悪質な業者

 とある大手サラ金業者のサイトを見たら、右下に!ご注意!悪質な業者に注意してくださいというかなり目立つ画像がありました。クリックしてみると、その会社であるかのように装い、TV広告に出てくる「犬」や「社の制服を着た女性」を使ったチラシを使った例や、社名の「フ」を「プ」にしてその業者のように見せかけている例が記載されていました。
 確かに、「名を騙る」という点においては、この大手サラ金業者より「悪質」ではありません。しかし一方で、この大手業者のサイトの金利についての説明を見ると、利息制限法を上回る利率が記載されています。さらに言うと、そこの系列会社が取り立てた利息制限法を上回る利息について、本日の最高裁が支払いは原則無効との判断を下したそうです。
 「悪質」の線引きは難しいのですが、やはり「法律を守っているか否か」というのはかなり重要な判断基準でしょう。そうなると、この大手サラ金業者はどういう質の業者に分類すべきなのでしょうか。

 ところで、TVに氾濫している大手サラ金業者の広告は、最近、「ご利用は計画的に」を前面に押し出しています。「利用者の味方」を宣伝する意図なのでしょう。ならば、それに続いて、「悪質な業者に注意してください」編も作ればいいのではないでしょうか。もちろんそこには、「名を騙る例」のみならず、「法律で定められた以上の利息を取る例」も出てくるわけです。
 ついでに、TV広告の「計画的に」というやつは、借金とあまり関係のない、非現実的な「計画的な行動をしなかったために失敗した例」が微笑ましく描かれるものしかありません。これも、「取立ての電話が職場にかかって詰問される」だの「家に押しかけられて子供が脅される」などという現実的な「計画的でなかった例」に改めたほうが、より利用者にとっては「良質な」広告になるのではないでしょうか。