カテゴリー別アーカイブ: 憲法

時代の流れは9条改憲?

 商業マスコミなどの「9条改憲論調」を見ると、憲法9条は時代の流れにあっていない、という事を主張点にしています。で、その時代の流れにあわせて何をすべきかというと、アメリカの世界戦略にあわせて、日本も自衛隊を米軍の下で世界に派兵する体制を作る、となるわけです。
 つまり、時代は、「アメリカの世界戦略に軍事貢献する」という形で流れている、というのが主張の前提となっています。ではなぜ、憲法を変えて軍事貢献までしてアメリカの世界戦略につきあわねばならない「時代」に日本はなったのでしょうか。
 ところが、そのあたりになると、そのマスコミの主張は明快でなくなります。「日米同盟が国際的に重要なのは自明」とか「アメリカの軍事力の下で経済発展をした日本が戦略を一にするのは、当然の事」などと、「是非について国民は考える必要すらない」という論調になるのです。そしてその「日米同盟絶対時代」にあわない憲法9条を変えようと主張しています。

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何が「主」の憲法草案?

 自民党の憲法草案が発表されました。草案の「前文」冒頭に日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定するあるのを受けて、「日本国民が自らの意思で初めて制定した憲法」だと、あたかも「自主憲法」の草案であるように誉めていた新聞がありました。
 アメリカの政府高官は、最近とみに露骨に改憲を期待する発言をするようになっています。ところが、それに対して「内政干渉だ」などと批判する事はこの党にはありません。その代わりに、党幹部がアメリカでイラク侵略を絶賛し、彼のような人が将来、首相として日本の憲法改正に尽力することを期待しているというお褒めの言葉をいただいている、というのが現状です。
 そのような事実はいっさい書かずに、「民主的な自主憲法草案」であるかと論評するわけです。その「なぜか報道されない部分」からも、この憲法草案の本質が伝わってきます。
 ところで、この草案が発表された翌日に、「在日米軍再編の中間報告」と題して、「自衛隊との一体化」方針が発表されました。アメリカ軍の世界戦略に自衛隊がより密接に協力するという、「新憲法」を先取りするかのような内容です。この二つが相次いで発表されたのは何らかの意図でもあるのでは、と思えてきます。

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反対意見を封じるための法案

 改憲のための「国民投票法案」の成立に向けて自民・公明の議員が動いているそうです。この法案がどんなものかについては、「憲法調査推進議員連盟」(改憲議連)のサイトにも載っていないません。しかし、平和を実現するキリスト者ネットというサイトに載っていた憲法改正国民投票法案情報などを見ると、その異常さに驚かされます。
 なにしろマスコミは改憲案の論評や批判は厳しく禁じられるにもかかわらず、マスコミに憲法改正の広告を記載させる行為は規制の対象にならないなどと、実質的に巨額の広告費を出す事により、マスコミに出る情報は、自分達の意見にあうものばかりになるようにしています。
 さらに、公務員の運動は事実上、禁止だの重い「国民投票妨害罪」を設ける(演説や文書による扇動罪も設ける)だのと、反対運動になりうるものは、激しく規制しています。その一方で、なうえに、重大な違反があっても告発は30日以内までなどと、仮に不正行為が行われても、告発しにくい仕組みを作っています。

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