「賞」が落選

 写真家の森住卓さんが。第51回産経児童出版文化賞を辞退したそうです。森住さんの報道姿勢からすれば、当然の事でしょう。
 したがって、森住さんが「辞退」した事には驚きませんでしたが、産経新聞社が森住さんに賞を出していた事にはかなり驚きました。イラクで日本人が拘束された事件の際に、森住さんのルポを漫画化した「汚れた弾丸」について、ヒューマニズムの皮をかぶった反米・反日書であるなどと、右翼団体の張り紙かと見間違うような内容の「書評」を掲載していたからです。
 この書評を書いた人が、ちゃんと5月5日の「産経児童出版文化賞」発表日に、審査委員に対し、「ヒューマニズムの皮をかぶった反米・反日書の著者を選ぶとは」などと批判の論陣(?)を張ったかどうかは興味深いところです。ついでに言えば、今の「米英兵残虐行為」の報道に対しても、「反米・反日報道」などと憤っているのでしょうか。
 基本的に「賞」というものは、発行する側が受賞者を選ぶわけです。しかし、今回の「産経児童出版文化賞」については、森住さんが発行社を「賞」にふさわしくないと「落選」させた、という表現がふさわしいのかな、と思いました。