前市長が就任してからの12年間で、千葉市は税金を330億円使って大型開発を行いました。
その象徴と言えるのが、稲毛海浜公園の「白い砂浜」です。
この公園は、かつて黒砂海岸と呼ばれていたところを埋め立てて造られました。
そして、千葉市の海辺と言えば、近所にある野球場の試合が「風で中止」になるほどの強風地帯です。
そのようなところに、オーストラリアから8億円かけて白砂を輸入し、2億円の工事費をかけて敷き詰めました。
現場にある、千葉市が設置した海岸によると、2020年5月の時点では、白い砂浜になったそうです。
しかし、千葉市名物の強風により、その白砂は風で吹き飛んでしまいました。こちらは、2021年1月に撮影した写真です。
千葉市の説明によると、雨上がりなどになると、くすんだ色になる、などと書かれています。しかし、それは事実ではありません。無理やり入れた白砂は今でも真っ白ですが、本来の「黒砂海岸」の部分が黒いだけです。この写真を見れば明らかです。
結果を見れば、10億円の税金が風で吹き飛んだと言わざるをえません。これまで、様々な税金の無駄が問題になりましたが、ここまで酷い例は、日本の歴史でもなかなかないでしょう。
さらに驚くべきことに、これに懲りず、さらに稲毛海浜公園に5億円以上かけて、「海に伸びるウッドデッキ」を建設中です。
ちなみに、5億円あれば、千葉市の中学生以下の子ども医療費を一年間無料にできます。どちらに税金を使うべきか、明らかではないでしょうか。(参考う・子ども医療費問題について)
千葉市は前市長になっての12年間で、大型開発に335億円の税金を使ってきました。一方で、福祉関係で363億円をカットしてきました。
つまり、市民負担を増やし、市民サービスを削減して、それとほぼ同額を大型開発につぎ込んできたわけです。
その大型開発によって、千葉市民に何かいい事があったのでしょうか。
稲毛海浜公園に行ったとき、市民が浜辺を散策して楽しんでいました。市民が海辺を楽しむのに、白い砂もウッドデッキも必要はありません。
観光客を呼ぶという名目があるのかもしれません。しかし、東京などに住む人が千葉で海を楽しみたいなら、内房・外房・銚子などの、自然豊かな海岸に行きます。ウッドデッキで海を見たければお台場などに行くでしょう。
こんな事に税金を使うのでしたら、そのお金を、子ども医療費無料化・公立保育所の維持・市立病院の拡充・少人数学級の推進などに使うべきです。
しかし、先日の候補者ZOOM対談において他の二人の方は、前市政の大型開発路線を変えるつもりはないと明言していました。前市長の後継者は「千葉市にはもっと開発ができるところがある」とまで言っていました。
もちろん、自分は大型開発を見直します。それによって生じた財源を市民生活・市民サービスにあてます。
具体的にはPCR検査の大幅拡充・子ども医療費無料化・市立病院の病床拡充・公立保育所を維持する・少人数学級に向けて正規雇用の教員を増やす、などです。
なお、3月の市長選告示前に、再度現場に行って、動画を撮影してきました。波に運ばれたのか、浜辺には黒い砂利でいっぱいでした。改めて、ここを「白い砂浜」にしようとしたことが、根本的に間違っていたと痛感しました。(動画・これでいいのか?千葉市の大型開発 税金8億円をかけて白砂を入れた稲毛海浜公園に行きました。)