「公正」の基準

 番組改変で問題になった、「女性国際戦犯法廷」について、当時者の安倍氏・中川氏はもちろん、右よりのマスコミが「公正ではない」と批判しています。ただ、その批判を見ると、「その裁判では当時の国際法に基づいて、日本や天皇の行為を裁いているが、その判決の○○は国際法上、明らかに誤っている」というように、「裁判」を正面から批判しているものではありません。
 その代わりに「昭和天皇に有罪判決を出した」とか「北朝鮮の人も加わっている。あれは工作員だ(※工作員である具体的証拠の提示はなし)」などと、読者・視聴者の感情を刺激するような語句を連ねて、「不公正だ」と決め付けています。
 また、安倍氏は何度もTV出演をして、自分の正当性を主張しています。ある番組に至っては、司会者は、万が一にも安倍氏に「失言」が出ないよう、細やかな気遣いのもとに質問していました。
 それらのマスコミは、放映されなかった番組の内容や、「女性国際戦犯法廷」を「不公平だ」と批判しています。しかしながら、これらの論調や司会者の態度を見ると、彼らのも十分「安倍氏に偏った報道」をしています。報道される量も、安倍氏・NHK側に比べ、「女性国際戦犯法廷」側の主張の類は、ほとんど見られません。
 もっとも、安倍氏・NHKの主張が出れば出るほど、NHKと自民党の密着ぶり、並びに彼らがそれを当然と認識している事が伝わってくる、という皮肉な結果にもなってはいますが。
 NHKにせよ、安倍氏・NHK側に立つマスコミにせよ、彼らにとっての「公正」の条件はまず第一に「自民党政府に認められる事」なのだろうか、と思いながら「安倍氏側に偏った報道」を見ています。

「公正」の基準」への1件のフィードバック

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    社説:NHK特集番組 問題点を整理する必要がある 毎日 21日付
    、、、、放送直前、NHKの番組編集や報道を統括する放送総局長が安倍氏と会い、番組内容を説…

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