関西電力の記者発表

 福井県の美浜原発で蒸気漏れが発生し。9日時点で4人が死亡したそうです。
 私は、原子力発電の構造などは知らないので、この事故の起きた原因などは報道を読んでもよくわかりません。ただ、関西電力のサイトの記者発表を見た結果、どういう姿勢で原子力発電の安全管理を行っているかは良く分かりました。
 記者発表文の見出しは「美浜発電所3号機の原子炉自動停止について」となっています。なんか「事故があっても自動的に原子炉は止まる」と安全性を宣伝しているかのようです。自動停止機能の作動などに関係なく、4人もの命が失われたわけです。しかも、その死亡事故の部分の発表の仕方は、被災者11名のうち、8名については、救急車にて敦賀市民病院に搬送しました。(4名は死亡、1名は県立福井病院へへリコプターにて転送(同病院で治療中)、1名は国立福井大学医学部付属病院へ救急車にて転送、2名は同病院にて治療中)、他の3名については国立福井病院に搬送しました。というもの。「どの病院に搬送したか」の一部分として取り扱っています。
 これだけの事故が起こしながら、いかに「4人死んだ事を目立たせずに発表するか」かを意識した姑息な表現だらけ。「体面>人命」という姿勢が明らかです。
 原子力発電所での従業員に対する姿勢がこうですから、周辺住民の人命に対する姿勢も推して知るべしなのでしょうね。

 なお、関西電力のサイトでは、原子力発電宣伝の一環として、原子力発電所の安全運転~それを守る運転員の声~というページがあります。確かに労働者は真面目に働いているのでしょう。しかし、その労働に対する評価が「自動停止>11人被災>4人死亡」ではたまったものではありません。
 また、今回の事故により、「このような作業員の姿をいくら紹介しても、原子力発電所の信頼性とは何ら関係ない」という事もよくわかりました。