで、非常に不安になります。