社風?

 読売新聞の渡辺社長が、自分の計画する「プロ野球再建案」に疑問を呈した、古田選手会長を「バカ」呼ばわりしました。世の中多種多様の意見があり、その中には自分の考えと正反対の意見もあるでしょう。しかし、言論機関にいる人間が反対意見を言う人を「バカ」と言うのはいかがなものでしょうか。ちなみに、対立意見に対する具体的な反駁は特にありません。「自分のやり方が絶対正しいのだから、反対者はバカだ」という論法(?)です。

 一方、18日の読売新聞は、『国を愛する心』でなぜいけないという社説を掲載しています。
 表題から分かるように、現在進められている「愛国心教育」を推進しようとする文章です。やれ「中教審答申」だの「現在の学習指導要領」だの「国民の祝日に関する法律の建国記念日の部分」だのを持ち出して、愛国心の涵養(かんよう)は、国家主義とはまったく別の問題なのだ。と結論付けています。いくら「愛国心導入勢力」の「成果」を羅列したところで、そのような「結論」は導き出せないと思うのですが。だいたい、この論説委員氏が引用した文章のどこにも「国家主義との相違点」など書いてありません。
 さらに、60年前のアジア侵略を元に「日の丸」「君が代」を批判する人々は一部のイデオロギー勢力と切り捨てています。社長ほど露骨ではないですが、「そんなバカは相手にする必要がない」という意味なのでしょう。
 まあ、好意的に解釈すれば、社長と論説委員のものの考え方が極めて似通っている意思疎通の優れた会社と言えるのでしょう。ついでに言うと、我が家にいらっしゃる読売関係者の方の、こちらの断りすら許さないような一方的なしゃべりも、この社長の談話や論説委員氏に通じるものがあります。グループ全体の意思統一が優れていると言えるのかもしれません。

 なお、当サイトでは「愛国心教育」に関する長文を戦前の「愛国心」は現在に通用するのか「愛国心」と「公徳心」としてまとめてあります。よろしければ、ご覧いただければ幸いです。

社風?」への1件のフィードバック

  1. ナベツネはこの国の縮図

    巨人の渡邊オーナーの発言が(いつものように)物議をかもしています。 いつものことで、選挙前にそんな場合じゃないよ・・・と思う反面、常々このプロ野球機構あるいはその中心人物である「ナベツネじいさん」の存在・発言が、この国の政治ひいては社会の縮図を見る思い…

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