今年を表す漢字

 毎年、この時期になると、「今年を表す漢字」なるものが発表されます。
 何でも、今年は「輪」だったそうです。単に、東京での五輪開催が決まったから、という極めて安直な理由です。開催される七年後もやはり「輪」にするつもりでしょうか。
 まあ、一年を一つの感じで表せる、などという発想自体が思慮不足なのでしょう。この一年、色々な事がありました。趣味レベルでは楽しいこともありましたし、嬉しい出会いや再会もありました。

 しかしながら、全体を通して見ると、やはり政治・経済の悪化の顕著さを感じさせられた一年でした。
 公約違反を連発し、一部の層ばかりを優遇する経済政策を続ける政権および、それを持ち上げ続けた報道には、毎年のことながら呆れました。
 今働いている職場の近所でも、毎月かならずどこかの店が潰れます。そんななか、「アベノミクス効果で景気回復」などと宣伝しているマスコミを見ると、大本営発表の再来としか思えません。
 そしてとどめは、先日の特定秘密保護法の強行採決です。これも、自民党の公約にありませんでした。にも関わらず、民主政治のルールにのっとらない手法で強引に違憲の法律を造りました。
 それを後押ししたのは、「決められる政治」だの「ねじれ解消」だのと、現政権の危険性を加速させるような宣伝をし続けたマスコミでした。

 最初に書いたように、一年を漢字一文字で表す事自体が無意味です。ではありますが、もし「今年を表す漢字」なるものを制定するならば、やはり「嘘」になります。
 政治業者および彼らに美味しいものを奢られて追従記事を書く商業マスコミの「嘘」にさんざっぱら呆れさせられた年でありますので…。
 もっとも、これは昨年もそうでした。そして、この流れが続けば、来年もそうなるでしょう。
 もちろん、そんな年が続けば続くほど、この国は転がり落ちる一方でしょう。何とか、それを止めるきっかけを作らねば、と強く思いました。